ネット広告の仕組みとは?ネット広告の種類や有効な運用方法を紹介
電通が行った調査によると、2022年のネット広告費は3兆912億円で、前年比112%となりました。2019年の同調査で2兆円1,048億円だったネット広告費は、わずか3年で約1兆円増え、今後もますます増加することが予測されます。
ネット広告とは、Web上にある、Webサイトを活用した広告のことを指します。製品やサービスのプロモーションのために使用され、今や集客に欠かせない施策の1つです。しかし、有効な運用には知識が必要です。
ネット広告の仕組みとは?
ネット広告とはWebサイトや検索エンジンを活用した広告のことです。SNSなどにも配信されています。年齢・性別・配信するエリアなど細かく設定してWeb上に配信可能です。
細かく設定できるので、目的とターゲットを明確にしたプロモーションが可能です。ただ、目的とターゲットがぼやけていると、望んでいたターゲットからずれた層にアプローチしかねません。
ネット広告の有効な運用には、目的とターゲットを明確にすることから始めましょう。
ネット広告の種類
ネット広告には下記のような種類があります。
- ディスプレイ
- メール
- アフィリエイト
- リスティング
- 動画
- SNS
- リターゲティング
- ネイティブ
- デジタル音声
それぞれ特徴があるので、1つずつ紹介していきます。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、Webサイトにある広告枠に表示される広告のことです。年齢や性別、過去の検索履歴、配信するエリアなどターゲットを絞って配信できます。
ディスプレイ広告は、動画やバナーを用いてアプローチするので、比較的検討期間が短く、単価が低い消費者向けの商品と相性がいいと言われています。
また、「バナー広告」と呼ばれることもあります。
メール広告
メール広告とは、顧客に広告の付いたメールを送る手法のことです。顧客リストがあれば、ターゲットを絞ってメールを送れるため、効率よく配信できます。
ただ、メールを開かないとそもそも見られないこと、成約率が比較的低いことが欠点です。
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは、ブログやSNSといったメディアに広告を設置してもらう手法です。成果が発生したときのみに、メディア運営者(アフィリエイター)へ報酬を支払えばいいので、コストパフォーマンスに優れています。
その一方、自社で掲載するメディアを選択できないので、意図しないメディアに広告が設置されると、商品、ブランドがイメージダウンするリスクがあります。
リスティング広告
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索結果のページに表示されるテキストベースのネット広告です。検索したキーワードに応じて表示されるので、商品やサービスに関心を持っている層へ有効に訴求でき、他のネット広告と比べてコストパフォーマンスを高めやすい手法といえます。
欠点としては、商品を認知していない層や、商品に興味がない層にはアプローチができないことが挙げられます。この手法を用いる際は、出稿する広告がどの層をターゲットにしたものかを明確にすることが重要です。
動画広告
動画広告とは、その名の通り動画を用いたネット広告の手法です。動画は文字や画像と比較しても、訴求できる情報量が多く、有効に情報を届けられます。商品やサービスを認知していない層や興味がない層には効果的なです。
ただ、他の手法と比較し、制作に手間と費用がかかりますので注意が必要です。
SNS広告
SNS広告とは、Fscebook、Instagram、X(Twitter)、TikTok、LINEのようなSNSに配信されているネット広告のことです。
SNSによっては、学歴や交際ステータスや興味、関心を登録できるため、細かくターゲットを絞れ、商品やサービスを認知していない層から、顧客層まで幅広くアプローチできます。
ライフスタイルや年齢層によって利用するSNSには違いがあるため、配信するSNSの選定には注意が必要です。
リターゲティング広告
リターゲティング広告とは、サイトに訪問したことのあるユーザーに広告を配信できる手法を指します。すでに商品やサービスを認知していて興味がある層に絞って広告を配信できるので、商品の購入につながりやすい手法です。
一方で、顧客に何度も広告を見せてしまうため、商品や会社に対してしつこいというイメージを持たれてしまうリスクもあります。
ネイティブ広告
ネイティブ広告とは、SNSやメディアに普通のポストや記事と同じように配信されるネット広告のことです。他の記事と違和感ないように表示されるため、顧客のなかには広告と気づかず見てしまう人もいるでしょう。そのため、商品やサービスを認知していない層へのアプローチが可能です。
しかし、顧客に押し付け感なく自然に商品やサービスに対して関心・興味を持ってもらうには、メディアに馴染んだ質の高い記事の制作が必要です。記事の制作には、相応のコストと時間が不可欠なことを理解しましょう。
デジタル音声広告
デジタル音声広告とは、Spotify・Voicy・radikoといった音楽ストリーミングサービスやインターネットラジオで配信される広告のことです。あまり一般的ではありませんが、今後拡大が予測されています。
デジタル音声広告は意外にも多くの長所があります。聞き流せるため、顧客に嫌悪感を持たれにくいこと、動画のように飛ばされることが少ない点が挙げられます。
また、音声サービスや番組を聴いている人の属性が分かるため、ターゲットを絞っての配信も可能です。
ネット広告のメリット
ネット広告にはさまざまなメリットがあります。ここではどのようなメリットがあるのか説明していきます。
少ない費用で始められる
