ロングテールキーワードとは? ツールを使った探し方や選び方のコツ
ロングテールキーワードとは、3〜4単語ほどで構成されるキーワードのことです。特徴としては、検索数や競合ページが少ない点が挙げられます。比較的、検索結果で上位表示することが容易であるため、WEBサイトを立ち上げたばかりの初心者でも効果をえやすいキーワードでもあります。
そんなロングテールキーワードですが、上手に自社サイトに取り入れることで、コンバージョン率の改善やSEO評価の上昇につながるケースがあります。自社サイトの環境を考慮のうえで、「どのようなロングテールキーワードが効果的か」を考えて記事化していくことが大切です。
ロングテールキーワードとは
ロングテールキーワードとは、複数のワードを組み合わせていて、かつ検索ボリュームが少なめのキーワードのことです。一般的には、3つ以上のキーワードで構成されることから、検索ボリュームとともに競合ページが少ない傾向にあります。また、ロングキーワードは、スモールキーワード、またはニッチキーワードとも呼ばれます。
ロングテールキーワードは、一般的なキーワードと比較して、検索結果で上位表示しやすい特徴を持ちます。さらに、コンバージョン率が高いことも魅力的な点です。
ロングテールキーワードの検索ボリューム
ロングテールキーワードは、検索意図を具体化している反面、検索ボリュームが少なめになる傾向にあります。そして、ロングテールキーワードに対して、検索ボリュームが大きめのキーワードのことをビッグキーワード、ミドルキーワードといいます。イメージとしては、下記表のとおりです。
キーワードの種類 | 検索数 | 競合数 | 難易度 |
---|---|---|---|
ビッグキーワード | 多い | 多い | 高い |
ミドルキーワード | ふつう | ふつう | ふつう |
ロングテールキーワード | 少ない | 少ない | 低い |
ビッグキーワードは、検索ボリュームと競合ページがともに多く、検索結果の上位表示が困難なキーワードです。たとえば、「化粧水」といった単一のキーワードが該当します。これに対して、ミドルキーワードでは、「化粧水 メンズ」といった具合にキーワードを細分化していきます。さらに、ロングテールキーワードでは「化粧品 メンズ ニキビ」と、キーワードに具体性を持たせていきます。この事例の検索ボリュームと競合数を調べると、下記のような調査結果をえられます。
キーワード | 検索数/月間 | 競合数/月間 |
---|---|---|
化粧水 | 74,000回 | 63,500,000ページ |
化粧水 メンズ | 8,100回 | 22,400,000ページ |
化粧水 メンズ ニキビ | 390回 | 3,600,000ページ |
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ロングテールSEOとは
ロングテールSEOとは、ロングテールキーワードを用いてWEBページを作ることで、サイト全体の評価を高める戦略のことです。狙ったキーワードの競合ページも少なく、立ち上げて間もないWEBサイトでも効果を実感できる手法となります。
SEO評価の1つとして、網羅性という概念があります。Google検索エンジンは、キーワードの関連情報が多いWEBサイトに対して、「専門性が高いサイト」と評価します。その一方で、ロングテールキーワードを狙ったWEBページは、検索上位に表示しやすく、アクセス実績を積み重ねやすいという利点があります。そのため、ロングテールSEOは、キーワードを網羅する戦略として効果があります。
ロングテールキーワードを狙うメリット
ロングテールキーワードを採用する利点は、主に次のとおりです。
- オリジナルコンテンツを作りやすい
- 競合ページが少ない
- コンバージョン率が高い
オリジナルコンテンツを作やすい
ロングテールキーワードを採用すると、オリジナルのコンテンツを作りやすい傾向があります。
ロングテールキーワードは、メインキーワードを具体化した姿です。そのため、検索ユーザーの属性や検索背景をすくい取りやすく、容易に検索意図を推察できます。検索意図を把握したうえで、ページを作成すると、読む価値が高い記事に仕上がりやすくなります。
