サーチコンソールの平均掲載順位とは?見方と注意点を解説
サーチコンソールの平均掲載順位とは、自身のWebサイトがGoogleの検索結果にランクインした検索クエリ(キーワード)の平均の順位を示しています。SEO対策の効果を分析する上で非常に重要で、サーチコンソールの平均掲載順位が上位であるほど、SEO対策がうまくいってるといえます。
サーチコンソールの平均掲載順位とは
サーチコンソールの平均掲載順位とは、Googleの検索結果において、そのWebサイトが検索結果全体のうち何番目にランクインして表示されているかを示す順位のことです。平均掲載順位はSEO対策の効果を分析する上で非常に重要な指標となっています。
サーチコンソールの検索パフォーマンスレポートにおける平均掲載順位は、ユーザーのGoogle検索において、自社のWebサイトが検索結果としてどのくらいランクインしていたかが平均値として計測されます。
サーチコンソールの平均順位はGoogleによって提供されている指標ですが、GoogleのみならずYahoo Japanの検索エンジンも中身はGoogleの検索機能を用いているためサーチコンソールの平均順位を見ることで間接的にそれらの検索エンジンの平均順位も把握できます。
平均掲載順位は、たくさんの検索クエリの中でランクインしているキーワードの順位を平均した値で、webサイト全体での平均掲載順位を示すものとなります。あるキーワードでは上位に表示されるが、あるキーワードは下位にくるといったようなバラつきを平均して、Webサイト全体がどれくらいユーザーからアクセスされやすい状態にあるかを示す指標となっています。
サーチコンソールでは、クエリ別、ページ別、国別、デバイス別、検索での見え方別、日付別にで平均掲載順位を確認することも可能です。webサイトを作成したら必ず平均掲載順位を確認する習慣を身につけましょう。
掲載順位の計算方法
Google 検索での掲載順位は、下図の矢印のように左側から1位と3位、4位、5位は通常のランクインしている青色リンク先ページに付与されます。2位のAMP画像部分は、画像が数枚出ていた場合、全ての画像が2位となります。掲載順位の6位は、右側のナレッジパネルに付与されています。ナレッジパネル内の全てのリンクは6位が付与されています。
検索結果の要素には、従来の青いリンクの検索結果だけでなく、ハイライトされたスニペット、リッチリザルト、画像、動画、ローカルパック(地図)、求人検索などがあり、これら全てにランクが付与されます。ここでカルーセルなどの1つの検索結果ボックス内では、すべて同じ順位としてカウントされることに注意する必要があります。
このように順位のランク付けがされたデータを元に、パフォーマンスレポートに掲載順位の値が表示されます。これらの掲載順位は、ランク付けされた順位の最上位の掲載順位であり、すべてのクエリの平均です。
掲載順位が記録されるためには、リンクが実際に表示されなければカウントされません。ある検索結果が3ページ目にあったとしてもユーザーが1ページ目しか見なかった場合、その検索結果の掲載順位は記録されません。
このように、掲載順位の値は、複雑な指標なので、実際6位の掲載順位でも右側のナレッジパネルとして表示されれば、SERPs(表示結果)としてユーザーの目につきやすくサイトへのトライフックにつながります。よって、サーチコンソールの平均掲載順位は、あくまでも目安に使い、数字だけで判断しないようにしましょう。掲載順位の計算の詳細は、下記の「Search consoleヘルプの表示回数、掲載順位、クリック数とは」で確認してください。
参考:表示回数、掲載順位、クリック数とは|Search consoleヘルプ
検索順位測定ツールによっては、ローカルパック、画像、動画などを検索順位としてカウントしない場合がありますが、サーチコンソール内の平均掲載順位ではこれらの要素が含まれて計測されています。計測環境だけでなく、ツール毎の順位のカウント方法が異なることによって順位が変わる事があるので注意が必要です。
なぜ検索順位を上げることが重要なのか
検索順位がwebサイト運営において重要な理由は、検索結果の画面上で表示される順位によってクリック率が全く異なるからです。Web検索において、検索順位の上位3つに位置しているサイトが検索流入のほぼ半分を占めるため、ターゲットとしているキーワードの検索結果において上位に表示されることがとても重要となります。
Google検索順位別クリック率(2020年)
検索順位 | クリック率 |
1位 | 28.5% |
2位 | 15.7% |
3位 | 11.0% |
4位 | 8.0% |
5位 | 7.2% |
6位 | 5.1% |
7位 | 4.0% |
8位 | 3.2% |
9位 | 2.8% |
10位 | 2.5% |
