Webマーケティングの種類とは?具体的な施策や自社に合った手法など
一口にWebマーケティングといっても、その種類はさまざまです。Webに特化したマーケティングを「Webマーケティング」と言いますが、具体的にはどのような種類があるのでしょうか?
代表的な3種類のWebマーケティング手法
Webマーケティングは、大きく3種類に分類できます。それぞれの特徴や、メリット・デメリットについて紹介します。
1. SEO(検索エンジン最適化)
1つめは「SEO」です。「Search Engine Optimization」の略称で、日本語で「検索エンジン最適化」と呼びます。インターネットの検索結果で上位に表示させることで、サイトからの流入を増やし、おもに商品・サービスへの成約までつなげるマーケティング手法です。
Googleの検索順位は、200を超える検索アルゴリズムによって決まっています(Yahoo!もGoogleの検索アルゴリズムを使用しているので、ほぼ同等と考えて問題ありません)。
そのためSEOでは、Googleの検索エンジンに好まれるサイトをつくり、上位(主に1ページ目を指します)に表示させるようにさまざまな施策を実行します。
またSEOは、施策の違いによって「内部対策」と「外部対策」の2種類に分類可能です。
内部対策
「内部対策」とは、サイト内部を最適化し、Googleの検索エンジンから評価の高いサイトをつくることを指します。サイトマップやタグの調整など、技術的な対策が求められるものです。
代表的な内部対策について、次のとおりまとめています。
<代表的な内部対策>
対策 | 内容 |
h1タグ(タイトル)にキーワードを入れる | タイトルにキーワードを入れることで、Googleにコンテンツの内容を適切に伝える |
見出しタグ(h1~h5タグ)は若い順から使う | h1~h5タグまでは、若い数字が上に来るように設置する。たとえば、以下のようなコンテンツはダメな例。
<h1>〇〇</h2> <h3>▲▲</h3> <h2>■■</h2> ※h2タグよりもh3タグが上にあるため |
meta description(メタディスクリプション) | メタディスクリプションにわかりやすいようにコンテンツの要約を記載することで、検索エンジンに内容を伝える役割がある |
画像のalt属性に検索キーワードを含める | alt属性に正しく検索キーワードを入れることで、画像検索からサイトへ流入する機会が増える(ただし、ただキーワードを羅列することは、Googleは推奨していない) |
モバイルに対応したサイトにする | 現在のGoogleが重視している「モバイルユーザビリティ」に則り、パソコン・タブレット・スマホに対応できるサイトデザイン「レスポンシブウェブデザイン」にするのが主な対応 |
サイトの表示速度を上げる | サイトの表示速度は検索順位にも影響するため、読み込み速度を上げる対応が必須。画像や動画などの容量を圧縮、AMP対応、JavaScriptを1つのファイルにまとめる、など。
PageSpeed Insights(ページスピードインサイト)でサイトの表示速度を測定できる。 |
https化 | SSL化することでインターネット上の通信を暗号化し、個人情報やデータ改ざんなどを防ぐ |
AMP対応 | Accelerated Mobile Pagesで、モバイルページを高速で表示させる仕組みのこと。おもにブログや製品ページなどの静的コンテンツで効果を発揮する。
現在はプラグインを導入することで対応可能 |
このようにサイト内部で細かな施策を繰り返すことで、Googleの検索エンジンの評価を上げるようにします。ただし内部対策にはHTMLやCSSの知識も必要なものもあるので、専門の部署で対応したり、場合によってはホームページ管理会社に依頼したりする方法も考えられます。
関連記事: SEOの内部対策で最低限行うべき10個のチェックポイントをご紹介
