Webマーケティングにおけるプログラミングの重要性やできることを解説
Webマーケティングを行ううえで「プログラミングが必要なのか知りたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。結論からいうと、今後のWebマーケティング分野ではプログラミング言語が必要といえます。
Webマーケティングにおけるプログラミングの必要性
従来まではWebマーケティングを行ううえでプログラミングが必要というわけではありませんでした。しかし近年のビックデータを活用する時代の変化によって、今後は重要視されると考えられます。またWebサイトを扱う以上、構造理解や簡易的な編集においてもプログラミングが必要といえるでしょう。
ここでは、Webマーケティングにおけるプログラミングの必要性について、詳しく解説していきます。
その1: データドリブンなマーケティングが求められるため
Webマーケティングにおいてデータ分析は欠かせない作業の一つとなり、今後はよりプログラミングを活用したデータドリブンなマーケティングが求められるといえます。
なぜならテクノロジーの進歩によってビックデータの活用が容易になったためです。
従来までのコンピューターでは、ビックデータのような膨大な容量を扱うには時間やコストが必要なため、マーケティングに活用することも簡単ではありませんでした。
しかし近年ではハイスペックなコンピューターの誕生やクラウドサービスとの連携によって、処理速度が向上しマーケティングにも活かせます。
またプログラミングを活用するとマーケティングで重要なデータのみを抽出でき、データ分析として十分成り立たせることが可能です。
したがって今までできなかったビックデータを利用するためにも、プログラミングを活用したデータ分析が必要となります。
その2: Webサイトの構造理解や簡易的な修正を行うため
WebマーケティングにおいてWebサイトを軸に施策を実施することは多く、Webサイトに対する理解は必須といえるでしょう。特にSEOを軸とするWebマーケティングの場合、Webサイトを構成するHTMLやCSSを含めた構造理解は必要不可欠です。
なぜなら内部的な対策や簡易的な修正を行ううえで、プログラミングを活用する必要があるからです。
たしかにWordPressなどのCMSを活用すれば、プログラミングを知らなくてもWebサイトの構築や編集は行なえます。しかしデザインのカスタマイズを行うためにはCSSやJavaScriptの活用が必要です。
クリエイティブな分野だからといって細かい修正をエンジニアに毎回依頼していたら、施策のスピードは下がってしまうでしょう。したがってWebサイトの構造理解や簡易的な修正を行うためにも、プログラミングは必要な要素なスキルです。
Webマーケティングにおけるプログラミングの用途
WebマーケティングにおいてプログラミングはSEOの内部対策やデータ分析など、さまざまな用途で活用できます。通常のWebマーケティングでは行えない高度な分析も可能となるため、プログラミングの有無によって施策の幅も広がるといえるでしょう。
ここではWebマーケティングにおけるプログラミングの用途について、以下の4つを解説していきます。
- SEOの内部対策
- LPの改善
- A/Bテストの改善
- データ分析
SEOの内部対策
WebマーケティングのなかでもSEOの内部対策を行う際は、Webサイトのコードを編集する必要があるため、プログラミングスキルが求められます。
内部対策の例でいうと、構造化マークアップです。構造化マークアップとはWebサイトにおけるコードの内容を、検索エンジンが理解しやすいようにHTMLやCSSなどで記述を付け足すことです。
他にも以下のような内部対策において、プログラミングスキルが活用できます。
- URLの正規化
- robots.txtの使用
- noindexの使用
- sitemap.xmlの設置
- nofollowの設置
SEO内部対策はプログラミングを一切必要としないものもありますが、細かいテクニカル面の対策を行う際は、プログラミングの活用が必須です。
関連記事: SEOの内部対策で最低限行うべき10個のチェックポイントをご紹介
LPの改善
リスティング広告の運用で活用するLPでは、改善や修正にプログラミングのスキルが必要になります。
一般的なWebマーケティングの業務内容にLPの修正は含まれていません。しかしLPは修正することが多く、Webマーケティングの担当者であっても頼られることは多いといえるでしょう。
