noteを活用したオウンドメディアとは?ブログとの違いを解説
noteは月間アクティブユーザー数が6,300万人以上おり、コンテンツ配信に特化したプラットフォームになります。簡易的な操作で利用でき人気のあるWebサービスですが、なかでも注目されているのがオウンドメディア構築が行えるnote proです。
noteの特徴である集客や管理の手間を必要としない以外にも、従来までの課題を解決することで、本格的なサイト運営が可能となります。
noteを活用したオウンドメディアとは?
オウンドメディアとはブログをはじめ、コーポレートサイトや採用サイトなどさまざまな種類が存在しますが、総称すると企業が所有する自社メディアのことです。
一般的にはワードプレスを用いた構築が多い傾向にありますが、近年ではnoteを活用したオウンドメディアも増加しています。
noteはコンテンツを自由に制作できるプラットフォームとなり、無料で簡易的に始められることが特徴です。
またワードプレスのブログとは異なりアクティブユーザーのいるWebサービスとなるため、集客面やファンの獲得を行いやすいといえるでしょう。
したがってWebサイトを一から立ち上げる必要がなく、誰もが気軽にオウンドメディアとして利用できるサービスになります。
noteとブログでオウンドメディアを運営する違い
noteを活用したオウンドメディアと、ワードプレスなどを用いた一般的なブログのオウンドメディアでは、以下の観点で違いがあります。
- コンテンツ
- ユーザー層
- カスタマイズ性
- 収益化
各々、解説していきます。
コンテンツ
一般的なブログの場合、一度制作したコンテンツはインターネット上に残り続けるため、資産として蓄積できます。
しかしnoteの場合は、noteというプラットフォーム上で公開しているだけとなり、自社で自由に移行などをできるわけではありません。
仮にnoteがなくなってしまえば公開しているコンテンツも失われてしまうため、プラットフォームに依存している状態といえるでしょう。
対してワードプレスなどであればサービスがなくなるリスクもなく、制作したコンテンツを保有しつづけられます。
ユーザー層
まずは一般的なブログですが、基本的には検索エンジンからの流入が軸となります。そのため検索ユーザーがメインのユーザー層となり、SEO対策によるキーワード選定などから、ユーザーへのターゲティングを行う流れです。
しかしSEOで成果を高めることは難しく、アクセスを集めるためには長期的な対策が必須になります。
対してnoteは会員登録者数が380万人、月間アクティブユーザー数が6,300万人(2020年5月時点:note公式サイト)という大きなプラットフォームです。
SEOでも表示されますが、プラットフォーム内では集客につながりやすい仕組みが多く、始めた日からでもアクセスを集められます。
カスタマイズ性
ブログのカスタマイズ性は運営するサービスによって異なり、無料ブログの場合は多少の制限が発生するものの、ワードプレスなどの有料ブログは自由にレイアウトや装飾を行えます。
またサイトデザインにおいてもテーマが存在するサービスであれば、簡易的にレイアウトを設定でき、そのうえで自由にカスタマイズできる点が特徴です。
noteはシンプルなレイアウトが特徴となり、ブログほどカスタマイズ性が備わっていません。コンテンツ内では目次・見出し・太字など、基本的なマークアップ機能が備わっています。
しかしnote内ではどのユーザーにも共通する設定のため、サイトデザインで差がうまれることはないといえるでしょう。
収益化
最後に収益化に関する違いですが、一般的なブログは広告掲載が可能となり、Google AdSenseやアフィリエイトなどさまざまな広告から収益化できます。
報酬は各広告媒体によって条件が定められ、1クリックあたりの報酬や1成約あたりの報酬など、多種多様といえるでしょう。
noteでは広告掲載が禁止されており、有料期の販売が主な収入源です。販売は1記事ごとか複数記事をまとめる方法となり、価格は販売主が自由に設定できます。
noteを活用したオウンドメディアのメリット
ブログではデメリットとして考えられる立ち上げ初期の集客や長期的な継続が、noteを活用したオウンドメディアではメリットとして捉えられます。またユーザーとのコミュニケーションも重要な役割をもち、ファンを獲得しやすい環境といえるでしょう。
ここでは、noteを活用したオウンドメディアのメリットについて解説していきます。
