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化粧品EC市場について解説!WEBマーケティングのポイントは?

化粧品EC市場について解説!WEBマーケティングのポイントは?FortuneBusinessInsightsによると近年、化粧品分野の世界市場では年間約5%の成長率を示し、2028年には4,152億9,000万ドル規模に達すると予測されています。このような市場拡大には、コロナパンデミックにより、ECに注目が集まったことがその一因です。

 

SEOコンサルタントしかし通常、化粧品業界ではオンラインでの購入に商品特有の難しさがあり、日本でもEC化率が低いままで停滞していました。こういった状況に風穴を開けたのが、新たなマーケティング手法です。そこで今回は、この化粧品EC市場について、マーケティングを中心にその変化の動向をお伝えします。

 

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化粧品EC業界の基礎知識

ここでは、化粧品EC業界の基礎知識についてお伝えします。主要企業や取り扱う商品など、この業界に詳しくない人でも分かる内容になっていますので、早速ご確認ください。

 

主要企業

最初に、化粧品・コスメ市場の主要企業をお伝えします。化粧品・コスメ業界は成熟産業のため、資生堂、花王など大手が市場シェアの大部分を占めています。実際下記の表を見てもらうと分かるとおり、業界の大手企業上位5社が約4割の市場シェアを獲得しています。結果として、中小企業による事業参入はハードルが高い状況になっています。

 

そのため、中小企業としては、大手のように研究開発からマーケティング・販売までを一気通貫で事業をおこなうのではなく、製造、研究開発、販売などのどこかのニッチ分野に的を絞り事業参入をおこなうことが多くなります。

 

企業名 シェア
資生堂グループ 13.2%
花王グループ 12.1%
コーセーグループ 7.3%
P&G 3.7%
ポーラ・オルビス 3.0%

 

参考ページ:化粧品産業ビジョン令和3年4月 – 経済産業省

 

取り扱う商品

化粧品業界では、多種多様な商品を扱っていますが大きな分類としては次のとおりです。いずれの商品も、現在はECで購入することが可能です。

 

 

カテゴリ 概要と具体例
スキンケア・基礎化粧品 顔を中心とした肌のケアをする商品。化粧水、洗顔液、保湿クリームなど
メイクアップ 主には女性が購入する商品。アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、口紅など
トイレタリー用品 生活をする上で清潔感を保つアイテム。入浴剤、紙おむつ、歯磨き粉など
ヘアケア 頭髪の洗浄やセットに使うもの。シャンプー、コンディショナー、ヘアカラーなど
ボディケア 顔以外の肌をケアする商品。ボディクリーム、オーラルケアなど
フレグランス 香りに関するもの。香水、オーデコロン、オードトワレなど

 

ビジネスモデル・販売方法

美容と健康に関する商品を企画・製造し、販売するというのが基本的なビジネスモデルになります。また、化粧品業界の主なマーケティング・販売方法としては次のものがあります。

 

 

販売方法 概要
百貨店販売 高級化粧品は、百貨店に来客した顧客に対してメイク術などを教えたりすることで、販売につなげていきます。これをデパートコスメ(デパコス)といいます。
小売店販売 ドラッグストアやコンビニエンスストアなどの小売店に商品を卸し、販売するスタイル。安く大量に売る商品向けの販売方法です。
美容院・エステ販売 美容院やエステに商品を置いてもらう形で販売する手法。シャンプーやリンス、メイクアップ商品などで活用されることが多いです。大量に消費してもらえるので、販売量が上がりやすいという特徴があります。
訪問販売 地方や年配向けの方に商品を販売する方法。担当者に美容について相談してもらい、担当者がおすすめする形で販売につなげます。昔はこの方式が強かったものの、近年では徐々に使われなくなってきた方法です。
ECサイト販売 初めて購入する商品に対してはあまりECサイトを利用しませんが、リピート商品についてはわざわざ店舗に行く必要がないので、ECサイトで購入されることが多くなります。

 

化粧品ECの市場動向

2019年まではインバウンド需要などにより化粧品業界は右肩上がりの成長を続けてきましたがその後、コロナショックで売上は急激に下がりました。こういった背景により、ECでの売上拡大が求められていたという背景があります。

 

2022年の化粧品・医薬品のEC市場規模は、経済産業省のデータによると9,191億円であり、EC化率は8.24%です。2021年のEC化率が7.52%ですので、順調に伸びています。

 

しかし、物販系BtoC全産業のEC化率は平均9.13%となっていますので、化粧品・医薬品業界では他産業と比較して、EC化がまだまだ遅れているという課題があります。

 

参考ページ:令和4年度 電子商取引に関する市場調査 報告書 – 経済産業省

 

