メルマガ配信で得られる効果とは?重要指標や改善方法を解説
メルマガ配信は顧客へ情報をダイレクトに送れるため、顧客との接点をもちやすく、商品やサービスの成約につながりやすいマーケティング手法です。また配信条件を絞り込めるため、見込み顧客と既存顧客で内容を分けるなど、ターゲットを明確化できる点が強みになります。
メルマガ配信で得られる効果とは?
メルマガは配信する頻度や配信先の顧客など、さまざまな条件を設けたうえで情報発信できる手法です。そのため特定の顧客をターゲットとすることや、既存客のリピート率を高められる効果があります。また他のマーケティング手法とくらべてコンバージョンにつなげやすいことも特徴といえるでしょう。
ここでは、メルマガ配信で得られる効果について、詳しく解説していきます。
特定の顧客へ情報発信できる
メルマガでは条件を絞ったうえで配信できるため、特定の顧客に向けた情報発信が行えます。
例えば、
- 30代の女性に向けて、新商品の案内メールを配信
- 購入履歴のある顧客に向けて、クーポン付きのメルマガを配信
など、ターゲット別のアプローチが可能です。
そのため不特定多数の顧客に向けて情報発信するサイトやSNSよりも、メルマガ配信のほうが顧客からの興味を引きやすく、購買や来店につなげやすいといえるでしょう。
コンバージョンにつなげやすい
メルマガではオンラインストアや購入ページのリンクを記載できるため、情報発信から購入までの導線が完成しており、コンバージョンにつなげやすい手法です。
仮にチラシを配布するとした場合、情報を伝えられたとしても顧客は店舗に行くことやインターネットでサイトを調べるなど、別の行動を起こさなければいけません。
行動までの過程では、来店を面倒に感じたり、気が変わったりすることもあるでしょう。
しかしメルマガであれば、顧客は即座に行動に移せます。したがって購入意欲をなくすことなく商品やサービスの購入につなげられる点が強みです。
既存客のリピート率を高められる
メルマガは定期的に配信することで顧客との関係を強化でき、既存客のリピート率向上につながります。
顧客との関係を強化する手法は他にも複数存在しますが、メルマガほど発信者から接点をもてる手法は少ないといえるでしょう。
例えば企業が所有し運営するオウンドメディアでは、顧客が検索しなければサイトにはたどり着きません。
そのため企業側から直接的にアプローチできるメルマガは、自社の情報を伝えやすく顧客との関係強化に適した手法となります。
メルマガの効果を高める方法
メルマガの効果を高めるためには、配信する顧客を明確化し、配信時間を意識することが重要です。またより良い条件を探すためにも、かならず効果検証を行うようにしましょう。
ここでは、メルマガの効果を高める方法について解説していきます。
配信する顧客を明確化する
最初に意識すべき点は、メルマガをどのようなターゲットに向けて配信するのか、配信する顧客を明確化することです。
配信先を絞れることがメルマガの強みですが、何も考えずに不特定多数の顧客に向けて配信していては高い効果を得られません。
仮にさまざまなジャンルの商品を販売している場合は、
- 化粧品関連は30代以上の女性
- 高級ワイン関連は40代以上の男性
など、商品ごとに配信先を割り振りましょう。
配信する顧客を絞り込むことでメルマガも訴求力のある内容となり、最終的な購買にもつながりやすくなります。
顧客によって配信する時間を変える
メルマガでは複数の条件を設けて配信できますが、配信時間は重要な要素の一つです。
どんなに良い情報だとしても、顧客にはメルマガを見てもらわなければいけません。そのため顧客が時間的余裕のある日時を調査し、メルマガが開封されるための工夫をしましょう。
仮に30〜40代のビジネスマンをターゲットとするならば、
- 平日の20時
- 土曜、日曜、祝日の10時
など、働いている時間と被らせないことが重要です。他にも以下のように、ライフスタイルから考えて配信時間を設定しましょう。
- 主婦:12時〜15時
- 学生:21時以降
効果検証から内容を改善する
メルマガ配信で最も重要すべき点は、効果検証を繰り返し配信内容を改善することです。
前述のとおりメルマガでは配信する顧客や時間など、複数の条件を考える必要があります。
そのため実際に配信した反応を確認し、より開封されるための条件を見つけ出すことが重要です。
効果検証する際は、サイトのアクセス解析で使用する「Google Analytics」やメルマガの配信サービスを活用し、具体的な数値を確認しましょう。
メルマガで重要な数値については、後述の「メルマガの効果測定で重要な指標」で解説していきます。
メルマガの効果測定で重要な指標
