Webマーケティングの始め方から活用すべきツールまでを解説
商品の販売や認知拡大を考えた際、Webマーケティングへの取り組みは効果的な施策の一つです。
とはいっても、どのようにWebマーケティングに取り組めばよいのか分からないといった方も多いのではないでしょうか。
Webマーケティングを始めるときのポイント
Webマーケティングは何も考えずに始めた場合、予想どおりに成果をあげることは難しく中途半端な状態が続いてしまう可能性があります。結局、最初からやり直さないといけないような状況になることも多いため、最初から手順を意識して取り組むことが重要です。
ここでは、Webマーケティング始めるときのポイントについて詳しく解説していきます。
適切な手順でないと効果が得られない
Webマーケティングを行う際は、適切な手順通りにすすめていくことを意識しましょう。バラバラな手順で行ってしまった場合、本来得られるはずの効果が見込めないなど、最終的な成果が大きく違ってしまいます。
例えばアパレルブランドがリスティング広告を活用して新商品を販売したいと考えた場合、Webサイトを持っているからといっていきなり広告を出稿しても成果を出せるわけではありません。
選定するキーワードの調査や広告がクリックされた後のLPの用意など、成果を高めるための対策が必要です。適当に出稿しても効果の最大化は行えないため、他のWebマーケティング施策においても手順通りにすすめていくことが重要となります。
長期的な視点で施策を行う
Webマーケティングで施策を考える際は、長期的な視点で考えることが重要です。行う施策によっても異なりますが、Webマーケティングでは即効性がなく長期的に実行することが多いといえるでしょう。
例えば新規のWebサイトを立ち上げてSEO対策を行う場合、少なくとも半年程度は何も効果を得れないことが一般的といえます。なぜなら発信したコンテンツが検索エンジンに評価されるまでには時間がかかり、そのうえでユーザーに認知されるようになるからです。
Web広告であれば即効性がありますが、それでもCVを高めるための最適化を図るには数ヶ月の運用が必要です。また計画どおりにすすむとも限らないため、対策内容の改善を行うための時間を確保するなど、余裕をもったスケジューリングが大切です。
コンテンツの質を重視する
どのWebマーケティング施策にもいえることですが、発信するコンテンツの質を高めることはかならず重要視しましょう。
なぜならコンテンツの質が高くなければユーザーの質を満たせず、販売の向上や認知の拡大につながらないためです。
特にWebサイトの運営など検索エンジンを活用したマーケティングの場合、コンテンツの質によって成果が決まると言っても過言ではありません。どんなに有名な企業であっても質の低いコンテンツであれば、ユーザーの心を掴むことは難しいでしょう。
それどころか企業イメージを悪くする可能性があるため、適当なコンテンツを量産するのではなく、コンテンツ一つひとつの質の向上を意識することが重要です。
Webマーケティングの始め方
前述の内容でもありましたが、Webマーケティングでは手順に沿って始めることが重要です。具体的には、以下の手順で行いましょう。
- 現状分析・目的の明確化
- ターゲット設定
- 購買プロセス・KPIの設定
- 施策の実施
- 効果検証・改善の実施
各々、解説していきます。
現状分析・目的の明確化
Webマーケティングに取り組むうえでは、最初に自社の現状分析と施策を行う目的の明確化を行いましょう。
現状分析ではどのような施策を行い成果がどの程度出ているのかや、自社における課題点をはっきりとさせる必要があります。
例えば「WebサイトのPV数は増加しているが問い合わせにはつながらない」場合であれば、問い合わせにつながっていない原因を追求することが重要です。
また施策に一貫性をもたせるためにも、原因の追求だけでなく最終的なゴールとして目的の明確化を行うことが大切になります。目的とは「企業の認知拡大」や「商品の販売促進」など施策をとおして達成したい内容です。
現状分析と目標の明確化がなければ今後の施策で軸がぶれてしまうため、かならず最初に実践しましょう。
ターゲット設定
続いての施策を行うにあたって、ターゲットとする顧客やユーザーを設定していきます。
ターゲット設定はWebマーケティングを行うなかでも最重要項目の一つです。仮にターゲットが決まらないまま施策を行ったとしても、成果を出すことができなければ、効果検証や改善を行うこともできないでしょう。
施策内容を決めるうえでも重要となるため、できるだけ具体的に設定することが大切です。
具体的には、以下のような項目から考えましょう。
