トラフィックとは?トラフィックの種類と増やす方法をわかりやすく解説
昨今、自社サービスや製品の売上を上げるためには、Webをうまく活用し営業をすることが必要になってきています。
そのためには、検索表示順位を上げ多くのユーザーにサイトを見てもらう(トラフィックを増やす)ことが重要になります。 Google検索における上位表示のための評価基準として新たに取り入れられた「トラフィック」という言葉ですが、実際に言葉の定義や種類、トラフィックを増やす方法がわからず苦戦している方も多いのではないでしょうか。
トラフィックとは
トラフィックとは、Webサイトまたは特定のWebページへのアクセス数を指します。この1日におけるトラフィックの増減を分析することで、サイト改善あるいは、通信環境の改善などにつなげることができます。
例えば、コンサートのチケットを販売するWebサイトの場合、特定の時間にアクセスが集中していることがわかれば、周辺ネットワーク機器を増強し、ユーザーがサイトを閲覧できずチケットを購入できないなどのトラブルを事前に回避することができます。
トラフィックは、サイト流入元によって以下の3つに分けられます。
- ノーリファラー
- 検索
- 参照サイト
ノーリファラー
ノーリファラーとは、流入経路が特定できないサイト訪問(アクセス)のことを指します。
流入元を特定できない原因としては、以下のような要因があります。
- ブックマーク(お気に入り)からアクセスしている
- 検索エンジンに直接URLを入力してアクセスしている
- メールマガジン内のURLからアクセスしている
- スマートフォンアプリからアクセスしている
- QRコードを読み取りアクセスしている
- セキュリティソフトや個別設定で、参照元を送信しない設定にしている
- https(暗号化)サイトからアクセスしている
ノーリファラートラフィックの特徴としては、すでに何らかの形でサイトの存在を知っている顧客(既存顧客)からのアクセスが多いことです。
例えば、自社が保有している顧客メーリングリストに対して、メルマガを配信しそこからの流入があると、ノーリファラーという形でトラフィックが発生します。
既存顧客のため、トラフィック獲得のために新たに広告を出す必要がなく、コストをかける必要がないのも特徴です。
検索
検索は文字通り、検索により発生したサイト訪問(アクセス)のことを指します。これは、有料の「リスティング広告」と自然検索の「オーガニックサーチ」に分けられます。
リスティング広告
ユーザーが検索したキーワードに合わせて表示されるリスティング広告には以下のようなものがあります。
- PPC広告(Google、Facebook、Yahooなど)
- バナー広告
- アフィリエイト
例えば、 Google アドワーズで「東京 SEO」というキーワードで広告配信した場合、以下の検索結果となります。これに対して、クリックしサイト訪問した場合、トラフィックが発生します。
リスティング広告の特徴としては、クリックされるたびに課金が発生するため、継続的にコストがかかってしまう一方で、検索キーワードに対して期間やターゲット、広告文を設定して配信することができるため、ある程度確保の高いユーザーのトラフィックが発生する可能性が高いことです。
オーガニックサーチ
オーガニックサーチとは、検索キーワードに対して表示される検索結果のうち、広告を除いたものを指し、検索結果に対する純粋な表示となるため「自然検索」とも言われています。
表示されるものとしては以下のようなものがあります。
- Webサイト、ページ
- SNS(Facebook、Twitter、Instagramなど)
- ブログ
- Youtube
- インタビュー記事(動画)
例えば、 Google 検索で「東京 SEO」というキーワードで検索した場合、以下の検索結果となります。これに対して、クリックしサイト訪問した場合、トラフィックが発生します。
オーガニックサーチによるトラフィックの特徴としては、自社サイトを上位に表示させることができれば、多くのサイト訪問者を期待することができることです。そのために、SEO対策をすることが最も重要となります。
参照サイト
参照サイトとは、検索エンジン以外からのアクセスで、以下のような記事内のリンクやブログ、メルマガ内のURLからの流入が一般的です。
参照サイトトラフィックの特徴としては、集客用のリンクで効果的に集客できているか確認ができることです。また、流入元の情報によりどのような点に関心があるのか、問題点や改善点までも分析することが可能です。
SEOとの関連性
Webサイトへのアクセス数は、検索順位を上げるためのSEO施策の一環として重要視されている指標です。
Googleの評価はアクセス数が多ければユーザーにとって価値のあるサイトだと評価される傾向があるため、アクセス数を増やすことが重要です。しかし、Googleのアルゴリズムは日々変化しており、ただ単に同じユーザーに何回も訪問してもらいアクセス数を増やすなどの方法では、サイト表示順位に影響がなく、むしろペナルティの対象になりうる可能性があります。
そこで、ただ単にアクセス数を増やすのではなく、サイト訪問者にどれだけ同じページに滞在してもらうかという「サイト滞在時間」やユニークユーザーが特定のWebサイトの中でどれだけのページを閲覧したかという「セッション数」が重要な指標のひとつになってきました。
