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アトリビューション分析とは?5つのモデルや実施手順について解説

アトリビューション分析とは?5つのモデルや実施手順について解説

Webマーケティングに取り組むなかでコンバージョン数は把握しているものの、「ユーザーがコンバージョンに至るまでの施策の効果が分からない…」といった方も多いと言えます。

 

SEOコンサルタント計測できない要素は簡単には分析ができませんが、成果に対する貢献度から施策の良し悪しを確認できる手法がアトリビューション分析です。そこで本記事ではアトリビューション分析の種類やモデル、そして具体的な実施手順について解説していきます。

 

 

SEOコンサルティング

アトリビューション分析とは?

 

成果に至るまでの流入経路や接触履歴について解析し、どの施策が成果に貢献しているのかを判断する手法がアトリビューション分析です。

通常であれば、成果として設定するCV(コンバージョン)につながった数を重視する傾向にあります。そのため最終的な成果から施策の良し悪しを判断することが多いと言えます。

しかし施策のなかには、CV数は少なくても商品やサービスの認知に大きく貢献している場合もあります。表面的には成果に直結しない要素となりますが、細かい流れを確認すれば認知の拡大は欠かせません。

したがってアトリビューション分析を用いることで、本当に必要な施策を精査できるようになります。

 

アトリビューション分析の種類

 

アトリビューション分析では、施策がオンラインかオフラインかによっても分析内容に違いがあります。またオンラインのなかでも広告施策とコンテンツマーケティングに分類され、施策に応じてユーザーの行動を分析することが重要です。

 

ここでは、分析の種類について解説していきます。

 

統合アトリビューション分析

 

オフラインとオンラインの両方から分析する手法が、統合アトリビューションです。

 

従来はテレビや新聞をはじめとした4マスがマーケティングの軸として活用されていました。しかし近年ではインターネットの利用が一般的となり、オンラインマーケティングは企業にとって欠かせない施策となっています。

 

そのためオフラインとオンラインの2観点から分析することで、広告全体の効果を高めることが可能です。

 

オンラインアトリビューション分析

 

オンラインの広告施策に絞って分析する手法が、オンラインアトリビューションです。事前に設定したCVに対して、ユーザーがどのように広告へ接触したのかを解析していきます。

 

オフライン施策の場合は効果測定が難しく、具体的な数値を導くことは出来ません。しかしオンラインはユーザーの行動を数値化でき、効果検証しやすい点が強みと言えます。

 

そのため効果が見込めるかどうかを明確に判断でき、効率的な広告活用が実践できます。

 

コンテンツアトリビューション分析

 

SNSやWebサイトなどのコンテンツを分析する手法が、コンテンツアトリビューションです。

 

オンライン広告と同様に、自社メディアを活用したコンテンツマーケティングに取り組んでいる企業も多いと言えます。

しかしコンテンツマーケティングでは、ユーザーに接触してからCVに至るまでの時間が長く、成果への貢献度を目に見えて判断できません。

そのためアトリビューション分析によってユーザーの行動フローを解析し、施策との相関関係から効果測定することが重要になります。

 

アトリビューション分析の目的

 

アトリビューション分析は広告運用の成果を高めるために、効果の見込める広告を判断することが目的です。また通常では判断できない効果検証も行え、無駄な費用を削減するうえでも効果的といえます。

 

ここでは、分析を行う目的について解説していきます。

 

成果につながる広告を判断するため

 

アトリビューション分析を行うことで、CVへ間接的に影響している広告を判断できます。オンライン広告の運用を行ううえでは、ユーザーがどのような経緯でCVに至ったのかを分析することが重要です。

 

仮に具体的な過程を考えずに分析を行うと、CVに至る直前の広告のみを重視してしまうことが多いはずです。一つの広告でユーザーの接触から購買につながっていれば問題ありませんが、基本的にはさまざまな過程を経てCVにつながります。

 

