おすすめのECサイト分析ツールは?改善施策に役立つマストツールを解説
現代マーケットにおけるネットショッピングの取引規模は既に数百兆円を超えていることから、ECサービスの販売戦略強化は企業にとっての最重要課題といっても過言ではないでしょう。
ECサイトの分析ツールとは
ECサイトの分析ツールはユーザーの流入経路や属性といった情報を明確な数値として判断できることから、単純な売上の推移だけでなく、その結果に至るまでの過程の可視化が可能となります。
したがって、人気ページの選定とサイト全体のサービス改善が行えるようになるため、収益拡大においては必要不可欠なマストツールであり、運用方針にマッチしたものを選べばより効率的な運用に繋がるでしょう。
訪問者やユーザ属性を集計・データ化する
分析ツールは、サイトにアクセスした情報を基に訪問者の属性が算出できるため、通常では目に見えない実態が分析できます。
たとえば、性別、年齢、利用している端末等からライフスタイルや職業の推測に繋がり、自社が設定しているターゲットにマッチしたサイトコンセプトが構築できるでしょう。また、それらの情報に顧客単価を組み合わせれば市場からの自社サービスに対するイメージを掴み、ブランディングの方向性立案等にも役立ちます。
接客サービスを最適化し売上に貢献する
分析ツールを用いて訪問者の属性や購買の傾向を分析すれば、不人気なページ、あるいは製品の洗い出しが可能となります。
そして、同時に判断できる人気ページと競合サイトで活用されている手法を流用することで、訪問者に対してより適切な接客サービスの構築に繋がるでしょう。また、サイト全体の利便性向上によって更にアクセス数と成約率が拡大し、結果として売上アップに繋がります。
ECサイトで分析が必要な項目
ECサイト分析は品質や売上を向上させるために重要な対策ですが、見るべきポイントが分からなければ効果は半減してしまうでしょう。そこでここからは、ECサイトで分析が必要な項目について解説します。
流入分析の項目
流入分析においては、以下の項目を抑えることでより効果的な運用に繋がるでしょう。
ユーザーと新規ユーザー
購入経験があるかどうかを判断すれば、新たな広告の設置やレコメンドする商品ジャンル選定が可能となります。
リピーターと質の指標(直帰率、離脱率)
顧客が一生のうちに企業へ与える利益であるLTV(Life Time Value)は、数値が高いほどリピーターが多いという判断に繋がります。また、訪問者が最後に見たページを指す離脱率は、不人気ページの把握が可能となり、直帰率は1ページのみしか閲覧せずに他サイトへジャンプした指標となることから、サイト全体の質が判断できるでしょう。
アクセス数
アクセス数とは、ユーザーがサイトを訪れた回数を指す「訪問数」や、ページの表示回数である「PV数」の総称であり、どの程度需要があるかを判断できます。
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目標達成率を数値化するコンバージョン率
コンバージョン率とは、サイトに訪れたユーザーのうちサービスを成約した割合の指標であり、数値が高ければサイト全体が良質という判断に繋がるでしょう。
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リテンション分析の項目
リテンション分析とは、ECサイトを利用している顧客の継続率を把握する手法であり、たとえば1週間おきにサービスを購入している人が判別できれば、同じスパンでリターゲティング広告(購入者に対して表示させる広告)を打ちだすことで、リピーター化に繋がるでしょう。
そのため、リテンション分析においては以下の項目を網羅して既存顧客の動向を掴んで下さい。
- PV・LPランキング
- 収益
- 注文数
- 平均注文額
- 数量
- 商品数
- EC売上分析
そして、検索結果画面の広告を除いた部分を指す「オーガニック検索」において上位表示を狙えば、継続的なユーザーの流入とサイトのブランディングに繋がるため、しっかり押さえておきましょう。
ECサイトの分析ツールのおすすめ【リテンションツール編】
ここではまず、リテンション分析におすすめの分析ツールを解説していきます。いずれも有用性の高い機能を備えているため、是非参考にして下さい。
kintone
サイボウズ株式会社が運営するkintone(キントーン)は、複雑な作業やプログラミング知識を用いず、多彩な業種にマッチした仕様のオリジナルアプリを作ることが可能です。
そして、顧客リストや案件が管理できるアプリを利用すれば既存顧客の把握が容易となり、その他の社内コミュニケーションツールといった外部サービスと組み合わせれば、より効率的な運用ができるでしょう。
