オートコンプリートとは?注意点とビジネスに与える影響を解説
オートコンプリートとは、検索サイトやログイン画面において、これまでに入力した内容に対して予測表示する機能です。何度も同じことを入力しなおす必要がないため利便性が高いのが特徴です。
オートコンプリートとは
オートコンプリートとは、WEBサイトで文字を入力している途中で、候補のワードが表示される機能です。これまでに入力した内容を記憶することによって、次に入力するべき内容を予測して表示しています。URLを入力する場合でも、これまでに表示したWEBサイトのURLを記憶して候補を表示するため、候補からENTERを押すだけで求めているWEBサイトを表示可能です。
オートコンプリートの仕組み
オートコンプリートは、これまでにユーザーが入力した情報や検索したキーワードなどをはじめとしてWEB上のさまざまな情報をもとに反映します。頻繁に入力しているワードや一般的に人気のワード、さらにこれまでにユーザーが検索したワードなどが表示されやすい仕組みです。
検索候補が表示されない場合
検索候補が表示されない場合はいくつか原因が考えられます。まず、挙げられるのが検索キーワードが一般的ではない場合です。ニッチな検索ワードは関連したワードが少なく表示されない場合があります。逆に、新しい検索ワードの場合、検索候補に表示されるまで数日から数週間かかる可能性があります。
このほかにも、人名に不適切な内容が紐づいていたり検索キーワード自体がオートコンプリートポリシーに背反している場合においても検索候補は表示されません。
不適切な検索候補が表示された場合
オートコンプリートに不適切な検索候補が表示された場合、オートコンプリートポリシーに違反した検索キーワードであればGoogleに報告することが可能です。報告したらGoogleでデータを分析したうえでアルゴリズムが修正されますが、Googleの判断によっては削除されない可能性があります。
検索候補に影響する要素
検索候補に影響する要素とは次の3点が挙げられます。
- ユーザーの検索履歴
- ユーザーの位置情報
- トレンド
ユーザーの検索履歴
ユーザーのこれまでの検索履歴はオートコンプリートに反映されやすい要素の1つです。特に、頻繁に検索しているキーワードは、表示させることでユーザーの検索スピードを上げることができます。さらに、検索履歴をもととして関連キーワードも表示されます。このため、検索履歴に関連した表示はユーザーによって異なります。
ユーザーの位置情報
検索をしているユーザーの位置もオートコンプリートに反映します。例えば、新宿にいる人が居酒屋を検索する場合は、新宿にある居酒屋を予測しやすくなります。
トレンド
ユーザーの行動だけでなく、一般的にどのようなワードが検索されているかも影響します。
オートコンプリートの種類
オートコンプリートには次の2種類が挙げられます。
- WEB全体のオートコンプリート
- カスタムオートコンプリート
WEB全体のオートコンプリート
オートコンプリートは検索エンジンに合わせてカスタマイズしており、検索エンジンに含まれるWEBサイトを基準として表示しています。しかし、ほかにもWEBサイト全体を含めたオートコンプリートを追加する機能の活用が可能です。
カスタムオートコンプリート
ユーザーがクエリを入力し候補と一致する場合に表示させる方法です。手動で追加や削除が可能であり、スコアを設定することによってランク付けも可能です。
オートコンプリートの注意点
オートコンプリートには次のような注意点が挙げられます。
- 第三者に情報が漏れるリスク
- 検索結果で被害が出る場合の対処方法の把握
第三者に情報が漏れるリスク
同じ端末をほかのユーザーが使う場合、これまでに閲覧したWEBサイトや入力した内容が漏れる可能性があります。そのため、PCを共有して利用する場合は注意が必要です。
検索結果で被害が出る場合の対処方法の把握
Googleではオートコンプリートの表示によって被害が出る場合は、削除申請の報告を受け付けています。申請した内容に応じてGoogleが必要と判断すれば削除されます。不適切なコンテンツが表示される場合は、予測内容において法的な問題がある場合は申請方法が異なります。
不適切なコンテンツが予測に表示されている場合は、Googleヘルプセンターの不適切なオートコンプリートの予測を報告するフォームを利用できます。対象となるのは悪意のある表現や露骨な性描写や攻撃的な内容を含むコンテンツです。
