海外のコンテンツマーケティングの事例5選! 取り組みのポイントも解説
国内では「コンテンツSEO」を中心に、コンテンツマーケティングを実施している企業が多数存在しています。元々コンテンツマーケティングは、アメリカ発祥のマーケティング手法です。それでは実際、海外ではどのようなコンテンツマーケティングが実施されているのでしょうか?
海外のコンテンツマーケティング事例
日本国内と同様に海外の会社でもコンテンツマーケティングが活用されます。ここでは海外のコンテンツマーケティングの事例についてご紹介します。
コカ・コーラ
コンテンツマーケティングといえば有名な会社が「コカ・コーラ」。2011年に広告依存から脱却して、コンテンツマーケティングに力を入れると表明して以降、コンテンツの発信に力を入れています。
日本コカコーラでもオウンドメディア運用に力を入れています。そのコンテンツ発信内容が独特で、環境の取り組みに関する記事を書いたり、スポーツ選手への取材記事を書いたりしています。このようにコンテンツによって、ブランド力向上に力を入れているのがコカ・コーラの特徴です。
ブランド力獲得に成功した企業の見本例ともいえるのがコカ・コーラです。
Yale Appliance + Lighting
出典:Yale Appliance
Yale Appliance社、アメリカのボストンに拠点を構える、家電を取り扱う企業です。古くからコンテンツを発信することを重視し、数多くの記事を発信しています。メルマガの登録やガイドのダウンロードなどに力を入れることで、多くの顧客を獲得することに成功しています。
Yale Appliance社のコンテンツは、「自社商品を購入することにより顧客の生活にどのようなメリットがあるのか」を発信するのが非常に上手です。単に商品を宣伝するのではなく、商品を購入することによるメリットを訴求したコンテンツは、顧客に強い納得感を生みます。
HSBC
出典:HSBC Japan
HSBCとはイギリス最大の金融機関で、イギリスやアジアなどを基盤に展開する世界有数の金融グループです。
HSBCのコンテンツの特徴は「金融とは一見関係ないような情報を発信する」点にあります。学生や社会人の生活に役立つコンテンツを発信することに力を入れています。
それでも金融は人の生活と深く密着するので、最終的に金融の魅力を訴求することにつなげられたのです。ユーザーのニーズを的確に捉えられているコンテンツの見本例ともいえます。
またHSBCで働きたい方向けにコンテンツを発信しているのも特徴的です。たとえば家で働くような多様な働き方をアピールしたり、男女平等を尊重したりと、企業として価値を訴求しているのが独特です。
採用に力を入れたい企業は、入社希望者向けのコンテンツを発信するのもよいかもしれません。
GoPro
GoProとはアクティブなスポーツの撮影や、臨場感ある景色などを映すことに力を入れた動画カメラです。GoProの特徴は、動画配信に力を入れている点です。GoProが運営しているYouTubeチャンネル「ゴープロ」は、チャンネル登録者数約1060万人の人気を誇っています。
GoProの動画で撮影したスポーツ中の動画を中心に公開しています。GoProを使うことによる臨場感や動画の鮮麗さをアピールすることで、商品を購入するメリットを上手に訴求できています。
ただ単に文字だけでGoProをアピールしていただけでは、今ほど売上を上げたりブランド力を獲得したりするのは難しかったでしょう。GoProと相性のよいYouTubeを選び、継続してコンテンツを発信してきたからこそ、世界で多くのファンを獲得することに成功しています。
Love Stories TV
Love Stories TVとは、動画制作会社が運営するメディアです。結婚式で公開した動画をメインで投稿することで、結婚式ムービーの具体的なイメージをつかめるようになっています。
どの動画も完成度が高く、こちらのメディアはただ単に「自社は動画を制作できます」とアピールするのではなく「結婚することの美しさ・素晴らしさ」を演出するのが非常に上手です。
このように人の人生や生活に密着したコンテンツを発信することこそ、コンテンツマーケティングの本質ともいえます。Love Stories TVは顧客により具体的なイメージを訴求することで、多くのファンを獲得することに成功した事例を1つともいます。
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、コンテンツによって潜在顧客を育成して商品を購入してもらい、その後も関係性を築いていくためのマーケティング手法です。
通常、新規顧客の獲得には苦労します。そこで、新規獲得を容易にするのが、このコンテンツマーケティングなのです。
潜在顧客は、自社商品について知らなくても、ニーズは感じている状況です。潜在的に自社商品を求めている可能性があります。このような潜在顧客に対してコンテンツで接点をもち、商品を購入してもらうまでに顧客を育てるのがコンテンツマーケティングの目的です。
関連記事: コンテンツマーケティングとは?意味から実践方法を4ステップで紹介
なぜコンテンツマーケティングが重視されているのか?
