WEBマーケティング業務に未経験で就くには? 独学で学ぶ方法も解説
総務省調べの令和5年版 情報通信白書によると、2022年の個人におけるインターネット利用率は、84.9%と高水準を維持していることがわかっています。そして、昨今WEB上では、SNSや動画チャンネルが存在感を高めていて、WEBコンテンツが多様化しています。
WEBコンテンツの多様化にともない、WEBコンテンツを利用するユーザーも細かく細分化されています。そのため、自社商品に適切なユーザーを集めるため、WEBマーケティングのニーズが拡大しています。こうした背景から、未経験でもWEBマーケティング業務に興味を示す求職者が少なくありません。
未経験からWEBマーケティング担当になるためにすべきこと
そもそも、WEBマーケティングとは、WEBコンテンツを利用して、自社商品を販売促進する仕組みを作ることです。そして、この業務を担当する職業をWEBマーケターと呼びます。そして、未経験からWEBマーケターを目指す場合、次のようなステップを踏むと効果的です。
- WEBマーケターの仕事内容を把握する
- 自身の性格が向いているか判断する
- WEBマーケターに必要な知識やスキルを学ぶ
関連記事:WEBマーケティングとは
WEBマーケターの仕事内容を把握する
WEBマーケターの仕事内容を把握することで、自身が将来的に目指したい職業か否かの検討材料になります。仕事内容を正しく把握するためには、WEBマーケティングの情報サイトや書籍を読むといった手法があります。
仕事内容の詳細は、「▼WEBマーケティングの仕事内容」の項目で解説しています。
自身の性格が向いているか判断する
自身の性格がWEBマーケターに向いているかの適性を見極めると、生涯の仕事になりうるか判断しやすくなります。
関連記事:WEBマーケティングに向いてる人とは? 求められるスキルや適性を解説
WEBマーケティングの業務を担当するうえでは、相性が良い性格や必須となるスキルがあります。WEBマーケティングに向いている人の特徴に関しては、下記記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
仕事内容の詳細は、「▼WEBマーケティングに向いている人」の項目で解説しています。
WEBマーケターに必要な知識やスキルを学ぶ
WEBマーケターは、WEBコンテンツを使って商品の販売を促し、企業の利益に対して、直接的に貢献する職種です。そこで、次のような知識が求められます。
- WEB知識やスキル
- WEB広告の知識
- マーケティング知識
- 自社が所属する業界知識
- WEBデータ解析のスキル
- 人を管理する能力
そして、このような知識を金銭をかけずに独学でえるためには、下記のような手段があります。
- WEBサイトやSNS、動画チャンネルを運営する
- 現役のWEBマーケターのブログやSNSを閲覧する
- WEBマーケティングの専門書籍を読む
- WEBマーケティングの資格取得を目指して勉強する
このほか、費用がかかるものの、WEBマーケティングを学べるスクールに通うという選択肢もあります。
勉強方法の詳細は、「▼WEBマーケティングの未経験者が独学で学ぶ方法」の項目で解説しています。
WEBマーケティングの仕事内容
未経験からWEBマーケティングを目指す場合は、まずは、WEBマーケティングの業務内容について把握する必要があります。WEBマーケターが担当する実務は、次のように進められます。
- 目標を設定する
- WEBで集客する施策を立案する
- アクセス解析して改善施策を練る
本項目では、WEBマーケティングの仕事内容について、SEO対策を事例として解説していきます。
目標を設定する
これはマーケティング全般に共通することですが、まずは市場や競合調査を踏まえて目標を設定します。目標の設定は、より具体的な数値目標であることが好ましいです。たとえば、「自社商品の業界シェアを10%拡大する」「前年対比で200%の売上を達成する」といったものです。
さらに、ここから逆算して、目標達成に必要なタスクを検討していきます。そこで、次のフェーズでは、「自社サイトで前月比200%のCV数を達成する」とし、そのためにも「自社サイトで前月比300%のPV数を達成する」といった具合で組み立てていきます。
WEBで集客する施策を立案する
WEBで集客する施策を立案していきます。今回の事例では、メディア戦略として、「自社サイトで前月比300%のPV数を達成する」ことが最終目標の起点となります。そこで、自社サイトのPV施策を進めていきます。PVを高める施策としては、次のようなものが挙げられます。
