現在、WEBの活用方法が多様化しているためそれに伴い、WEB担当者の仕事内容も変化しています。そのため「WEB担当者になってください」と頼まれると、何をどう対応すれば良いのか戸惑うこともあるのではないでしょうか。

そこで、今回はWEB担当者の役割や業務内容、将来の展望などを解説します。

WEB担当者の概要

WEB担当者とは、会社の事業やプロジェクトを効果的に推進するためにインターネットを活用する職種のことを指します。

一般的には、WEB担当者は独力で成果を上げるというイメージがあるかもしれませんが、実際には多くの人々と協力することが必要です。WEB担当の仕事は幅広く、さまざまな専門領域があるため、１人でその全てをカバーすることは現実的ではないからです。

WEBに携わる専門家やチームの力を最大限に引き出し、WEBを通じて広報やセールス、ブランド構築などを目指すのがWEB担当者に求められる役割です。

参考ページ: Website Manager Job Description – Betterteam

WEB担当者の仕事や役割

WEB担当者の仕事は多岐に及びます。WEBサイト制作やコーディングなどの技術的な仕事はもちろん、チームをまとめることや戦略立案などのクリエイティブな役割も求められます。そこでここでは、WEB担当者の主な仕事や役割について整理します。

参考ページ: What Does A Website Manager Do? – CydoMedia

戦略・計画

近年、従来のWEBサイトに加えて、スマートフォンやタブレット、そしてブログやリスティング広告など、さまざまなメディアやデバイスが利用されるようになりました。

そのため、WEB担当者に求められることは、単にWEBサイトを作成して運用するだけではなくなりました。新しいデバイスやメディアを活用し、自社の売上げ向上に何を活用すれば最短かを考え実行することが、WEB担当者の重要な仕事です。

以下にWEB担当者が事前に検討しておくべき代表的な事柄を挙げて解説します。

WEB活用の目的

最初にWEBを通じて自社が達成したい目的や方針を検討します。例えば、一般的には次のような目的が考えられます。

WEBの事業やプロジェクトを進める場合、まずは具体的な目的を確認してください。

社内ヒアリングと情報収集

WEB担当者になれば「WEBをこういう形で活用したい」という考えやイメージがあると思います。しかし、その事業やプロジェクトを一緒に進める他のスタッフから見た場合、自分とは異なる必要性や問題点を感じるかもしれません。

さらに、彼らは自分の知らなかった別の情報をもっている可能性もあります。これらの情報をヒアリングすることで吸収してください。そうすることで、より完全な形の戦略を練ることができます。

予算とスケジュール

戦略や計画を練る段階でプロジェクトに使える予算を確認し、それに基づいて適切な計画を立てます。予算内でどうWEB活用の効果を高めるかは、担当者の力量が試される点です。

また、各業務の期限を設定しそれに向けて計画を立てます。計画はWEBに携わるスタッフ全体で共有してください。

WEBサイトの制作

WEB担当者の仕事には、WEBサイトの制作があります。WEB担当者は、WEBサイトの目的とターゲットユーザーを設定したあとで、それにマッチした適切なデザインやコンテンツを作成します。

また、WEBサイトを作るにはWEB制作会社に依頼するか、CMS(WordPressなどのWEBサイト制作ができるシステム)の利用を検討することが必要です。

WEB制作会社に依頼するとデザインや機能を細かくカスタマイズできますが、CMSはある程度テンプレートやプラグインに依存することになります。

また、予算の制約も重要な要因です。WEB制作会社に依頼する場合、専門的なサービスを依頼するためコストがかかる場合が多いです。CMSを利用する場合、オープンソース(誰でも無料で使用できるシステム)のものも多くあり、初期コストを抑えることができます。

どちらの方法を選ぶにしても、WEB担当者は予算などの制約を考慮し、会社が求める目的をどう形にすれば実現可能かを考えます。

参考ページ: ホームページ作成ガイド！お店や会社のWEBサイトを作る方法

ソーシャルメディア

ソーシャルメディアは、WEBを使ったプロモーション戦略では欠かすことができない存在です。企業がユーザーと直接コミュニケーションを取る機会になり、さらに商品やサービスの販売などにも活用できます。ソーシャルメディアをWEBサイトと組み合わせて活用することで、相乗効果を発揮できます。

