GoogleアナリティクスのReferral(リファラー)とは何か?確認方法も解説
SEO対策をはじめたら、必ずGoogleアナリティクスの分析もしていきたいですが、Googleアナリティクスを閲覧していると「Referral(リファラー)」という用語を目にする機会があると思います。この「Referral」とは、どのような意味なのでしょうか?
Googleアナリティクスの「Referral(リファラー)」とは
Googleアナリティクスの「Referral(リファラー)」とは、参照元サイトからの訪問を指します。たとえば、Aサイトに自社サイトのリンクが貼ってあり、Aサイト→自社サイトへ直接遷移した場合は、Aサイトは「Referral」として表示されます。
Googleアナリティクスには、Referral以外にも流入元を確認できるようになっています。Referral以外の流入元は次のとおりです。
<Googleアナリティクスで確認できる流入元>
Direct | Organic Search | |
Social | Paid Search | Other Advertising |
Display | Affiliates | Other(その他) |
それぞれの流入元の詳細については、のちほど詳しく解説します。
GoogleアナリティクスでReferralを確認する方法
GoogleアナリティクスでReferralを確認する手順について紹介します。
1.Googleアナリティクスにログインし「ユーザーを獲得している方法は?」→「トラフィックチャンネル」→「集客レポート」を選択する
2.「Referral」から、ユーザー数を確認できる
ユーザー数のほかにも「新規ユーザー」や「セッション」「直帰率」などの情報も確認できます。
3.「Referral」をクリックすると、より詳細に参照元を確認できる
詳細に確認することで、Referralのなかでも「流入元のサイト」やコンバージョン率などの詳細なデータまで抽出できます。
Referralに含まれるWebサイト
Referralは「参照元サイトから訪問」を指しますが、具体的にはどうようなWebサイトなのでしょうか?
Referralに含まれるWebサイトは、次のとおりです。
<Referralに含まれるWebサイト>
- ほかのWebサイト
- 自社サイト
- TwitterやInstagramなどのSNS
- Googleアナリティクスに認識されていない検索エンジン など
基本的には、Referralとは「ほかのWebサイトからの流入」を指しています。一方でGoogleアナリティクスの仕様上、ほかのWebサイト以外の流入経路でもReferralとして計測してしまうケースがあり、注意が必要です。
そこで基本的にReferralが示す「ほかのWebサイト」に加えて、ほかでもReferralとして補足されるケースについていくつか紹介します。
ほかのWebサイト
Referralとは基本的に「ほかのWebサイトからの流入」を指しています。ほかのWebサイトに貼られた自社サイトのリンクからの遷移が、Referralに該当するのです。
たとえば「○○.com」というドメインのWebサイトに貼られた自社サイトへの訪問があった場合、Googleアナリティクスには「Referral」と表示されます。さらに詳しく解析すると「○○.com」というサイトから訪問があったことも、Googleアナリティクスではわかります。
このように、本来Googleアナリティクスで閲覧できる「Referral」とは、ほかのWebサイトから流入を確認するためにあるのです。
自社サイト
本来Referralとは「ほかのWebサイト」を指します。一方で、なんらの原因で自社サイトがReferralに表示されるケースもあります。
TwitterやInstagramなどのSNS
実はTwitterやInstagramなどのSNSで短縮URLを作成し、そこから流入があると「Referral」で表示されるケースがあります。その場合「twitter.com/referral」のように表示されることがあるので、注意しましょう。
本来SNSから流入があった際は、流入元は「Social」で表示されます。しかし上記のように、SNSで短縮URL経由から流入があった場合、次のように表示されます。
<SNSで短縮URL経由で流入があった場合の表示>
- Twitter→「twitter.com / referral」
- Instagram→「l.instagram.com」「instagram.com / referral」
- Facebook→「facebook.com / referral」「l.facebook.com / referral」「m.facebook.com / referral」「lm.facebook.com / referral」 など
このように「○○/referral」と表示され、○○を見るとSNS名がわかります。そのためReferralであっても、どのSNSから流入があったのか判断可能です。
Googleアナリティクスに認識されていない検索エンジン
基本的に「Google」や「Yahoo!」「Bing」などの検索エンジンからユーザーがキーワードを入力しサイトへの流入があった場合「Organic Search(自然検索)」と表記されます。
一方で、Googleアナリティクスが認識していない検索エンジンから流入があった場合、自然検索経由でも「Referral」と表記されるケースがあるので注意しましょう。
国内でいうと、ほとんどのユーザーが「Google」や「Yahoo!」「Bing」などの検索エンジンを使用しており、その多くはGoogleアナリティクスが計測しています。
たとえばYahoo!でとあるキーワードを入力し、検索結果から流入があった場合はきちんと「Organic Search(自然検索)」で表記されます。
一方で、世界にはこれら以外にも、数多くの検索エンジンが存在します。なかにはかなりマイナーな検索エンジンも存在し、そのような検索結果から流入があった場合「Referral」として表示されるケースもあるようです。
ただしこちらのケースはあまり多くないため、スパムのような悪質な行為を除けば、Googleアナリティクスの計測を邪魔するほどのものでもないでしょう。
「ノーリファラー」とは
実はGoogleアナリティクスには、どのWebサイトから流入してきたのかわからないケースがあります。この参照元がわからない流入を「ノーリファラー」と呼びます。
ノーリファラーとして計測される原因として、次のようなものがあります。
- ブックマーク
- アプリ
- URLの直接入力
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ブックマーク