アクセス解析して改善施策を練る
実行した施策が効果を示したか否かを検証していきます。そこで、SEOツールを利用して、自社サイトをアクセス解析します。
アクセス解析用のツールとして、代表的なものはGoogleアナリティクスが挙げられます。Googleアナリティクスは、WEBサイトのPVやセッションなどのデータを詳しく閲覧できるツールです。利用場面としては、アクセス数の推移チェックのほか、アクセス流入の起点となるWEBページを特定する際などのシーンがあります。人気のページがわかると、検索ユーザーがどのような記事を好むのかといった傾向の推察が可能です。
関連記事:Googleアナリティクス4とは? 導入方法や初期設定 / 基本的な機能の使い方を解説
WEBマーケティングに向いている人
未経験からWEBマーケティング担当者を目指す場合は、自身の性格や考え方と仕事の相性がよいかを検討してください。かりに、転職できたとしても、自身の仕事感と実務間でかい離が生じると、仕事をすることが苦しくなるといった事態に陥りかねません。WEBマーケティングに向いている人物像を下記にまとめていますので、自身と照らし合わせてみてください。
- 日常生活でWEBに触れる機会が多い人
- トレンド好きや好奇心旺盛な人
- ロジカル的に考えることが得意な人
- 地道な作業に取り組める人
- 数字を扱う仕事をしたい人
- 作業の成果を追求する人
- コミュニケーションをとることが好きな人
- 忍耐力がある人
WEBマーケターにふさわしい人物像については、下記リンク先の記事で詳しく解説しています。
関連記事:WEBマーケティングに向いてる人とは? 求められるスキルや適性を解説
WEBマーケティングの未経験者が独学で学ぶ方法
WEBマーケティングの未経験者が独学で学ぶ方法としては、次のような手法が挙げられます。
- WEBサイトやSNSを運用してみる
- 現場で働くWEBマーケターのブログやSNSをチェックする
- WEBマーケティングの専門書籍を読む
- WEBマーケティングの資格取得に挑戦する
WEBサイトやSNSを運用してみる
WEBマーケティングを独学で勉強するにあたり、もっとも高い効果をえられるのは、WEBサイトやSNSを運用する方法です。
実際にWEBコンテンツの作成や運用をすることで、WEBマーケティングの一部業務を実体験できます。たとえば、WEBサイトを運用するとなると、立ち上げに必要な作業のほか、サイト運用フェーズにおけるSEO対策、WEB広告に関する知識とスキルが身につきます。さらに、こだわってサイトを作っていくと、プログラミングやマークアップの技術も習得できます。
このほか、昨今では、X(エックス)、TikTok(ティックトック)、Youtube(ユーチューブ)といったSNSによる情報拡散が存在感を増しています。つまり、SNSでアカウントを作成して、フォロワーやチャンネル数を増やすテクニックを身につけておくと、WEBマーケターとしての実務に役立つということです。
現場で働くWEBマーケターのブログやSNSをチェックする
WEBマーケティング業務の知識を身につけるうえで、現役のWEBマーケターが運用しているブログやSNSアカウントをチェックする手段が挙げられます。
ここでいうブログとは、あくまでもWEBマーケターが趣味で運用する個人ブログを指しています。こうしたブログのなかには、ブログ管理人の実体験をもとに、未経験からWEBマーケターに転職した事例を紹介しているケースもあります。こうしたことから、これからWEBマーケターを目指す人にとっては参考になります。
また、現場の方が書く記事ですので、マーケティング業務の現場の温度感をすくいとれるといった利点もあります。
WEBマーケティングの専門書籍を読む
WEBマーケティングの専門書籍を読むと、業界知識が身につきます。とくに、書籍の場合は、信頼性や権威性が高い人物や団体が著者となる傾向があります。そのため、情報の確からしさという観点では魅力的なコンテンツです。
まずは、初心者や未経験を対象にしたWEBマーケティングの書籍を読んでみてください。そのうえで、興味を抱いた領域を深堀りするように、さまざまな本と読み比べてみてください。なお、初心者向けのWEBマーケティング書籍に関しては、下記記事で紹介しています。
関連記事:Webマーケティングスキルを身につけたい人におすすめの書籍17選
また、東京SEOメーカー(本サイト)でも、WEBマーケティングを包括する、デジタルマーケティングに関する本の執筆活動をしていますので参考にしてください。
書籍URL:経営者向け DX新時代に中小企業が生き残る最新企業戦略 : ~デジタルマーケティングの恩恵による事業拡大~