- 性別
- 年齢
- 居住地
- 職業
- 収入
- 家族構成
- 生活スタイル
- 趣味
居住地や仕事によっても興味を持つポイントは違うため、生活スタイルなど普段の日常まで考えると、より効果的なターゲット設定が行なえます。
購買プロセス・KPIの設定
施策実行の前段階として、具体的な購買プロセスの設計とKPIの設定を行っていきます。
購買プロセスの設定では4Pと4C分析によって、自社商品について市場や顧客目線の見え方をもとに戦略を立てることが重要です。
<4P分析>
- Product:商品
- Price:価格
- Place:流通
- Promotion:販売促進
<4C分析>
- Customer Value:価値
- Cost:コスト
- Convenience:利便性
- Communication:コミュニケーション
また施策の具体的なゴールを指標とするKPIの設定も欠かせません。KPIを設定することによって数値で進捗を可視化でき、明確な現状分析が行なえます。そのため「商品の購入率」など具体的なKPIを設定しましょう。
施策の実施
3つの手順を経て、ようやく施策の実施を行っていきます。
施策では事前に定めた購買プロセスとKPIをもとに、計画性をもって取り組むことが重要です。
またWebマーケティングと一口にいってもさまざまな施策が存在するため、前段階の過程で設定したターゲットや目的に合わせて考えていきましょう。
ここでは主なWebマーケティングの施策を紹介します。
- SEO対策:検索エンジンの上位表示によってWebサイトへの流入を増やす
- コンテンツマーケティング:ユーザーに価値のあるコンテンツを発信しサイトのファンにさせる
- SNS運用:SNSアカウントの運用によってユーザーとのコミュニケーションを図る
- リスティング広告:検索エンジン上で出稿する広告
- SNS広告:SNS上で出稿する広告
上記以外にも多くの施策があるため、状況に応じた変更や組み合わせて活用するなどの取り組みも行っていきましょう。
効果検証・改善の実施
施策実行の後は、効果検証と改善点の対策が重要です。
Webマーケティングでははじめての実施から完璧にいくようなことは珍しく、改善の繰り返しが不可欠だと考えておきましょう。
効果検証を行ううえでは、2種類のデータから分析を行う必要があります。
- 定量データ: 数値として表せるデータ(顧客の単価など)
- 定性データ: 数値として表せないデータ(なぜ商品を選んだのかなど)
定量データについては後述の「Webマーケティングで活用すべきツール」で確認できます。定性データについてはアンケートを行うなど、顧客から直接データ収集することで判断できます。
片方のデータに偏っても良い改善を行えないため、バランスよく収集し次回の施策に活かしていきましょう。
Webマーケティングで活用すべきツール
Webマーケティングを行うなかではデータ分析など、現状の状況を確認する作業は欠かせません。とはいっても確認すべき項目はたくさんあるため、ツールを活用して効率よく把握していきましょう。
ここでは、Webマーケティングで活用すべきツールについて詳しく解説していきます。
Google Analytics
Google AnalyticsはWebサイトのアクセス解析を行う際に活用するツールです。Googleが無料で提供しており、Webサイト運営では欠かせないツールの一つといえるでしょう。
Google Analyticsの主な機能はこちら。
- リアルタイムのユーザーの閲覧状況
- 閲覧したユーザーの情報確認(地域・年齢・デバイスなど)
- Webサイトへの流入元確認
- Webサイト内のユーザーの行動
ユーザーがWebサイトに訪れてから離脱するまでのアクセス解析が行えるため、Webサイトを活用した施策の場合は必須です。とくに「閲覧数はあるがゴールに達成しない」などの問題点があれば、ユーザーの行動分析から効果的な改善が行えるでしょう。
関連記事: Googleアナリティクスとは?導入手順・使い方・用語の意味まで
Google Search Console
Google Search Consoleは、ユーザーが検索エンジンからWebサイトに訪れるまでの分析を行う際に活用するツールです。Google Analyticsと混合されやすいですが、確認できるデータが異なる点に注意をしましょう。
Google Search Consoleの主な機能はこちら。
- ページごとの閲覧数やクリック数
- ページごとの検索クエリや表示順位の変動
- ページやWebサイトの管理・問題点の発見
- ページのインデックス登録