外部対策
外部対策とは、良質な被リンクを獲得するための施策を指します。被リンクとは、外部のサイトに貼られた、自サイトのリンクです。検索順位の決定において、Googleはこの被リンクを非常に重視しており、外部対策はSEOの根幹となる施策ともいえます。
良質な被リンクに明確な定義はありませんが「Googleからの評価が高いサイトに自サイトのリンクを貼ってもらうこと」と認識していただいて大丈夫です。公的機関や大企業のサイトなどは、良質なサイトである可能性も高くなります。
良質な被リンクを獲得するには、次のような方法があります。
<良質な被リンクを獲得する方法>
- 誰かの悩みやわからないことを解決するコンテンツをつくる
- SNSで露出を増やして、リンクを貼ってもらう
- 事例紹介や取材記事でリンクを貼ってもらう
良質な被リンクを獲得する方法として、代表的なのは「良質なコンテンツをつくること」です。誰かの悩みを解決する「解決系の記事」や、有益な情報を提供する「ノウハウ系記事」は、良質なコンテンツであると他サイトでも紹介される機会が増えます。
ほかにも、SNSを駆使して露出を増やして適宜URLを貼ることで、リンクを拡散してくれることもあるのです。また少し特殊な方法としては、他社(者)の事例や取材記事をメディアに書いて、そのリンクを相手のメディアにも貼ってもらうことで被リンクを獲得する方法もあります。
関連記事: SEOあるある外部リンク対策「難しい外部対策とリンク獲得」
2. Web広告
インターネット上に表示される広告を「Web広告」といいます。SEOとは対で考えられることも多く、広告はサイト上にすぐ表示されるので、即効性のある手法として重宝されています。
一口にWeb広告といっても、その種類はさまざまです。そこで代表的なWeb広告について3つ紹介します。
リスティング広告
リスティング広告とは、特定のキーワードの検索結果において、一番上に表示される広告のことです。たとえば「冷蔵庫」と検索すれば、通常の検索結果(自然検索)の上に、広告のサイトが3つ掲載されています。
特定の検索キーワードを設定してその検索結果に表示させるため、自社が狙うターゲットにピンポイントで広告を打てるメリットがあります。
あらゆる年齢層に広告を打ってしまうチラシや電話広告などと異なり、あらかじめニーズが顕在化しているユーザーにアプローチできるのがリスティング広告の魅力です。
一方でリスティング広告は、検索結果に「広告」と表示されるため、意図して避けられる傾向があるのが難点です。そのため、タイトルとディスクリプションにユーザーを惹きつける訴求力をもたせるのが、リスティング広告で非常に重要になります。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリ上に表示される広告のことです。ディスプレイ広告はバナーで表示されることも多いため、別名「バナー広告」とも呼ばれます。
たとえばYahoo!のトップページでは、下の画像のようなディスプレイ広告が表示されていました。
ディスプレイ広告のメリットは、サイトやアプリに表示できるため、商品・サービスのニーズが明らかになっていない「潜在層」にもアプローチできる点です。特定の検索キーワードのもと、ニーズが明らかな「顕在層」を狙うリスティング広告とはすみ分けて使えます。
デメリットは、ユーザーから不快に思われる可能性がある点です。サイトを閲覧したいだけのユーザーにとって、サイトやアプリの一部を使って何度も同じ製品が紹介されると、悪い印象をもたれる可能性も考えられます。
リターゲティング広告
リターゲティング広告とは、一度Webサイトを訪問したユーザーに対して、離脱後も追跡して表示できる広告のことです。あなたも、一度訪問したサイトの商品・サービスが、ニュース記事や別サイトなどで表示された経験はありませんか?