そこでWEB担当者としては、ソーシャルメディアについて次のことを検討してください。

ソーシャルメディアのゴール設定

ソーシャルメディアを使って何を達成したいのかというゴールを設定します。具体的には、ブランド認知の向上、顧客エンゲージメントの促進、売上の増加などが挙げられます。

適切なプラットフォームの選定

自社がターゲットとしているユーザーが利用する主要なソーシャルメディアを調べます。具体的なソーシャルメディアとしては、Facebook、Instagram、X(旧Twitter)、Pinterest、TikTokなどが候補です。

各ソーシャルメディアを利用するユーザーの男女比や年代などを踏まえて、自社にとってメリットの大きいところを選定してください。

参考ページ: 2023年8月更新！性別・年齢別 SNSユーザー数

担当者の選定

ソーシャルメディア運用には特定の知識やスキルが必要です。ソーシャルメディアのトレンドやプラットフォームの特性に詳しい人物を担当者として決めることが必要です。WEB担当者がソーシャルメディアの運用担当を兼ねてもかまいませんが、情報の更新頻度が高いため専属チームを用意できた方が理想的です。

配信頻度やコンテンツの準備

ソーシャルメディアでシェアする内容を用意します。写真や動画、文章など、各ソーシャルメディアに最適なコンテンツを選定します。また、どのくらいの頻度で更新するかも事前に決めておきます。ソーシャルメディアでは、投稿したコンテンツがすぐに古くなるため、できるだけ頻繁に更新することが大切です。

成果測定

ソーシャルメディアへの投稿やキャンペーンの成果を定期的にモニタリングします。フォロワー数やエンゲージメント率、クリック率などを測定するのが適切です。また通常、多くのプラットフォームには独自の分析ツールが用意されています。そのため、WEB担当者がそれらのツールから情報を正しく読み取る分析力が求められます。

参考ページ: ソーシャルメディアマーケティングの種類や施策、成功事例3選を紹介

運用効果の測定

WEB担当者として、WEBサイトの効果測定は重要な仕事です。効果測定をおこなうことで目的にそった運用がおこなえているのかを確認でき、必要に応じて改善策を立てることができるからです。具体的にWEB担当者が注視すべき数値としては、次のような項目が挙げられます。

WEB担当者に必要な知識

WEB担当者が見落としがちな知識として、法律とセキュリティに関するものが挙げられます。法律やセキュリティに関する知識が不足していると、トラブルの原因になるので注意してください。そこでここでは、WEB担当者として知っておくべき内容について整理します。

法律

WEBサイトには著作権や個人情報保護法など、さまざまな法律が関わります。WEB担当者は、これらの法律を守ってWEBサイトを運営する必要があります。以下に主な法律を取りあげ解説します。

著作権法

著作権法は、著作物を保護するための法律です。著作物とは、思想や感情を創作的に表現したもののことです。具体的には、文書や音楽、図形、映像、写真、WEBサイトなどが該当します。

WEB担当者は、WEBサイトを運用する際に著作権法に注意してください。著作権法に違反して著作物を掲載すると、著作者から損害賠償を請求される可能性があります。また、もし他人の著作物を掲載する際には、著作者の許可をえるようにしてください。

個人情報保護法

個人情報保護法は、個人情報の収集や利用などについて定めた法律です。例えば、氏名や住所、電話番号、メールアドレス、顔写真、クレジットカード番号などが個人情報に該当します。

WEBサイトでメールアドレスなどの個人情報を収集する際には特に気をつけてください。ユーザーから事前に情報を収集する目的を説明し、同意をえる必要があります。また、自社のプライバシーポリシーを公開し、どのように情報を管理しているのかなど説明する必要があります。

広告表示法

WEBサイトでおこなう広告や宣伝には正確な情報を提供する必要があります。消費者に誤解を与えるような誇大表現にならないよう注意してください。また、広告を出稿する際にはプラットフォームごとにさまざまな決まりがあるので、それを遵守した広告運用が必要です。

電子商取引法

電子商取引法はユーザーの利益を保護し、電子商取引の健全な発展を図ることを目的としています。WEB担当者は、商品販売ページに価格や送料、返品に関する情報を明記しなければいけません。また、商品が間違って配送された場合や商品に欠陥があった場合の対応方法などについても、ユーザーに告知する必要があります。