そのため認知拡大や購買意欲の向上といった重要な役目をもつ広告を適切に見極め、ユーザーの行動フローを考えながら運用することが大切です。

 

無駄な広告予算を削減するため

 

広告運用は購買につながることだけでなく、商品やサービスの認知を広げることや企業ブランディングなど、さまざまな目的があります。

 

しかし認知拡大を目的とした広告を運用していても、「どの程度の効果があるのか」を明確に判断できていないケースは多いと言えます。このような状態が続けば、効果が分からない広告に費用をあててしまいます。

 

そのためユーザーの行動経路を分析するアトリビューション分析を行ない、広告を閲覧した後の動きから成果を判断することが重要です。

 

特に「広告予算を増やしているのに効果がみられない…」と感じている場合は、アトリビューション分析によって大きな改善が見込めるはずです。

 

アトリビューション分析の活用シーン

 

アトリビューション分析はさまざまなシーンで活用できますが、なかでも以下の3パターンと相性が良く、いままでにはない視点で分析ができるようになります。

 

  • 正確なコンバージョンを分析するとき
  • 高額な商品、サービスを扱っているとき
  • 広告施策の成果が低迷しているとき

各々、解説していきます。

 

正確なコンバージョンを分析するとき

 

1つ目の活用シーンは正確なCVを分析し、効果のある広告を適切に見極めたい場合です。

 

複数の広告で効果測定を行っていると、CVが重複して計測されてしまうことがあります。

 

例えば一人のユーザーがGoogle広告を経由してFacebook広告を閲覧し、最終的にFacebook広告からCVに至った場合、すべての広告メニューでCVが発生します。しかし本来はCVが1件となるため、重複した状態では正確な分析が行えません。

 

そのためアトリビューション分析を活用し各広告の具体的な貢献度を判断することで、正しい数値から分析できるようになります。

 

高額な商品、サービスを扱っているとき

 

2つ目の活用シーンは、ユーザーの認知から購買までの期間が長い、高額な商品やサービスを扱っている場合です。

 

購買までの期間が長いと、ユーザーはさまざまな行動を取ります。そのため、どの広告がきっかけとなって購買に至ったのかを判断するには、アトリビューション分析からターニングポイントとなる行動を確認することが重要です。

 

対して購買までの行動経路が単純な商品の場合は、広告の貢献度を重視する必要はありません。したがって各広告を細かく分析し、具体的な改善点を発見するほうが広告の精度は高まるはずです。

 

広告施策の成果が低迷しているとき

 

3つ目の活用シーンは、広告施策の成果が低迷し、具体的な改善点が分からない場合です。

 

成果が低迷している原因は複数考えられますが、要因の一つに費用をかけるべき広告が明確でないことが挙げられます。このような場合は効果が見込めない広告を出稿しており、無駄な費用が多い状態と言えます。

 

そのためアトリビューション分析を用いて新しい視点で原因を探り、広告費用を効率良く活用することが重要となります。

 

アトリビューション分析のモデル5選

 

ここでは分析を行う際に重要となる、5つのモデルタイプについて解説していきます。

 

  • ラストクリック
  • ファーストクリック
  • 線型
  • 減衰
  • 接点ベース

 

ラストクリック

 

ラストクリックは、ユーザーが最後に閲覧した広告に100%の要因を割り振るタイプです。

 

仮にA、B、C、Dの4つの広告に関わり、Dが最終的な要因の場合は以下になります。

 

  • A:0%
  • B:0%
  • C:0%
  • D:100%

GoogleやYahoo!JAPANのオンライン広告ではデフォルトで設定されており、最も一般的なモデルと言えます。

 

またCVの直接的な要因を判断できるため、費用対効果を合わせやすい点が特徴です。購買意欲の高い見込み客やキャンペーンの打ち出しなど、行動経路が少ない場合に活用できます。

 

ファーストクリック

 

