間接効果とは?直接効果との違いや最大化のポイントを徹底解説
広告を運用していく中で「費用対効果を改善したい」「コンバージョン率を上げたい」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか?広告の成果を上げるためには間接効果の測定が非常に重要であり、マーケティング施策においても役立ちます。
間接効果とは
間接効果とは、コンバージョンまでに経由した広告の効果を指します。ユーザーがある商品を購入した際、購入する直前に接触した広告はひとつですが、それ以前に複数の広告を見ている場合があります。
この場合、直接的には繋がっていないものの、ユーザーの興味や関心を引きコンバージョンへの影響を与えたとして評価されるのが間接効果です。
ユーザーはサービスや商品の購入を検討する際に、検索サイトやSNSなどで情報を集めてから購入を決めるケースが多く、購入を決めるまでの過程で目にする広告も利用者に対してきっかけを与えているのです。
直接効果との違い
直接効果とは、コンバージョンの直前に接触した広告の効果です。一方で間接効果は、最後にユーザーが見た広告よりも前に経由してきた広告が含まれます。
広告の効果を測定する際、利用者が最後にアクセスした広告ばかりに目が行きがちですが、その広告だけを見てコンバージョンに至ったとは限りません。
それ以前に目にした広告で商品やサービスの存在を知ったり関心を持ったのであれば、それらの広告も最終成果をアシストしていることになります。
直接効果だけを測定して施策を打っても思うように効果が出ない場合は、間接効果が大きく影響している可能性があります。そのため、直接効果だけではなく間接効果も合わせて見ていくことが重要です。
間接効果を測定する重要性
リスティング広告や記事広告、アフィリエイト広告などに加えて、近年はSNS広告や動画広告のように広告の種類が増えてきているため、複数の広告を運用しているのであればその分ユーザーの目に触れる機会も多くなります。
SNS利用者が多い現代では、最終的なアクションに繋がらなくてもSNSがきっかけでクリックをしている人も多いのが現状です。そのため、直接効果のみだとコンバージョンに影響している広告を全て把握することはできません。
そこで間接効果を測定することで、より細かな分析が可能となり、広告施策を立てる際に役立つのです。
また、費用対効果の高い広告運用を行うためには、本当に貢献度の高い広告を知ることが重要となります。このような貢献度の高い広告を把握する際にも、間接効果が必要不可欠となるのです。
間接効果が重要となるシーン
コンバージョン率や直接効果ばかりを重視しがちですが、間接効果も測定すべき場面があります。ここでは、どのようなシーンで間接効果が重要となるかについて解説します。
広告運用
オンラインショッピングなどのインターネット上でのコンバージョンは、様々な広告を経由して発生しているケースが多いため、広告を運用していくにあたって間接効果は非常に重要です。
たとえば、Instagramで広告を初めてクリックしたユーザーが数日後に記事広告を見て再度クリック、そしてGoogle広告を見て購入に至るなど、最終的に行動を起こすまでに色々な広告がきっかけになっている場合が多いです。
これを踏まえると、直接効果だけを見て実際の効果を判断するのは難しいと言えます。
SEO対策
SEOにおいても間接効果は重視すべき項目のひとつです。
たとえば、商品の購入や申し込みが最終的なコンバージョンの場合、それに至るまでにユーザーが訪れたページなどが間接効果として評価するポイントになります。
多くの場合、いきなり申し込みをするのではなく、関連ページを見たり他のサイトと比較しながら情報収集をして申し込みを決めるという行動が多数派と言えます。
最終的な目標を達成するためには、サイト内に関連ページを作ったり別のコンバージョンを設けたりするなどの間接効果を高める施策が重要となるのです。
間接効果を広告運用に取り入れる方法
ここでは広告運用における間接効果の取り入れ方をご紹介します。間接効果を取り入れるステップを理解し、効果的な広告運用に活かしましょう。
アトリビューション分析を行う