メルマガの効果を高めるためには効果測定が欠かせませんが、まずは効果測定を行ううえで重要な指標を確認しましょう。
主に、以下の7つになります。
- 開封率
- クリック率
- クリック反応率
- 到達率、不達率
- コンバージョン率
- 解約率
- ROI
各々、解説していきます。
開封率
開封率は、送信したメールがどの程度開封されたのかを示す指標です。
以下の計算式となります。
- (メールの開封数÷送信したメール件数) × 100%
目安となる開封率は15〜25%前後となるものの、業種や扱う商品によっても平均値は異なります。
多くの顧客はメールの件名やタイトルから興味をもつため、開封率が高ければ適切なタイトル設定といえるでしょう。また配信するターゲット選定や配信時間も大きく影響する条件になります。
クリック率
クリック率は、送信したメールに記載されているリンクが、どの程度クリックされたのかを示す指標です。
以下の計算式となります。
- (クリックした受信者数÷送信したメール件数) × 100%
目安となる数値は、5%前後です。
そのため100通のメールを送信した場合、リンクをクリックした受信者は5人となります。
クリック反応率
クリック反応率は、開封されたメールのクリック数を示す指標です。
以下の計算式となります。
- (クリックした受信者数÷開封されたメール件数) × 100%
クリック率と間違えやすいですが、以下の違いを押さえておきましょう。
- クリック率:送信したすべてのメールに対するクリック数
- クリック反応率:送信したメールのうち、開封されたメールに対するクリック数
クリック反応率を確認することで、メール内容の良し悪しを分析できます。もしもクリック反応率が低下している場合には、テキスト内容やメールのレイアウトなどを改善しましょう。
到達率、不達率
到達率は、送信したメールが顧客の受信ボックスにどの程度届いたかを示す指標です。対して不達率は、メールを送信したものの、顧客の受信ボックスに届かなかった件数を示す指標です。
以下の計算式となります。
- 到達率:(メールの到達数 ÷ 送信したメール件数) × 100%
- 不達率:(メールの非到達数 ÷ 送信したメール件数) × 100%
メールが到達しない理由としては、以下が考えられます。
- メールアドレスの変更
- 迷惑メールとして扱われる
メールが到達していない顧客の連絡先は定期的に削除するなど、無駄なメール配信を行わないようにしましょう。
コンバージョン率
コンバージョン率は、メルマガをとおして「最終的な目的を達成した割合」のことです。仮に最終的な目的が商品販売の場合、送信したメールのリンクがクリックされ、購入ページから商品が購入されなければカウントされません。
具体的には、以下の計算式となります。
コンバージョン率は設定する目的によっても目安が異なります。しかしメルマガでは明確なターゲティングを行えるため、他のマーケティング手法と比べてもコンバージョン率は高い傾向といえるでしょう。
解約率
解約率は、送信したメールをとおして、どの程度の顧客が解約したかを示す指標です。
以下の計算式となります。
目安となる数値は、1%前後です。
解約率が高い場合、配信内容が不適切であったと考えられるため、早急に改善しましょう。
ROI
ROIは「Return On Investment」を意味し、メルマガ配信にかかわる費用対効果を示す指標です。
以下の計算式となります。
ROIは数値が大きいほど費用対効果が高いとされます。対してROIが低い場合には、利益を高めるかメルマガ配信にかかる費用を抑える対策をしましょう。
メルマガの効果測定、改善方法
メルマガで効果測定を行なう際は、以下の項目ごとに対策しましょう。
- メールの到達率を高める
- メールの開封率を高める
- URLのクリック率を高める
- メルマガのコンバージョン率を高める
各々、解説していきます。
メールの到達率を高める
メールの到達率が低い原因は、主に迷惑メールボックスに届いていることが挙げられます。そのため迷惑メールに向けた対策や、顧客がいつでもメルマガを停止できる設定をしましょう。
具体的には以下の対策について解説していきます。
- 迷惑メールの対策をする
- 退会しやすくする
迷惑メールの対策をする
迷惑メールボックスへ届かないようにするには、以下のポイントを押さえましょう。
- アドレスのリストを購入しない
- 送信者を認識しやすい名前にする
迷惑メールの判断は顧客が自ら行っている場合と、インターネットサービスプロバイダが識別している場合があります。
基本的には詐欺メールなどの悪意のあるメールが対象になりますが、なかにはメルマガが該当する可能性もあるため注意しましょう。