参考:Why (almost) everything you knew about Google CTR is no longer valid(SISTRIX)
上図で1位~3位の合計で55.2%のクリック率になることがわかります。
ここ数年では「検索してもタイトルとリード文(記事の要約)だけ見てwebサイトにアクセスせず離脱する」ゼロクリックサーチが増えてきているため順位による検索結果の流入差は縮小傾向にはあります。
Webサイトへの流入においてgoogle検索からの流入が一番多いケースがほとんどなので、検索順位に着目してwebサイトを改善していくことが非常に重要であるといえます。その目安となるのが、サーチコンソールの平均掲載順位です。平均掲載順位によって、サイト全体のパフォーマンスを確認することができます。
googleの検索結果からアクセスされた回数はクリックスルー率(クリック率)を見ることで確認できます。あるキーワードで検索された時に、ご自身のサイトが検索結果として表示された総回数とリンクからアクセスされた回数を比較した割合のことを示しています。
であり、webサイトのページリンクを検索結果の上位に載せることで、検索したユーザーから注目されやすくなり、CTRが高くなります。逆に、検索結果の20ページ目に表示されているようなサイトはユーザーに見られることはほとんどないため、存在しないのと同じであるとも言えます。
サーチコンソールの平均掲載順位を見る注意点
有料・無料の検索順位をチェックするツールは数多くありますが、各ツールが計測している順位は、ツール毎に特定の環境で得られたものであることを考慮する必要があります。
サーチコンソールの検索パフォーマンスレポート内に表示されている平均検索順位は、実際のユーザーに表示された検索結果でのWebサイトの表示した時の順位の平均値です。平均掲載順位が高ければ高いほど良いという考えでよいですが、平均掲載順位が6位でも上位表示している(前述)例のように一概には数字だけではない要素も含むのであくまでもサイト全体の目安の数値として確認します。
注意点として、サーチコンソールの「検索パフォーマンスレポート」はGoogle検索による検索結果のみを計測対象としており、Yahoo JapanやMicrosoft Bingなどのような、他社の検索エンジンによる検索結果は対象となっていません。しかし、Yahoo JapnはGoogleと同じアルゴリズムを使っているので、大きな差異はないです。
自分で検索した順位とレポート内の順位が異なる場合
自分でキーワードをgoogle検索しそのwebサイトの順位を見た場合と、サーチコンソール内の検索順位では、順位が多少異なる場合があります。これはGoogleの検索結果画面では、各ユーザーの検索履歴や位置情報、端末(パソコンなのかスマホなのか)などを加味してパーソナライズ(個人に最適化)された検索結果が表示されるためです。そのため同じタイミングで同じキーワードで検索したとしても、ログインしているユーザーや端末によってWebサイトの掲載順位が多少異なる場合が多くあります。
検索順位に大きく関わる要素でもあるパーソナライズについて、少し詳しく見ていきましょう。
各ユーザーのブラウザはパーソナライズされている
Googleの検索順位が人(ログインしているアカウント)によって異なるのは、そのユーザが今まで検索してきた内容が検索結果に反映されるパーソナライズド検索機能があるためです。
そのためGoogleアカウントにログインした状態でGoogle Chromeブラウザを使って検索すると、普段よく訪れるサイトが検索結果の上の方に表示される傾向にあります。つまり、そのユーザーが頻繁に該当するサイトを訪問している場合、そのサイトは実際よりも検索順位が高く表示されることが多くあります。その場合、シークレットモードで検索してください。
デバイスや地域による違い
またデバイスによる違いもあります。スマートフォン用のレイアウトに対応していないサイトは、スマートフォンからの検索結果で極端に低く表示され、AMP機能やページの最適化などでスマートフォンからの表示が速く、見やすいレイアウトのページは、スマートフォンの検索結果で比較的上位に表示されることになります。
またローカライズ検索機能では、検索ボタンを押した時にいた場所に近い場所を拠点にしているサイトを優先的に表示しています。例えばレストランと調べると、調べた時の場所によって検索結果が異なるはずです。遠隔地の人と検索結果が異なるのは、ユーザーの位置情報を判断し、その地域の情報のみを優先的に表示しているためです。
サーチコンソール上で順位が表示されない
サーチコンソール上で順位が「-」と表示される場合もあります。これはレポートの集計期間中に、該当する絞り込み条件による検索結果にウェブサイトが表示されたことがなかったために、平均掲載順位が測定不能であったことを示しています。
