クラウドECとは?他サービスとの違いやおすすめシステムなど解説
ECサイトの立ち上げを考えているけれど、どのシステムを選ぶべきか迷っているのではないでしょうか。ECサイトを構築する方法はいくつかありますが、近年特に注目されているのは「クラウドEC」と呼ばれるシステムです。
クラウドECとは?
クラウドECとは自社のパソコンやサーバーにデータを保管せず、インターネット上の特定の場所にデータ類を保存しECサイトを運営する方法です。このような技術をクラウドコンピューティングと呼んでおり、クラウドECはその技術を使っています。
参考ページ: What is Cloud Computing? – Southern New Hampshire University
ECサイト運営に必要なデータがインターネット上に保存されているため、WEB担当者はいつでもどこからでも、自社ECサイトの管理画面にアクセスできるという利点があります。具体的には、商品情報や在庫状況、購入履歴などをすべてインターネット上で管理・運用できます。また、維持費も安く済むため、多くの企業で導入されています。
クラウドECと他のサービスとの違い
クラウドECの特徴を理解するには、他のサービスと比較することが重要です。一覧で表示すると次のようになりますが、1つずつ詳しく解説します。
クラウドEC | ASP | ECパッケージ | フルスクラッチ | |
構築費用 | 100万円~ | 無料~100万円 | 100万円~ | 500万円~ |
維持費用 | 数十万円 | 数万円 | 数十万円 | 数十万円 |
制作期間 | 短い | 短い | 長い | 非常に長い |
カスタマイズ性 | 高い | 低い | 高い | かなり高い |
ASPとの違い
ASPのWEBサイト構築システムは、インターネット上で自社WEBサイトを作ったり、運営することができます。すでに用意されたテンプレートや機能を使うことで、短期間でECサイトを立ち上げることが可能です。こういった特徴は、クラウドECと同じです。
ただ、クラウドECは拡張性やカスタマイズ性の点でASPよりも優れています。ECが成長するにつれ、より高度な機能をサイトに実装したい場合や、自社固有のニーズに合わせたカスタマイズをしたい場合、クラウドECの方が適しています。
また、費用面でも違いがあります。クラウドECは初期費用が高額になりがちですが、長期的にはその拡張性とカスタマイズ性が高いためコストパフォーマンスが良いです。一方、ASPのWEBサイト構築システムは初期費用を低く抑えられるものの将来、拡張やカスタマイズが必要になった場合、そのコストが高くなる可能性があります。
ECパッケージとの違い
ECパッケージとは、EC構築・運用に必要な機能やツールをまとめて入れた「箱」のようなものです。この「箱」を使えば、自社で最初からオンラインショップを作るよりも、素早く簡単にWEBサイトを構築できます。具体的にはecbeing、Orange ECなどが挙げられます。
クラウドECとの違いは、ECサイトの運用管理に違いがあります。クラウドECはシステムの自動アップデートが可能で、定期的なメンテナンスを自社でおこなう必要がありません。一方、ECパッケージは、システムのアップデートは手動でおこなう必要があり、ECサイトのシステムにトラブルがあった場合も自社で対応する必要があります。
フルスクラッチとの違い
フルスクラッチとは、ゼロから自社でWEBサイトを構築することを指します。例えば、クラウドECやASPを利用すれば、既存のテンプレートや機能を利用することができます。
しかし、フルスクラッチの場合、これらすべてを自社で開発・設計することが必要です。自社で好きなようにECサイトを設計できるという利点はありますが、その分、時間と労力、費用がかかります。
クラウドECとフルスクラッチの大きな違いは、ECサイト立ち上げまでにかかる時間です。クラウドECは、インターネット上で提供されるサービスのため、ECサイトに必要な機能がすでに用意されています。例えば、商品のアップロード機能、カート機能、決済機能などです。
一方、フルスクラッチは、これらの機能をすべて作っていく方式のため、場合によってはECサイトの立ち上げまでに、半年から1年近く時間がかかることもあります。
クラウドECの導入メリット
近年、クラウドECはその手軽さと拡張性で多くの企業から注目されています。そこでここでは、なぜさまざまな選択肢の中からクラウドECが選ばれているのか、その導入メリットについてお伝えします。
準備期間を短くできる
クラウドECの魅力の1つは、短期間でECサイトを立ち上げることができる点です。ECサイトに必要な機能が最初からそろっているので、自社で何かを開発するという手間がかかりません。基本的には、自社が販売したい商品をシステムにアップロードし、設定をするだけですぐに販売開始できます。短期間でビジネスをスタートさせたいなら、クラウドECは有力な選択肢の1つです。