ファーストクリックは、ユーザーが最初に閲覧した広告に100%の要因を割り振るタイプです。

 

仮にA、B、C、Dの4つの広告に関わり、Aが最初の要因である場合は以下になります。

 

  • A:100%
  • B:0%
  • C:0%
  • D:0%

ラストクリックとは反対のモデルになり、ユーザーとの接点を判断する際に活用できます。そのため商品やサービスの認知拡大を目的とした場合は、ユーザーからの興味度が高い広告の分析が可能です。

 

なかでも潜在顧客のように自社と関わりのない新規ユーザーをターゲットとする際は、ファーストクリックが効果的なモデルとなります。

 

線型

 

戦型はユーザーがCVに至るまでに関わったすべての広告に、均等に要因を割り振るタイプです。

 

仮にA、B、C、Dの4つの広告に関わってからCVにつながると、以下になります。

 

  • A:25%
  • B:25%
  • C:25%
  • D:25%

近年はユーザーの行動が複雑化しており、多くの情報から効果的な広告を判断する際に役立ちます。ただし線型はデータ量によって精度が大きく変化するため、データ量が多い場合に活用しましょう。

 

減衰

 

減衰もユーザーがCVに至るまでに関わったすべての広告に、均等に要因を割り振るタイプです。ただしCVに近い順番ほど貢献度が高くなるため、線型とは異なるモデルとなります。

 

仮にA、B、C、Dの順番で、4つの広告に関わってからCVにつなげると、以下になります。

 

  • A:10%
  • B:20%
  • C:30%
  • D:40%

CVに重きを置いた考えとなり、線型よりも成果につながりやすい分析が可能です。効果の見込める広告を丁寧に判断したい場合に役立ちます。

 

接点ベース

 

減衰もユーザーがCVに至るまでに関わったすべての広告に、均等に要因を割り振るタイプです。ただし最初に閲覧した広告とCV直前の広告に対して、貢献度の割合を高める仕組みとなります。

 

仮にA、B、C、Dの順番で、4つの広告に関わってからCVにつなげると、以下になります。

 

  • A:40%
  • B:10%
  • C:10%
  • D:40%

ユーザーとの接点に重きを置いた考えとなり、CVにつながる重要な広告をバランス良く分析できます。

 

アトリビューション分析の実施手順

 

ここでは分析を実施する際の手順について、以下の4ステップから解説していきます。

 

  • 接点を考えながら仮説を立てる
  • 仮説に適したモデルを選ぶ
  • 効果測定を行い仮説を検証する
  • 検証結果から改善する

 

接点を考えながら仮説を立てる

 

まずはユーザーと接点を持ってからCVに至るまでの経路について、仮説を立てながら考えていきましょう。

 

仮説の例はこちら。

 

  • ディスプレイ広告から自社サービスについて認知する
  • Webサイトに表示されたバナー広告をとおして、自社サイトにアクセスする
  • アクセス履歴によって表示されたリターゲティング広告をとおして、購買意欲が高まる
  • サービス名を検索し、検索結果に表示されたリスティング広告からCVにつながる

分析を行ううえでは、ユーザーの行動経路を把握することが重要です。そのためユーザーと接点をもつ要素をすべて書き出し、どのような順番でCVに至るのかを考えましょう。

 

仮説に適したモデルを選ぶ

 

続いて立てた仮説をもとに、アトリビューション分析のモデルを選んでいきましょう。

 

おすすめの選び方は、扱う商品やサービスが接点を持ってからCVに至るまでの期間で考えることです。

 

CVまでの期間が長い場合には、接点をもった要素を総合的に評価する「減衰」や「接点ベース」のモデルが適しています。対してCVまでの期間が短い場合には、直接的な要因を評価する「ラストクリック」や「ファーストクリック」がおすすめです。

 

また施策を全体的に分析したい場合には「線型」モデルを選択しましょう。

 