なぜコンテンツマーケティングが重視されているのでしょうか?その理由を3つ紹介します。
「広告離れ」の現代に適しているから
コンテンツマーケティングとは、顧客自身の行動を促すマーケティング手法です。そのため広告が避けられやすい現代社会において、コンテンツマーケティングは適しているマーケティング手法といえます。
情報過多な現代社会では、広告が多く表示されることに人は疲れ、故意または無意識に避ける傾向があります。広告の効果が昔ほど高くないと言われる現代において、コンテンツを通じて顧客との接点をもてるコンテンツマーケティングは、重要な存在であるといえます。
また、コンテンツマーケティングで成果を上げられるようになれば、広告費の削減にもつながります。たとえばオウンドメディアでコンテンツSEOを実施した場合、自社でコンテンツをまかなえば、「サーバー費用」や「ドメイン費用」など少額の費用で始められます。
広告の効果が思ったようにでないことに悩んでいる企業は、ぜひコンテンツマーケティングを実施してみるのがおすすめです。
潜在顧客を成約までつなげられるから
コンテンツマーケティングは、コンテンツを通じて潜在顧客を育成し、購入までつなげる手法です。そのため潜在顧客へのアプローチに適したマーケティング手法であり、新規顧客の獲得に力を入れたい企業こそおすすめのマーケティング手法です。
潜在顧客とは、自社商品について知らないものの、ニーズを感じている状態を指します。潜在顧客はニーズを感じている状態であるので、オウンドメディアやSNSなどを通じて自社商品のメリットを訴求できれば、成約までつながる可能性も高くなります。
このように潜在顧客の獲得に力を入れたい企業は、ぜひコンテンツマーケティングの実施を検討してみましょう。
自社のファンをつくれるから
コンテンツマーケティングはファンの獲得に向いているマーケティング手法です。なぜならコンテンツマーケティングで価値ある情報を継続して発信していれば、熱心なファンを獲得しやすい手法だからです。
価値ある情報を提供し続ければ、いずれユーザーは自社のコンテンツを継続して閲覧するようになります。このような状態を作りだせれば「○○会社が発信している情報だから安心できる」「○○会社の商品を購入したい」のようなファンの獲得にもつながるのです。
ファン獲得のポイントは、継続して情報を発信することです。継続した情報発信はユーザーから信頼を獲得しやすいので、ぜひコンテンツの発信を続けられるような仕組み・体制をつくるようにしましょう。
コンテンツマーケティングの媒体
コンテンツマーケティングで用いられる代表的な媒体を紹介します。
<コンテンツマーケティングの代表的な媒体>
- オウンドメディア
- SNS
- 動画
それぞれ詳しく紹介します。
オウンドメディア
オウンドメディアとは、自社が固有で所有するメディアです。この他にも、TwitterやFacebookなど自社所有のSNSアカウント、メルマガもオウンドメディアに該当します(ここでは便宜上、オウンドメディアとSNSは別で考えます)。
オウンドメディアのメリットは、自社内で管理しやすい点です。以前からあるメディアを利用するわけではなく自社で作成して運営するので、柔軟にメディアを管理できるのがメリットです。自由にコンテンツを発信したい方こそ、オウンドメディアの運用がおすすめです。
関連記事: オウンドメディアのSEO対策とは!? 立上げから運用のポイントを解説
SNS
SNS | 特徴 |
画像や動画の投稿に特化したSNS。「#○○」で検索するハッシュタグ検索が特徴。特に若い層は、商品に関するハッシュタグ検索をして評価や口コミを確認し、購入するかどうか決める傾向にある。 | |
全角140文字以内で投稿できるSNS。投稿は「ツイート」と呼ぶ。他人の投稿を再びツイートできる「リツイート」や、今人気の話題の「トレンド」などが特徴的。拡散性が高いため多くの潜在顧客にアプローチしやすい一方、もっとも炎上のリスクが大きいSNSでもある。 | |
