サブドメインの作り方は?メリットやデメリット、使い分け方など
すでに独自ドメインを保有している方の場合には、サブドメインを活用することで新たなメディアを作ることが可能です。しかしながら、サブドメインの取得方法やメディアを作るメリットなどをいまいち理解していない方が多いはずです。
サブドメインの作り方
サブドメインとは、独自ドメインを分割して設定するドメインです。サブドメインは、独自ドメインを管理しているサーバー管理会社から作成可能です。
ここではエックスサーバーで独自ドメインを運用している方を例に、サブドメインの作り方を紹介します。
1.サーバーパネルにログインする
2.「ドメイン」→「サブドメイン設定」を選択する
3.サブドメインを作りたい元の独自ドメインを選び「選択する」を選ぶ
4.上のタブの「サブドメイン設定追加」を選び、必要事項を入力して「確認画面へ進む」を選択する
- 「サブドメイン名」…「♦♦♦.▼▼.com」の♦♦♦の部分を任意で決める。「go」や「shopping」等。
- 「ドキュメントルート」…ファイルのアップロード場所を決める。「/▼▼.com/public_html/(サブドメイン名).▼▼.com/」または「/▼▼.com/public_html/(サブドメイン名)/」のどちらかを選ぶ。ドキュメントルートは、いわばメディアの公開場所を表している。
- 「コメント」…メモを入力可能。
- 「無料独自SSLを利用する」…エックスサーバーの場合、サブドメインも無料でSSL化可能。ただしサーバー管理会社によっては、追加のサブドメインのSSL化には経費が発生するケースもあるので要注意。
5.設定した情報を確認し、問題がなければ「追加する」を選択する
以上の手順で、サブドメインの作成は完了です。なお、サブドメインの作成は完了するまで半日程度かかることもあるので、前もって時間は確保しておくようにしましょう。作成したサブドメインは、独自ドメインと同様に新しくメディアを運用可能になります。
サブドメインとよく似た用語
混乱を避けるために、サブドメインとよく似た用語の「独自ドメイン」と「サブディレクトリ」を紹介します。
独自ドメインとは
独自ドメインとは、世界に1つしかない独自のドメインを指します。「▼▼.com」や「♦♦.blog」等、自由に名前を設定可能なのが特徴です。ちなみに、当メディアの独自ドメイン名は「switchitmaker2.com」です。
企業メディアの大半は、こちらの独自ドメインで運用します。
独自ドメインの対として考えられるのが、1つのドメインを共有で使う「共有ドメイン」です。共有ドメインで代表的なのは、ネットショップを簡単に構築可能な「BASE」や「カラーミーショップ」等です。
独自ドメインは、1からメディアを立ち上げて検索結果の上位に表示されるには多くの時間を要しますが、会社名や商品名をドメインに設定可能なのでブランド価値を高めるのに適しています。
一方で共有ドメインは、ブランド価値を高める効果はありませんが、すでにメディアのパワーがあるのですぐに検索結果の上位に表示させたい時にぴったりです。
サブディレクトリとは
サブディレクトリとは、同ドメイン内で新しく作られたディレクトリ(メディアの街道構造)を指しています。同一ドメイン内にブログのページを追加したい時や、ECメディアのカテゴリを増やしたいようなケースで、サブディレクトリが適しています。
例えば、次のようなURLのECメディアがあるとします。
こちらのECメディアに「ブログのページを追加したい」という話になりました。サブディレクトリでディレクトリ(例:content)を追加すると、次のようなURLを作成可能です。
元からあるメディアのパワーを使いながら、同一分野のページを増やしたい時にサブディレクトリでの運用が適しています。
一方で本体ドメインとは別分野のページを追加したい時は、元あるメディアの専門性を崩さないためにも、サブドメインでの運用が最適です。
サブドメインで運用するメリット
それでは、サブドメインで運用する利点はどこにあるのでしょうか?サブドメインならではの利点は、次の通りです。
- 経費を抑えてメディアを制作可能
