オウンドメディアの作り方とは?オウンドメディアの立ち上げ段階ごとに手順を紹介
オウンドメディアとは、自社で保有するメディアのことです。オウンドメディアと言うとほとんどの場合、自社で運営するWebサイトや、メールマガジンのことを連想しますが、広義では会社のパンフレットや社内報なども含まれます。
近年、オウンドメディアを運営する会社が増えています。その理由は、「検索エンジンからの自然流入が難しくなってきた」「ネットユーザーが広告の広告疲れ」「ネット広告の費用対効果の低下」が理由のようです。
オウンドメディアの作り方【事前準備】
成果を上げるオウンドメディアを作るには、事前準備が重要です。ここでは、オウンドメディアを立ち上げる際に何を準備すべきなのか解説します。
オウンドメディアの運用目的を決める
立ち上げる際に、まず決めるべきことはオウンドメディアの運用目的です。
運用目的を決めずに立ち上げると、一貫性のないメディア運営になるなど、さまざまな問題が生じます。オウンドメディアを立ち上げる際は、必ず運用目的を決めてから運営を開始するようにしましょう。
オウンドメディアの運用目的となるのは、主に下記の5点です。
- 自社のブランディングの向上
- 採用力の強化
- 見込み客の増加
- 売上増加
- 従業員のアウトプットの場
ちなみに、目的を1つにする必要はありません。
KPIを設定する
運用目的が決まったら、次にオウンドメディアのKPIを設定しましょう。
KPIとはKey Performance Indicatorsのイニシャルをとった言葉で、「重要業績評価指標」を指します。簡単にいうと中間目標のことです。KPIを設定すると、目的を達成する可能性が向上するでしょう。
例えば、オウンドメディアの運用目的が採用強化だとします。どのくらいの期間に何人を採用すれば、オウンドメディアが軌道に乗っているといえるのでしょうか。その判断に役立つのがKPIです。
相応のKPIを設定し、達成のために業務を継続すれば目標の達成も見えてくるでしょう。目標の達成のためのKPIの設定は、オウンドメディア運営のみならず、全ての取り組みに有効です。
進捗が分かり易くするため、KPIは測定できる数値での設定をおすすめします。
ターゲットを決める
次にオウンドメディアに見てもらいたいターゲットを決めます。採用強化が目的であれば採用したい人材を、売上増加が目的なのであれば顧客層をターゲットにしましょう。
オウンドメディアの運用目的からターゲットを考えると、決めやすいのでおすすめです。
オウンドメディア運用担当者を選定する
オウンドメディアを運用する時は、必ず担当者を決めるようにしましょう。
オウンドメディアは企業のイメージを担うものです。オウンドメディアは会社の評価や売上にも影響してきます。それゆえ、オウンドメディアの記事は誤りなく発信する必要があります。記事制作の責任担当者は事前に必ず決めましょう
また、後ほど説明しますが、オウンドメディアの運営は記事の制作だけではありません。テーマ、キーワードの選定から、定期的な効果測定まで多岐に渡ります。全ての作業を1人で行うと、想像以上の負荷が担当者にかかりかねません。そのため、オウンドメディアはチームで運営することをおすすめします。
オウンドメディア作り方【立ち上げ】
事前準備が完了したら、次は実際にオウンドメディアを立ち上げる必要があります。ここでは、オウンドメディアを立ち上げる手順を解説します。
オウンドメディアを運用するサーバーを決める
まずは、オウンドメディアを運用するサーバーを決めましょう。サーバーを購入すると、費用が膨らんでしまいます。費用を抑えたいならレンタルサーバーがおすすめです。
レンタルサーバーは、管理会社より借りてWebサイト運用できるサーバーのことです。購入するよりも費用が安く、オウンドメディアの状況に応じてプランを柔軟に変えられるメリットがあります。
ドメインを決める
ドメインはドメイン取得サービスを利用すれば、簡単に取得できます。まだ、企業のWebサイトを持っていない企業は新規ドメインを取得する必要がありますが、すでにお持ちの企業は、そのサイトと関連するドメインの取得をおすすめします。
ちなみに、ドメインとはWeb上の住所のようなもので、Webサイトがどこにあるのか判別するためのものです。GoogleのURLhttps://www.google.com/で説明するとgoogle.comの部分がドメインにあたります。
オウンドメディアの作り方【運用準備】
オウンドメディアのサーバー・ドメインが決まったら、次はオウンドメディアの運用準備をする必要があります。ここからは、オウンドメディアの運用準備にすべきことを解説します。
記事制作マニュアルを作成する
オウンドメディアの記事制作マニュアルを作成すれば、記事の品質や方向性に一貫性が生まれ、記事の品質が一定します。
また、記事制作マニュアルがあることで、記事の方向性に迷うことなくライターが執筆できるので、オウンドメディア運用担当者の負担が軽くなるというメリットもあります。
オウンドメディアで策定すべきルールは主に以下の点です。
- 記事の本文や画像のトンマナ
- 記事の品質
- CMSの装飾のトンマナ
上記の項目のルールを作成し、オウンドメディアの記事を制作しましょう。
ディレクターを決める
次に、オウンドメディアを運用する責任者となるディレクターを決めましょう。
オウンドメディアで成果を上げるには、継続的に有益な情報を発信し続ける必要があります。なぜなら、更新が止まるとユーザー離れが起きるからです。オウンドメディアを頻繁に更新するためには、記事を作成するライターをある程度確保する必要があります。
ディレクターの役割は、ライターの取りまとめや記事の品質や更新日時を管理する非常に重要な役割です。
ライター人員を確保する
