Stripeとは?使い方や導入手順を詳しく解説
ECサイトを運営していると、顧客を決済フォームから離脱させたくないと思うのではないでしょうか。あるいは、決済は安全にできることが一番大切だという考えもあるかも知れません。
Stripeとは?
Stripeはサンフランシスコとアイルランドのダブリンに本社を置き、決済代行システムを提供する会社です。
ECサイトなどを運用していれば、必ず決済システムが必要です。その際の選択肢の1つとして、PayPalなどとならんでStripeが挙げられます。ECサイト運営者は、Stripeを利用することでクレジットカード、デビットカードなどの決済方法を導入する事が可能です。
Stripeで可能な決済手段
Stripeでは、VISA、Mastercard、AmericanExpress、Discover、JCB、Dinersclub、デビットカードでの支払いに対応しています。
また、Stripeでは1回限りの請求だけではなく、定期支払い(サブスクリプション)やPOSシステム(Stripe Terminal)を利用した対面での支払いにも対応しています。
Stripeの安全性
Stripeの導入を検討する際、気になる点の1つは安全性ではないでしょうか。決済に伴うトラブルはそのまま顧客からの信頼喪失につながるからです。
Stripeはクレジットカード決済に関するセキュリティ規制であるPCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standards)のレベル1のサービスプロバイダーとして認定されています。
レベルは1から4までありますが、レベル1はもっとも安全基準が厳しいものとなっています。そのため、Stripeを導入することは世界最高水準のセキュリティで決済が運用できるということです。
Stripeは全世界で活用される
Stripeは世界中で広く使用されているオンライン決済プラットフォームです。ただ、具体的な導入企業数は公開されていません。導入している企業の多くは、中小企業や個人事業主です。
StripeとPayPalを比較
ECサイトなどにクレジット決済を導入できるサービスとしては、Stripe以外にもPayPalがあります。WEB担当者の中には、StripeとPayPalのどちらを導入しようか迷っている場合もあるのではないでしょうか?そこでここでは、PayPalとの違いについて解説します。
PayPalとは?
PayPalはアメリカの企業で、eBay社が出資しているPayPal Holdings Inc.が運営しています。2002年に設立され、現在では世界中のオンラインショッピングで利用されています。Stripeと同様に、多くの中小企業の決済を支援しています。
実際に導入する際には、ワードプレス、Wix、Shopifyなど多様なプラットフォームに対応しており、ほとんどのEC事業主にとって利用しやすい決済方法です。設定は決済したいページにコードを貼り付けるだけで済みます。
StripeとPayPalの手数料
StripeとPayPalには、決済手数料などの点で違いがあります。
種別 | Stripe | PayPal |
決済手数料 | 3.6% | 決済手数料は決済金額によって異なります。
|
出金手数料 | 0円 |
|
利用可能クレジットカード | VISA / Master/ JCB / AMEX / Dinersなど | VISA / Master/ JCB |
継続課金 | 可能 | 可能 |
継続課金の無料期間設定 | 可能 | 可能 |
導入のしやすさや便利さ
決済フォームのカスタマイズができるという点では、Stripeが最適な選択肢です。コードを編集することによって自社の事情に合わせて変更が可能です。
一方、より簡単なクレジット決済の導入を考えるのであればPayPalも良い選択肢です。PayPalの場合は、決済ボタンのタグを自社のWEBサイトに貼り付けるだけで設定ができます。この場合、特にエンジニアも必要ありません。
Stripeはどのような事業主に向いているか?
どのような事業主がStripeを導入すべきなのでしょうか。主に次のような事業主が導入することに向いています。
オンラインビジネスの事業主
Stripeは、対面型の販売主に対してもいくつかのサービスを提供しています。しかし、大半はオンライン販売向けのサービスになっています。Stripeのサービスをフルに活用しようと思えば、オンライを中心としている事業主に向いています。
複数の商品を扱っている事業主
決済システムは、新商品を登録する度にWEBページや商品の審査が必要なところも多いものです。一方、Stripeは商品ごとに審査は不要です。そのため複数の商品を扱っている事業主でも、スピーディに事業を展開することができます。
サービス業
物販と違いサービス業の場合、ある程度の事業規模がない限りクレジットカードをECサイトに導入しにくいです。なぜなら、クレジットカード会社の審査に通らないからです。しかし、Stripeであれば、サービス業であっても違法なものでない限りクレジットカードを導入することができます。
スタートアップ・EC事業を開始したばかり
Stripeは導入開始から運用まで非常に短い期間で可能です。すぐにクレジット決済を導入したい場合、Stripeが向いています。
サブスクリプションビジネスを展開している
Stripeは簡単にサブスクリプションを導入することが可能です。1回限りの決済方法と、ほぼ同等の手続きでサブスクリプションを始めることができます。
技術者がいるチーム
Stripeはノーコードでも使用できます。ただし、チームにコーデイングができる人がいれば、Stripeの利便性を最大限引き出すことができます。コーデイングできる人がいれば、Stripeのさまざまなカスタマイズオプションを利用できるからです。
Stripeの導入メリット
Stripeを自社のWEBサイトに導入する場合、次のようなメリットがあります。
- 顧客はStripeアカウントが不要
- 決済フォームがシンプル
- サブスクリプションに対応
- 手数料が安い
- カスタマーサポートが充実
1つずつ解説します。
顧客はStripeアカウントが不要
顧客は、Stripeのアカウントを取得する必要がありません。アカウントを取得せず、そのままクレジット決済だけをおこなうことができます。これは利便性という点で非常に大きなメリットです。