- ブランド価値を高める効果がある
- 専門性のあるメディアを作りやすい
経費を抑えてメディアを制作可能
サブドメインは、本体ドメインに紐付けて作成可能なドメインです。サブドメインを作る時に改めてドメイン取得費用を支払う必要はなく、経費を抑えてメディアを制作可能なのがサブドメインの利点です。
新しく独自ドメインを取得しようとすれば、当然ドメインの取得コストがかかります。一方で、すでに本体ドメインを所有している状態であれば、それに紐付けたサブドメインを取得可能なので、取得コストはかかりません。
これは、新しくメディアを制作したいと考えている企業にとって、利点となります。すでに本体ドメインをもっていて、新しくメディアを作ろうと考えている方は、ぜひサブドメインも考えてみてください。
ブランド価値を高める効果がある
サブドメインには、独自ドメインの名前が入っています。サブドメインで運用することで本体ドメイン名がユーザーの目に触れる機会が増え、ブランド価値を高める効果も期待可能なのが利点です。
例えば楽天グループのサービス圏内では、次のようなサブドメインで運用されているメディアがあります。
楽天市場 https://www.rakuten.co.jp
楽天トラベル https://travel.rakuten.co.jp 楽天モバイル https://network.mobile.rakuten.co.jp/ 楽天ブックス https://books.rakuten.co.jp 楽天西友ネットスーパー https://sm.rakuten.co.jp |
こちらのサブドメインにはどれも、独自ドメインの「rakuten.co.jp」の名前が入っています。すでにある程度知名度がある楽天だからこそではありますが、サブドメインでメディアを制作することで、本体のドメイン名が認知される機会も増えます。
Web上で認知される機会が増えれば、ブランド価値を高める効果も期待できます。メディアを制作しながら自社のブランド力を高めたいと考えている企業は、ぜひサブドメインでの運用を考えてみてください。
専門性のあるメディアを作りやすい
サブドメインは、専門性のあるメディアを作るのに適しています。そもそもサブドメインでメディアを運用する目的は、本体ドメインとは異なる分野のメディアを作ることにあります。
例えば本体ドメインで「衣類」に関する生活メディアを運用しているとします。こちらの生活メディアが、今度は「食」に関するテーマで新しく運用しようという話になりました。
本体ドメインは「衣類」のテーマでメディアを運用していたので、急に食のコンテンツを入れるのはふさわしくありません。そこで役立つのは、サブドメインによるメディアの運用です。
サブドメインで新しく食に関する生活メディアを立ち上げることで、本体ドメインとは異なる専門メディアを作れます。
このように本体ドメインとは切り離した専門性のあるメディアを作りたい時は、サブドメインでの運用がぴったりです。
サブドメインで運用するデメリット
反対に、サブドメインで運用するには、どのような弱点があるのでしょうか。サブドメインの主な弱点も取り上げます。
- SSLサーバー証明書発行の手数料がかかるケースがある
- メディアの評価が分散してしまう
- 検索上位に本体ドメイン配下ページが表示されなくなる可能性がある
SSLサーバー証明書発行の手数料がかかるケースがある
サブドメインを作成する時、ドメイン取得コストはかからないものの、SSL証明書発行の経費にお金がかかる可能性もあります。
SSLサーバー証明書とは、メディアの実在性を確認し、通信データの暗号化を証明するための電子証明書です。
SSLサーバー証明書があるメディアはURLが「http」ではなく「https」で始まるのが特徴です。常時SSL化はGoogleが重視している内容の1つであり、対応していないメディアは検索順位を落とす可能性があります。もはや常時SSL化は、現在のメディア運用で必須です。
サブドメインなしで申請した証明書を使っている場合、サブドメインを取得する時証明書発行の経費がかかるので、注意してください。
