オーガニックサーチとは?重要性や流入を増やす方法など解説
Googleアナリティクスで度々目にする「オーガニックサーチ(Organic Search)」という用語があります。オーガニックサーチとは、一体何を指すのでしょうか?
オーガニックサーチ(Organic Search)とは
オーガニックサーチ(Organic Search)とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンにキーワードを入力したとき、検索結果に表示されるうちの広告以外の部分を指します。オーガニックサーチは、別名「オーガニック検索」「自然検索」などと呼ばれます。
たとえば「パソコン」と調べれば、以下のような検索結果が表示されます。
この検索結果の中で、広告の下に表示されているのがオーガニックサーチに該当する部分です。
オーガニックサーチに表示する内容は、200以上にものぼるGoogleのアルゴリズムが決定しています。検索ユーザーは検索エンジンにキーワードを入力する時、知らないことや不安、悩みなどを解決したいと考えています。
Googleのアルゴリズムは、この検索エンジンに入力したキーワードに対して最適な答えを返すように、オーガニックサーチの部分にページを表示させています。
ペイドサーチ(Paid Search)との違い
オーガニックサーチ(Organic Search)の対としてよく取り上げられるのが「ペイドサーチ(Paid Search)」です。
ペイドサーチとは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンにキーワードを入力したとき、検索結果に表示されるうちの広告の部分を指します。上記の画像で言うと、上部に「広告」と表示された赤枠の部分です。
ペイドサーチは「検索連動型広告(リスティング広告)」経由で、ユーザーが流入します。「検索連動型広告」とは、ある語句を検索した時に、真っ先に表示される広告です。
広告を出稿する時に検索キーワードを指定し、そのクリック数に応じて課金される「クリック課金型」が採用されています。
オーガニックサーチの重要性
現代のサイト運営では、オーガニックサーチを増やすことに焦点を当てている企業が増えています。オーガニックサーチを増やすことが、なぜサイト運営において重要なのでしょうか?
そこで、広告(ペイドサーチ)と比較した、オーガニックサーチの重要性を3つ紹介します。
- 広告を出す必要がなくなる
- 企業にとっての資産が増える
- ブランディング効果がある
広告を出す必要がなくなる
オーガニックサーチは、広告の下に表示される部分です。広告と違いお金を支払って表示するものではないので、オーガニックサーチに自社ページが多く表示されるようになれば、広告を出すのが不要になるメリットがあります。
オーガニックサーチで自社サイトが表示されるために質の高いコンテンツを投稿することで、検索エンジンから集客を狙う手法です。コンテンツSEOでは、検索ユーザーが検索エンジンに入力する検索クエリに対して最適な答えを返すコンテンツを作ることで、集客を図ります。実際に、リスティング広告やディスプレイ広告に頼っていた企業が、コンテンツSEOに力を入れたことでWeb広告費を0円にできた事例もあります。
Web広告の費用対効果が低く頭を悩ませている企業は、ぜひコンテンツSEOの実施も検討してみてください。
企業にとっての資産が増える
Web広告と違い、オーガニックサーチはページがWeb上に残り続けるため、企業にとっての資産となります。資産が増えるほど検索ユーザーに認知される機会が増えるので、その効果は大きいと言えます。
たとえば検索連動型広告の場合、掲載期間を決めて広告を出稿します。掲載期間が終了するか、もしくは予算に到達した時点で、広告は検索結果から掲載が停止されるのです。
一方でオーガニックサーチに表示されるページは、Googleがなくなるか自社サイトが停止しない限り、半永久的に残り続けます。一度コンテンツを公開してしまえばそれが企業にとっての資産となるため、コストパフォーマンスは非常によいと言えます。
ブランディング効果がある
Web広告とは異なり、オーガニックサーチに表示されるページにはブランディング効果が期待できます。検索ユーザーの目に触れる機会が増えれば「このサイトは○○について詳しい」という認識が生まれ、発注につながるケースも多くなるのです。
Web広告は一過性のため、ブランディングには向いていません。そもそも広告過多な現代社会においては敬遠されがちなため、ブランディング効果は期待できません。
一方で、オーガニックサーチで自社サイトの露出が増えるようになれば、その分野で権威性を獲得できるようになります。現在、認知度の低い企業であっても十分可能性は高いので、ブランド価値を高めたいと考えている企業はオーガニックサーチへの露出を増やすことも検討してみてください。
GoogleとYahoo!の検索結果の違い
StatCounterによると、国内の検索エンジンの約77%を占めるのは「Google」で、次いで約17%を占めるのが「Yahoo!」です。オーガニックサーチで注目すべきはこのGoogleとYahoo!の2つですが、こちらにはどのような違いがあるのでしょうか?