TikTok | ショート動画の投稿に特化したSNS。10〜20代を中心に、急激に人気を伸ばしている。ショート動画をテンポよく視聴できるため、潜在顧客に認知されるチャンスが非常に大きい。一方でユーザーは若い層が中心なので、単価の高い商品を取り扱う企業には不向き。 |
実名登録で利用するSNS。個人利用のほかにビジネス属性が強いのが特徴で、コンテンツの配信にも向いている。Twitterほど拡散性は高くないものの、自社アピールがしやすいSNS。 |
SNSは、現代に欠かせない媒体の1つです。コンテンツマーケティングにおいては、SNSで自社の情報を発信したり、自社サイトで公開した記事を拡散したりするのに用います。
現代のユーザーでも特に若い世代は、SNSの情報をもとに商品の購入を決めることが多くあります。もはや企業のマーケティングにおいてもSNSは必須の媒体であり、顧客の役に立つコンテンツを提供することで、新規顧客の獲得につながります。
コンテンツマーケティングでは「Instagram」「Twitter」「TikTok」「Facebook」の4つがおすすめの媒体です。
関連記事: ソーシャルメディアとは?SNSとの違いや種類を解説
動画
コンテンツは記事やメールなどの文字情報に限りません。動画もコンテンツの一種です。動画は力を入れずともコンテンツを届けられるので、記事やメールマガジンよりもユーザーに受け入れられやすいメリットがあります。
また旅行や物件紹介など、視覚のほうが訴求しやすいコンテンツは動画にぴったりです。YouTubeは無料で動画を投稿でき、動画でコンテンツマーケティングを実施するにはぴったりの媒体です。
旅行業界や不動産業界のように、文字よりも目に訴えかけるほうが適している場合は、動画コンテンツによるコンテンツマーケティングも検討してみましょう。
コンテンツマーケティングで重要なこと
コンテンツマーケティングで重要な点について紹介します。
- 顧客の悩みや知らないことに寄り添う
- カスタマージャーニーマップを作成する
- 媒体は1つに絞らない
それぞれ詳しく紹介します。
顧客の悩みや知らないことに寄り添う
コンテンツマーケティングが潜在顧客を獲得できる理由の1つに、コンテンツがユーザーの悩み・不安を解決できる点が挙げられます。潜在顧客はなにかしら悩みや不安を抱えていることがあります。
そこでコンテンツで解決策を提供して悩みや不安を解決することで、顧客から信頼を得られるようになります。「悩みや知らないことを的確に解決してくれた企業」には、ユーザも信頼を寄せるようになります。
コンテンツマーケティングで成果を出したければ、まずはユーザーの悩みや知らないことに寄り添う姿勢が重要です。
カスタマージャーニーマップを作成する
ペルソナを設計したあとは、カスタマージャーニーマップを設計します。カスタマージャーニーマップとは、顧客が自社製品を認知してから成約にいたるまでの一連の流れを、旅(ジャーニー)のように設計したものです。
顧客は商品・サービスを購入するまでに次のような流れをたどります。
<カスタマージャーニーマップの流れ>
- 認知
- 情報収集
- 比較・検討
- 購入
このようにユーザーが自社商品を認知してから購入するまで、上記の流れをたどっています。この顧客のフェーズごとにコンテンツを企画できるようになれば、より成約までつなげられるようになります。
成約までつなげるコンテンツを制作したい場合は、必ずカスタマージャーニーマップを作成するようにしましょう。
関連記事: カスタマージャーニーマップとは?作る目的と作り方
媒体は1つに絞らない
コンテンツマーケティングでは、媒体を1つに絞る必要はありません。「オウンドメディア」や「SNS」などを多種多様な媒体を組み合わせて、顧客との接点を増やすようにしましょう。
特にSNSは、企業も基本無料で運営できるので、一度試してみるのもおすすめです。コンテンツマーケティングは最初から成果を出すのが難しいので、まずはいろいろな媒体を運営してみて、自社に合うものを見つけるようにしましょう。
ただしあれもこれもと手を出して、どれも中途半端な運営になってしまうと、顧客から悪いイメージを抱かれてしまいます。運営する以上は最初からリソースを割いて、真剣に運用するようにしましょう。