間接効果を分析する際によく利用される手法のひとつが、アトリビューション分析です。広告がコンバージョンにどのくらい貢献しているのかを把握できる分析方法で、大きく分けて3つの手順で行って行きます。
間接CVを獲得している広告の発見
分析を始める前に、まずは間接的にコンバージョンに繋がっている広告を見つけ出します。このとき、全ての広告を測定することがポイントです。
間接コンバージョン率が高い広告を知ることで、ユーザーがどの広告を多く経由しているのかを把握することができます。また、ラストクリックCV以外のCV数を確認することで、それぞれのメディアや媒体の貢献度を算出できるようになります。
測定するにはAD EBiSやGoogleアナリティクス、Google広告などの解析ツールを使用して確認するようにしましょう。
アトリビューションモデルの選定
アトリビューション分析においては、対象となるモデルによって結果が違ってくるため、自社の戦略や状況に合わせて最適なモデルを選ぶことが大切です。
コンバージョンに結びついた最後のポイントに貢献度を100%割り振る「ラストクリック」は、成果に1番近い接点でありよく使われるモデルのひとつです。
一方ユーザーが1番初めに接点を持ったポイントに割合を割り振る「ファーストクリック」はコンバージョンから1番離れていますが、最終的に行動を起こしてくれる可能性のある新しいユーザーへ接触できる機会は多くなります。
他にも「線形」「接点ベース」「減衰」といったモデルがあるため、複数のモデルを使って比較しながら分析することも可能です。
分析と実施
分析の結果をもとに広告の最適化を行っていきます。
分析のメリットのひとつは費用対効果が良い広告、悪い広告を把握することができることです。分析前の予測と実際の結果を見ながら、それぞれの広告のコストを削減できるところは削減する、効果をさらに伸ばせそうな部分はさらに予算を増やすなどの対策を検討してみましょう。
最初にクリックされる率が高い広告や、コンバージョンの直前に接触が多いものなども確認できるため、配信する媒体を調整したり、必要であれば自動入札の見直しをすることもおすすめです。
また、それぞれの広告には何かしらの役割があるため、広告の役割とそれに見合った効果が出ているのかなども踏まえて最適化を目指しましょう。
コストアロケーションをする
コストアロケーションとは、予算の配分を最適化することを意味します。
アトリビューション分析に基づいて直接効果が高い媒体や間接効果が高い広告を把握し、それを元に予算配分の見直しを行います。
効果が少ない広告への予算を新しい施策に割り当てたり、貢献度の高い広告へ追加で予算を増やしたりと、予算配分をやり直すことでさらに効率よく成果を上げることができるのです。
また、予算配分を見直すことでコスト削減に繋がる可能性もあります。伸び代がある分野とそうでない部分を見極めながら行うようにしましょう。
間接効果をSEO対策に取り入れる方法
間接効果はSEO対策においても重要です。ここでは、具体的に3つの方法について解説します。
CVポイントへの導線設計を行う
コンバージョンを獲得するためには導線設計が大切です。
たとえば、会員登録が最終的な目標の場合、トップページから会員登録のページに飛びやすいようなデザインにしたり、ランディングページからすぐにコンバージョンへ誘導できるようにしたりするなど、ユーザーにとって最適な導線を作る必要があります。
CTAボタンを工夫したり、ランディングページであればユーザーの目を引くようなデザインにすることでクリック率がアップする可能性もあります。
また、導線設計を行う前に目的を明確にしておきましょう。商品を購入して欲しい、会員登録など最終的にユーザーに取ってほしいアクションがはっきりしていなければ、導線を作っていくことも難しくなります。
関連ページを作成する
サイト内に関連ページを作ることもコンバージョン率のアップに繋がる施策のひとつです。
仮にユーザーにクレジットカードを作ってもらうことが目標である場合、コンバージョンはカードの申し込みになります。しかし、多くのユーザーは申し込みをするまでに他の会社と比較したり情報を集める期間があります。
サイト内に自社のクレジットカードを選ぶ利点やお金に関する情報をまとめた記事などの関連ページを作ることで、ユーザーは同じサイトで情報収集がしやすくなります。
