WordPressを高速化するキャッシュプラグインのおすすめ5選
WordPressの表示速度を早めるためには、キャッシュプラグインの活用が効果的です。
とはいっても「どのキャッシュプラグインを選べば良いのか分からない」と悩まれている方も多いのではないでしょうか。
WordPressのキャッシュプラグインとは
キャッシュとは、一度アクセスしたWebサイトの情報を保存する仕組みのことです。同じWebサイトにアクセスする際はキャッシュからデータを取得できるため、通常よりも速い読み込み速度でページが表示されます。
またプラグインとはWordPressの機能を拡張するツールのことをいい、予約フォームを設置できるプラグインやSEOを対策するためのプラグインなど、用途に応じてさまざまな種類があります。
したがってWordPressのキャッシュプラグインとは、WordPress内のページデータをキャッシュとして保存する機能を持ったプラグインのことです。
現状Webサイトの読み込み速度における対策をしていない場合には、キャッシュプラグインを導入することによって、大幅に表示速度を早めることも可能となります。
WordPressのキャッシュプラグインの種類
キャッシュプラグインと一口にいっても、保存先や保存内容によってキャッシュの種類が異なります。
各々に特徴があるため、足りない要素を補いつつWebサイトに適したキャッシュを選ぶことが重要です。ここでは、WordPressのキャッシュプラグインの種類について詳しく解説していきます。
ブラウザキャッシュ
ブラウザキャッシュとは、WordPressページをユーザーのブラウザに保存するキャッシュの仕組みです。
ユーザーによって使用しているプラウザが異なるため、保存される場所はGoogleChromeやSafariとさまざまなパターンがあります。
ページを表示する際はダウンロードしたデータを利用することで、通常の読み込み時間と比べ短い時間で行われます。
キャッシュのなかでは使用されることが多く、代表的な種類といえるでしょう。
ページキャッシュ
ページキャッシュとは、WordPressページをサーバーに保存するキャッシュの仕組みです。通常であれば、ページを読み込む度にサーバーからデータをダウンロードする必要があります。
しかしページキャッシュではデータがサーバーに保存されているため、はじめからダウンロードする必要がありません。
特に多くの情報がつまっているWordPressサイトの場合、ページキャッシュによる良い影響は非常に強みとなるでしょう。
データベースキャッシュ
データベースキャッシュとは、データベースへの問い合わせデータを、データベース内に保存する仕組みです。
WordPressにおけるデータベースとは、主にMySQLを指します。他のキャシュと違う点は、データベースに関わるデータを軸にキャッシュを行うことです。
ページ全体のデータを扱うわけではないため、データ容量が大きい場合に効果的なキャシュとなります。
オブジェクトキャッシュ
オブジェクトキャッシュとは、読み込みの過程で処理に負荷のかかるデータを軸に、サーバー上に保存する仕組みです。
WordPress独自の機能となり、主にphp変数などの要素でキャッシュが行われます。
オブジェクトキャッシュもページ全体のデータを扱うわけではないため、他のキャシュと組み合わせることで効果的に活用できます。
トランジェント
トランジェントとは、HTMLコンテンツやコードの情報を、Webサイトのデータベース上に保存する仕組みです。
有効期限を用いてデータを保存するため、期限が過ぎた場合にはデータが削除されます。
具体的には、以下のような場合に活用できるキャッシュです。
- カスタムデータベースのクエリ
- ナビゲーションメニュー
- 外部HTTPリクエスト
他のキャッシュと比べても、使用する範囲や効果は限られるといえるでしょう。
CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)
CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)とは、インターネット上のコンテンツを効率良く配信するためのネットワークです。
通常はデータが保存されているサーバーにアクセスすることで、読み込みが始まりページが表示される仕組みでした。しかしCDNの場合は世界中にある「キャッシュサーバー」からデータをダウンロードできるため、ユーザーの最も近いサーバーが活用できます。
したがって通常よりも早いレスポンスが可能となり、結果的にページの表示速度を早められる流れです。