リターゲティング広告は、一度サイトを離脱した「潜在的な顧客」にアプローチできるのが魅力です。一度サイトを訪問したということは、程度の差はあれ、コンテンツや同業態の製品に関心を寄せている可能性が高いといえます。
そのユーザーに繰り返し自社製品を宣伝することで、そのユーザーに認知してもらい、いずれ成約までつなげることも可能になるのです。
一方でリターゲティング広告も、ユーザーから不快に思われるリスクがある点には注意しましょう。まったく興味がない状態で何度も同じ製品が紹介されれば、ユーザーが嫌悪感を抱くのも仕方ないでしょう。
3. SNS運用
現代のWebマーケティングでは、SNS運用が積極的に行われています。そこでWebマーケティングに用いられる、代表的なSNSを3つ紹介します。
Instagramとは、画像や動画の投稿に特化したSNSです。Instagramは、主に10代~30代の若い世代がメインで使用しています。テキストよりも画像や動画の投稿に優れているので、不動産や旅行など視角で宣伝しやすい業界に向いているSNSです。
またInstagramならではの特徴として「ハッシュタグ検索」があります。”#”のあとに単語を入れて検索することで、その画像や動画が検索結果に表示される機能です。
このハッシュタグ検索を利用して、商品を購入する前に、製品についてハッシュタグ検索で情報収集するユーザーが増えています。そのため自社アカウントでハッシュタグ投稿を増やして対策することで、商品の購入意欲を促せる効果を見込めます。
Twitterはテキストの投稿に優れたSNSです。拡散性が高いのが特徴で、リツイートやいいねによって、あらゆるユーザーにすぐに情報が届けられます。そのためクーポンやキャンペーン情報を投稿すれば、自社アカウントが露出する機会も各段に増えるのです。
また継続して情報発信することで、ユーザーからの信頼を得やすい特徴があります。有益なコンテンツを日頃から情報発信することでフォロワーを獲得し、プロモーションの効率を上げることも可能です。
一方で拡散性も高いので、投稿内容には十分注意が必要です。差別的な内容や間違った情報を投稿した場合、瞬く間に拡散して炎上し、企業のブランドを落とす可能性もあります。そのためTwitter運用には、社内で投稿内容を多重チェックできる仕組みを整えることが必要です。
世界最大のSNSの1つで、ビジネス目的でも利用されることの多いFacebook。Twitterと同じくコンテンツ配信や、キャンペーン情報の提供などに向いています。また実名制のアカウントのため、会社の所在地や概要などを掲載する場所があり、会社としての信頼を獲得しやすい媒体ともいえます。
また文字数140文字以内の投稿制限があるTwitterと異なり、Facebookは60,000文字まで投稿が可能です。投稿だけで1つのコンテンツを作り上げることもでき、顧客を育成して成約までつなげる「コンテンツマーケティング」とも相性がよいSNSです。
関連記事: SNSマーケティングの特徴とは?メリット・デメリットや手法を解説
自社におすすめのマーケティング手法は?
会社の特性に合ったマーケティング手法を紹介します。なお当然、これらは複数で運用できるので、1つのみに絞る必要はありません。
予算やリソースを確保できるなら「SEO」
SEOにはサイト更新やコンテンツ制作などの作業が必要になることが多いので、予算や人材に余裕がある場合はSEOがおすすめです。予算があればSEOの専門会社に依頼することも可能で、人材がいればコンテンツ制作も内製できます。
SEOが成功すれば検索流入が増えるので、安定した集客が可能になります。新規顧客を獲得しやすくなるので、営業に回していたリソースを既存顧客のサポートに回すことも可能です。
長期的に見てWebからの集客を伸ばしたいのであれば、SEOは必要不可欠な施策の1つといえます。
自社ターゲットへピンポイントに宣伝したいなら「Web広告」
ターゲットの属性に応じて最適な広告を選べるため、効率的に商品・サービスを宣伝したい場合は「Web広告」がおすすめです。
たとえばリスティング広告の場合、特定の検索キーワードに対して広告を打てるため、検索意図からユーザーのニーズがわかります。「パソコン 壊れた」と検索するユーザーは潜在的に修理会社を探している可能性が高い、といった具合です。
そのため検索意図を把握すれば、自社が狙いたいターゲットにピンポイントに宣伝できる魅力があります。同様にリターゲティング広告も、一度自社サイトを閲覧したユーザーに、ピンポイントに広告を表示できます。
このように効率的に広告を出稿したい企業にとって、Web広告は最適な手段です。
予算に余裕がないならまずは「SNS運用」
SNSは登録無料で、広告を打たずに投稿するだけなら無料で利用できます。そのため、予算に余裕はないがWebからの集客を狙いたい場合、まずはSNS運用がおすすめです。
継続して有用なコンテンツやキャンペーン情報を発信すれば、徐々にフォロワーが増えていき、次第に強力な集客ツールとなります。拡散性も高く無料で利用できるので、Web集客を伸ばしたい企業にとって、もはや利用しない手はないでしょう。
ただし一度SNSを始めるからには、中途半端な運用になるのはおすすめしません。投稿頻度が少ないと、かえって悪い印象をもたれることが多いので注意が必要です。可能な限り、毎日情報を発信することをおすすめします。