ネットショップ構築方法で自社に最適なものは?選び方の基本や選択肢など解説
近年、オンラインショッピングが日常の一部となりつつあります。多くの企業がこの波に乗り遅れないよう、ネットショップの構築を検討しています。しかし、多種多様なツールやプラットフォームが存在する中で「どれが自社に最適なのか?」と疑問に思う人も少なくありません。
ネットショップ構築前に検討すべきこと
計画を立てずネットショップを構築しようとしても、余分な費用や労力がかかります。事前に適切な準備が必要です。そこでここでは、ネットショップ構築前に考えるべきポイントをとりあげ解説します。
ターゲットとの相性
どういったターゲットに向けて商品を販売したいのかによって、適切なネットショップ構築方法が異なります。
例えば、海外の顧客を対象とするのなら、多言語対応や通貨変換に対応する必要があるため、そういった機能を実装できる構築方法を選択しなければいけません。あるいは、企業相手のBtoBビジネスなら、見積もり機能や顧客ごとに割引率を変える機能などが必要です。
このようにターゲットによって、ネットショップに必要な機能が異なります。そのニーズに合わせた構築方法を検討してください。
予算
ネットショップを構築する際の計画として、どれくらいの予算をかけて取り組むかを明確にしてください。ネットショップ構築には、簡易なものであれば数万円から、より高度で洗練されたシステムの場合は数千万円にも及ぶことがあります。このような幅広い選択肢の中から、自社の予算に合わせて最適な構築方法を選択する必要があります。
また、ネットショップは一度構築したら、それで終了する訳ではありません。システム改善やマーケティング費用が定期的に発生します。このような中長期的な経費についても計画をたて取り組むようにしてください。
自社のこだわりやニーズ
ネットショップを構築する際、どのポイントに重点を置くのかを明確に決めておく必要があります。例えば「デザインを中心に洗練されたショップを目指す」という考え方がある一方で、「自社の手で構築から運用まですべておこないたい」というニーズを持つ企業もあると思います。
このような自社の特定のこだわりやニーズを事前に明確にしておくことで、ネットショップの構築方法を絞ることができます。
ネットショップの構築方法
ネットショップを構築するには、いくつかの方法があります。上述したとおり、自社のニーズやターゲット、予算などに応じて、どの構築方法が適切かを検討してください。そこでここでは、各構築方法の特徴やメリットなどについて解説します。
HP作成ソフト
HP作成ソフトを利用してネットショップを構築することができます。例えば『ホームページビルダー』などを利用すれば、ドラッグ&ドロップの直感的な操作でお問い合わせフォームなどの機能を追加でき、テンプレートを利用してオリジナルデザインにすることができます。
また、HP作成ソフトには、EC機能が装備されているものもあり、これらの機能を利用すればスマートフォンに対応したネットショップを構築可能です。
メリット
HP作成ソフトを使用してネットショップを構築するメリットは、その手軽さと利便性にあります。多くのHP作成ソフトは、専門的な知識がなくても豊富なテンプレートを利用することで、綺麗なデザインのWEBサイトを作ることができます。操作もドラッグ&ドロップが中心のため、初心者でも短時間でネットショップを立ち上げることができます。
デメリット
HP作成ソフトを利用してネットショップを構築する場合、いくつかのデメリットが存在します。まず、提供されるテンプレートや機能が限定的なため、自社のニーズに合わせたカスタマイズをするのは難しいことが多いです。また、大量の商品データを扱う予定なら、性能面でそれらを処理をすることが難しいです。小規模のネットショップを立ち上げる予定であれば対応可能ですが、拡張性に乏しいため将来、規模が大きくなったときに力不足に陥ります。
ASP
ASP(Application Service Provider)は、インターネット上でネットショップが構築可能なシステムのことです。ASPを利用すれば、サーバーやシステムの設置、運用、保守などの手間がなく、手軽にネットショップを構築・運用することができます。また、アップデートやセキュリティなどの面倒な対応もASP側がおこなうため、初心者や中小企業にとっては低コストで運用が可能です。
東京SEOメーカーとしては、特に中小企業が初めてネットショップの構築に取り組むなら、このASP型をおすすめします。
メリット
ASPを利用してネットショップを構築するメリットは、その手軽さにあります。サーバーの設置やソフトウェアのインストール、保守・運用といった複雑な作業を自社でおこなう必要がなく、すぐにネットショップの運営を開始できます。月額料金制での利用が多いため初期投資を抑えつつ、必要な機能や取扱量が増えてきた段階でプランを選べるのも魅力的です。
デメリット
デメリットとしては、機能的な制限があります。多くのASPサービスは、あらかじめ決められたテンプレートや機能をベースにしているため、独自のカスタマイズや特定のニーズを実現するのが難しい場合があります。
また、もう1つ気をつけたい点としてはASP側の都合で将来、サービスが打ち切りになる可能性がある点です。打ち切りになった場合、これまでネットショップ構築に費やしてきた労力が無駄になり、自社ネットショップを別のプラットフォームへ移行しなければいけません。
オープンソース
オープンソースは、ネットショップ構築のためのソースコードが公開されており、誰でも自由に利用、改変することが許可されています。
代表的なものとしては『WordPress』や『EC-Cube』などが挙げられます。オープンソースの場合、世界中の開発者がソフトウェアの改良やバグ修正に取り組んでくれるため、質の高いネットショップを構築することがです。セキュリティのアップデートや新機能の追加なども頻繁におこなわれています。
参考ページ: EC-CUBE(イーシーキューブ)とは?導入メリットや料金プラン、評判を解説
メリット