WordPressにキャッシュプラグインを導入するメリット
WordPressサイトにキャッシュプラグインを導入した場合、ページの表示速度が早まることによって直帰率の改善や、SEOに効果的な状態を作れます。そのため本来の目的以外にも、メリットとなる付加価値が多いといえるでしょう。
ここでは、WordPressにキャッシュプラグインを導入するメリットについて詳しく解説していきます。
直帰率が改善される
WordPressにキャッシュプラグインを導入することでWebサイトの離脱が減り、直帰率が改善されやすくなります。
なぜならキャッシュプラグインによってページの表示速度が早まることで、ユーザーがスムーズにWebサイトを閲覧できるからです。
ページの表示速度が遅いWebサイトの場合、すべてのユーザーが表示されるまで待つわけではありません。
むしろ読み込み途中であろうと離脱してしまうユーザーのほうが多いといえるでしょう。魅力的なタイトルやメタディスクリプションを記載していたとしても、離脱が多ければしっかりと閲覧するユーザーを増やすことは難しいです。
そのためキャッシュプラグインを導入することによって表示速度を高速化し、ユーザーの離脱を防げます。
関連記事: 直帰率の目安や高くなる原因、改善方法など
SEOに効果がある
キャッシュプラグインの導入はSEOに良い影響を与えるため、検索順位において上位表示されやすくなります。
なぜならWebサイトの表示速度を改善することは、SEOに効果的な対策となるからです。
実際に2018年のスピードアップデートでは、GoogleがWebサイトの表示速度がSEOに影響があることを公表しています。これまでGoogleは明確な評価基準を公表していないため、発表している項目は非常に重要です。
したがってWebサイト運営で重要となるページの表示速度を早めるためには、WordPressのキャッシュプラグインは大きなメリットといえます。
関連記事: ページスピードの計測方法とページ表示速度の改善方法/Page speed insight
WordPressにキャッシュプラグインを導入するデメリット
WordPressでキャッシュプラグインを扱う場合、定期的にキャッシュファイルの削除や保守管理を行う必要があります。仮に何も対応せずに放置した場合、最終的にはSEOに悪影響となり、検索順位が落ちることも考えられます。
ここでは、WordPressにキャッシュプラグインを導入するデメリットについて詳しく解説していきます。
キャッシュファイルが多いとサイトが重くなる
WordPressにキャッシュプラグインを導入した際、キャッシュファイルが多いとWebサイトが重くなる場合があります。
本来は表示速度を早めるために導入したプラグインですが、重いWebサイトの場合、逆に読み込みに時間がかかってしまう点がデメリットです。
また重い状態が続くと検索エンジンから評価を得られることはありません。
最終的には読み込み時間が原因となり、SEOに悪影響を与えてしまう可能性があるため注意をしましょう。
そのため定期的にキャッシュファイルを削除するなどの対処を行い、Webサイトが重くならないように維持することが重要です。
プラグインの保守管理が必要
キャッシュプラグインをはじめ、WordPressにプラグインを導入する場合にデメリットとなるのが保守管理を行うことです。
保守管理とは定期的なアップデートの対応や、正常に機能しているのかの確認になります。特にアップデートでは、その都度対応しなければいけません。
なぜならアップデートを放置しているとセキュリティ面の脆弱性が強くなり、ウイルスなどの感染確率が高まってしまうからです。
WordPressではキャッシュプラグインの他にも複数のプラグインを扱うことが多く、すべてのアップデートに対応する必要があります。
そのためプラグインを導入して放置するのではなく、定期的な保守管理はかならず行いましょう。
WordPressのキャッシュプラグインおすすめ5選
WordPressのキャッシュブログインはキャッシュの種類や機能面など、各プラグインによって特徴はまったく異なります。特に上級者向けのプラグインの場合は設定方が難しいこともあるため、操作面の確認も重要視しましょう。
ここでは、WordPressのキャッシュプラグインおすすめ5選 について詳しく解説していきます。
WP Super Cache
WP Super Cacheは多くのインストールを獲得し、WordPressの中でも人気の高いキャッシュプラグインの一つです。
主な特徴は以下になります。
- 無料で利用できるプラグイン
