Shopify(ショッピファイ)とは? 基本機能とメリット・デメリットについて解説
Shopifyは、ECサイトの構築から運営までの機能を網羅的に提供するECプラットフォームです。従来、ECサイトを構築するにはサーバーやサイト構築の専門知識が必要でしたが、Shopifyを利用すれば、誰でも簡単にサブスクリプション形式でECサイトを立ち上げることができます。その手軽さと機能の豊富さから、世界中の175か国以上で利用されており、日本でも多くの企業や個人が導入しています。多言語・多通貨対応や海外配送の容易さなど、越境ECにも強みを持つShopifyは、ブランド構築を重視する企業にとっても理想的なプラットフォームです。
Shopifyとは
Shopify(ショッピファイ)とはECサイトの出店から運営までの機能を網羅的に備えているECプラットフォームのことです。従来はECサイトを構築するためにはサーバーを用意し、サイト構築する必要がありましたが、Shopifyを導入することでサブスクリプションによりECサイトを容易に構築できる点が高く評価され、175か国以上で導入されています。
日本では既に自社でECサイトを構築する場合にはEC-Cube、WooCommerce(ウーコマース)、Magento(マジェント)などのパッケージが存在し、クラウド型のECサイト開発プラットフォームとしてもBASE(ベイス)やStores.jpといったものが存在しますが、Shopifyでは構築の容易さ、多言語対応、多通貨対応、海外配送の容易さなど越境ECに向いている点からも導入が進んでいます。
Shopifyの仕組み
ShopifyはECサイトを構築・運営するためのツールが1つに集約されている点が特徴です。プラン申し込み後に、テンプレートを選択してサイト作成ができるほか、オンライン決済や販売管理ツールなど基本的な機能はすべて搭載されています。また、アプリストアには7000以上のアプリが存在するため、プログラミングやWEB制作の知識がなくてもカスタマイズしてECサイト運営をすることができます。
サイト構築を簡単にしたプラットフォームとしてはWordPressが有名ですが、ECサイトの構築に限っていえばWordPressで作ったサイトにプラグインを導入して作成するよりもShopifyのほうが優れている点が多いのが実情です。
ECサイトで販売する場合、まず頭に浮かぶものとしてはAmazonや楽天市場です。Amazonも楽天市場もユーザー数の非常に多いサービスですので集客手法として十分ですが、Amazonや楽天市場とShopifyではサイトの設計思想が大きく異なります。
Amazonはブランドとユーザーの間に入ってきますので販売するのはAmazonです。ユーザーにはAmazonで勝っている印象が強く残りますのでブランディングにはつながりにくいECサイトといえます。対して、Shopifyはブランドとユーザーの間に入ってくることはありませんので、自社ブランディングを行う場合であっても都合がよいサービスです。
以上をまとめると、次のような場合にはShopifyを導入することが推奨されます。
- ブランディングを考えている
- 出店コストを抑えたい
- ECサイトで集客を考えている
- 越境ECを想定している
ShopifyでのSEO対策
ShopifyでECサイトを運営していくなかで難しいのは集客手法です。サイトを作ってもユーザーが集まらなければ売上を作ることはできません。Amazonや楽天市場であればサイトへのアクセス数が非常に多いため、検索により自社商品を購入されることはありえますが、Shopifyではそれは期待できません。
そのため、SEO対策、広告、SNSなどを活用して自社サイトへのアクセスを増やす必要があります。Shopifyであればタイトル、ディスクリプション、サイト構成、画像のalt属性などECサイトに必要な基本的なSEO対策を行うことは可能です。人気コンテンツを作ってうまく活用することでコンテンツマーケティングとしても成功する可能性があります。
Shopifyの基本機能
ShopifyはECサイトの構築・運営をするためのプラットフォームですので、出店するための機能のほとんどがあります。ECサイトに必須なものとして、決済画面、問い合わせフォーム、商品登録機能などがありますが、決済に関してはクレジットカードや振込などの決済方法があり、デザインが決まっていればshopifyに登録後数日で対応可能なほど簡単に出店できることが大きな魅力です。
決済機能
Shopifyペイメントは管理画面から有効化するだけで決済の受付が可能になります。Visa、MasterCardのようなクレジットカード、Apple PayやPaypalなどさまざまな支払い方法に対応しています。また、Shopifyチェックアウト機能により自社ストアだけではなく、FacebookやInstagramのようなSNSやECモールでのチェックアウトの際にも商品を購入の際にはShopifyの注文管理で処理することができます。
バックオフィス機能
オンラインショップへのアクセスや売上などをリアルタイムで確認できたり、データ分析機能により集客や行動をレポートにすることも可能です。また、商品検索の際に使ったクエリ分析もできるため、基本的なサイト分析はShopify上で完結させることができます。
また、モバイルアプリを使うことでスマートフォンやタブレットから注文管理ができます。注文や在庫把握を簡単に行うことができ、売上の把握や発注などは移動中であっても対応可能です。
マーケティング機能
Shopifyではブログを活用したコンテンツマーケティング、SEO対策、SNS広告などさまざまな手法を使ってマーケティングを強化することができます。マーケティングレポート機能もありますので、販売戦略の設計から運用、その後の修正行動までの実施が可能です。
Shopifyを利用するメリット