化粧品業界でEC化率が低い理由

化粧品業界では、なぜEC化率が低水準に留まっているのでしょうか?その理由としては複数考えられますが、主なものとしては次のものが挙げられます。

 

商品を実店舗で確認したいから

化粧品のEC化率が低い理由の1つは、顧客が商品を実店舗で確認したいという欲求があるからです。化粧品はその商品の特性上、実際の肌へのフィット感や色合いが重要です。そして、それをオンラインで確認するのは、ハードルが高くなります。

 

そのため、顧客はファンデーションやリップ製品などの色や質感を直接、実店舗で確認しようとします。このように商品の特性上、ECで販売するよりも、実店舗で販売した方が新規顧客を獲得しやすいという背景があります。

 

少しでも安く購入したい

2つ目の理由として、決済手数料や送料を抑えてより安く商品を購入したいという顧客心理があります。ECサイトでは、商品価格に加えて決済手数料や送料が加算されることが一般的です。

 

一方で、低価格帯の商品については、コンビニエンスストアやドラッグストアで販売されており、そこでは余分な間接費がかからないため、多くの顧客が量販店での購入を好んでいます。

 

ECでの集客コストが高騰

3つ目の理由は、WEB集客にかかるコストが高騰しているという理由が挙げられます。前述したとおり、化粧品業界はすでに大手が市場を占有しているため、WEB広告費が非常に高額になっています。また、ブランドイメージを大切にする業界のため、それを構築するまでに膨大な金額がかかり、中小企業にとってはハードルが高いです。

 

化粧品EC業界のWEBマーケティング

ここでは、化粧品EC業界でどのようなWEBマーケティングが活用されているのかについて解説します。

 

参考ページ:ECマーケティングとは? 具体的な施策と成功事例を解説

 

オンラインシュミレーション

オンラインでは化粧品を試してもらうことが難しく、それが購入障壁を高めています。そこで、オンラインシュミレーションを導入し、そのハードルを越える試みがおこなわれています。

 

具体的にはKOSEの「メイクアップシミュレーター」のようなデジタルツールが挙げられます。この技術は顧客が自身の顔に直接メイクアップできるような感覚で使用することができ、個々の肌の色や質感に合わせたリアルタイムなシミュレーションが可能です。

 

オンライン接客

化粧品業界においては従来から、百貨店などでカウンセリングをとおして購入してもらうという手法があります。それをオンライン上で実現したのが「オンライン接客」です。

 

オンライン接客は、顧客が直接店舗に訪れることなく、専門家のアドバイスを受けて商品の購入をおこなうことができます。オンライン接客なら、顧客も時間的・地理的な制約を大幅に削減することができるため、忙しい現代人の生活スタイルにもマッチします。

 

AIカウンセリング

AIカウンセリングは、AIが人に代わってカウンセリングをおこなうシステムのことです。人工知能を用いて、顧客の肌質、悩み、ライフスタイルなどの情報を分析し、最適な化粧品やスキンケア商品をおすすめすることができます。

 

顧客は、AIからの簡単な質問に答えるだけで、自身にあった製品を選ぶことができます。この手軽さによって多くの顧客から支持を受けていますが、対人対応ではないため、ロイヤリティを高めることには課題が残ります。今後はオンライン接客との使い分けが重要な鍵を握ると思われます。

 

SNSでのインフルエンサー活用

SNSには、インフルエンサーと呼ばれる他のユーザーに影響力を持つ人材がいます。インフルエンサーはソーシャルメディア上で高い影響力を持ち、特定のターゲットにリーチすることができます。

 

化粧品業界では、いち早くこのインフルエンサーに注目し、今ではマーケティング施策において重要な役割を果たしています。彼らを活用することで、化粧品ブランドは特定の市場セグメントやニッチな顧客層に効果的にアプローチできます。インフルエンサーが商品を使用し、その経験を他のユーザーと共有することで、フォロワーに商品の魅力をリアルかつ説得力のある方法で伝えることができます。

 

参考ページ:マイクロインフルエンサーとは?起用するメリットと依頼方法を解説

 

定期購入

化粧品業界では、定期購入モデルを活用して、安定的に収益を確保するという試みがおこなわれています。定期購入は顧客に対して一定期間ごとに商品を届け、これにより顧客との継続的な関係を構築します。一度の購入ではなく長期的な顧客からの収益を上げることができ、さらにブランドロイヤルティを高める効果もあります。

 

一方で、定期購入は顧客にとっても便利な方法で、継続的に商品が届くため、再購入に関する手間を省くことができます。

 

また、企業側では定期購入を通じて収集される顧客データを活用し、顧客の好みやニーズに対しての理解を深め、新しい商品の提案などにも結びつけることが可能です。

 

参考ページ:サブスクリプションビジネスとは?基礎知識や成功させるポイントを解説!

