デプスインタビューとは?メリット・デメリットと流れを解説
ユーザーの深層心理やインサイトをつかむ方法は様々なものがあります。なかでもデプスインタビューは、ユーザーを深堀し深層心理を分析できます。デプスインタビューで得た情報から新たなアイデアにつながるなど得られる恩恵は大きいです。
デプスインタビューとは
デプスインタビューとは1対1で行い、対象者を深く知るインタビューです。デプスインタビューは、英語でdepth interviewと表示し、別の言い回しをすると「深層面接法」となります。定性調査の代表的な手法のひとつです。
デプスとは深さを表し、対象者の見ているもの、行動や感情、置かれている状況などについて知り、対象者も気づいていないインサイト(深層心理)を調査します。
例えば、あるサービスを購入したユーザーにデプスインタビューを行うことで、なぜそのサービスを選んだのか、選んだきっかけ、そのサービスの改善点など、リアルな情報を収集できます。
デプスインタビューのメリット・デメリット
デプスインタビューにはメリットとデメリットがあります。より効果的なデプスインタビューを行うにはメリットとデメリット両方知っておく必要があります。
ここではデプスインタビューのメリット、デメリットについて解説していきます。
デプスインタビューのメリット
デプスインタビューは人にはあまり話せないようなプライベートな話が聞きやすいです。グループインタビューと違い、インタビューに最小限の人数で行うデプスインタビューは、周囲の目を気にする必要がなく切り込んだ話ができます。
例えば、年収や持病などのあまり話せないような情報も聞き出すことが可能です。そして、そのような話は対象者のインサイトをつかむ重要な情報です。したがって、マーケティング戦略を打ち出す際にデプスインタビューは有効です。
そして、マーケティング戦略の肝になるのがペルソナの設定ですが、デプスインタビューはペルソナの設定に大いに役に立ちます。対象者1人の考えを深堀していくので、そこからインサイトをつかみ得た情報からより細かくペルソナを設定してくことで想定顧客をより鮮明に認識できます。
デプスインタビューのデメリット
他のインタビュー方法とは違い、デプスインタビューは時間を要します。インタビューの内容やジャンルによって変わりますが、1時間~1時間半は見ておかなければなりません。したがって、デプスインタビューを行う際はあらかじめ時間に余裕をもって行いましょう。
また、インタビュアーの技術によって結果が左右しかねないのもデメリットです。質問が的外れであったり、用意している質問が少なければ対象者を深堀することはできません。ですが、このデメリットは経験を積んだり、練習をすれば改善されます。
グループインタビュー・エスノグラフィー調査との違い
インタビュー方法には様々なものがありますが、ここでは、デプスインタビューを中心にグループインタビュー、エスノグラフィーとの違いについて解説します。
グループインタビューとの違い
インタビューと聞けば、5~6人が集まって行うグループインタビューを想像する人も多いでしょう。グループインタビューもデプスインタビューと同じく、対象者のインサイトをつかむツールとして使われます。しかし、1人を深堀するデプスインタビューに対し、5~6人同時にインタビューするので、コスパもよく時間も削減できます。
しかし、複数人に同時インタビューを行うので、深く切り込んだ話はしづらいです。また、複数人で行うためスケジュールが合いにくく日程調整に手間がかかります。突然のキャンセルも視野に入れておきましょう。
エスノグラフィー調査との違い
エスノグラフィー調査とは、ユーザーの深層心理を行動から分析する調査手法で、行動調査とも言われます。デプスインタビュー同様、対象者は1人ですがインタビューではなく行動を観察することでインサイトをつかむ点は大きな違いです。
エスノグラフィー調査で分かるインサイトは、商品やサービスの根幹になることが多いです。よって、既存の商品やサービスの分析にはあまり向きませんが、新規事業においては有効な手段の1つです。
デプスインタビューを行うまでの流れ
デプスインタビューを行うためには下準備が必要です。準備を怠れば、インタビューを行ったとしても十分な結果が得られません。
ここではデプスインタビューを行うまでの流れを
- 問題を解決するための仮説建てる
- インタビュー対象者を集める・ガイドの作成
- インタビューの実施
にわけて解説していきます。
問題を解決するための仮説を立てる
まずは、自社が抱えている問題を解決するため、問題の原因を探ります。その際、インタビューをする目的を明確にしましょう。仮説を立てる際には、自社でも仮説を立てインタビューで得た対象者の考えと比較、検証することが大切です。
例えば、「自社で提供しているサービスは相場よりも料金が高いから利用者が少ないのか」と言ったように自社でも仮説を立てておきましょう。
インタビュー対象者を集める・ガイドの作成
仮説が無事に立てられたら、次はインタビュー対象者を集めます。事前にアンケートに答えてもらい、より適切な対象者を見つけましょう。
アンケート内容は、サービスの関与度や対象者の行動実態がわかるような内容にしなければなりません。自由に回答できる欄を設け、自社のサービスや商品について購買行動などを語れる人を絞りこみます。
そして、同時にインタビューガイドを作っておきましょう。実際にインタビューを行う際の流れや、どのような質問をするのか、質問の優先順位など詳細に作る必要はありませんが、大まかな流れの把握に役立つのでインタビューガイドは必要です。
しかし、ガイドの流れ通りに質問すれば、対象者の回答に柔軟に対応することができないので注意が必要です。
インタビューの実施
準備が整えば、実際にインタビューを実施します。ガイドで作成した優先順位の高い質問から対象者の回答に合わせて柔軟に質問していきましょう。インタビューのコツについては次の項目で詳しく解説しています。
デプスインタビューの効果を高めるコツ
デプスインタビューの効果を高めるには、サブインタビュアーを上手く活用することが重要です。サブインタビュアーはただの記録係だと思われがちですが、有効に活用することでインタビューの効果を高められます。
例えば次に質問する内容が浮かばなければ沈黙が続きます。その沈黙に耐え切れず、的外れな質問をしてしまうことも多いです。その際、サブインタビュアーを活用すればインタビューの効果を高められます。
サブインタビュアーはインタビューの内容をメモして質問を溜めているので、インタビューを俯瞰して見ているのです。したがって、サブインタビュアーに次の質問を振れば、沈黙になることもなく有益な質問ができます。
また、投げかける質問も考えなければ効果を高められません。例えば、管理職になりたいかのインタビューで、「管理職になりたいですか」というざっくりした質問だと、対象者は今思っているイメージや、ぱっと思いついたことしか答えられません。
「今と昔で考えが変わったのか」、「考えが変わったきっかけは何なのか」、「場面によって考えは変わるのか」など一つの質問から深堀をしていくことが大切です。
デプスインタビューを成功させるためのポイント
デプスインタビューを成功させるには、UXの時間軸を意識しましょう。UXとは、製品やシステムなどの利用、体験を通して、ユーザーが得た体験の事です。
サービスや商品の
- 体験前
- 体験中
- 体験後
- 全体
を時系列順に聞いていくことで、体験を積み上げたことによる変化を知ることができます。それにより、深堀するポイントが見つけられるようになり、新たな発見を見つけやすくなります。
また、インタビューガイドにとらわれすぎないことも成功させるポイントです。インタビュー前の下準備で、円滑に進めるためガイドを作っておくことも多いと思います。
しかし、ガイドを作りその通りに進めようとすると、相手の回答によって柔軟に質問を変えることができません。よって、ガイドを作っても必ずその通り質問するのではなく、相手の回答によって柔軟に質問を変えていきましょう。
まとめ
SEOとWEBマーケティングの東京SEOメーカーTOPへ戻る