ネット広告は、予算や単価など自社で設定が可能なため、少ない費用で始めることが可能です。新聞やテレビなどの従来のマス広告は、出稿するだけで多くの費用が必要でした。
しかし、ネット広告は成果を生んだ時に費用が発生する仕組みなど、顧客のアクションに応じて課金される仕組みが一般的です。そのため、コストパフォーマンスに優れた運用が可能です。
細かくターゲティング可能
配信する顧客を細かくターゲティングできるのは、ネット広告の大きな強みです。性別や年齢、住んでいるエリアの他にも、Web上での行動履歴から細かく顧客情報を区分化して広告を配信することが可能です。
SNS活用することで、家族構成、職種や出身校といったより、目的を絞ったターゲティングが可能です。また、近年は表示回数や表示内容まで設定できる仕組みがあります。
短期間で成果を得やすい
短期間で成果を得やすいこともメリットです。SEOやEFOなどの他のWebマーケティング施策は準備や施策の実行にある程度の時間とリソースが不可欠で、すぐに効果がでないことが大半です。
一方で、ネット広告はすぐに配信でき、出稿後から成果を得られます。
効果測定が容易に可能
ネット広告には、数字の測定が容易にできる仕組みがあります。クリック数、表示回数、コンバージョン数といった数値をリアルタイムに取得できます。そのため、改善や修正が容易にできるので、広告の費用対効果を最大限に高められます。
ネット広告のデメリット
ネット広告はメリットの多い手法ですが、運用にはデメリットもあります。どのような点がデメリットになるのか見ていきましょう。
高い成果を上げるには専門知識が必要
前述の通り、ネット広告は容易に効果測定できることがメリットの1つです。
その一方、高い成果を上げるには、分析能力が不可欠です。解析ツールを使い、収集したデータから課題を見つけ、改善するには相応の知識とスキルが必要です。自社にそのような人材がいない場合は、外部委託する費用などコストの考慮が必要でしょう。
炎上するリスクがある
ネットの性質上、さまざまな要因から広告主が意図していない炎上をすることがあります。炎上した場合、商品やサービス、ブランドのイメージが低下をするリスクがあります。
そのため、担当者はネットリテラシーを向上させ、炎上に対しての正しい理解が求められます。
競合の多いキーワードは単価が高い
競合が多いキーワードは単価が高いというデメリットもあります。少ない費用で始められる点が、ネット広告の魅力です。しかし、クリック単価(クリック1回毎の広告費)は競合が多いほど単価が高い傾向があるので、コストを抑えるためには、キーワード選定の知識の習得が必要です
【基本】ネット広告の運用方法
実際にネット広告の運用をする場合は、どのような手順で行えば良いのか迷うこともあるのではないでしょうか。そこでここでは、ネット広告の運用手順についてお伝えします。
1.ネット広告を運用する目的・ターゲットをはっきりさせる
ネット広告を出稿することが決まったら、まず、目的とターゲットをはっきりさせるようにしましょう。なぜなら、ネット広告は目的やターゲットによって、出稿する広告の種類やメディアが異なってくるからです。
出稿することが決まったら、目的とターゲットを出来るだけはっきりとさせましょう。
2.運用する目的に合わせネット広告・メディアを選ぶ
ネット広告は細かくターゲットを絞り込めることが強みです。そのため、ターゲットに合った手法、メディアを選ばないと、効果を最大限に高められません。
例えば、20代〜30代の商品をまったく認知していない層に対して、認知拡大をアプローチしたい場合はInstagramへのSNS広告が有効な選択肢となるでしょう。また、同じ層に対してアプローチする場合でも、ターゲットとする層が10代であれば出稿するメディアはTickTockのほうが良いでしょう。
また、販売促進が目的で、商品をすでに認知している層にアプローチしたい場合には、リターゲティング広告やリスティング広告を検索エンジンに出稿するのが有効な手段になるでしょう。
このように、ターゲットや目的によって、種類や出稿するメディアが異なります。目的やターゲットに合った種類、メディアを選ぶようにしましょう。
3.顧客の導線を意識して広告を作成する
顧客の導線を意識して広告を作成することが、重要です。顧客が、どのように考え、行動するのかを意識して、作成しましょう。
「顧客がどんなことを考えどんな言葉を検索するのか?」「どういった広告にニーズがあるのか?」といったところまでイメージして作成しましょう。
4.目標となる数値を決める
前述したように、ネット広告は効果測定したデータが容易に取れ、分析、改善できるのがメリットです。このメリットを生かし、到達したい目標となる数値、KPIを決め、一定の期間で分析、改善を行いましょう。達成したい数値に対して、KPIを正しく設定するのが重要です。
ネット広告の仕組みに関するよくある質問
Q:ネット広告はスマートフォンでもパソコンと同じように表示されますか?
Answer)スマホとパソコンでは広告の表示の仕方が異なります。そのため、スマートフォンとPCそれぞれの広告を作成する必要があります。
Q:ネット広告の運用は自社・外注どちらで行えばいいですか?
Answer)自社に知識や経験のある社員が在籍していれば自社で行えますが、そのような社員がいなければ、外注に出し運用を依頼したほうが効果的な運用ができるしょう。
Q:成果を最大限に出すためにはネット広告の運用だけに力を入れるべきですか?
Answer)成果を最大限に出すためには、運用だけでなく広告のコンテンツを入念に作成
するべきです。ネット広告が有効に運用できて、クリックを沢山されたとしても、広告のコンテンツが顧客に響かなければ、成果にいたることは少ないでしょう。クリックして表示されるランディングページに関しては、入念に作り込むことが特に重要です。
まとめ