関連ページを経由して申し込みをするユーザーが増える可能性があるだけでなく、内部リンクとして設置することでユーザーがサイトから離脱するのを防ぐこともできます。
最終CVまでの仮定に別のCVポイントを設置する
仮に「申し込み」を最終コンバージョンとする場合、それまでの過程で「資料請求」や「問い合わせ」といった別のコンバージョンを複数設置することも重要です。
資料請求や問い合わせなどのアクションを取るということは、申し込みを前向きに検討しているユーザーだと考えられます。そのため、最終的に申し込みまで進む可能性も高く、別のコンバージョンを作ることでユーザーの行動を後押しすることもできます。
もし最終コンバージョンまでの過程に設置したコンバージョンが発生していない場合は、そのページを分析してみましょう。このようにサイト内でのユーザー行動を分析することで、もう一度導線設計を見直したりコンテンツを改善するきっかけにもなるのです。
間接効果を計測する際に重要な2つの指標
間接効果を取り入れる方法についてご紹介してきましたが、その効果を計測するにあたって重要な指標がふたつあります。ここでは、その重要なふたつの指標について詳しく解説します。
ビュースルー
ビュースルーとは、ユーザーが見たもののクリックしていない広告も評価する指標です。
たとえば、ユーザーがTwitterで広告を見た数日後に公式サイトへアクセスして商品を購入したとします。Twitterで表示された広告は実際にクリックされていないものの、後にコンバージョンに至っているためビュースルーコンバージョンの数値は1としてカウントされます。
このように直接クリックはしていなくても、広告を見た後にサイトを検索するユーザーの行動は間接的にコンバージョンに繋がっており、コンバージョンに影響している広告があるということはぜひ頭に入れておきましょう。
クリックスルービュー
クリックスルービューとは、広告を見たユーザーが広告をクリックしてそのままコンバージョンに繋がることです。ビュースルーとの違いはユーザーが広告を目にした際にクリックしているかどうか、という点にあります。
クリックスルービューでクリックされていなくても、ビュースルーで測定をするとコンバージョンに貢献している広告を見つけ出すことができるため、間接効果を測定する際にはスルービューとクリックスルービューの両方を見ることが大切です。
このふたつの違いを理解し、測定結果をマーケティング戦略にうまく活用できるかがポイントとなります。
間接効果を最大化するためのポイント
間接効果を測定する際には、アトリビューション分析やコストアロケーションを活用するのがおすすめですが、さらに効果を発揮するためにはいくつかのポイントを押さえておく必要があります。
ここでは、間接効果を最大化する2つのポイントをご紹介します。
傾向を把握してPDCAを高速で回す
インターネットを取り巻く環境の変化は早く、利用者のニーズやトレンドも時代に合わせて変わります。そういった変化やニーズに臨機応変に対応するためには、ある程度の傾向をつかむことが求められます。
細かいところまで分析できることはアトリビューション分析のメリットでもありますが、細部まで突き詰めようとするとキリがなく時間もかなりかかってしまいます。ある程度傾向をつかんだら、計画や目標を立てて実行、評価、そして改善と業務のスピードを上げていくことが重要です。
成果を早く出すためにも、PDCAのサイクルを高速で回すことで会社の目標を達成することにも繋がります。
ユーザーの行動履歴まで確認する
分析と評価、そして実施を繰り返していくことで費用対効果が改善されるようになったら、コンバージョンしたユーザーの行動履歴を追ってみましょう。
もし会社のサービスや商品の顧客満足度が高ければ、また商品を購入してくれる可能性もあります。一度コンバージョンに至ったユーザーがまた利用したいと思えるようなビシネスを提供することでリピーターが増え、最終的にLTVも上がってきます。
コンバージョンの結果だけでなく、その先のユーザーの行動やLTVについても考えながら分析と実施をしていくことで会社の業績も上がり、広告運用にさらに予算を割り当てることができるようになります。
まとめ