また使用するプログラミング言語はHTML・CSSだけでなく、LP上に動きをつけるJavaScriptも重要です。
したがって表面的なプログラミング言語の理解だけでなく、JavaScriptの活用までを考えられていると非常に効果的といえるでしょう。
A/Bテストの改善
A/Bテストとは、2パターンのページを用意し成果の高い施策を導くための手法です。
A/Bテストというだけあってさまざまな項目を編集する必要があり、プログラミングのスキルが必要になります。
たとえば以下のような作業です。
- アクションボタンの編集
- フォーム画面の修正
- LPデザインの編集
また効果測定のためにイベントタグを設置する必要もあり、高度なプログラミングスキルが求められるといえるでしょう。
一般的なWebサイトよりも編集を行うことが多いため、Webマーケティングと一緒にプログラミングを活用できれば非常に重宝される人材になります。
データ分析
一般的に活用されているツールでも十分にデータ分析を行えますが、自分の求めている情報を的確に抽出する場合や、高度なデータ分析を行いたい場合にはプログラミングスキルが必要です。
例えば高度なデータ分析例として、Twitterにおけるテキストマイニングが挙げられます。
テキストマイニングとは、膨大なテキストデータのなかから任意の情報を抽出することです。
またTwitterはAPIを開放しており、PythonやRであればTwitterのデータを活用できる仕組みとなります。
したがって該当するプログラミング言語さえ扱うことができれば、Twitter上で求める情報に絞ったデータ分析が行なえます。
「あるアカウントのツイートを抽出」なども可能となり、Webマーケティングにおける分析の幅が広がることは間違いないでしょう。
Webマーケターがプログラミングを身につけるとできること
Webマーケーターとして活動している人であれば、プログラミングの取得は非常におすすめできます。なぜならプログラミングを学ぶことによって、業務の効率化や施策のアイデアが増えるなど、仕事全体のレベルアップにつながるためです。
またエンジンとの関わりが多いマーケターであれば、スムーズなコミュニケーションも強みといえるでしょう。
ここでは、Webマーケターがプログラミングを身につけるとできることについて詳しく解説していきます。
エンジニアとのスムーズなコミュニケーションの実現
Webマーケティング分野で仕事を行っていると、Webサイトの制作やA/Bテストのページ制作などクリエイティブな業務をエンジニアに依頼することもあります。
仮に一般的なWebマーケターであれば「あるアプリのなかで、アクティブなユーザーをデータ化してほしい」などの要望を伝えるでしょう。
とはいってもアクティブユーザーの具体的な定義はさまざまなため、明確には分かりません。結果的にアバウトな依頼となり、伝えるべき情報が違ってしまうことも考えられます。
しかしプログラミングスキルがあり、データ分析の流れを理解しているマーケターであれば、具体的な内容で依頼ができます。エンジニア側としても、実際の行動へと落とし込みやすいといえるでしょう。
エンジニア側の作業を知っているからこそ的確な内容を話すことができ、スムーズなコミュニケーションが取れる点が強みとなります。
業務を効率化できる
Webマーケターがプログラミングを身につけると、普段の業務を効率化できます。特にWebマーケターは普段から多くのデータを扱うため、データを調査する時間や整理する時間が必要です。仮にデータ分析の作業が重なってしまった場合、一つひとつを手作業でこなしていくと大幅な時間がかかるでしょう。
しかしプログラミングができる場合、必要な業務を自動化できます。例えばインターネット上にある情報からデータを収集できるため、調査の時間や整理する時間を圧倒的に減らすことが可能です。
いままで時間のかけていた作業がなくなることで重要なタスクに集中でき、最終的には仕事全体の効率化につながる点が魅力的なポイントになります。
施策のアイデアが増える
Webマーケターがプログラミングを身につけるとできることの3つ目が、今までにはなかった施策のアイデアが増えることです。
今まではWebマーケティングとしての観点でしかみれなかったことが、エンジニアとしての観点に立つことで、新たな発見もあるでしょう。
