セマンティック検索とは?事例と導入後のSEOについて解説
セマンティック検索とは検索をしているユーザーの目的を検索エンジンが理解することによって、適切な検索結果を提供することをいいます。
検索内容があいまいなワードであったとしても日時や位置情報などの情報をもとにしてユーザーが必要とする情報を提供している検索結果を提供します。
セマンティック検索とは
セマンティック検索(semantic search)とは、検索をしているユーザーが入力したキーワード情報に基づいてユーザーの目的や意図を検索エンジンが理解し、必要な情報が書かれている検索結果を提供するといった技術や考え方のことをいいます。
セマンティック検索の需要が高まった理由として、検索クエリの多様化があります。インターネットやスマートフォンの普及によりユーザーにとって必要な情報はいつでも調べられるようになりました。そのため、ユーザーがこれまで以上に満足するような検索エンジンの性能が求められたのです。
Googleはユーザーに信頼性が高く関連性のある情報を提供することを掲げており、セマンティック検索の重要性が高まりました。
セマンティック検索の主な事例
セマンティック検索には次のようにさまざまな事例が挙げられます。
- ナレッジグラフ
- リッチスニペット
- アンサーボックス
- 類義語
ナレッジグラフ
ナレッジグラフとは、検索したワードを基にしてユーザーが必要とする情報をまとめて表示する機能です。例えば、「トップガン」で検索するとキャストの写真が並べて表示されています。このように「トップガン」といった検索ワードに対してGoogleが複数のWEBサイトから自動的に情報収集する機能です。
リッチスニペット
リッチスニペットとは、検索表示画面において通常表示されるWEBページを説明する文章とは別に、ユーザーニーズが高い情報を記載します。リッチスニペットはWEBのコンテンツやmetaタグから抽出されるスニペットのことで、商品画像やレビューなどさまざまな種類があります。
アンサーボックス
アンサーボックスとは、検索結果ページの上部の検索クエリの答えやその説明を表示できる機能のことです。
例えば、「イギリスの首都」で検索すると「ロンドン」が出てきます。
また、「日本で2番目に高い山」と検索することで富士山(3776m)、北岳(3193m)、穂高岳(3190m)、槍ヶ岳(3180m)のようにアンサーも含めた周辺情報も出てきます。
類義語
検索ワードが、「日曜日にやっている病院」である場合、検索エンジンがユーザーニーズに高いと判断した「日曜日に診察している病院」に関連したWEBサイトを表示します。
セマンティック検索を目的としたアップデート
より的確なユーザーの目的や意図に関連する検索結果を表示するために、定期的なアップデートがおこなわれています。主なアップデートは次の2種類です。
- ハミングバードアップデート
- RankBrain
- BERTアップデート
ハミングバードアップデート
ハミングバードアップデートは、検索キーワードが複雑な場合でも背景や文脈を把握することにより的確な検索結果を提示するアルゴリズムです。例えば「新宿駅の近くでランチをできる場所」と検索した場合、これまでは「新宿駅」、「近く」、「ランチ」、「場所」といった文字列が含まれたページが検索結果として表示されていました。
しかし、ハミングバードアップデートによりユーザーの意図を把握することで「安い」、「おしゃれ」、「ゆっくり」、「イタリアン」などキーワードと違ってもユーザーのニーズが高いワードを検索結果に表示するようになりました。
RankBrain
RankBrainはハミングハードアップデートと目的は同じで、AIを活用してユーザーの検索結果をもとにして適切なコンテンツを表示するアルゴリズムです。WEBサイトのコンテンツ内容とユーザーが検索したワードに関連性があるかどうかを判断して検索エンジンへのインデックスに寄与するためSEOにも影響します。
GoogleがRankBrainを重要視すると発言しているため、RankBrainにおいての検索ワードとコンテンツの関連性がSEO対策において重要となっています。RankBrainにより高く評価されるためには、検索ワードとコンテンツの内容が一致しておりさらにユーザーファーストであることが重要です。
BERTアップデート
BERT(バート)はAIを活用した自然言語処理の検索アルゴリズムであり、日本では2019年12月にアップデートが実施されました。BERTはGoogleにおける従来の技術をアップデートしており、ロングテールキーワードにおいてもっとも大きな影響がありました。「SEO対策とは」と「SEO効果」では、検索しているユーザーが知りない内容は必ずしも同じではありません。BERTアップデートにより、このような違いに対しても対応できるようになりました。
セマンティック検索の例
セマンティック検索はユーザーに必要な情報を、検索ワードから推測して表示します。表示例は関連ワードや地図、営業時間などさまざまな例が挙げられます。
「渋谷 散髪」で検索した場合
「渋谷 散髪」で検索した場合、次のように「QBハウス」「カット専門店」といったキーワードとは違ったワードが太字になっています。つまり、検索エンジンが散髪屋を知りたいニーズは「カット専門店やQBハウスを探している」と判断していることを意味しています。
「池袋 ローソン」と検索した場合
「池袋 ローソン」で検索した場合、店舗情報や地図が表示されます。このため、WEBサイトを閲覧しなくても、ユーザーが必要としている情報を提供することが可能です。
「日曜日でもやっている病院 立川」と検索した場合
「やっている」と検索していますが、診療可能とAIが置き換えて表示しています。このように、検索ワードで違った言い方をしても判断できているのがわかります。
セマンティック検索とSEO
セマンティック検索が導入されたことにより、これまで以上に検索エンジンで検索することによってユーザーが必要な検索結果が表示されるようになりました。検索エンジンが検索ワード以外にも、検索ユーザーのニーズをつかめるようになったのが要因です。そのため、ユーザーにとって有益でないコンテンツを検索エンジンが見抜くようになりました。
ユーザーに対して有益な情報を提供しているWEBサイトはこれまで以上にGoogleの評価が高まり、ユーザーにとって必要な情報を含んでいないWEBサイトは評価されないようになります。
まとめ