法的な問題に該当する場合は、LegalヘルプにおいてGoogle からコンテンツを削除するフォームから申請します。さらに、法的な問題が発生する内容が表示される場合は専門家への相談が必要になります。
PCを複数のユーザーで利用している場合の対処法
1台のPCを複数のユーザーで利用している場合は、オートコンプリートが表示されることによって履歴内容がばれてしまいます。そのため、履歴を消したりオートコンプリートを無効にしたりなどの対策が必要です。
履歴を消す
オートコンプリート機能において記録された情報の履歴削除が可能です。一部の情報だけを消す方法とすべての履歴を消す方法があります。
履歴を消す方法
一部の履歴を消す場合は、削除したいワードにマウスを合わせてDeleteキーを押すだけです。これで、消したいワードのみ削除できます。これまでの履歴をすべて消すことも可能です。例えばGoogle Chromeで消す場合は、右上の黒丸が3つ並んでいる部分をクリックします。
メニューの「履歴」をクリックし、「閲覧履歴データの削除」をクリックすると履歴データを削除できます。
複数のユーザーが1つのPCを利用している場合で閲覧履歴をほかのユーザーに知られたくない場合、閲覧していたページの情報をオートコンプリートに反映させないためには毎回履歴を削除することが一般的です。
オートコンプリートを無効にする方法
Google Chromeの右上の黒い点が3つ縦に並んでいる部分をクリックし設定を選びます。
「設定」から「自動入力」を選択すると、次の項目において自動入力を止めることが可能です。
- パスワード
- お支払い方法
- 住所やその他の情報
いずれの項目も第三者に知られてしまうと悪用されやすいので、複数のユーザーが同じパソコンを使うときは設定することが一般的です。
パスワードをクリックすると、「パスワードを作成、保存、管理してサイトやアプリに簡単にログインできるようにします」と書かれている部分をOFFにします。「パスワードを保存できるようにする」や自動ログインに関してもOFFにすることが可能です。
自動的に表示されると何度も入力しなくてよい利便性がある半面、第三者に知られてしまうと悪用されるリスクに関しても把握するべきです。
ECサイトなどでよく商品を購入する場合は、支払い方法の内容が自動的に保存されます。これらの情報が保存できないように、ONやOFFの切り替えで簡単に設定可能です。
個人情報を入力する際に住所や電話番号、メールアドレスなどが必要になるケースがあります。毎回入力するのは大変ですが、半面表示される設定にしておくと危険性もあります。
オートコンプリートがビジネスに与える影響
オートコンプリートで表示される内容によってビジネスに大きな影響を与えます。プラスに影響する場合もマイナスに影響する場合もあります。
プラスに影響する場合
オートコンプリートに表示されるワードによっては、ブランディングにつながる可能性があります。例えば、「カフェ お台場」と検索して「カフェ お台場 〇〇」のように店名が候補に表示されたらユーザーに認知されやすくなります。気になったユーザーが検索をしてくれる可能性も十分にあるのです。
マイナスに影響する場合
オートコンプリートがマイナスに影響する場合があります。例えば「○○商店 詐欺」「○○クリニック 効果なし」などといったオートコンプリートが表示されてしまうと、検索をしているユーザーだけでなく現在の顧客にもマイナスイメージを与えることになります。仮に、オートコンプリートに表示される内容が間違っていても、自動的に反映されてしまうのです。このように、ネガティブなワードが表示されることをサジェスト汚染と呼びます。
SEOに効果的なオートコンプリートの活用方法
オートコンプリートはキーワードリサーチを目的としたツールとして活用可能です。キーワードを入力するだけで、予測が表示されます。さらに、オートコンプリートはローカル検索においてさまざまな情報を提供します。
例えば、新宿にあるカフェのWEBサイトを上位表示させる場合は、「新宿 カフェ」がキーワードになります。そこで、Googleで「新宿 カフェ」で検索をすると新宿でカフェを探している人が使うワードが表示されるため、SEO対策に活用可能です。
「新宿 カフェ」で検索すると、次のワードが表示されます。
- 新宿 カフェ 落ち着く
- 新宿 カフェ おしゃれ
- 新宿 カフェ スイーツ
- 新宿 カフェ かわいい
- 新宿 カフェ ゆっくりひとり
- 新宿駅 カフェ
- 新宿 カフェ 穴場
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まとめ