オープンソースを利用したネットショップの構築には、コスト削減、高いカスタマイズ性などがメリットとして挙げられます。オープンソースを利用する場合、ライセンス費用が発生しないため、初期投資を大幅に抑えることが可能です。
デメリット
デメリットとしては、技術的なハードルの高さ、個別サポートが受けられないなどの点が挙げられます。オープンソースは、高いカスタマイズ性を持っていますが、それをカスタマイズするには専門的な知識や技術が必要です。また、ASPなどと比較して、専門のサポートがあるわけではないので、ネットショップに問題が発生した場合、基本的に自社で対応する必要があります。
クラウドEC
クラウドECとは、インターネット上で、ネットショップを構築・運営することができるシステムのことです。ASPと比較して、さまざまなツールと連携できるのが特徴です。自社でゼロからネットショップを構築するよりも、初期投資を低く抑えることができ、かつ高度なシステムをつくることができるため大規模ネットショップを運営している企業から人気があります。
ASPとクラウドECの違い
費用 | 想定している売上規模 | |
クラウドEC | ・導入費用:100~500万円
・月額費用:3~30万円 |
・年商数千万円から50億円規模 |
ASP | ・導入費用:数万~100万円
・月額費用:数千円~5万円 |
・年収1億円以内 |
メリット
メリットは、初期投資の削減、機能の拡張性にあります。クラウドベースのサービスのため、サーバーなどのインフラを自社で設置・管理する必要がありません。そのため、導入コストを削減することができます。
また、ビジネスが成長し、大規模ネットショップになったあとも対応できる拡張性があります。例えば、トラフィックが急激に増加したとしても、それに応じてシステムを拡張することができます。
デメリット
クラウドECのデメリットとして、ASP型サービスと比較した場合のコストの高さが挙げられます。特に、導入初期の費用が高くなる傾向があります。初めてネットショップの構築に取り組む企業にとって、この初期投資の高さは大きな負担になります。自社が目指す、ビジネスの規模やニーズを事前に確認して、サービスの選定をおこなうようにしてください。
参考ページ: クラウドECとは?他サービスとの違いやおすすめシステムなど解説
【初心者向け】ネットショップ構築の注意点
ネットショップを構築し、インターネットで公開する前に注意すべき点がいくつか存在します。特に初めてネットショップを立ち上げる際に、つまずきやすい点を挙げて解説します。
ユーザビリティに配慮
WEBサイトやネットショップを構築する際、外見やデザインだけを追求してしまいがちです。結果として、ユーザーが利用しにくいネットショップになる可能性があります。
例えば、見た目は美しいけれど、必要な情報やボタンが見つけにくいといった状況が考えられます。こういったユーザーの利用しやすさをユーザビリティといいますが、これを軽視すると購入に繋がらないので注意してください。
在庫管理と情報の整合性
商品の保有量を適切に調べ、それをネットショップに正しく反映しているか確認してください。万が一、在庫数を間違えていると、注文を受けたのに商品を配送できないなどのトラブルが生じて、ユーザーからの信頼を失います。
公開前のテストをする
新しいネットショップを公開する前に、そのWEBサイトが正しく表示され機能するかを確かめるテストをおこなってください。PCだけでなく、スマートフォンを利用して確認することも重要です。これを怠ると、ユーザーがネットショップを利用する際にエラーが発生したり、操作ができないなどのトラブル発生のリスクが高まります。
ネットショップ構築のよくある質問
ここでは、ネットショップ構築についてよくある質問を取りあげ解説します。
Q:社内に詳しい人材が不足している場合、どの構築方法が適切?
Answer)ネットショップ構築に詳しい人材が社内にいない場合、ASP型のプラットフォームを選択することをおすすめします。ASP型のプラットフォームは初期設定がシンプルで、テンプレートベースのデザインや基本的な機能があらかじめ用意されています。こういった利点があるため、専門的な技術や知識が少なくても比較的簡単にネットショップを立ち上げることができます。
Q:集客はどのように取り組めば良い?
Answer)ネットショップの集客に取り組む際は、まずSEO(検索エンジン最適化)によって検索結果でのランキング向上を目指すべきです。SEO対策に慣れてくれば、SNSマーケティングやインフルエンサーとのコラボレーション、そして有料広告(Google広告やFacebook Adsなど)にも挑戦してください。
参考ページ: ECマーケティングとは? 具体的な施策と成功事例を解説
Q:ネットショップのSEO対策で注意すべきことは?
Answer)ネットショップのSEO対策は、競合他社との差別化を図りながらキーワードを選定することが基本です。また、モバイルフレンドリーなデザインや高速なページ読み込み速度を確保することなども挙げられます。余裕ができれば、コンテンツマーケティングに取り組むことも検討してください。
参考ページ: ECサイトのSEO対策の重要性やポイントなど解説!
Q:越境ECを考えている場合、どのような構築方法が良いですか?
Answer)越境ECを考えている場合、Shopifyを利用することを検討してください。Shopifyなら多言語、多通貨対応のアプリを利用でき、海外販売に必要な機能が一通り揃っているからです。
参考ページ:Shopifyを使った越境ECのはじめ方!役立つアプリなども紹介
Q: WEBマーケティングができない場合、モール出店の方が良いですか?
Answer)WEBマーケティングの知識やリソースが不足している場合、大手オンラインモールに出店することは有効です。これは、大手モールがすでに多くのユーザーを持っているため、独自の集客をおこなわなくても商品を多くの人々に販売することができるからです。特に小規模事業者にとって、モールを活用することで効率的なスタートを切ることができます。
参考ページ: ECモールとは?3つの種類や導入するメリットを徹底解説
まとめ