ノーリファラーとして計測される1つめの原因が「ブックマーク」です。ユーザーが自社サイトのページをブックマークしており、そこから流入があった場合は「ノーリファラー」になります。
たとえばGoogleの「Chrome」には、ブックマークの機能があります。ユーザーによって、よく閲覧するサイトやお気に入りのページがあれば、ブックマークでURLを登録します。
ブックマークはWebサイトから流入しているわけではないので、Googleアナリティクスも参照元のWebサイトを計測できず、結果として「ノーリファラー」となるのです。
アプリ
Webサイトではなくアプリ経由で流入があった場合、Googleアナリティクスは参照元サイトを計測できず「ノーリファラー」となります。
たとえば自社でアプリを開発しており、そこに自社サイトのリンクを貼っていた場合、そこから訪問するケースもあるでしょう。
アプリを運営している企業は「ノーリファラー」が多く計測されることもあるので、このようなケースもあることは念頭に入れておきましょう。
URLの直接入力
ユーザーがURLを直接入力してWebサイトを訪問した場合も「ノーリファラー」として計測されます。
URLの直接入力した場合、どこかのWebサイトからか訪問したわけでもないので、Googleアナリティクスでも参照元サイトを計測できる「ノーリファラー」となるのです。
急激にReferralが増えている場合はスパムの可能性あり
Referralに関して、1つ注意点があります。それは「短期間で急激にReferralの訪問が増えているケース」です。これは、外部からのスパム攻撃の可能性もあるので、対処が必要です。このスパムを「リファラスパム」と呼びます。
リファラスパムを仕掛ける悪質ユーザーの目的は「Googleアナリティクスで参照元サイトを確認したときに、そこからWebサイトを閲覧してもらう」ことです。ふだんからGoogleアナリティクスを確認している人によっては、多くの不明なWebサイトから流入があれば、当然どのようなページなのか気になるのは当然でしょう。
リファラルスパムを仕掛ける悪質ユーザーは、この心理を利用します。場合によってはWebサイト経由でウイルスを侵入させたり、低品質なWebサイトにリンクを張ってSEOの評価を下げたりしようとするので、注意しましょう。
こうしたスパムに対応する方法の1つに、Google Search Consoleを使ってドメインごと否認する手段があります。以下の記事で紹介しているので、リファラルスパムへの対処方法を知りたい方はぜひ確認してください。
関連記事:悪質なリンクとリンクの否認方法
Referral以外にGoogleアナリティクスで確認できる項目
Googleアナリティクスには、Referral以外にも計測できるチャネルがいくつかあります。そこで、Referral以外チャネルを見てみましょう。
Direct
Directとは、計測できない参照元サイトからの流入を指します。先ほど紹介した「ノーリファラー」と「Direct」は、基本的に同義語です。
ノーリファラーと同様、Directには「ブックマークやアプリからの訪問」や「URLの直接入力」などが該当します。
Organic Search
Organic Searchとは、自然検索からの流入を指します。この「自然検索」とは、検索エンジンにキーワードを入力することで検索する行為です。
たとえばGoogleやYahoo!などにユーザーがキーワードを入力し、検索結果から自社サイトへ流入があった場合は「Organic Search」として計測されます。
Emailとは、メールからの訪問です。たとえばメルマガを配信している企業は、チャネルの「Email」を計測することで、ユーザーがどれだけの反応を示しているのか分析できます。
Social
Socialとは、SNSからの流入です。たとえば企業が運用しているアカウントでページのURLを貼り、そこから流入があった場合は「Social」として計測されます。
Paid Search
Paid Searchとは「リスティング広告」からの訪問です。リスティング広告とは「検索連動型広告」とも呼ばれ、GoogleやYahoo!などで検索エンジンにキーワードを入力して検索したときに、一番上に表示される広告を指します。
ユーザーがこのリスティング広告を経由して自社サイトに訪問した場合「Paid Search」として計測されます。そのため「Paid Search」は、広告運用をしている時に分析する指標として多く使われる項目です。
Display
「Display」とは「ディスプレイ広告」からの訪問です。ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリ上で表示される広告です。ユーザーの検索行動に沿って趣味嗜好を分析し、最適な広告を表示させるのが「ディスプレイ広告」の特徴です。
ディスプレイ広告を運用している企業にとって「Display」は非常に重要な分析項目の1つです。
Other Advertising
Other Advertisingとは「リスティング広告」と「ディスプレイ広告」以外の広告からの訪問です。
「Paid Search」は、Googleが運用している広告からの流入を指します。一方で「Other Advertising」はそれ以外の広告を指しています。Web上の広告はGoogle以外が運用しているものもあるので、そこからの流入は「Other Advertising」として計測されるのです。
Affiliates
「Affiliates」とは、アフィリエイトからの訪問です。アフィリエイトとは、インターネットにおける成果報酬型の広告です。
ユーザーがアフィリエイト広告を経由して広告主の定める条件を満たしたとき、ASP(アフィリエイト広告の仲介会社)経由でメディア(アフィリエイター)に報酬が払われます。
Affiliatesは、主に広告主が分析する項目です。アフィリエイトの成果を分析するために、この「Affiliates」を見ることで情報を得ます。
Other(その他)
Other(その他)とは、Referralを含めどの流入元にも該当しない訪問を指します。
たとえば「Other(その他)」には、SNSからの訪問(Social)がOtherに計測されることもあります。実はSocialは、厳密には次の要件が定められています。
Social | ソーシャル メディアからの参照 – 完全一致 – Yes
OR メディア – 正規表現に一致 – ^(social|social-network|social-media|sm|social network|social media)$ |
出典:デフォルト チャネルの定義 – アナリティクス ヘルプ
そのためSNSからの流入であっても、Googleアナリティクスの要件に完全一致しなければ、Otherとして計測されてしまうのです。このようなケースがあることは理解しておきましょう。
まとめ