最新システムを利用できる
インターネットの世界は日々進化しており、新しい技術や機能が次々と登場します。クラウドECを導入すれば、こういった新機能に自動的に対応することができます。サービスを提供する企業が、システムの更新やメンテナンスを一手に引き受けてくれるからです。
高いセキュリティ
ECサイトを運用すれば、顧客データなどさまざまなデータを取り扱います。通常、こういったデータを安全に取り扱うには、高いセキュリティシステムを自社で用意しなければいけません。
しかし、クラウドECを利用すれば、サービスを提供する企業がセキュリティ対策の大半を担ってくれます。そのため、自社はセキュリティについて過剰にリソースを割くことなく、マーケティングや顧客サポートなどに集中することができます。
拡張性・自由度が高い
クラウドECなら、自社の顧客層にあった機能やデザインにカスタマイズできます。フルスクラッチほどではありませんが、ASPなどと比較して自由度が高いです。費用やリスクを抑えつつ、自社のビジネスに合った形にカスタマイズできるため、ECが成長しても安心して利用することができます。
コスト負担が少ない
長期的なコストを抑えられる点も、クラウドECの魅力です。例えば、ECが成長し新しい機能を追加したいとき、プラグインを導入するだけでかまいません。
時間や労力がかからないことに加え、導入コストも少額で済むことが多いです。フルスクラッチなどで新機能を追加する場合は、ゼロから作る必要があるため、新しい機能を追加するたびに時間と費用がかかります。
インフラやメンテナンスが不要
通常、自分でECサイトを作る場合、サーバーの設定やセキュリティ対策などを自社でおこなう必要があります。しかし、クラウドECを使えば、これらの作業はサービスを提供する企業がおこなってくれます。システムをメンテナンスするための専門スタッフを雇う必要もありません。
一時的なアクセス増加に対応できる
自社のECサイトが成長すると、タイムセールやキャンペーンを実施する機会も増えます。そのような場合、短期間で大量のアクセスが集まりサーバーがダウンし、ECサイトが表示されないというトラブルが起こりえます。
しかし、クラウドECを使用すれば、このような状況を事前に予測し、必要に応じてサーバーのスペックを高められます。その結果、サーバーダウンのリスクを軽減し、販売機会の損失を防ぐことができます。
クラウドECが向いている企業
クラウドECは数多くの企業に選ばれていますが、自社に向いているのだろうかと疑問に思うのではないでしょうか。そこでここでは、東京SEOメーカーが考えるクラウドECに適した企業の特性について解説します。
社内に専門的な人材が不足している
通常、サーバーの設定やECサイトの構築には、専門的な知識を持ったスタッフが必要です。しかし、クラウドECはそういった技術がなくてもECサイトを運用できるため、人材が不足している企業にとって有力な選択肢となります。システムに詳しい人材を新たに雇うことなく、ECを始めることができます。
自社の独自性を出したい
クラウドECは、特にECサイトのカスタマイズを重視する企業に適しています。多くのクラウドECでは、基本的な機能がすでに備わっていることに加え、デザインの変更なども比較的簡単におこなえます。
そのため、自社のニーズに合わせて、ECサイトを柔軟に調整できます。独自のブランドイメージをしっかりと打ち出したいと考える企業にとってクラウドECは最適な選択肢といえます。
最先端のEC機能を導入したい
最新の機能を導入したECサイトを運営したいと考える企業にとっては、クラウドECが向いています。多くのクラウドECでは、機能の更新が自動でおこなわれます。
そのため、企業は手間と時間をかけずに常に最新機能を持ったECサイトを運用することができます。変化の早いオンライン・ビジネスに対応した最先端のECサイトを運用したいと考える企業に、クラウドECが適しています。
おすすめクラウドECサービス
ここまでの記事を読んで、自社でもクラウドECを活用したいとお考えではないでしょうか。そこで重要なのが、どのようなプラットフォームを利用し、ECサイトを始めるかです。さまざまな選択肢がありますが、ここでは東京SEOメーカーがおすすめするサービスをご紹介します。
ebisumart
参考ページ:ebisumart
ebisumartは、株式会社インターファクトリーが提供する国内シェアNo.1のクラウド型ECプラットフォームです。このプラットフォームは自由度の高いカスタマイズが可能で、自社のニーズに応じてECサイトを設計できるのが大きな魅力です。