ShopifyではECサイト構築・運営の機能が搭載されていますが、ECサイトプラットフォームは他にもあります。そのなかでShopifyが優れているのは特に次のような点です。
- 低コストで導入できる
- 配送に強い
- 外部サービスやSNSと連携できる
- カスタマイズ性が高い
- 越境ECに対応できる
- 手数料が安い
低コストで導入できる
Shopify導入の大きなメリットは低コストでECサイトを構築できることです。通常、ECサイトを構築する場合、安いものであっても50万円〜100万円程度はかかります。サイト規模や機能次第では数百万円かかることも十分にありえます。対してShopifyであれば月額33ドルから始めることができるため、数日で構築できるという工数も含めると非常に安価に導入できます。
配送に強い
Shopifyの管理画面では在庫状況、売上状況、販売状況などが確認できるため、在庫管理がしやすいのが特徴です。実店舗がある場合には、店舗の在庫と連携を図ることができるため、事業全体の在庫の一元管理が可能です。
外部サービスやSNSと連携できる
ShopifyはAmazonや楽天市場のような外部サービスとの連携、FacebookやInstagram、TikTokのようなSNSとの連携が可能です。実店舗も視野に入れたオムニチャネルを構築することが容易です。
カスタマイズ性が高い
通常、ECサイト構築を制作会社に依頼した場合にはカスタマイズの度に費用をかけて改修を行うことになりますが、Shopifyの場合にはアプリストアに7000以上のアプリがあるため、サイト構築やプログラミングができなくても容易にカスタマイズすることができます。
越境ECに対応できる
ShopifyはFedExのような海外配送サービスと提携しているため国外への配送が可能です。越境ECが可能となるということはリーチできるユーザーが爆発的に増やすことができるということです。海外に対する集客手法については課題は残るものの、現地調査を行った上で海外SEOを行えば、売上を大きく伸ばすことができます。
手数料が安い
Amazonや楽天市場のようなモールでは、売上が上がるほど決済手数料が高くなります。しかし、Shopifyではクレジットカードの決済手数料だけでの販売ができますので、売上に対する手数料が非常に安くなります。
Shopifyのデメリットと注意点
ShopifyはECサイトをスタートするには非常によい仕組みですが、Amazonや楽天市場を使わないということは集客に苦戦する可能性があるということです。また、スタート時には安価で良いサービスであっても規模を大きくするにつれて対応できなくなるということが考えられます。
その意味で、Shopifyのデメリットや注意点には次のようなものが上げられます。
- 大規模なサイトに向かない
- サイト構築の知識が必要になることがある
- 日本語に対応していないものがある
- 自社で集客する必要がある
大規模なサイトに向かない
ShopifyはECサイトをスタートするためには非常に便利ですが、大規模なサイトで顧客管理を行うところまで考えるとなるとShopifyは向きません。大規模サイトになるようであれば、費用と工数をかけてサイト制作をしたほうがコンバージョン率も高くなる可能性が高く、月商数百万円規模のECサイトであればShopify、それ以上であれば独自開発することを推奨します。
サイト構築の知識が必要になることがある
ShopifyはWEB制作の知識がなくても構築できる点が大きな魅力ですが、機能によってはHTMLやプログラムの知識が必要になることがあります。都度、外注することで対応することはできますが、改修の度に依頼先が変わるようであればサイト管理が難しくなることがあるため、一定規模以上のサイトになるようであればShopifyは不向きです。
日本語に対応していないものがある
Shopifyはカナダにある多国籍企業であり、基本的に情報は英語で発信しています。特にアプリは海外の開発者が多いこともあり英語での説明がほとんどです。英語でも理解できる方やYouTubeやShopifyの解説サイトを見ることで対応できることも多いため、大きなデメリットとはいえませんが、一次情報に日本語がないことがあるという事実は把握しておくべきことです。
自社で集客する必要がある
Shopifyを使うことで越境ECもできる点は大きな魅力ですが、インターネット上の1つのサイトになるということは完全に自力で集客を行う必要があるということです。Amazonや楽天市場に出店すると高い手数料がかかりますが、言い換えれば高い手数料を支払ってでも集客する力があるのでメリットがあるともいえます。
SEOを強化したり、SNS運用を努力することでアクセスを増やすことはできますが、短期での集客を見込むことは難しく、中長期的なWEBマーケティングを継続的に行うことに費用や時間がかかります。
Shopifyの料金プラン
Shopifyには複数の料金プランが存在するものの、初期費用は無料であり、月額費用とクレジットカード手数料以外の費用がかからない点は非常に大きな魅力です。
プラン | 月額費用 | クレジットカード手数料 |
ベーシック | 33ドル | 3.4%~4.15% |
スタンダード | 92ドル | 3.3%~4.1% |
プレミアム | 399ドル | 3.25%~4.05% |
クレジットカードの手数料に幅がありますが、これは国内発行のカードか海外発行のカードかの違いです。1ドル157円計算では月33ドルは月5200円程度ですので一般的なサイト運営を考えてもかなり安価なサービスといえます。
※Shopify Plusというプレミアムよりも更に上位のプランもありますが、大企業向けのプランですので、まずはベーシックでスタートし、サイト規模に応じてスタンダード、プレミアムと検討するようにしてください。
まとめ