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さらにいうと、ロングキーワードを用いるということは、ニッチで特殊なネタを扱うことと同義です。そのため、場合によっては、ページタイトル自体がオリジナルコンテンツ化するケースさえあります。
競合ページが少ない
ロングテールキーワードを用いると、競合ページが少ないという利点があります。競合が少ないということは、検索結果で上位表示されやすくなります。つまり、ロングテールキーワードのテーマにおいては、アクセスを独占できるということです。
とくに、競合ページに埋もれがちな立ち上げたばかりのWEBサイトでも効果を実感できます。確実なアクセス流入を見込めることから、LP(ランディングページ)として利用するなど、WEBサイト運用の戦略の幅が広がります。
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コンバージョン率が高い
ロングテールキーワードで獲得したアクセスは、コンバージョン率(CVR)が高くなります。理由は、具体的なキーワードで検索するユーザーには、明確な目的意識があるからです。
たとえば、「化粧水 メンズ ニキビ」と検索した人がいたとします。この人には、次のような検索意図があると推測できます。
- ニキビに効くメンズ用の化粧水に関する情報を知りたい
- メンズ用の化粧水を購入して、ニキビを治したい
この検索意図には、商品購入という目的意識があると仮説を立てられます。
さらに、仮に自社で、このニーズに合致している化粧水を販売しているとします。このケースでは、「化粧水 メンズ ニキビ」をキーワードにしたWEBサイト、またはLPを設置することで、自社商品の販売効率を高めるきっかけになりえます。
ロングテールキーワードを狙ううえでの注意点
ロングテールキーワードを扱ううえでは、次のような点に注意してください。
- 検索ボリュームが少ない
- カニバリゼーションを起こしがち
- コンテンツディレクターの負担が増える
検索ボリュームが少ない
ロングテールキーワードは、検索ボリュームが少なく、原則的には大きなアクセス流入を見込めません。
また、調査不足のままでページを作りはじめないように注意してください。場合によっては、検索ニーズがないキーワードでページを作成することになります。結果として、検索エンジンの流入をえられないという事態に陥ることがあります。
カニバリゼーションを起こしがち
ロングテールキーワードを狙った記事が増えてくると、カニバリゼーションと呼ばれる現象が発生するリスクがあります。
カニバリゼーションとは、サイト内のページ同士で競合する現象のことです。カニバリゼーションを起こすと、検索結果に表示したいページとは別のページが表示されてしまう不都合が起きます。
関連記事:カニバリゼーションとは
コンテンツディレクターの負担が増える
ロングテールキーワードを狙ったページを作ると、サイト内の総記事数が膨れ上がりますので、コンテンツディレクターの負担が増えます。さらに、コンテンツディレクターのキャパシティを超えて、適切に記事を管理できなくなると、WEBサイトの構成が破綻をきたすことさえあります。
WEBサイトを管理するうえでは、トップページからすべてのページに3クリック以内で到達できる状態を保つことが大切です。しかし、サイト構成が破綻すると、そもそもトップページから到達できない行方不明の記事が出現することもあります。
このほか、同じテーマのページを複数作成してしまうと、重複コンテンツを生み出すきっかけになりますので注意してください。
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ロングテールキーワードの探し方
ロングテールキーワードを探す際は、検索ボリュームを調査できるSEOツールを利用します。具体的な手順は、下記のとおりです。
- 注力するキーワードを決める
- 検索ボリュームを調査する
- ページ作成の優先度を決める
1.注力するキーワードを決める
WEBサイトのテーマを考慮して、注力するキーワードを決めます。このときに決めるキーワードは、サイトテーマ(メインキーワード)に対する、関連キーワードのことです。