退会しやすくする
顧客がメルマガを迷惑と感じる理由のなかで特に多い項目が、配信停止ができない仕様のメールです。
メルマガは定期的に配信するため、後から不快に感じる顧客も少なくはありません。そのため顧客が配信を辞めたいと感じたら、いつでも停止できる環境を作りましょう。
またメルマガの配信停止については、特定電子メール法のなかで「申し出があった際は即座に配信停止する」と定められています。
したがって配信するメールには、かならず停止手続きにつながるリンクを設置しましょう。
メールの開封率を高める
メールの開封率は、顧客がメルマガを閲覧しているのか判断するうえで欠かせない指標です。仮に開封率が低い場合メルマガ配信が無意味な状態となってしまうため、以下のポイントを確認し対策しましょう。
- 訴求力のあるタイトルをつける
- 受信者に役立つ情報を送る
訴求力のあるタイトルをつける
メルマガの開封率を高めるうえで最も重要な要素が、訴求力のあるタイトルをつけることです。
顧客がメールを閲覧するかしないかは、タイトルにかかっているといっても過言ではありません。
当たり障りないタイトルであれば、開封率を高めることは難しいといえるでしょう。そのため希少性の促す言葉や具体的な数字を活用し、顧客が「読む価値がある」と感じるタイトル設定が重要になります。
受信者に役立つ情報を送る
メルマガでは好きなタイミングで好きな内容を発信できますが、効果を高めるためには受信者が役に立つ情報を送りましょう。
顧客が企業のファンとして確立しているのであれば、毎回新商品に関するメールでも問題ありません。しかし新しく登録したばかりの顧客であれば、購入する気がない限り鬱陶しく感じてしまいます。
最終的にはメルマガが届いても一切開封しない状態となってしまうでしょう。そのため商品やサービスに関する情報だけでなく、顧客の興味をそそる役立つ情報を交えることが大切です。
URLのクリック率を高める
クリック率はコンバージョン数に大きく影響する要素です。
そのため「なかなかクリックされずコンバージョンにつながらない」という場合は、以下の対策を行いましょう。
- リンク数を一つに絞る
- HTMLメールを活用する
リンク数を一つに絞る
一つのメールに複数のリンクが存在すると、顧客のクリックは分散されます。仮にコンバージョンと無関係なリンクの場合、顧客は狙った行動を起こさなくなるでしょう。
また一度リンクをクリックした後に、再度メールに戻り別のリンクをクリックする可能性は低く、コンバージョンからは遠のいてしまいます。
戦略的に行っている場合は問題ありませんが、基本的には一つのメールには一つのリンク設定が効果的です。
HTMLメールを活用する
クリック率を高めるには、内容だけでなくメールの装飾や形式など、視覚的なアプローチも重要です。
しかし一般的なテキストメールは文字だけで構成されるため、視覚的な特徴を表現しづらくなります。
対してHTMLメールであれば、画像や動画などを埋め込むことや、華やかなデザインに設定することが可能です。
Webページと同様にカスタマイズの幅が広がるため、顧客に興味を持たせやすくリンクのクリック率向上につながるでしょう。
メルマガのコンバージョン率を高める
開封率やクリック率は高いがコンバージョン率が低い場合、原因としてターゲットがズレていると考えられます。またリンク先の入力フォームに問題があることも考えられるため、最適化を行うようにしましょう。
具体的には以下の対策について解説していきます。
- 配信リスト、セグメント配信を見直す
- 入力フォームを改善する
配信リスト、セグメント配信を見直す
そもそものターゲット選定がズレている場合、どんなに良い内容だとしても最終的なコンバージョンにはつながりません。
例えばメルマガに登録したばかりの顧客に向けて、商品の契約方法や料金に関する内容が多くても成約は増加しないでしょう。まずは商品に関する情報や、顧客が役に立つ情報など、興味を強くする内容が適切です。
このように配信リストやセグメントの条件を確認し、再度ターゲット像に合致するメルマガを配信しましょう。
入力フォームを改善する
リンク先に移動したはいいものの、入力項目が多すぎたりページが見づらかったりすると、途中で離脱する原因となります。
そのため以下のポイントを確認し、適切な入力フォームであるかを確認しましょう。
- 入力項目が多い
- ページが見づらい
- 半角全角の切り替えが多い
- 必須項目が分からない
- ご操作を起こしやすい
基本的には最低限の入力項目数にすることが重要です。またモバイル端末から表示するとレイアウトが崩れてしまうケースも多いため、ユーザー目線でデザインや操作性を確認することが重要です。