例えば「この対策を不可能だと思っていたが、実際は簡単に行える」など、技術面の誤解があることも多いです。
そのため施策の幅を広げるためにも、Webマーケターであればプログラミングスキルの習得をおおすすめします。
Webマーケティングに必要なプログラミング言語
Webマーケティングとの組み合わせでおすすめのプログラミング言語は以下のとおりです。
- HTML/CSS
- JavaScript
- SQL
- データ解析の言語
- サーバーサイドの言語
具体的な活用方法も踏まえて、各々解説していきます。
HTML/CSS
まずは最も一般的なプログラミング言語であるHTML・CSSから習得していきましょう。
HTML・CSSはプログラミングなかでも理解をしやすく、最初に学ぶには適した言語です。
またWebマーケティングを行う場合はHTML・CSSのコードがしっかりと理解でき、問題なく読めるレベルであれば問題ありません。
Webを制作するうえで軸となる言語のため、タグの構造が理解でき、SEO対策が行われているのかを把握できる状態を目指しましょう。
実際HTML・CSSを理解しているかしていないかでも、Webサイトの構造理解やエンジニアとのコミュニケーションに差があります。
したがって最初はWordPressの活用と並行しつつでも、最低限学んでいきましょう。
関連記事: SEOで効果を発揮するHTMLタグの置き方を解説
JavaScript
JavaScriptは動的なサイトを制作する場合に活用するプログラミング言語です。
HTML・CSSと比べて難易度は上がりますが、プログラミングの中では基本的な言語となります。そのためHTML・CSSを理解しているレベルであれば、問題なく学習できるといえるでしょう。
Webマーケティング分野での活用方法は、以下のとおりです。
- アクセス解析ツールを自己流にカスタマイズするとき
- Cookieのデータを保存するとき
- タグマネージャーを活用し、A/Bテストや施策を簡略化するとき
JavaScriptを習得することで、データを取得する仕組みについて理解を深められます。既存で活用しているGoogle Analyticsなどでも十分にカスタマイズできる点が強みといえるでしょう。
SQL
SQLはデータベースを利用し、データを抽出する際に活用するプログラミング言語です。
Webマーケティングには欠かせないデータを使用する際に活用できるため、使うタイミングは多いといえるでしょう。自分の好きなタイミングで欲しいデータを得られる点が、SQLを学ぶメリットです。
またここまで紹介してきたHTML・CSSやJavaScriptと比べても、簡単に学べ実践できる点が特徴になります。
しかしWebマーケターとして活躍している人のなかでもSQLを使いこなせる人はそこまで多くなく、ほとんどのマーケターがBIツールなどを活用しているのではないでしょうか。
したがってSQLを活用できるだけで、他のWebマーケターと差をつけられるといっても過言ではありません。
データ解析の言語
データ解析でおすすめのプログラミング言語は、Pythonです。後述のサーバーサイド言語の役割も担っており、Webマーケティングには非常に有効活用できるプログラミング言語といえるでしょう。
たとえばPythonを活用することで、Webスクレイピングが行えます。
WebスクレイピングとはWebサイト上から指定した情報を取得し、Excel上で整理までを行えるシステムのことです。
仮にWebスクレイピングでタイトルタグを選択すれば、タイトルタグを抽出できます。また検索順位を毎日スクレイピングすることで、自社サイトだけでなく競合サイトの分析も行えるなど、活用方法は多種多様です。
WebマーケターのなかでもPythonを活用できる人は少なく、非常に市場価値の高い人材といえます。
サーバーサイドの言語
サーバーサイドにおいてもおすすめのプログラミング言語は、Pythonです。他にもRubyやNode.jsなどもサーバーサイド言語としておすすめできます。
サーバーサイドはPythonで設定したロジックをフロントエンドにつなげるなど、Webサイトで表示させたい場合に活用できるプログラミング言語です。
活用できれば便利ではあるものの、前述のプログラミング言語の中で重要度はあまり高くないため、最終的に学ぶ程度で問題ありません。
まずはサーバーサイド以外のプログラミング言語から学んでいき、実際のWebマーケティング業務や施策で活用していきましょう。