Whoisで確認できる情報とは?Whoisの検索方法や注意点を解説
インターネットが普及している現代では、インターネットトラブルも多く発生しています。そこで欠かせないのが、ネットワーク管理を目的としたWhoisの利用です。
Whoisとは
Whoisとは、インターネットレジストリが管理するインターネット資源の登録情報を提供するサービスです。インターネットに接続できる人なら誰でも利用ができ、IPアドレスやAS番号の割り振り・割り当てやドメイン名の登録に関する情報を確認することができます。
Whoisはインターネット上で技術的なトラブルが発生した際に、相手の連絡先情報を入手し自律的に問題を解決するために構築されました。 インターネットでのトラブルは、基本的には利用者個人で解決する必要があるため、Whoisについて理解しておくことは重要です。
Whoisの歴史
Whoisは、1982年にインターネットの技術標準に関して記述されている文書の一つであるRFC812によって、初めて技術的仕様や運用規則等が定められました。
当初は、記述的な問題発生の際の連絡のために利用されていましたが、今ではインターネットの利用の拡大とともに使われ方も多様化しています。
日本では、1993年にJPNIC(日本ネットワークインフォメーションセンター)がWhoisによる情報提供サービスを始めました、現在は、JPドメイン名に関してはJPRS(株式会社日本レジストリサービス)、IPアドレスに関してはJPNICがサービス提供を行っています。
Whoisの目的
Whoisの主な目的は、インターネット上で発生したトラブルを解決するためにトラブル発生もとへの連絡に必要な情報をインターネットユーザーに提供することでした。しかし、インターネットの普及に伴いWhoisの目的も多様化しています。
ドメイン名の申請や届け出時に、同一ドメイン名や類似ドメイン名の存在を確認する目的や、ドメイン名と商標などに関するトラブルの解決のためなども、事実上の目的に含まれるようになってきました。
その他にも、インターネットレジストリが適切に業務を遂行していることを外部から確認できるようにするなど、技術的問題にとどまらずネットワークの円滑な運用のためにWhoisは利用されています。
Whoisで公開される情報
では、Whoisでは具体的にどのような情報が提供されるのでしょうか?全てのドメイン発行元はドメイン情報を独占せず開示するように定められています。表示される内容はドメインの発行元によって異なりますが、主に次の3つの情報となります。
- IPアドレスに関する情報
- AS番号に関する情報
- 担当者に関する情報
それぞれの情報について見ていきます。
IPアドレスに関する情報
IPアドレスとは、スマホやパソコンなどのネットワーク上の機器に割り当てられるインターネット上の住所のようなものです。通信の相手先を識別するための番号で、WhoisではIPアドレスの割り当て先や割り振り先組織の情報を確認することができます。
具体的には、IPv4アドレス・IPv6アドレスの割り振り・割り当てに関する情報。割り振り・割り当て先のネットワーク名・組織名、担当者情報のID、逆引きDNSサーバ、割り当て年月日などが含まれます。
IPアドレスに関する情報から、不正アクセスしているのが誰か、どこの国からのアクセスなのか、IPアドレスのホスト名などサーバー監視を行う上で重要な情報を確認することができます。
AS番号に関する情報
AS番号とは、「自律システム」とも呼ばれインターネットを構成する個々の独立したネットワークに対して割り当てられている識別番号を指します。
Whoisでは、AS番号の割り当てに関する情報、割り当て先AS名、組織名、担当者情報のID、経路情報の受け入れ・広告ポリシー、割り当て年月日等を確認できるため、IPアドレス同様どこの国からのアクセスなどかを調査することができます。
ASに関しての情報を管理しているのは1ヵ所ではなく、管理区分によって管理している範囲が異なるので、複数箇所を調べる必要があります。
担当者に関する情報
Whoisでは、IPアドレスやAS番号などのインターネット上の割り当てに関する情報だけではなく、担当者に関する情報も公開されています。本来の目的である、トラブルが発生時の問題解決のためには、トラブル発生元の連絡先情報が必要となります。
IPアドレス、AS番号の割り振り・割り当てに関する担当者の情報が公開されているため、トラブル発生もとに連絡を取ることができます。個人の場合は担当者情報、グループの場合は担当グループ情報を登録しています。
担当者に関する情報には、担当者の氏名・グループ名、所属、メールアドレス、電話番号、FAX番号の連絡をする際に必要な情報が含まれます。
Whoisの検索方法
JPRSのWhoisには、次の2種類の検索方法があります。
- WHOIS Gatewayからの検索
- Whoisコマンドからの検索
WHOIS Gatewayからの検索の場合、検索画面から検索キーワードまたは検索タイプなどを指定して検索を行います。検索タイプを指定することで、より早く必要な情報に絞って検索することができます。
Whoisコマンドからの検索の場合は、whoisコマンドを使用し検索先ホストとして whois.nic.ad.jp を指定します。
しかし、Whoisコマンドからの検索はUNIXなどのwhoisコマンドが利用できる環境に限られ、一部利用できない検索方法もあります。入力方法や利用できない検索方法に関しては、JPRS WHOIS検索方法で確認することができます。
Whoisで検索する際の注意点
Whoisでは、IPアドレス登録者やドメイン登録者には一定の情報を提供することが義務付けられています。
しかし、一部のドメインを除いてドメイン登録時の本人確認が行われていなかったり、Whois代行サービスなどで代行者情報が登録されているなど、Whoisで提供される情報が必ずしも正しい情報であるとは限りません。
また、Whois情報がだれでも閲覧可能ですが、公開されている情報を営利目的での使用は禁止されています。ダイレクトメールや迷惑メールなど、プライバシー保護の観点から情報公開を希望しないケースも増えてきています。
Whoisの情報は変更可能
Whoisの情報は、管理権限がある人に限り変更や削除が可能です。一般的には、ドメインやIPアドレスを購入した会社に依頼する必要があります。
現在は、ユーザー自身が管理画面よりWhois情報を書き換えられるようになっているので、情報の変更があった際には速やかに変更をしておきましょう。
特に担当者情報が変更になった際は、円滑なネットワーク運用やトラブル回避のためにも情報のアップデートをしておくことが重要です。
まとめ