実はYahoo!の検索エンジンは現在、Googleと同じものを使っています。そのため国内のサイト運営者が対策すべきは、Googleのオーガニックサーチです。
Yahoo!のオーガニックサーチは、検索エンジンにYahoo!のサービスを組み込んでいるため、Googleのオーガニックサーチと同じではありません。しかしGoogleの検索エンジンを使用していることから、両者の検索順位はほとんど同じ動きをしています。そのため、サイト運営者はGoogleのオーガニックサーチに注視すれば問題ありません。
ちなみに国内シェア3位(約5%)のBingは、独自の検索エンジンを使用しているため、GoogleやYahoo!とはまったく異なる動きをしています。検索エンジンのシェアを考えても、Bingを含め、Google以外の検索エンジンに注視する必要はありません。
オーガニックサーチからサイトへの流入を増やす方法
オーガニックサーチを増やすには「SEO」が必須です。SEOとはSearch Engine Optimizationの略称であり「検索エンジン最適化」を指します。検索エンジンからサイトへの流入を獲得し、成約に結びつけるマーケティング手法を指します。
SEOの施策は「内部対策」と「外部対策」の2つに分類できます。そこでオーガニックサーチからサイトへの流入を増やすための、2つの施策をそれぞれ紹介します。
内部対策
「内部対策」とは、言葉の通りサイトの内部で行われるSEOの対策を言います。コンテンツやタグなどを最適化し、ユーザーにとって快適かつ有意義に閲覧できるサイト作りを目指します。
内部対策は多岐に渡りますが、その中でも特にGoogleが重視している対策を3つ紹介します。
質の高いコンテンツを投稿する
内部対策の肝となるのが「コンテンツ」です。Googleも「コンテンツに注力すれば、結果は後から付いてくる」と明言しています。質の高いコンテンツを投稿するには、ユーザーの「検索意図」に対して最適な答えを返すことが求められます。
検索意図とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンにキーワードを入力するときの、検索ユーザーの裏側にある目的を指します。ユーザーは必ずこの検索意図を達成するために、検索エンジンにキーワードを入力しています。
そのため、この検索意図を解決するコンテンツ作りが第一にあります。検索意図を解決するコンテンツを重視したうえで、以下のような点も意識してみてください。
- 記事を読む人物像(ペルソナ)を設定する
- Web上で読まれやすい文章で書く(一文を長くしない、画像や動画も使う、など)
- ほかのメディアにはない、自社ならではの情報を活かしたオリジナルコンテンツを作る など
モバイル用のページに対応する
総務省の「令和3年版 情報通信白書」によると、2020年のスマートフォン利用率は68.3%で、パソコンの50.4%を上回っています。このようなデバイス利用状況の中で、Googleもモバイル(スマートフォン)対応に力を入れており、サイト運営者も対策が必須です。
実際に、Google検索セントラルでも「モバイルで見やすいサイトほど、モバイルの検索結果で成果を上げやすい」と明言しています。
それでは、モバイルに優しいサイトにするには、どのようにすればよいのでしょうか?Googleが推奨している対策の1つに「レスポンシブデザイン」があります。レスポンシブデザインとは、パソコンやタブレット、スマートフォンのどの端末で閲覧しても最適化されるサイトのデザインです。
現状、今のサイトの多くは、レスポンシブデザインに対応しているものばかりです。もしレスポンシブデザインに未対応の場合「レスポンシブデザインのサイト制作を依頼する」または「既存のサイトをレスポンシブ化」する方法の2択になります。
またCMSをWordPressで運営している場合は、すでにレスポンシブデザインに対応しているテーマを入れると、簡単にモバイル閲覧に対応できます。
ページの表示速度を上げる
モバイル対応と同様に、ページの表示速度も非常に重要な要素です。ページの読み込み速度が速いサイトほど、検索順位に良い影響を与えます。
反対に2018年7月に実施された「Speed Update」により、ユーザーがかなりページの表示速度が遅いと感じるサイトの場合、検索順位に悪影響を及ぼすようになりました。ページの表示速度を上げるためには、以下のような点を意識してみてください。
- 画像や動画はサイズを圧縮して挿入する
- 共用サーバーではなく「専用サーバー」を使う
- HTMLから不要なコードを消す など
なお、ページの表示速度は、Googleが提供している「PageSpeed Insights」から確認できます。100点満点で表示速度のパフォーマンスを測れるようになっており、50点以上であれば合格です。49点以下の場合は改善が必要なので、その場合はPageSpeed Insightsに表示されている「改善できる項目」を実践してみてください。
外部対策
外部対策の主な目的は「被リンクの獲得」です。Googleは検索順位を決めるうえで、この被リンクを非常に重視しています。質の高い被リンクを数多く獲得しているサイトほど、そのページは検索上位に表示されやすくなっています。
質の高い被リンクとは「ドメインパワーの強いサイトや、権威性のあるサイトなどに貼られたリンク」です。質の高い被リンクを数多く獲得するには、以下のような施策を意識してみてください。
- 共感や納得を生みやすい内容
- 自社のデータやノウハウを使ったオリジナルコンテンツ
- 取材記事を書いて相手のサイトにリンクを張ってもらう など
関連記事:SEO外部対策 被リンクとは何か。被リンク効果と獲得方法を解説
オーガニックサーチ(Organic Search)を確認する方法
オーガニックサーチ(Organic Search)は、主に「Googleアナリティクス」または「Google Search Console」から確認できます。ここからは、各ツールからオーガニックサーチを確認する方法について紹介します。
Googleアナリティクス
Googleアナリティクスからオーガニックサーチ(Organic Search)を確認する手順は、以下の通りです。
- Googleアナリティクスを開き「ホーム」を表示する
- 左のメニューから「集客」→「すべてのトラフィック」→「チャネル」を選択する
- 「Organic Search」を選択する
- オーガニックサーチで流入しているキーワードが表示される
オーガニックサーチから流入しているキーワードがわかるので、こちらの画面から、どのような検索キーワードに対して効果が出ているのかを把握できます。
なお、この画面で表示される「(not provided)」とはSSL化された検索エンジンからの流入、「 (not set)」はGoogleアナリティクスでデータを取得できなかったデータを指します。
Google Search Console
もう1つの「Google Search Console」というツールでも、オーガニックサーチからどのようなキーワードで流入しているかを分析できます。流入しているキーワードを確認する手順は、以下の通りです。
- Google Search Consoleを開き「サマリー」を表示する
- 左のメニューの「検索パフォーマンス」を開くと「クエリ」のタブから上位で流入している検索クエリを確認できる
Google Search Consoleでは、検索結果のクリック率を分析できます。クリック数を増やせるように、ページの検索順位を上げたり、魅力的なタイトルをつけたりすることなどが求められます。