前述の通り、オウンドメディアの更新頻度を高くするにはある程度のライターを確保する必要があります。ライター人員の確保は、社内の人員または外部委託、もしくはその両方を起用する方法があります。
ただ、有益な記事を執筆できるライターでないと意味がないので、ある程度のスキルがあるライターを確保しましょう。オウンドメディアの成長は、ディレクターとライターの能力に影響されます。
運用スケジュールを決める
次に、オウンドメディアの運用スケジュールを決めていきましょう。オウンドメディアの運用は、ライターやディレクターなど多くの方が関わる業務です。そのため、運用スケジュールは、ライターの都合や有効な更新タイミングなどさまざまなことを考慮して検討する必要があります。
オウンドメディアは運用スケジュールに沿ってオウンドメディアを更新していきましょう。
データ分析用のツールを準備する
オウンドメディア運営は、データ分析を行い、前述したKPIに対する進捗を確認・改善する必要性があります。
KPIは達成状況を確認できる重要な指標です。オウンドメディアの運営に関するKPIは下記のようなものを設定するといいでしょう。
- 検索順位
- 直帰率
- サイトの滞在時間
- PV(ページビュー)数
- UU(ユニークユーザー)数
どのツールを利用するかなどは事前に決めて、準備をしましょう。
また、こちらの記事SEOの効果測定のポイントとは?で、効果測定のやり方とポイント、ツールなどを詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
オウンドメディアの作り方【記事制作】
次は記事を制作する方法を解説します。
SEOキーワードを選定する
SEOキーワードとは、ユーザーが検索エンジンに入力する単語やフレーズのことです。ユーザーは自分の知りたいことや、困っていることを検索エンジンに入力します。そのため、ユーザーにニーズのある単語やフレーズを、SEOキーワードとして選定する必要があります。
選択キーワードは下記のような言葉を選ぶのがおすすめです。
- 検索数が多い言葉
- コンバージョン率が高い言葉
こちらの記事SEOキーワードの選び方とは?でSEOキーワードの選定方法を解説しています。
記事のペルソナを設定する
次に、記事にペルソナを設定しましょう。ペルソナとは、商品やサービスの顧客となりえる人物像を指す言葉です。ペルソナを1つ1つの記事に対して設定すると、誰に対して記事を執筆するのかはっきりします。
ペルソナ設定をしていない記事は、誰にも刺さらない凡ような記事になってしまいます。逆に、細かく設定している記事は、ペルソナに近い人物像に刺さる有益な記事が作成できます。
似ている言葉「ターゲット」との違いは、ペルソナの方が人物像をより詳細に設定されている点です。ペルソナでは下記のような点まで細かく設定します。
- 年齢
- 性別
- 居住地
- 学歴
- 職業
- 趣味
- 年収など
記事の構成作成する
記事の構成とは、文章の骨組みを作る大事な工程です。構成の良し悪しで記事の仕上がりが決まるといっても過言ではありません。
見出しはその文章の結論にして、シンプルに作成してください。また、不自然にならないように見出しには、選定したSEOキーワードを入れることをおすすめします。
文章を執筆する
事前に設定したペルソナに刺さる有益な記事を執筆しましょう。
ユーザーに途中で離脱されない読みやすい文章を執筆しましょう。気をつける点は下記の点です。
- 1文の長さが長すぎないようにする
- 冗長な表現は避ける
- です・ます調で執筆し、同じ語尾ばかり使わない
- 結論ファーストで執筆する
執筆したら、推敲し、表記揺れや誤字脱字を修正したら、文章の完成です。
画像を挿入し文字の装飾をする
画像の挿入や文字の装飾は大事な工程です。
文字だけの記事は、ユーザーが読む意欲が下がり、離脱率が高くなる傾向があります。そのため、適度に関連する画像を挿入してください。
また、ユーザーに見てもらいたい文章は、太字にしたり、ハイライトで目立たせたりしましょう。そうすれば、さらに読みやすい記事になります。
記事公開後効果測定をする
記事公開後は効果測定しましょう。測定項目は前述した下記のような点にしましょう。
- 検索順位
- 直帰率
- サイトの滞在時間
- PV(ページビュー)数
- UU(ユニークユーザー)数
前述した通り、過去記事SEOの効果測定のポイントとは?で効果測定ツールを詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
オウンドメディアの作り方に関するよくある質問
Q:運用代行と自社運用どちらがいい?
Answer)完全に自社以外で運用すると、オウンドメディア運用が失敗する可能性は高くなるので、相応の方向性や記事の制作内容は自社で行うことをおすすめします。
ただ、社内に全くノウハウが無い状態で運用を始めてしまうと、オウンドメディアの立ち上げ時間が膨大にかかることもあるので、専門業者の利用をお勧めします。
Q:1記事あたりの文字数の目安は?
Answer)特に文字数の制限はありません。例え2万字の長文でも、面白ければ最後まで読んでもらえるでしょう。ユーザーが完読してくれれば、文字数は特に問題ありません。
また、こちらの過去記事SEOと文字数の関係とは?上位表示に必要な文字数とチェックツールを解説ではSEOと文字数の関係を詳しく解説しています。
Q:PV数が増え始めるまでどのくらいかかる?
Answer)どのようなマーケティング施策を打てるかによって変わってきます。例えば、すでにフォロワーがそれなりにいる自社のSNSを使用できる場合は、最初からある程度SNSアカウントからの流入が見込めるかも知れません。
利用できる集客手段が何もない場合は、地道にPV数を増やしていく必要があるためある程度の時間を費やさなければいけません。
まとめ