決済フォームがシンプル
Stripeの決済フォームはカスタマイズすることが可能です。しかし、そのまま使用したとしても、非常にシンプルなフォームを利用することができます。顧客が決済画面で迷う可能性は低いため、離脱を最小限に抑えることができます。
サブスクリプションに対応
会員制ビジネスなどを展開する場合、サブスクリプションの決済システムが必要です。Stripeはサブスクリプションに対応しており、初月無料などのマーケティング施策などにも柔軟に対応が可能です。
手数料が安い
Stripeの手数料は安価です。そのため、決済数が多くても手数料の負担を気にすることはありません。
カスタマーサポートが充実
カスタマーサポートは日本語で対応しています。Stripeのカスタマーサポートは評判が良く、丁寧に対応してもらえます。
Stripeのアカウント取得方法
Stripeは簡単に導入することができます。順番にお伝えします。
Step1.準備
Stripeのアカウントをつくるには次のものが必要です。
- 会社または個人事業の情報
- 銀行口座情報
- 携帯電話
- SSLで暗号化されたWEBサイト
銀行口座は、Stripeで決済したお金を受け取るための口座です。入金したい口座を用意してください。携帯電話は、二段階認証のために必要です。
アカウント開設後も、時々二段階認証を求められるためビジネスで利用する携帯電話を用意してください。WEBサイトはSSLで暗号化されている必要があります。このWEBサイトに決済フォームボタンを設置します。
Stripeにアクセスしアカウント作成
Stripeにアクセスします。
参考: Stripe
アカウント登録時には、名前とメールアドレスを入力します。その他、下記のような情報も入力する必要があります。
- 自宅住所
- 電話番号
- ビジネスの業種
- WEBサイトURL
- 商品の説明
- 物販の有無
- ユーザーが商品を受け取るまでにどれくらいの時間がかかるか
以上でアカウントの登録は完了です。
ECサイトへStripeを導入する方法
ECサイトにStripeを導入する場合、お使いのCMSによって導入方法が異なります。
Wixの場合
WixにStripeを導入するのは非常に簡単です。手順は次の通りです。
- サイトダッシュボードで決済方法にアクセス
- その他の支払い方法をクリック
- その他のクレジット/デビットカード決済サービスのオプションを選択
- Stripeと接続
- Stripeアカウントのメールアドレスとパスワードを入力
以上で、StripeとWixを連携させることができます。
ワードプレスの場合
ワードプレスとStripeを連携させる場合は、ワードプレスのプラグインを利用します。
- プラグインでStripeと検索
- 自社が希望するプラグインを選択しインストール
- Stripeと接続
プラグインの種類によって、導入方法は異なりますが概要としては上記の手順です。
Stripeを導入する際の注意点
Stripeを導入する際には注意点もあります。下記の点を踏まえて導入するのか検討してください。
決済手数料については返金できない
Stripeの決済では、顧客から返金の申請があれば、それに対応することができます。種別としては全額返金と一部の返金が選択できます。ただし、事業主側がStrpeに支払った手数料については返金されません。そのため、多くの返金対応をしている事業の場合は、負担額が大きくなる可能性もあります。
APIドキュメントは英語
Stripeでは、APIドキュメントを用意しています。API ドキュメントとは、Application Programming Interfaceのことで、特定のWEBサービスなどを呼び出して利用するための情報を記載した文章のことです。
エンジニアがAPIを使用する際に参照し、Stripeの導入をおこないます。ただし、指示内容がすべて英語となっています。エンジニアが英語ができない場合、開発にやや戸惑う可能性があります。サポートは日本語対応していますので、導入・運用で不明な点はこちらを利用してください。
Stripeに関するQ&A
Q: Stripeを導入できない業種はありますか?
Answer)あります。下記のような商品・業種が該当します。
- 成人向けコンテンツやサービス販売
- 偽造品販売
- 銃器・弾薬等の販売
- ギャンブル関連
- 政府によって規制されている商品やサービス
Q: 海外の顧客にも決済対応していますか?
Answer)Stripeは海外の決済にも対応しているため、世界中から決済していただけます。ただし、地域制限をされている場合もあるので注意してください。特定の地域での決済が可能かどうかを確認するには、カスタマーサポートに問い合わせる必要があります。
Q: Stripeを導入するには初期費用は必要ですか?
Answer)必要ありません。無料で導入できます。ただし、一部のサービスやアドオンを利用する場合は、それに伴う費用がかかることもあります。
Q: Stripeで出金する場合、受け取りまでにどれくらい日数がかかりますか?
Answer)Stripeを使って決済した売上を自社の銀行口座に入金する場合、2~7日程度時間がかかります。これは自社の銀行がどこの銀行なのかによって異なります。
ただ、Stripeの場合、何日に自社の銀行に振り込みたいという設定をすることができます。例えば、毎月25日に自社の銀行に振り込まれるようにして欲しい場合、最初に設定しておけば、その日付に間に合うよう自動で入金されます。
Q: Stripeでサブスクリプションを導入する場合、通常の決済と異なり手間や労力が余分にかかりますか?
Answer)いいえ、通常の決済もサブスクリプション決済も手順は変わりません。導入にかかる負担はほぼ同等です。
まとめ
今回はStripeの基本から、導入方法まで詳しく解説してきました。ECサイトを運営する事業主にとって決済システムはコンバージョンに直結する非常に大事なポイントです。
決済システムが安全で、かつ利用しやすいものであれば、そのままコンバージョンの増加につながります。Stripeは、離脱率を下げることに配慮された決済システムなので、ぜひ今回の記事を参考に、自社への導入を検討してみてください。