一方、月額1,500円のスタンダードコースではアプリ数1,000個まで、スペース数は500個に制限されているため、自社のニーズにあわせてプランを検討してみて下さい。
カスタマーリングス
導入企業600社を超えるカスタマーリングスは、累積購入金額と購入回数の割合を容易に分析することが可能となり、自社サービスを登録すれば購買数をランキング形式で把握できます。また、過去の履歴と顧客データを組み合わせれば全体件数だけでなく、合計金額や購入点数の検証にも役立つでしょう。
そして、その他にも月別のLTV一覧やRFM(離脱期間、購入回数、金額)による顧客のランク分け機能も搭載していることから、通常では煩雑になりがちな集計作業も、より深く簡潔にリテンション分析ができるツールとなっています。
MOTENASU
大手企業が数多く導入しているMOTENASUは、DMの発送に特化したツールであり、自社のサイトに誘導するQRコードを設定することで、直接的なコンバージョンアップが図れるでしょう。そして、いつ、誰が、どのページへアクセスしたかの集計も自動化されており、cookieと紐づければ更に効果的な導線の確保が可能となります。
ちなみにMOTENASUに搭載されている「配布物発注システム」は顧客情報に基づいて最適化されたDMを作り、顧客専用のQRコードを発行する「読取表示システム」も大変有用性が高い機能です。
RFM分析いいお客様Pro
顧客管理特化のRFM分析いいお客様Proは、以下の分析手法を用いてリテンションに関する指標をエクセルシートとして作成するソフトウェアです。
RFM分析
回数、金額、時期の3点から顧客動向を分析します。
ABC分析
サービスを売上高といった項目で分類して、売れ筋商品を洗い出すことが可能です。
引き上げ率分析
2回以上成約した顧客に限定して、リピート率を算出します。
CPM分析
購入金額や日付等を基に顧客を10パターンに分類します。
デシル分析
利益の大きい顧客を10等分して構成比を算出する手法です。
そして、以上の分析結果から成約見込みの高い顧客に対してDM送付等に役立つデータも出力できるため、全体的な業務効率化が図れるでしょう。
うちでのこづち
EC企業導入数NO.1を誇るうちでのこづちは、継続率や広告LTV、RFMといった分析が簡単に行えるツールとなっており、顧客育成状況や各種測定機能も搭載しています。
そして、様々な検証フェーズを経て算出された結果に基づき、DM、SNSプッシュ通知、あるいはLINE配信等を顧客情報にあわせて行うことが可能です。また、ダッシュボードや転換日数分析チャート、LTV計測指数も分かりやすい配置となっていることから、社内エスカレーションや単純な記録でもそのまま活用できるでしょう。
ECサイトの分析ツールのおすすめ【流入ツール編】
ここからは、流入分析に活用できるツールを見ていきましょう。ECサイトの運用においては必須といっても過言ではありませんので、しっかり押さえておきましょう。
Googleアナリティクス
Googleが提供しているGoogleアナリティクスは、年齢、性別、地域といったユーザー属性、そして流入経路やキーワード等の集客に必要な情報を収集することが可能であり、購買者の行動分野にあたる離脱ページに閲覧ページも分析できます。
また、問合せ件数からコンバージョンの割合も算出できるため、流入分析においてはマストツールといっても過言ではないでしょう。ちなみにPV数が1,000万を超えるとレポートにアクセスできなくなるポイントには注意が必要です。
関連記事: Googleアナリティクスとは?導入手順・使い方・用語の意味まで
Karte
Karteの特徴はユーザーの過去と現在における行動をデータを抽出し、SMSやLINEといった接客アクションを切り替えて最適なアプローチが可能となります。
また、Karteのユーザー計測では、アクセス情報とユーザー属性、コンバージョンに分類されたタグを設定することで、自社サービスが購入されたタイミングや、何を閲覧しているか、というイベント情報をユーザー単位で記録できることから、分析に必要な要素をタイムリーに見られるでしょう。
Tableau
Tableauはデータアナリスト等の専門知識を持った人材でなくとも簡単に分析作業が行えるツールです。たとえばデータ加工や集計もワンタッチで完結する上に、画面をドラッグするだけで分かりやすく判断しやすいレポートも作成可能となっています。
また、通常のツールであれば導入に1日程度かかるケースもありますが、Tableauは自身の端末にインストールすれば使用できるため、所要時間は最短30分程度でしょう。そして、多彩な機能を保有しつつ導入費用はミニマム10.2万円~とリーズナブルである上に、レポート閲覧だけなら無料というポイントも魅力の1つです。