そのため、サイトの運営では、トラフィックがいつどこから発生しているのかを分析しユーザーにとって価値のあるコンテンツを作成するなどをして、ユーザビリティの高いサイトを作成してゆくことが求められます。
SEOでトラフィックを増やすための方法
前述の通り、トラフィックを増やす方法としては、SEO対策を行い、オーガニック検索にて上位表示されることを目指す必要があります。具体的な方法としては、さまざまな方法がありますが、今回は以下の4つの方法をご紹介します。
- 良質なコンテンツの提供
- サイト改善
- データ分析
- 社内外メディアの活用
良質なコンテンツの提供
上位表示されるためには、ユーザーニーズを満たしたオリジナリティのある良質なコンテンツを定期的に提供する必要があります。
例えば、SEO対策の方法を知りたいユーザーが検索エンジンにて検索し、あるWebサイトの記事を読みます。そこで必要としている情報が載っていなかった場合は、別のサイトに移動してしまいます。
価値のあるコンテンツを掲載できていればそのまま読み進み、お問合せをするというアクションまで持っていくことができるため、コンテンツの内容が非常に重要になります。
コンテンツを制作する際は、作成する目的を明確にした上で、以下を考慮して制作をすることがポイントとなります。
- 一貫性があるか
- 製品やサービスとの関連性の高い、質の高いコンテンツを提供できているか
- さまざまな種類のトピックを扱っているか
- SEOを考慮できているか
目的 | 詳細 |
認知 | 直接商品と関係ないが関連のあるテーマの記事を書く |
興味・関心 | 直接関係のある商品紹介記事や悩み解決記事を書く |
比較・検討 | 比較検討段階で役立つ記事を書く |
購入・行動 | 製品に対する悩み解決・疑問解消する記事を書く |
ファン化 | 購入・契約後に役立つ使い方などの記事を書く 顧客ではないユーザーに対して役立つ記事を書く |
共有・シェア | 誰かに教えたくなる情報を書く 業界における貴重なデータを公開した記事を書く |
コンテンツの制作フローは以下の通りです。ペルソナを設定し、コンテンツの作成目的を明確にしたら、カスタマージャーニーを作成し、それに対するキーワードを選定しライティングします。
公開したあとは、「GoogleAnalytics」や「Googleサーチコンソール」を使用して、以下の要素を分析し、ユーザーが求めている情報に合致したコンテンツが提供できているか否かを検証することができます。
- 検索キーワード
- 掲載順位
- サイト内のページセッション数
- サイト内の離脱率
- サイト内の滞在時間
さらにその分析結果により、コンテンツ内容を修正(リライト)することでユーザーのニーズに合ったコンテンツに改良していくことが可能です。
質を意識したコンテンツ制作や質を上げるためのリライトの対応も重要ですが、アクセス数を伸ばすための手段として、リピーター(ファン)になってもらうこともポイントとなります。サイト訪問者にまたアクセスしてもらえるようにするためには、1度の訪問で読みきれない量のコンテンツを用意しておくことが必要です。サイト訪問者にそのサイトの価値を理解してもらえれば、再度アクセスされる可能性が高くなります。
サイト改善
アクセスしてもらえるサイトにするためには、関心を引くタイトル・アイキャッチ画像にすることや内部リンクの最適化、ユーザーエクスペリエンス(UX)の最適化への対応が必要です。
特に、ユーザーエクスペリエンス(UX)のひとつである「Core Web Vitals」という指標は、 Googleのランキングアルゴリズムに2021年より段階的に導入されています。そのため、ページの読み込み速度を意識したページになっていることも重要な要素となりました。
関心を引けるサイトにするためには、以下のように検索キーワードに対して、わかりやすいタイトルや説明文になっていることで、アクセスにつながりやすくなります。
実際に、アクセスしてもらい離脱されないためには、スマートフォンへの対応、アイキャッチ画像、文字の大きさ、テキストの量、コンテンツの長さ、ページデザイン、CTAの配置なども考慮することが必要です。
例えば、SEO対策に悩みを持ったユーザーが東京にあるSEO会社を探している場合、「東京 SEO」などと検索し、会社を探します。そこで表示された会社の事業内容や実績を調べたい際に、適切な位置に資料ダウンロードのボタンがあることが有効です。
また、コンテンツ戦略の中に計画的な内部リンクの設置を組み込むことも検索順位を上げるために必要な施策となります。
方法としては、ひとつのトピックについて複数の記事を作成し、それぞれが特定の内容にフォーカスするように構成します。そうすることで、google検索でのそのトピックについてのパワーが強くなり、検索順位を上げることにつながります。
データ分析
データ分析には、他社競合サイトの分析と自社サイトの分析の2つがあります。
競合サイトの分析では、競合他社のマーケティングチャネルを分析し、力を入れていないチャネルを特定し、その分野を集中的に狙うことでトラフィックを増やします。
また、自社サイトの分析では、Googleアナリティクスを使用し、自社サイトへのアクセス状況を分析し、不足している点を改善することでトラフィックを増やします。
社内外のメディア活用