- 設定の大枠が事前に済んでおり初心者でも簡単に設定可能
- 古いキャッシュファイルが削除される「ベージコレクション機能」付き
- 「Expert」・「Simple」・「WP-Cache caching」の3つのキャッシュ方法から選択可能
中でも3つのキャッシュ方法は速度によってランク付けがされており、Webサイトに応じた選択が可能です。
最初は推奨されている「Simple」がおすすめですが、より高速化したい場合には「Expert」を設定するなど、自由に設定できる点が特徴になります。
W3 Total Cache
W3 Total CacheはWP Super Cacheと同じく、人気のあるWordPressのキャッシュプラグインです。
主な特徴は以下になります。
- 無料で利用できるプラグイン
- さまざまな種類のホスティングに対応
- PC版だけでなくもモバイル版のWebサイトにも対応
- オンライストアに導入した場合はSSLのサポート付き
- CDNとの統合が可能
ホスティングでは「共有ホスティング」・「仮想プライベート」・「専用サーバー」・「クラスター」に対応しています。またW3 Total Cachehaを完全に設定することで、Webサイトのパフォーマンスを最大10倍向上させることが可能となり、無料プラグインでも十分に有効活用できます。
Cache Enabler
Cache Enablerはシンプルな設定ながら、機能が充実しているキャッシュプラグインです。
主な特徴は以下になります。
- 無料で利用できるプラグイン
- シンプルな設計で初心者でも簡単に設定可能
- 3種類のキャッシュクリア機能付き
- キャッシュの有効期限が設定可能
- キャッシュは静的HTMLファイルによってサーバーに保存
- 「Autoptimize」ブログインとの組み合わせによって追加機能有り
3種類のキャッシュクリア機能とは「自動スマートキャッシュクリア」・「手動キャッシュクリア」・「WP-CLIキャッシュのクリア」です。キャッシュファイルは勝手に増えるため、自由に削除の設定が行える点は強みといえます。
WP Fastest Cache
WP Fastest Cacheは無料版と有料版が存在するものの、無料版で十分に活用できるキャッシュプラグインです。
主な特徴は以下になります。
- 無料で利用できるプラグイン
- 設定画面がチェックリストのみで構成
- 表示速度を高める「Mod_Rewrite」を使用
- 「SSL」・「CDN」・「Cloudflare」のサポート付き
- キャッシュオプション・キャッシュタイムアウトの設定可能
- 一定の条件の場合にキャッシュファイルが自動で削除
設定画面がチェックリストのみで構成されているため、時間をかけずに簡単に導入できる点が特徴です。ただしPC版のテーマは非対応となり、モバイル専用のテーマを作成する必要がある点には注意をしましょう。
WP Rocket
WP Rocketは有料プランのみですが、世界中で多くのユーザーに利用されているキャッシュプラグインです。
有料プランは以下の3パターンになります。
- 1サイト対応:1年49ドル
- 3サイト対応:1年99ドル
- 無制限:1年249ドル
主な特徴は以下になります。
- シンプルな設計で初心者でも簡単に設定可能
- データベースの最適化機能
- 遅延読み込み機能
- オブジェクトキャッシュの機能
- 「縮小」・「連結」のツール機能
- Google Fontsの最適化機能
- キャッシュのプリロード機能
上記以外にもさまざまな機能が揃っており、キャッシュプラグインの中でも使いやすく高性能な点が特徴です。
なかでも「Google PageSpeed Insights 」にもとづく最適化の項目は、的確な設定やスコア向上を可能としSEOにも効果的な要素になります。
WordPressのキャッシュプラグインを導入する注意点
WordPressのキャッシュプラグインは無料ツールから有料ツールまで、数多くの種類が存在します。
基本的にランキング上位のプラグインや、本記事で紹介したプラグインであれば問題ありませんが、なかには一切更新されていないプラグインもあるため注意が必要です。
またキャッシュプラグインはエラーが発生しやすいとも言われており、特に注意しなければいけないことが複数のプラグインを同時にインストールすることです。
プラグインの機能が違うからといって同時にインストールしてしまうと、エラーが発生する可能性が高まります。
したがってプラグインを導入する際は、開発元や更新頻度の確認、複数個を同時にインストールしない点にはかならず注意しましょう。