Mieruca
株式会社Faber Companyが提供しているMierucaは、導入企業1,500を超える人気を誇っており、コンバージョンの上昇に繋がるキーワードの提案機能を利用すれば、効果的なSEO対策にも繋がるでしょう。
また、競合サイトへの流入キーワードに関しても抽出できることから、ユーザーが求めているコンテンツの拡充にも役立ちます。ちなみにGoogleが提供しているGoogleサーチコンソールと組み合わせれば、不人気ページを正確に把握することが可能となり、より効率的なクオリティの改善に繋がるでしょう。
FARO REPORT
FARO REPORTは単体使用ではなく、Googleアナリティクスと組み合わせてレポート作成の効率を向上させる機能に特化しており、ランディングページにおける訪問数、あるいは直帰率の度合いをワンクリックで出力できます。
また、FARO REPORTのデータはpowerPointで自由に加工、編集することができる上に、PDFへの変換も可能であることから、社内エスカレーションはもちろんプレゼンでも効果を発揮するでしょう。ちなみに多少の制限はありますが、無料プランでもレポート機能は使えるため、お試し感覚で利用してみて下さい。
ECサイトの分析ツールのおすすめ【その他の便利ツール編】
次はリテンションと流入分析以外に役立つツールを解説していきます。いずれも売上アップには効果的であるため、是非参考にして下さい。
Googleサーチコンソール
Googleが提供するGoogleサーチコンソールは、Googleアナリティクスのように流入結果を分析するのではなく、その前段階にあたる「どんなキーワードで検索されたか」というポイントを把握することが可能です。
また、検索結果に表示されるためには検索エンジンにインデックスされる必要がありますが、Googleサーチコンソールを利用すればサイトのページが表示されているかどうか(インデックスされているか)も判断できることから、SEO対策においては大変有用性の高いツールといえるでしょう。
関連記事: GoogleSearchConsole(グーグルサーチコンソール)とは?導入方法と使い方
RankTracker
RankTrackerはLink-Assistant.comから提供されている分析ツールであり、検索ボリュームやキーワード難易度、競合性等を詳細にチェックすることが可能です。そして、特に注目するべきは自社サイトの順位が判断できる機能でしょう。
ECサイト運営においては、検索結果上位に表示された方が成約見込みの高い顧客獲得に繋がることから、現在の立ち位置が把握できれば、順位を上げるための適切な対策を行えます。また、あらかじめ時間を設定しておけば自動で順位チェックがされるため、最大限効率的に分析を行いたい方にもおすすめのツールとなっています。
マインドマップツール
マインドマップツールとは業種関係なく様々なシーン活躍する機能を搭載しており、自身の考えやアイデアを整理して、可視化することが可能です。たとえば、社内チーム間で業務を同時進行できるリアルタイム共同編集機能を利用すれば、頭に浮かんだアイデアをその場で伝えられるでしょう。
そして、タスク管理機能ではガントチャートによって担当への割り振り方やデッドラインを明確化に繋がることから、全体の業務効率化に役立つツールとなっています。ちなみに現在は様々な種類がリリースされていることから、自社の方針にマッチしたものを選んで下さい。
スクロールヒートマップ
スクロールヒートマップは、ユーザーがページのどこまでスクロールして閲覧したかを色で識別できる分析ツールです。そのため、離脱したポイントや滞在時間の長さも容易に判断することが可能となり、どのコンテンツに興味が持たれているのかも把握できます。
また、詳細なデータがほしい場合はスクロールデータ機能を利用すれば数値としても算出できるため、よりピンポイントな対策を講じて全体のクオリティを高められるでしょう。ちなみに先ほど解説したMierucaにもスクロールヒートマップ機能が搭載されています。
関連記事: ヒートマップとは?アクセス解析との違いと分析できること
マウスフローヒートマップ
マウスフロートヒートマップは、ユーザーの行動をより具体的に分析できるツールであり、マウスの動きやスクロール、クリックに至るまでをレコーディングしてリプレイ検証することが可能です。
また、フォーム分析機能を利用すれば入力フォームにおける離脱率やエラー数、そして未入力部分も把握できることから、肝心のコンバージョンに関してもより具体的な対策をもって高められるでしょう。ちなみにマウスフローヒートマップにもクリックヒートマップという機能が搭載されており、こちらはキャッチコピーの改善等に役立ちます。