対策キーワードおける表示順位やクリック数など、検索エンジンからの流入を増やす際に役立つツールです。したがってSEO対策を行う際はGoogle Search Consoleが必須となります。
関連記事: GoogleSearchConsole(グーグルサーチコンソール)とは?導入方法と使い方
キーワードプランナー
キーワードプランナーは、Google広告を出稿する際に活用するツールです。キーワードの検索ボリュームをはじめ充実した機能によって、対策キーワードを選定する際も役に立つ情報が知れます。
キーワードプランナーの主な機能はこちら。
- キーワードの月間検索ボリューム
- 関連性の高いキーワードの表示
- キーワードの競合性
- キーワードの最低・最高入札単価
関連性の高いキーワードの表示ではサジェスト機能としての役割を持ち、ユーザーのニーズ分析などでも活用できます。広告運用以外の施策にも活用できるツールのため、積極的な活用をおすすめします。
PageSpeed Insights
PageSpeed Insightsは、Webサイトの読み込み速度を高める際に活用するツールです。ページの読み込み速度はSEOに関係する要素のため、Webサイトを運営するうえでは重要な対策になります。
PageSpeed Insightsの主な機能はこちら。
- Webサイトの表示速度を測定
- 問題点の表示
- 改善案の提案
URLを入力するだけで簡単に測定できる点が、PageSpeed Insightsの特徴です。また問題点や改善案の提案も行ってくれるため、SEOの知識が少ない方でも簡単に対策できることが魅力的なポイントといえるでしょう。
ページの読み込み速度は速いと良い影響しかないため、どのWebサイトでも一度は確認すべきツールです。
Webマーケティングで成果を出すためのコツ
Webマーケティングを成功させるためには、顧客に合わせて定期的な施策の見直しが大切です。そのため手順に加えてPDCAサイクルを回すことを重要視しましょう。また競合サイトと差別化を図ることや、ユーザーが求める情報の提供も成功させるためには必要不可欠なポイントです。
ここまで、Webマーケティングで成果を出すためのコツについて解説していきます。
PDCAサイクルを回す
Webマーケティングでは手順に沿って始めることが重要といいましたが、具体的な方法で考えるとPDCAサイクルを回すことが重要です。
PDCAサイクルとは、4つの項目を繰り返すことで目先の問題点や目標を明確化し、着実に改善を繰り返していく手法になります。
- Plan:計画
- Do:実行
- Check:評価
- Action:改善
Webマーケティングではかならず成功する施策は存在せず、企業の特徴や扱う商材、そしてターゲットによって効果的な方法は異なります。
またトレンドによっても顧客のニーズが変化していくため、定期的に施策の見直しや改善点の確認を行うことが重要です。
したがってWebマーケティングの手順だけでなくPDCAサイクルによって、長期的な視点で施策をすすめていきましょう。
競合との差別化を図る
どの施策においても、競合の企業やWebサイト以上に成果を出すためには、競合との差別化を図ることが重要です。
とくにWebマーケティングでは成功事例から施策を真似て実行することもあるでしょう。たとえば検索結果で上位に表示されるコンテンツを制作する際、検索上位の競合サイトを参考にすることは基本的な対策です。
しかし同じ内容のコンテンツを制作するだけでは、検索上位に表示されたとしても、もとにした競合サイトを追い抜くことは厳しいといえます。
なぜなら同じ内容のコンテンツでは検索エンジンから評価されないためです。ユーザーにとってもよくある内容だと感じられるでしょう。
したがって競合との差別化を図り、まったく新しい切り口でユーザーのニーズを満たすコンテンツを制作するか、競合サイト以上の質の高いコンテンツを制作することが大切です。
ユーザーが求める情報を提供する
Webマーケティングで成果を出すために最も重要視すべきポイントが、ユーザーが求める情報を提供することです。
なぜなら細かく戦略立てた内容以上に、コンテンツ内容が最終的な決め手になるからです。実際Webマーケティングの始め方を紹介してきましたが、どんなに良い施策であっても、コンテンツの質が低ければ爆発的に売れることはないでしょう。
むしろあまりにも質の低いコンテンツであったり、ユーザーのニーズとかけ離れたものであれば、悪い印象を与えてしまう可能性すらあります。
したがってユーザーにしっかりと価値を感じさせ、他の人にシェアするような状態や、繰り返し購入しリピーターとなるようなファン化を目指していきましょう。