たとえば、化粧水をテーマにしたWEB情報サイトを運営していたとします。このときにピックアップする関連キーワードの1つとして、「メンズ」が挙げられます。注力するミドルキーワードとして「化粧水 メンズ」に決定しました。
2.検索ボリュームを調査する
次にSEOツールを利用して、検索ボリュームを調査していきます。今回は、「化粧水 メンズ」に対する関連キーワードと検索ボリュームを調べます。そのところ、下記のような調査結果をえました。
キーワード | 検索数/月間 |
---|---|
化粧水 メンズ おすすめ | 6600回 |
化粧水 メンズ オールインワン | 2400回 |
化粧水 メンズ 40代 | 720回 |
化粧水 メンズ 30代 | 320回 |
化粧水 メンズ ニキビケア | 70回 |
上記はあくまでも一例ですが、このときに候補に上がったすべてのキーワードを作成すると、ミドルキーワード「化粧水 メンズ」の網羅に近づきます。
3.ページ作成の優先度を決める
「化粧水 メンズ」を網羅するために必要な記事がわかりましたので、作成するページの優先度を決めていきます。サイト運用の目的に合わせて、優先して記事化するロングテールキーワードをピックアップしてください。
ツールを利用した検索ボリュームの調べ方
キーワードの検索ボリュームを調べる際は、SEOツールを利用します。キーワードを調査できるツールには、次のようなものがあります。
- キーワードプランナー
- ubersuggest(ウーバーサジェスト)
キーワードプランナーの使い方
キーワードプランナーとは、キーワードの検索ボリュームを調査できるSEOツールです。もともとは、Google広告というツールがあり、その機能の一部として利用できます。キーワードプランナーを使って検索ボリュームを調べる方法は、次のとおりです。
- キーワードプランナーにアクセスしてログインする
- 「新しいキーワードを見つける」を選択する
- 「キーワードから開始」のフォームに、調査するキーワードを入力して「結果を表示」をクリックする
引用:キーワードプランナー
この時点で、関連キーワードの一覧と月間の平均検索ボリュームを閲覧できます。ロングテールキーワードを狙う場合は、検索数が少なめのワードをピックアップしてください。
関連記事:Googleキーワードプランナーの使い方をわかりやすく解説
ubersuggest(ウーバーサジェスト)の使い方
ubersuggest(ウーバーサジェスト)は、検索ボリュームとともに、競合調査の機能を兼ね備えたSEOツールです。使い方は、下記のとおりです。
- ubersuggestにアクセスしてログインします
- 左メニューの「キーワードリサーチ」→「キーワード概要」をクリックします
- 「キーワード概要の詳細を得る」のフォームに調査するキーワードを入力して、「検索」をクリックします
引用:ubersuggest
結果画面が表示されますので、スクロールして各種データをチェックしてください。キーワード候補と検索ボリュームのほか、コンテンツ候補として、競合ページの情報を閲覧できます。
効果的なロングテールキーワードの選び方
ロングテールキーワードを選ぶにあたり、いくつかポイントがあります。効果的なロングテールキーワードをピックアップするコツは下記のとおりです。
- 明確にロングテールキーワードを定義づける
- サイトやディレクトリ構造を徹底管理する
- サイトのメインキーワードを底上げするキーワードを選ぶ
- サイト運営の目的と相性がよいキーワードを選ぶ
明確にロングテールキーワードを定義づける
検索ボリュームやSEO難易度を切り口に、ロングテールキーワードを定義づけてください。たとえば、「検索ボリューム=1000以下で、3単語以上で構成されるキーワード」といった具合にサイト運営の関係者の間で共通認識とすることが大切です。
そもそも、一般的にロングテールキーワードには、明確な定義がありません。しかし、サイト運営の関係者の間でロングテールキーワードに対する齟齬が生まれると、トラブルに発展する可能性がありますので注意してください。トラブルの一例として、ロングテールキーワードを抽出する作業者によって、ピックアップするキーワードの統一感が損なわれるといったケースが挙げられます。