社内外メディアとしては大きく以下の3つがあります。トラフィックを増やすには、Googleのみでなく、Instagram、Twitter、Facebook、Youtube、TikTokなどのあらゆるSNSを効果的に活用することが必要です。
- SNS、広告を活用する
- ウェビナーなどで紹介する
- インフルエンサーマーケティングを活用
SNS、広告を活用する
SNSでの投稿や広告配信を通じてアクセス数を増やします。
特にSNSでは、ユーザーと直接会話できるため、自社の製品やサービスに関連する質問があれば積極的に答え、必要に応じて自社サイトのURLを共有します。拡散性が高いため、いかに価値のある投稿をしシェアしてもらうかという視点で、投稿内容を検討することが必要です。
また、 InstagramやFacebook にて特定のターゲットに向けて広告を配信することも可能で、
BtoCのビジネスモデルの場合は、特に Instagram広告の活用がアクセス数を伸ばす施策として注目されています。その背景としては、 Instagram は短い時間で細切りの動画を配信することができるなどの特徴を持ち、AIによりユーザー毎にカスタマイズされるため、効果的に広告を配信できるためです。
ウェビナーなどで紹介する
BtoBのビジネスモデルの企業にとって、見込み顧客の集客で特に効果が高い方法で、無料WebinerなどでサイトURLを共有したりすることで、アクセス数を増やします。
また、セミナーの各種資料にURLを掲載することも効果的な方法で、セミナー終了後にアンケート回答者限定で資料配布をするなどをすることでサイト訪問をしてもらう機会を作ります。
インフルエンサーマーケティングを活用
インフルエンサーマーケティングとは、主にInstagramやYoutube、TikTokなどのSNSで大きな影響力をもつ「インフルエンサー」に製品やサービスを紹介してもらい、消費者の態度変容や行動変容を促すコミュニケーション型マーケティング手法です。フォロワー数に応じて、ナノ(フォロワー数1,000人未満)、マイクロ(フォロワー数1,000~100,000人)、マクロ(フォロワー数100,000人以上)、メガ(フォロワー数100万人以上)の4種類に分類できそれぞれに対して別の戦略策定が必要になります。
アクセス数を伸ばすために有効な施策である一方、インフルエンサーの選定が難しいことに加え、炎上のリスクがあるため、メリットとデメリットをよく比較検討することが大切です。
トラフィックの確認方法
トラフィックを増やすためにSEO対策を試し、その結果が出ているのか定期的に確認することが大切です。
トラフィックを確認する方法としては、Googleアナリティクスを使ってWebサイトの状況を分析する方法があります。その結果をもとにボトルネックとなっている部分を改善する必要がありますが、分析する際にチェックすべき点は次の3つです。
ユーザーの属性(使用デバイス、性別、地域など)
まず、サイトのアクセス数を確認します。急なアクセス数の増減があった際には、その原因を調査することが必要です。
確認方法>ユーザーの訪問状況の概略:「ユーザー」→「概要」で表示
また、Googleアカウントに紐づいた検索ユーザーの属性の一覧を確認することができます。
これにより性別や年齢を確認することができるため、サイトデザインやテキストなどサイト訪問が多いユーザーに刺さるような表現に変更をするなどの改善方法があります。
ページへの流入経路(検索、広告、リンクなど)
Webページへの流入経路としては、前述でご紹介したノーリファラー 、検索 (ダイレクト・広告)、参照サイトの大きく3つあり、以下のように表示されます。
- Organic Search:GoogleやYahoo!など検索エンジンからの流入
- Paid Search:リスティング広告からの流入
- Display:ディスプレイ広告からの流入
- Social:SNSからの流入
- Direct:ブックマークなど直接の流入
- Referral:他のサイトからの流入
- Email:メールからの流入
- Affiliates:アフェリエイトからの流入
- Other Advertising:他の広告からの流入
- Other:分類不可の流入
流入元別のアクセス数並びにそこからのコンバージョン率を分析し、そのバランスに応じた改善方法を検討することが必要です。
例えば、広告を配信しているのにも関わらずアクセス数が伸びていない場合、正しいターゲットに配信できていないことが考えられるため、再度キーワードやターゲットを検討し配信をかける必要があります。
このようにどの媒体からの流入が多いか、少ないのかを分析することで、その媒体に応じた改善策を検討することができます。
ユーザーの行動フロー(ページ間の移動、滞在時間など)
各ページ毎のアクセスデータやディレクトリ単位、ユーザーがサイトを離脱したページのデータなどを分析できます。他にもユーザーがどのような順番にサイトを移動したかが分かる「行動フロー」やそのページ毎の滞在時間を確認することができます。
平均滞在時間が短いページや、離脱率・直帰率の高いページのコンテンツをリライトすることで、ページを改善することができます。逆に、滞在時間が長いページの要素のコンテンツを新たに作成することで、ユーザーが関心のあるコンテンツの増強をすることも可能です。