WEBマーケティングの資格取得に挑戦する
WEBマーケティングに関連する資格は多数あります。こうした資格取得を目指して勉強すると、WEBマーケティングを学べるうえに、就職や転職時にも有利に働きます。就職に有利となる理由は、資格を有していると一定の知識を持っていることの証明になるほか、本気で就職の準備をしたことの裏付けと判断されるためです。
WEBマーケティング未経験者の転職時の志望動機
未経験者が転職時に志望動機をまとめるときには、「自身の経験をどのように業務に活かせるのか」をまとめることが大切です。ですので、WEBマーケティングの仕事内容を把握したうえで、経験値を照らし合わせていく必要があります。具体的には、次のようなことを履歴書や職務経歴書に書いていきます。
- WEBマーケターを目指す理由
- 応募した企業を選択した理由
- 自身のキャリアや経験値で活かせること
これはWEBマーケティングに限りませんが、他業種に転職するとなると、相応の理由を求められます。そこで、履歴書や職務経歴書にストーリー性を持たせると説得力が増します。
WEBマーケティング未経験者の年収相場
求人検索サイトの求人ボックスによると、WEBマーケティング会社における未経験者の平均月給は32.3万円(2024年4月調べ)であることがわかっています。このことから、WEBマーケティング会社では、未経験者に対して350万円〜400万円程度の給与を計上していると推測されます。
引用:求人ボックス
ただし、なかには、アルバイトやパートからキャリアアップする道を用意しているWEBマーケティング会社も存在します。こうしたケースでは、年収が300万円を下回ることもあります。
また、WEBマーケティング全体の平均年収を見てみると、503万円(2024年4月調べ)という結果が出ています。この数字自体は他業界と比較して多い部類に入ります。そして、実績があったり、役職ポストに就くと1,000万円近い年収にのぼることもあります。
引用:求人ボックス
未経験者におけるWEBマーケティングのよくある質問
WEBマーケティングの未経験者による、よくある質問をまとめています
Q:未経験でWEBマーケティング業務に就くことは難しいですか?
Answer)WEBマーケティング業務では、専門知識やスキルを要します。そのため、完全な初心者にとっては、就職の難易度が高めです。
ただし、ふだんからWEBに接する時間が長い人、WEBリテラシーが高い人にとっては学習する際の難易度が下がります。
Q:WEBマーケティング業務の未経験者が転職する際にすべきことは?
Answer)はじめにすべきことは、WEBマーケティングの仕事内容と求められるスキルを把握することです。そのうえで、自身に向いているかを検討してください。
関連記事:WEBマーケティングに向いてる人とは? 求められるスキルや適性を解説
Q:未経験でWEBマーケティング業務に就くには資格が必要ですか?
Answer)WEBマーケティング業務に就くために必須となる資格はありません。ただし、求人を募集する企業が資格保有者を優遇するケースがあります。
WEBマーケティング関連の資格は、あくまでも、最低限の知識と就職活動の準備をしてきたことを証明する点で役立ちます。そのため、資格取得にこだわる必要はありません。
Q:WEBマーケティング業務の未経験者でも20代なら転職できますか?
Answer)20代であれば、経験値が低くてもWEBマーケティング業務を目指しやすい環境です。
理由はいくつかありますが、WEBマーケティング会社が育成を前提とした社員の採用枠を設けていることが大きな要因となっています。こうした企業では、WEBマーケターとして活躍する人材を育てていくうえで、研修の仕組みを用意しているケースがあります。自身に成長する意欲とポテンシャルがあれば、未経験でもWEBマーケティング担当に採用されやすい傾向にあります。
Q:WEBマーケティング業務の未経験者の場合、30代、40代でも転職できますか?
Answer)WEBマーケティング職そのものが未経験であっても、転職できるケースはあります。
一般的には、雇われる側のキャリアが増すほどに、企業としては即戦力を期待する傾向にあります。そのため、これまでのキャリアのなかで、WEBマーケターとして応用できる経験値をアピールしてください。
たとえば、業界のコネクションを有する、別の種類のマーケティング職で実績を有するなどの場合が該当します。また、雇用側の企業としては、あくまでも即戦力を求めます。そのため、趣味でWEBコンテンツを作成して、集客の実績がある場合などもアピールポイントになります。
まとめ