サイトやディレクトリ構造を徹底管理する
ロングテールキーワードで記事を作る場合は、サイトやディレクトリ構造を徹底管理してください。サイト構成の管理を怠ると、同じようなテーマの記事を作成してしまい、重複コンテンツが発生するといった事故の原因になります。
そこで、まずはタスクを管理するための資料を用意します。タスク管理の資料としては、Googleスプレッドシートにまとめていく方法があります。たとえば、次のような項目を設定します。
- ページタイトル
- 優先度
- 記事公開の予定日
- 記事の内容
- 記事URL
このような項目をシートに落とし込みます。
タスク管理の資料を作成することで、作業スケジュールとサイト構造を同時に管理できます。新たなキーワードを追加する際も、新記事が「サイトのなかでどのような役割を担うのか」を一目瞭然で判別できます。
サイト運営の目的と相性がよいキーワードを選ぶ
ロングテールキーワードを選ぶ際は、サイト運営の目的に合わせて、相性がよいキーワードを検討してください。そもそも、ロングテールキーワードを取り入れる狙いは、主に2つあります。
- 特定のキーワードを強化する
- コンバージョン率を高める
このうち、狙いが前者であれば、注力するキーワードに関連するロングテールキーワードを選びます。たとえば、「化粧水 メンズ」のカテゴリを強化したいのであれば、「化粧水 メンズ 使い方」「化粧水 メンズ 風呂上がり」など、一緒に検索されるキーワードを網羅していきます。
後者が狙いであれば、検索意図に行動目的が含まれるキーワードを選びます。たとえば、自社商品が化粧水を販売していたとします。そのため、「化粧水 メンズ ニキビケア」「化粧水 メンズ おすすめ」「化粧水 メンズ (※商品名)」など、購入意思を感じさせるキーワードを軸にピックアップします。
ロングテールキーワードのよくある質問
ロングテールキーワードに関する、よくある質問をまとめています。
Q:ロングテールキーワードの反対の用語は?
Answer)ロングテールキーワードの反対にあたる用語は、ビッグキーワードです。
ロングテールキーワードは、検索数と競合ページが少ないことが特徴です。対して、ビッグキーワードは、検索数と競合ページが多くなります。ビッグキーワードは、SEO難易度が高いものの、リターンが大きいキーワードです。
Q:初心者でもロングテールキーワードを扱えますか?
Answer)ロングテールキーワードは、初心者向きのキーワードと捉えられます。その理由として、ロングテールキーワードで作る記事は、競合ページが少ないことが挙げられます。つまり、立ち上げて間もないWEBサイトでも効果を実感しやすい傾向にあります。
Q:ロングテールキーワードは、どのように言い替えられますか?
Answer)スモールキーワードやニッチキーワードと言い替えられます。
Q:どの程度の検索ボリュームがロングテールキーワードになりますか?
Answer)ロングテールキーワードに明確な定義はありません。サイト規模やキーワードのジャンルによって相場が変動します。
たとえば、ビッグキーワードで数万〜数十万程度のジャンルであれば、数十〜数百程度がロングテールキーワードとして扱われがちです。
なかには、検索数が少ない単体キーワードをロングテールキーワードとして扱われるケースも間々みられます。ただし、この場合は、「複数ワード」という概念がありません。そのため、ロングテールキーワードの特徴でもある、検索意図の具体性に欠けますので注意してください。
Q:ロングテールキーワードの例を教えてください
Answer)ロングテールキーワードは、検索ボリュームが少なく、3〜4程度のワードで構成されるキーワードです。そのため、事例としては、「化粧水 メンズ ニキビケア おすすめ」や「化粧水 メンズ 風呂上がり」といったキーワードが挙げられます。
Q:ロングテールキーワードを見つけられるツールは?
Answer)キーワードプランナーやubersuggestでロングテールキーワードを探せます。
キーワードプランナーやubersuggestでは、関連キーワードや検索ボリュームを調査できます。そのため、厳密には、ツールでキーワードを絞り込み検索して、その結果から効果的なロングテールキーワードをピックアップしていくことになります。
まとめ