このように各ユーザーの使いやすさのために設定された様々な仕様や、検索パフォーマンスレポートの仕様を理解した上で、表示されるデータの意味を分析することが重要となります。
平均掲載順位の活用方法
ここからはサーチコンソールの平均掲載順位の目安とSEOへの活用方法について説明していきます。もちろん、平均掲載順位が高いに越したことはありません。しかしあくまで「平均」ですので、「◯位でなければSEOの観点からダメだ」という判断はしない方が賢明でしょう。それよりも「どのキーワードで上位にカウントされるか」の方が重要となります。
上位表示させたいキーワードで判断する
上位表示させたいキーワードですでに検索結果の上位に表示されている場合は、他のキーワードの検索結果における順位が低いために平均順位が下がっていても、あまり気にする必要はないです。
例えば、「掃除機+おすすめ」で上位表示させたい場合を考えましょう。
- 掃除機+おすすめ→1位
- 掃除機+安い→20位
- 掃除機+高性能→9位
この例の場合、平均掲載順位は30÷3=10となります。数値だけを見ると順位が低いように思われますが狙ったキーワードで1位を確保しているため、この場合は平均掲載順位はそれほど気にする必要はないと言えます。
上位にくるキーワードによってページの位置付けを変える
次に、検索順位の計測結果の活かし方について見ていきましょう。狙っていたキーワードでは上位に表示されていないけれど、意図せず他のキーワードで検索結果の上位に表示されているような場合は、記事の構成を見直す必要があります。
もしくは上位に表示されることを意図していないキーワードで上位に表示されている場合は、そのキーワードに力を注ぐというアプローチもできます。
例えば、「掃除機+おすすめ」は上位に表示されていないが、「掃除機+高性能」は上位に表示されているような場合、その記事から得られる収益をアップするために「掃除機+高性能」のページとして商品を紹介する方が効率的になります。
投稿後から記事をリライトしてページのターゲットキーワードを変えることも、webサイトを通じた収益最大化という観点からは有効な手段となるでしょう。
平均掲載順位をSEOに役立てるには
ここまでで説明してきたように、平均掲載順位はあくまで目安に過ぎないと言えます。平均掲載順位だけにこだわるよりも
- クリック率
- 表示回数
- サイト滞在時間
といったwebサイトへのアクセスやそこから得られる収益に直結する要素にも着目した方が良いでしょう。 これらの要素は、サイトの構造を見直すことで大きく改善することが可能です。最も重要なのは、訪問者にやさしい、ユーザーファーストのコンテンツを作成することです。
>>質の高いサイトの作成方法についてのガイダンス|Google検索セントラル
具体的には、「訪問者が求めている情報を的確に、わかりやすく提供する」ことができれば、ユーザーファーストのコンテンツと言えます。例えば、「掃除機+おすすめ」で集客したい場合
- おすすめのメーカーはあるか?
- 間取り別のおすすめはあるか?
- 商品を選ぶ基準は紹介されているか?
- 予算別のおすすめはあるか?
といったように、ユーザーが知りたいと予測される要素を記事内できちんと説明する必要があります。検索キーワードにマッチした情報が含まれていない記事は、訪問者に有益であるとは言えず、結果的に検索エンジン(Google)からの評価も低くなってしまいます。また、「h2」「h3」などの見出しを適切に使って情報が整理されていないと、訪問者にとって構成がわかりづらい記事となり、結果的に記事の使い勝手が悪くなって検索エンジンからの評価も下がります。
このように、「知りたかった情報がある」「わかりやすい」「見やすくまとまっている」など、ユーザーにとって満足度の高い良質なコンテンツになるよう、常に調整を行うことに配慮していきましょう。また既に投稿した記事についても情報が古くならないようにリライトを行って更新することが大切です。
平均掲載順位はユーザーファーストの記事を意識するための参考値の一つとして捉えることで、SEOにも役立てることができます。
まとめ
今回はGoogleサーチコンソールの使い方と、平均掲載順位の活用方法についてご紹介しました。ビジネスとしてwebサイトを運営する場合、何はともあれユーザーからのアクセスを集める必要があります。アクセスを集めるためには、Webサイトがgoogleの検索結果において上位に表示され、ユーザーからの目に留まる必要があるため、平均掲載順位を知ることはwebサイトの収益をあげる上で大きなヒントになります。掲載順位を上げるにはSEO対策も有効ですが、どんな方法よりもまずはユーザビリティの向上が重要ですので、まずはユーザーを第一に考えたコンテンツ作りを心がけましょう。