ただ、1つの証明書でサブドメインまで対応している「ワイルドカード証明書」を使っている時は、サブクラスを作っても、証明書発行の経費は発生しません。
メディアの評価が分散してしまう
「本体ドメインのメディア」と「サブドメインのメディア」は、基本別のメディアとして考えられます。つまりサブドメインでメディアを制作すると、Googleからの評価が分散されてしまう点は注意してください。
ただし、本体ドメインからサブドメインのメディアへ、ある程度メディアのパワーは引き継がれると考えられています。
つまり、1からメディアを運用するよりは、サブドメインでメディアを制作するほうがページが検索結果の上位に表示される可能性が高くなるということです。
本体ドメイン下での運用に比べれば、サブドメイン単体の評価が下がってしまうのは仕方ない話です。なお、本体ドメイン下でページを追加可能な「サブディレクトリ」で運用する方法もありますが、実は「サブドメイン」とSEO上違いはないと言われています。
ゼロからメディアを作るよりはいいので、サブドメインではメディアの評価が分散されてしまうのは頭に入れておきたいものの、そこまで気にする必要のある弱点ではありません。
検索上位に本体ドメイン配下ページが表示されなくなる可能性がある
Googleには「同じ検索結果の上位には、同じメディアのページは2件までしか表示されない」というルールがあります。こちらの”同じメディアのページ”とは、本体ドメインとサブドメインを同一に考えます。
つまり現状、同じ検索クエリで本体ドメインに属する2ページが表示されている状態で、サブドメインのページが上位に表示された時、元の本体ドメインの2ページのうちどちらかが検索結果から外されてしまうのです。
ただし、上記のような状況を起こすのは非常に難しいので、正直なところこちらの弱点もそこまで気にする必要はありません。
そもそも本体ドメインとは別分野のサブドメインのメディアで、本体ドメインと同じ検索結果の上位に表示されること自体が、非常にレアケースです。
SEO効果を配慮した使い分け方
SEO効果を配慮すると「独自ドメイン」「サブドメイン」「サブディレクトリ」は、次のような使い分けが可能となります。用途に応じて、適切に使い分けるようにしましょう。
初めてメディアを作るなら「独自ドメイン」
ドメインをもっていない状態で新しくメディアを作りたい時は「独自ドメイン」を利用しましょう。
そもそもサブドメインはすでに独自ドメインをもっている方が、新しくメディアを作る時に利用するものです。独自ドメインをもっていない方はサブドメインを使えないので、注意してください。
独自ドメインは「ドメイン管理会社」または「サーバー管理会社」から取得できます。次に独自ドメインを取得できるおすすめの会社を載せるので、ぜひ参考にしてください。
本体とは別分野のメディアを作りたいなら「サブドメイン」
本体のメディアとは別分野のメディアを作りたい場合は、サブドメインでの運用が適しています。本体のメディアの分野とは別テーマのページを追加すると、専門性が崩れて、SEOに悪影響を及ぼしかねないからです。
例えば金融系のメディアが新しく「ニュース系のメディア」を作りたい、となればまったくの別分野です。
こちらの場合、独自ドメインで新しくニュース系のメディアを作るのも1つの手ですが、ブランド価値を高める効果を考えた時はサブドメインでの運用が適しています。
本体とは別分野のテーマのメディアを作りたい時は、サブドメインでの運用を考えてみてください。
本体と同じ分野のページを作りたいなら「サブディレクトリ」
本体と同じ分野のメディアを作りたい時は「サブディレクトリ」が適しています。同一ドメイン内で同じ分野のページを増やせば、それだけメディアの専門性を高められるからです。
例えば、商品紹介しかないような会社のホームページに、新しくブログ記事を追加してユーザーの獲得を目指す施策を始めるとします。会社に関わるトピックでブログ記事を投稿することになるので、同一のテーマのページが追加される、と捉えます。
こちらのようなケースではドメインを分ける必要はなく、本体のメディアのドメイン直下に新しくディレクトリを追加するサブディレクトリでの運用が最適です。