さらに、機能拡張や外部システムとの連携も簡単にできるので、ビジネスが拡大した際にもebisumartなら対応しやすいです。650サイト以上の導入実績があり、さまざまな業種で利用可能です。
GMOクラウドEC
参考ページ: GMOクラウドEC
GMOクラウドECは、特に中規模以上のオンラインショップや、将来的にビジネスを拡大したいと考えている企業におすすめです。
GMOクラウドECは「ヘッドレスコマース」に対応しています。ヘッドレスコマースとは、フロントエンド(見た目やデザイン)とバックエンド(在庫管理や注文処理)をそれぞれ別システムで運用できる機能のことです。そのため、フロンドエンドを他のシステムと連携したり、アプリと統合したりしても、バックエンドは変わらないため運用しやすいという利点があります。
また、多言語や多通貨にも対応しているため、海外市場への展開を考えている企業にもGMOクラウドECは有力な選択肢です。
メルカート
参考ページ: メルカート
メルカートは、株式会社エートゥジェイ(AtoJ,Inc.)が提供するクラウド型ECプラットフォームとして、2017年から多くの企業や店舗に導入されています。
多数の導入実績を持ち、化粧品や食品、スポーツ用品など、商材や業種に関係なく利用できるのが特徴です。基本機能がしっかりしていて、おすすめ商品の特集ページ作成やキーワード検索の自動表示など、売上を伸ばすための便利な機能が豊富です。さらに、サポート体制も手厚いため、運営中に困ったことがあっても安心です。
クラウドECを選ぶ際の注意点
クラウドECの導入を考える際、間違った選択は後々大きな手間やコストがかかってしまいます。そこでここでは、クラウドECを選ぶ際の注意点を解説します。
売上規模にあったシステム
クラウドECを導入するには100万円以上の初期費用が発生します。その後も月額5万~30万円ほどの負担がかかります。そのため、クラウドECを選ぶ際には、自社の年商や規模に合ったものを選ぶようにしてください。自社の規模や年商に合わせて選ばないと、あとで運用費用がかさむなどして続けられなくなる可能性があります。
自社の目的にあっているか
自社が求める目的やニーズが実現できるかどうかを考え、クラウドECを選択してください。例えば、すぐにでも始めたいと考えるなら、導入が簡単でコストも低いクラウドECを選択することが適切かも知れません。逆に、自社の考えに合わせて細かく設定したい場合は、カスタマイズに強いクラウドECを選択することが適切です。自社で何を一番重視してECサイトを構築したいのかを明確にし、それに合った選択をすることが必要です。
クラウドECのよくある質問
ここでは、クラウドECについてよくある質問をとりあげ解説します。
Q:外部サービスと連携できますか?
Answer)多くのクラウドECでは、外部サービスとの連携が可能です。具体的には、会計ソフト、在庫管理システム、メールマーケティングツールなどと連携が可能です。連携すればデータを共有でき、効率的な運用が可能です。ただし、どの外部サービスと連携できるのか、どの程度柔軟に設定できるのかは、クラウドECのサービスごとに異なります。
Q:複数の言語や通貨に対応していますか?
Answer)クラウドECのサービスごとに異なります。海外での展開を考える場合は、多言語や多通貨に対応しているクラウドECを選択するようにしてください。多言語機能があれば、ECサイトのテキストや商品説明、注文フォームなどを複数の言語で表示することができます。
また、多通貨に対応した決済機能があれば、顧客が自分の国の通貨で価格を確認し、決済をおこなうことができます。通貨換算の手間や為替リスクを気にすることなく販売に集中することができます。
Q:ECサイトの構築システムを途中で変えることは可能?
Answer)ECサイトの構築システムを途中で変更することは可能ですが、東京SEOメーカーとしてはおすすめしません。なぜなら、システムを変更するには時間とコストがかかる場合が多いからです。
さらに、SEO(検索エンジン最適化)に影響が出る可能性があります。新しいシステムに移行するとURLが変わることが多いため、それによって検索順位に影響が出ます。以上のような理由から、システムを途中で変更しないで済むよう、最初に最適なシステムを選択することが大切です。
参考ページ: ECサイトのSEO対策の重要性やポイントなど解説!
Q:導入にかかる期間は?
Answer)クラウドECの導入にかかる期間は、いくつかの条件によって異なります。例えば、サービスの種類やカスタマイズの程度、データ移行の有無などです。基本的な機能のみを使用し、特にカスタマイズをおこなわない場合、数日から数週間で導入が完了することが多いです。
一方で、多くのカスタマイズや特別な機能を追加する場合は、数ヶ月程度を予定して導入を進めてください。
まとめ