 

越境EC

国内市場では、少子高齢化が進んでいます。国内市場の成長が鈍化しているため、新たな成長機会を見出すために越境ECに注目が集まっています。日本の化粧品は安全性が高く、品質にも一定の評価があるため、越境ECとの相性が良く、多くの企業では海外市場への進出を通じて新たな顧客層獲得につなげています。

 

参考ページ:越境ECとは?市場規模、メリット、デメリット、始め方までを解説

 

化粧品ECのよくある質問

ここでは、化粧品ECのよくある質問をとりあげ解説します。
 

Q:相性の良いソーシャルメディアは?

Answer)最適なソーシャルメディアは企業のブランドイメージなどによっても異なります。ただし、商品の特性上、基本的にはビジュアルに訴求するソーシャルメディアが有力です。例えば、InstagramやPinterestはビジュアルコンテンツに強く、商品の魅力を視覚的に伝えるのに適しています。また、若年層をターゲットにする場合は、TikTokが効果的です。

 

参考ページ:ソーシャルメディアとは?定義やSNSとの違い、ビジネスにおいての役割などを解説

 

Q:顧客レビューはどう活用すれば良い?

Answer)顧客レビューは、化粧品ECのマーケティングにおいて重要です。レビューを確認して、多くの顧客が購入するかどうかを検討するからです。企業としてはまず、正直かつ具体的なレビューをしてもらうよう既存客に促し、一定数のレビューが集まれば、それらをECサイトやソーシャルメディアで積極的に紹介してください。こうすることで新規顧客の信頼をえることができ、コンバージョンにつながります。

 

Q:化粧品業界のECサイトでの重要ポイントは?

Answer)化粧品ECサイトにおいて、高品質なビジュアルの使用は商品の魅力を伝え、顧客の購入意欲を刺激するうえで非常に重要です。鮮明で詳細な画像は商品の特徴や色合いを正確に伝え、顧客が実際の店舗で商品を手に取って見るのに近い体験を提供できます。また、動画コンテンツは、商品の使用方法や効果を実演することができるため、よりリアルなイメージを提供することができます。これらビジュアル要素は、商品の魅力を視覚的に伝えるだけでなく、ブランドのイメージを高め、顧客の記憶にも残りやすいです。

 

Q:化粧品ECの課題は?

Answer)化粧品ECにおけるパーソナライゼーションの強化が今後の大きな課題の1つです。顧客1人ひとりの独特な肌質、色調、好み、ライフスタイルに合わせて、カスタマイズした商品やサービスを提供し、顧客単価を高めていく必要があります。国内の市場全体が縮小していく中で、単価アップは欠かせない戦略です。

 

また、単価アップが難しい場合はリピート購入を促し、できれば定期購入客に変えていくことも重要です。このためには今後、AIや機械学習を活用した高度なマーケティングの展開が鍵を握っています。

 

 

まとめ

SEOコンサルタント化粧品EC業界では、商品を実際に試せないという化粧品販売固有の課題がありました。それを克服するために、現在、さまざまなマーケティング手法がとられています。その代表的な手法としては「オンライン接客」や「シミュレーション」などが挙げられます、これらの手法を用いることで、顧客がオンラインで化粧品を購入することに抵抗がなくなり、化粧品EC市場全体の拡大が進むものと思われます。現在、大手が市場を独占している状態ですが今後、益々市場が変化していくため、新しいゲームプレイヤーが登場し、よい意味で競争が活性化されるのではないかと期待しています。

 

 

この記事の監修者

SEOコンサルタント

アドマノ株式会社 代表取締役 天野 剛志

日本大学法学部卒業、広告代理店で12年間働いている間、SEOと出会い、SEO草創期からSEO研究を始める。SEOを独学で研究し100以上のサイトで実験と検証を繰り返しました。そのノウハウを元に起業し現在、11期目。営業、SEOコンサル、WEB解析(Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持)コーディング、サイト制作となんでもこなす。会社としては今まで2000以上のサイトのSEO対策を手掛けてきました。

監修者:アドマノ株式会社 代表取締役 天野剛志
天野 剛志
マーケティングのエキスパート。Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持。大学では経営法学を専攻。オーストラリア・イタリア・フランス・タイ・カンボジアなど世界各国を旅した後、イギリスで1年半生活し語学力と国際的視野を磨く。日本帰国後は広告代理店で営業を12年経験。SEOは草創期から独学で研究し、100以上のサイトで検証しつつノウハウを蓄積。2012年にSEO専門会社のアドマノを設立。
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