Googleアナリティクスの「ボットのフィルタリング設定」とは?概要や設定方法
Googleアナリティクスを使ってWebサイト分析を行う方がほとんどだと思われますが、ボットのフィルタリング設定はできているでしょうか?これは、データ分析を行うにあたり必ずやるべき設定の一つとなります。
Google Analyticsの「ボットのフィルタリング設定」とは
人間ではないボットからのサイト訪問が混ざってしまうと、正しい分析ができなくなってしまいます。
そのため、正しいアクセス数値を得る為に設定を行い、不要なサイト訪問を取り除く必要があります。
ボット自体は悪いものでは有りませんが、中にはスパムボットと呼ばれるWebサイトに悪影響を与えるものあるため、Webサイト運営を円滑に行うためにも設定は行っておきましょう。
「ボットのフィルタリング設定」の重要性
設定を行う理由は、ボットがWebサイトを訪問することで本来知りたいデータを集計することができなくなってしまうということと、Webサイトに悪影響を及ぼす場合もあるという2つがあります。
ここでは、なぜフィルタリング設定がこれほど重要となるのか詳しく解説していきます。
正確なデータを計測できない
ボットは、インターネット上にあるコンテンツや画像など、さまざまな情報を自動的に取得しています。
サイトをインデックスしたり統計調査を行ったりする際にも利用されるため、頻繁にサイトに訪問することがあります。
しかし、これは純粋なサイトへの訪問ではないためカウントをしてしまうと、実際の数値と乖離してしまいます。
サイト運営を行う上でデータの分析は欠かせないものですが、正確なデータで分析を行うことが前提となります。
スパムサイトへ誘導されてしまうことがある
前述したように、ボットの中には悪質なものも含まれます。このような悪意を持ったスパムボットを除外しなければ、サイトに大きな影響を与えてしまうことがあります。
スパムボットの中で最も多いのが、リファラースパムです。Googleアナリティクスでは、どのようなリンク元から自サイトへ来たのかを調べることができます。この訪問元を確認する行為を利用し、スパムサイトへ誘導する事をリファラースパムと言います。
これは検索エンジンに評価されるために意図的に行われているものですが、リンク元のサイトが低品質であれば自サイトへも悪影響となってしまうため、誘導されないようにすることが重要です。
ボットによるアクセスのデメリット
ここでは、ボットによるアクセスのデメリットを3つ解説していきます。
広告費が消費される
過去には、アメリカでのネット広告費の25%~50%が人間のユーザーではなくボットに費やされている可能性があるという調査結果が出ています。
これは、ハッカーや不正事業者による意図的な訪問である場合もありますが、ボットに感染した一般消費者からの訪問であることもあります。
このように、不正なボットだけでなく一般消費者からの訪問でもWebサイトに悪影響となることがあるため、知らないうちに広告費が消費されないようフィルタリング設定をしておく必要があります。
正しいデータを取得できない
スパムボットなどの悪意のある訪問は、急激に訪問数が増えることがあるため注意が必要です。
悪意のあるスパムボットの被害を受けると各分析指標の値が大きく変わってしまいます。Webサイト運営では、PDCAサイクルを回しながら効率的に運営していくものですが、正しいデータを取得できなければ改善施策の効果も出にくくなります。
データを盗まれることがある
スパムボットの被害を受けると、データを盗まれてしまう可能性も十分にあります。このようなスパムボットは、Webサイト内のユーザーログイン情報を解析して情報を盗みます。
Webサイト利用者の情報が盗まれてしまうと、企業の信用に大きなダメージを与えてしまうだけでなく、偽りのレビューが公開されるなどの危害を加えられるため十分に注意する必要があります。
自サイトへの影響だけでなく、Webサイト利用者にも影響を与える可能性があることを十分に理解することが重要です。
ボットのフィルタリング設定方法
ここでは実機での設定方法について解説します。以下の手順にしたがって設定を行いましょう。
Googleアナリティクスを開きます。TOPページのから「管理」を開きます。
ビューから「ビューの設定」をクリックします。
最後に「保存」をクリックして完了です。
設定が正しくできているかは、TOP>管理>ビュー>ビューの設定>ボッタのフィルタリングを見ることで確認することができます。
計測しないアクセスを除外する方法
ボット以外でカウントが不要となる訪問がある場合は、個別に設定しておくと良いでしょう。
1.GoogleアナリティクスのTOPページから「管理」を開きます。すべてのフィルタから「+フィルタを追加」をクリックします。
3.以下項目の設定を行います。
- フィルタ名をつける
- フィルタの種類を選ぶ
- ISPドメイン、IPアドレス、サブディクトリ、ホスト名などのうちいずれかを選ぶ
- ビューにフィルタを適用
4.最後に「保存」をクリックして完了です。
Webサイト運営を行っていると自サイトを閲覧することが多くなるため、正確なアクセス分析をするためにはフィルタを追加し、計測したくない数値を個別に除外すると良いでしょう。
スパムボットへの対策のポイント
計測する際に除外したいスパムボットへ対策するためには、素早く異常を見つける事が重要となります。設定を行っていても、Webサイトが攻撃されることもあります。
そのため、ここではスパムボットへの対策のポイントについて解説していきます。
Googleアナリティクス内の異常を見つける
スパムボットの被害を受けると、Webサイトの計測データに異常が見られるようになります。次の項目の数値が異常に高くなった場合は、スパムボットを疑いましょう。
<見るべき指標>
- ページビュー数
- 直帰率
- セッション時間
- コンバージョン
- 予期せぬ国からの訪問
これらの項目はさまざまな要因で数値が変化しますが、直近で見た時に異常に数値が高くなっている場合は、注意する必要がります。
スパムボットは突発的に訪問が集中します。そのため、定期的にチェックしていなければ異常に気づくことができず、結果的にWebサイトや企業自体に大きな影響を与えかねません。
Webサイト運営者は定期的にWebサイトのデータを確認し、異常がないかをチェックすることが重要です。
外部ツールを利用
自サイトでWordPressを使用している場合は、Googleアナリティクス用のプラグインを使用すると良いでしょう。
プラグインを活用するだけで、ボットトラフィックをブロックすることができます。中でもおすすめのプラグインが、リファラースパムの監視と排除を行う「Sucuri」です。Sucuriは,オールインワンのセキュリティ対策ソリューションでもあるため、DDoS攻撃からもWebサイトを保護してくれます。
WordPressを使用していてGoogleアナリティクスでの設定が面倒だという方は、プラグインを活用してみても良いかもしれません。
ただし、プラグインをインストールする際は、万一トラブルが発生した場合に備えて必ずバックアップをとることが重要です。