SEOに強く集客しやすい
一般のブログにはないnoteの強みが、SEOに強く集客力が高いことです。
本来インターネット上にコンテンツを公開すると、検索エンジンの評価によって掲載順位が決められます。特に新規のWebサイトはSEOの評価がないため、検索上位に表示されるには中長期間の対策が必須です。
しかしnoteで公開したコンテンツは「note.com」というnoteのドメインが割り当てられ、ドメインパワーの強さから検索上位に表示されやすくなります。
特に検索ボリュームの少ないスモールキーワードやロングテールキーワードは、比較的上位にランクインしやすいといえるでしょう。
そのためWebサイトの運用歴やSEOに関する知識がなくても、ブログ以上に集客効果を得やすいことがメリットです。
ファン獲得につながりやすい
noteはオウンドメディアとしてコンテンツを発信するだけでなく、自社のファン獲得にも効果的なプラットフォームになります。
なぜならSNSのようなコミュニケーションを取れる環境となり、お気に入りのアカウントやコンテンツをフォローすることが可能なためです。仮に自社アカウントのフォロワーが増えれば、それだけで読者としてファンの獲得になります。
またnoteではフォローしているアカウントの新規投稿がタイムラインに表示される仕組みです。そのためブログのようにアクセスを集めなくても、フォロワーであれば接点を持ちやすいといえるでしょう。
「おすすめ機能」など拡散される仕組みも備わっているため、認知を増やしつつファン獲得を行う際はnoteの活用がおすすめです。
簡単な操作で継続しやすい
noteはブログと比べてカスタマイズ性の少なさが劣っていると感じられますが、シンプルで分かりやすいUI/UXはむしろメリットであると考えられます。
なぜならワードプレスのブログは自由なレイアウトができるものの、設定項目が多くなかには途中で辞めてしまう人も多くいるためです。
特にWebサイトの立ち上げ経験がない方であれば、サイト構築から日頃の運用設定は手間がかかる作業といえるでしょう。
その反面noteは複雑な設定がなく、直感的な操作のみでコンテンツを制作できます。オウンドメディアではレイアウト以上にコンテンツの継続した発信が重要なため、noteのように運用を続けやすいという観点は重要な要素といえます。
noteを活用したオウンドメディアのデメリット
ブログであればGoogle Analyticsをはじめ自由に複数の分析ツールを活用できますが、無料版noteでは機能が制限され、サイト分析が行えません。
また広告掲載やコンテンツの移行など、ブログであたりまえの機能も行えないため、事前にできることとできないことは明確化させましょう。
ここでは、noteを活用したオウンドメディアのデメリットについて解説していきます。
無料版では機能が制限される
noteは無料から始められることが強みのひとつですが、無料版ではどうしても機能が制限されてしまいます。
制限される機能の例は、独自ドメインの保有やGoogle Analyticsを活用したサイト分析などです。
特にWebサイト運営をするうえで、Google Analyticsを活用したサイト分析は欠かせない要素といえるでしょう。どのようなユーザーがアクセスしてきたのかや、どの程度の割合で離脱しているのかは、Webサイトの改善には必須の情報です。
そのためオウンドメディアを運営しているものの、自社のユーザーに関する情報が分からないという状態になってしまいます。
有料版のnote proは機能が制限なく利用できるため、このような事態を回避しブログと同じように運営したいと考えている場合は、活用をおすすめします。
広告掲載ができない
noteでは広告掲載が一切できないため、ブログのようにアクセス数に応じた広告収入を得られません。
とはいえオウンドメディアの主な目的は、見込み客へアプローチし自社事業へつなげることが一般的です。ECサイトであれば商品の購入、採用サイトであれば求人への応募が目的となり、はじめから広告収入を軸とすることは少ないといえます。
また企業のサイトがあまりにも多い広告を掲載している場合、顧客によっては不快に感じるでしょう。
したがってオウンドメディアだからこそ広告が掲載できないことへのデメリットは少なく、重く捉える必要はないと考えられます。
コンテンツの移行ができない
noteではデメリットでもあり注意点として覚えておくべきことは、コンテンツの移行が行えないことです。