効果測定を行い仮説を検証する

 

モデルを選択した後は、実際に効果測定を行っていきます。

 

まずは立てた仮説が正しいか、アクセス解析ツールや分析ツールを活用して、ユーザーの行動を確認しながら判断していきましょう。その後はCV数を確認したうえで、モデルにあてはめながら貢献度を割り振ります。

 

ツールによってはコンバージョンが重複して計測されているため、最終的なCVの要因を見極めながら割り振ることが重要です。

 

検証結果から改善する

 

最終的には検証結果から問題点を考え、施策の改善を図りましょう。

 

施策の改善では予算の分配やターゲティングが適切であるかを判断していきます。

 

特に重要となるポイントは、CVへの貢献度から適切な予算を考えることです。アロケーションと呼ばれる作業となり、アトリビューション分析を行う最大の目的と言えます。

 

貢献度が低い施策は予算を減少させ、貢献度が高い施策に予算を増加すると、適切に割り振られた状態となります。

 

アトリビューション分析の注意点

 

アトリビューション分析はCVまでの検討期間が短い場合や、広告媒体が多い場合は効果を発揮できません。そのため扱っている商品の向き不向きを確認したうえで取り組みましょう。

 

ここでは、分析を行う際の注意点について解説していきます。

 

ユーザーの検討期間を考える

 

前述でも触れましたが、アトリビューション分析では認知からCVにつながるまでの期間によって、向き不向きが異なります。

 

例えば日用品を購入する際は、比較検討をしない顧客が大半と言えます。そのためアトリビューション分析のように、細かく行動経路を確認する必要はありません。

 

このように検討期間が短い商品は適さないことが多いため、そもそも向いている商品であるのかを確認してから分析しましょう。

 

広告媒体が多いと分析が難しい

 

アトリビューション分析を行う際は、扱う広告媒体が少ないほど精度が高まります。なぜなら広告媒体が多いとユーザーの行動も複雑化し、正確な貢献度を判断できないためです。

 

特に新しい施策に取り組む際は、集客目的や購買目的など多くの広告を配信する傾向にあります。しかしアトリビューション分析で効果測定をできなければ、具体的な改善点が分からないまま配信を続けてしまう状況となるはずです。

 

多くの予算を無駄にする可能性もあるため、新しい施策こそ配信する広告を厳選し、正確に分析をすすめていくことが重要です。

 

 

まとめ

SEOコンサルタント本記事ではアトリビューション分析の種類やモデル、そして具体的な実施手順について解説してきました。施策の貢献度と聞くと一見難しく感じられますが、アトリビューション分析では5つのモデルに当てはめるだけとなり、簡単に実践ができます。また広告運用をはじめ、WebサイトやSNSなどのコンテンツマーケティングでも応用可能となります。そのためコンバージョンに直結する対策を行う場合は、積極的に活用していきましょう。

 

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この記事の監修者

SEOコンサルタント

アドマノ株式会社 代表取締役 天野 剛志

日本大学法学部卒業、広告代理店で12年間働いている間、SEOと出会い、SEO草創期からSEO研究を始める。SEOを独学で研究し100以上のサイトで実験と検証を繰り返しました。そのノウハウを元に起業し現在、10期目。営業、SEOコンサル、WEB解析(Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持)コーディング、サイト制作となんでもこなす。会社としては今まで1000以上のサイトのSEO対策を手掛けてきました。

監修者:アドマノ株式会社 代表取締役 天野剛志
天野 剛志
マーケティングのエキスパート。Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持。大学では経営法学を専攻。オーストラリア・イタリア・フランス・タイ・カンボジアなど世界各国を旅した後、イギリスで1年半生活し語学力と国際的視野を磨く。日本帰国後は広告代理店で営業を12年経験。SEOは草創期から独学で研究し、100以上のサイトで検証しつつノウハウを蓄積。2012年にSEO専門会社のアドマノを設立。
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