セキュリティ

WEBサイトのセキュリティ対策についての基本的な理解が必要です。知っておくべきセキュリティについて代表的なものを取りあげ解説します。

参考ページ: 安全なウェブサイトの運用管理に向けての20ヶ条 – 情報処理推進機構

SSL化

SSLでWEBサイトを暗号化通信に対応させる必要があります。暗号化通信とは、WEBサイトとユーザーとの間でやり取りされるデータを暗号化して送受信する技術のことです。暗号化通信により、ユーザーの個人情報やパスワードなどの漏洩を防ぐことができます。

暗号化されていないWEBサイトはドメインが「http」です。一方、暗号化されたWEBサイトは「https」とドメインが表示されます。自社が契約しているレンタルサーバーなどに相談し、暗号化されたWEBサイトに変更してください。

参考ページ: HTTPS（SSL化）とは？設定方法とサイトのSSL化について解説

WEBサイトの脆弱性

WordPressなどのCMSを使用してWEBサイトを運用する場合、CMSが提供するセキュリティアップデートを定期的に更新する必要があります。最新バージョンに保つことで、CMSの脆弱性を修正できます。

また、CMSでは専用のプラグインを使用することもあるはずです。この場合も同様で、各プラグインを最新バージョンにアップデートしてください。

緊急時の対応

セキュリティの問題が発生することをインシデントといいます。インシデントが発生した場合の対応策を事前に決めておく必要があります。具体的には、次の項目です。

以上の点をWEB担当者やセキュリティ担当者などを交えて社内で決めておきます。

参考ページ: サイバーセキュリティとは？初心者でも分かる基礎知識を解説！

WEB担当者の未来展望

テクノロジーの変革に伴い、WEB担当者の役割は急速に進化しています。それに伴い今後、さらに多様なスキルや知識が求められるはずです。そこで、WEB担当者の役割について未来展望をお伝えします。

データ分析スキル

WEBマーケティングにおいては、今後さらにデータに基づいた意思決定や改善をおこなうよう求められます。そのため、WEB担当者はデータ分析スキルを向上させてください。新しい分析ツールが使用できるようになることはもちろん、統計学に基づいたデータ分析スキルも必要です。

ユーザーのリサーチ力

WEB担当者はユーザーのリサーチ力が求められます。リサーチ力とは、ユーザーのニーズや要望を理解し、それに基づいてWEBサイトやサービスを最適化する能力のことです。今のうちにヒアリング力やNPSを活用するスキルなどを身につけてください。

参考ページ: NPSとは？基本事項やメリット、算出方法などを解説

コンテンツ企画力

インターネットには、無数のコンテンツであふれています。こういった状況の中でユーザーから注目されるにはコンテンツの企画力が必要です。コンテンツの企画力とは、ユーザーにとって魅力的で価値あるコンテンツを生み出す能力のことです。

コンテンツ企画力を高めるには、日ごろからユーザーのニーズや興味に耳を傾けることが大切です。さらに、他社の成功事例やコンテンツを研究し、自社に応用できる点はないか検討してください。

WEB担当者のよくある質問

ここではWEB担当者について、当社に寄せられる質問の中から代表的なものをとりあげお伝えします。
 

まとめ

今回は、WEB担当者の仕事内容や役割、求められるスキルや知識について詳しくお話ししました。WEB担当者の役割は、単にWEBサイトの制作・運用にとどまらず、外部・内部にいる協力者との交渉や戦略立案など多岐に及びます。幅広い知識とスキルが求められる仕事ですが、一番大切なことはユーザーファーストのWEB運用を心がけることです。今回の記事を参考に、スキルを磨き一歩ずつ前進してください。

 

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この記事の監修者

アドマノ株式会社　代表取締役　天野　剛志

日本大学法学部卒業、広告代理店で12年間働いている間、SEOと出会い、SEO草創期からSEO研究を始める。SEOを独学で研究し100以上のサイトで実験と検証を繰り返しました。そのノウハウを元に起業し現在、11期目。営業、SEOコンサル、WEB解析（Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持）コーディング、サイト制作となんでもこなす。会社としては今まで2000以上のサイトのSEO対策を手掛けてきました。