ブログとの違いでも触れましたが、仮にnoteのサービスが終了した場合、note上に蓄積されているコンテンツを引き継ぐことは出来ません。
仮に移行を考えるのであれば、手作業でコンテンツ一つひとつをコピー・アンド・ペーストする方法になるでしょう。
またnoteが急なサービス停止やコンテンツの削除を行う可能性もあるため、どのようなタイミングでデータがなくなるかは分かりません。
したがってどうしてもコンテンツの移行を行いたい場合は、最初からワードプレスなどで構築するか、noteのコンテンツを別に保管しておくことをおすすめします。
オウンドメディアの構築ではnote proがおすすめ
note proは法人向けの有料サービスとなり、無料版では利用できない以下の機能を活用できます。
- 独自ドメインの保有
- ロゴの変更
- Webサイトメニューのカスタマイズ
- Webサイトカラーの変更
- 外部リンク枠の設置
- SNSリンク枠の設置
- Google Analyticsの活用
また無料版とは異なり、オウンドメディアを想定したサービスであることがポイントです。一般的なオウンドメディアのデメリットを解消することが可能となるため、新しくオウンドメディアを構築する場合にはnote proの活用がおすすめとなります。
ここでは、note proがおすすめの理由について詳しく解説していきます。
独自ドメインを持てる
無料版のnoteでは「note.com」が割り当てられますが、note proでは独自ドメインを持てます。そのため企業としての独自性を証明することや、自社のロゴ設定など、通常のブログと同じように活用できる点が強みです。
また独自ドメインをもつことでサイト運営では欠かせないGoogle Analytics分析も可能なため、効果的な検証や改善を行えます。
総合的に費用対効果が高い
note proは月額5万円ですが、通常のブログと比べても費用対効果は高いサービスと考えられます。
理由は便利な機能面だけでなく、サポート体制が整っているためです。通常のブログではサーバー管理をはじめ、保守管理と呼ばれるメンテナンスがどのWebサイトでも必要になります。
費用を抑えれば1万、2万円程度になりますが、すべて自分で行わなければいけません。特にWebサイト運営は更新ミスや設定ミスも多いため、場合によってはかなりの労力が必要になるでしょう。
したがって総合的にはnote proのほうが費用対効果が高く、安心して運用に専念できます。
noteを活用したオウンドメディアの事例3選
ここではnoteを活用したオウンドメディアの事例について、以下の3つを紹介していきます。
- KIRIN
- zaim
- ランサーズ
KIRIN
キリンホールディングス株式会社によって運営されている「KIRIN」は、14,000人以上(2021年1月時点)のフォロワーがいる公式noteです。
自社商品に関する知識や連載系のコンテンツなどを発信し、着実にファン化の増加に成功している事例になります。
なかには酒造に限定したインタビュー記事も存在し、お酒好きのユーザーであれば興味を持つ内容が多いといえるでしょう。
自社の宣伝とユーザーの興味を引き立てるバランスが良く、読みやすい記事に仕上がっていることが成功のポイントと考えられます。
zaim
株式会社Zaimによって運営されている「Zaim」は、採用サイトを目的としたオウンドメディアの事例です。
一つの部署にとどまらず複数の部署から社員インタビューを行い、働いている人間のリアルな声をまとめています。
また「困りごとを相談しやすくする iOS チームの朝会とチーム定例」のように仕事のスタイルや流れについても積極的に発信し、求職者が求める情報を的確に発信しています。
フォロワー数は多くないものの、明確なターゲティングのもと情報発信していることが分かるオウンドメディアです。
ランサーズ
クラウドソーシングサービスを展開しているランサーズ株式会社も、採用サイトのオウンドメディアとして「つながる!ランサーズ」を運営しています。
新卒・中途採用を問わずに社員へのインタビューを軸としたコンテンツを発信しており、職業ごとの具体的な仕事内容を記載してある点がポイント。
「フランス料理人からエンジニアへ、MENTAを通して新たなキャリアをスタート」ように、社員の心理的な面を知れる記事も存在するため、状況がマッチするユーザーには効果的なコンテンツ内容といえるでしょう。