リファラースパムとは?リスクや確認・除外の方法を紹介!
自社サイトの流入元データを確認していると、見覚えのないサイトからの大量アクセスが入ることがあります。こういったものを見ると「これは何か良くないアクセスで、SEOによくない影響があるのでは?」と不安になることもあると思います。
知らないURLからの多くのアクセスが確認された際、それは「リファラースパム」の可能性があります。これはスパムサイトのアクセスが自サイトの解析データに混入し、本来のトラフィックを歪めてしまう悪質な行為のことです。
それが原因でアクセス解析の正確性が損なわれると、正しい分析結果が反映できなくなり、効果的なマーケティング戦略を実践するのが困難になります。この記事ではリファラースパムの特徴や問題点を詳しく見ていくとともに、効果的な対策や取り除く方法についても紹介していきます。
リファラースパムの概要
リファラースパムとは、アクセス解析ツールのリファラー情報を悪用してスパムサイトへの誘導を試みる迷惑行為のことを指します。なお「リファラー」とは参照元という意味で、ユーザーがあるページから別のページに移動する際の、リンク元のURLのことです。
このスパム行為ではリファラー情報を不正に偽装し、スパムサイトのURLを参照元として表示させることで、サイト運営者がそのURLをクリックすることを狙っています。こうしてスパムサイトへのトラフィックを増やし、スパムサイトの存在や知名度を広めようとするのが目的です。
アクセス解析を行う担当者がリファラーをチェックする際に、このようなスパムリンクが混ざっていると、実際の流入元データが歪められる可能性があります。リファラースパムをゼロにするのは難しいですが、フィルタリングをかけたりドメインを除く対策を実践することで、スパム行為からの影響を最小限に抑えることが可能です。
そもそも「スパム行為」とは何か
スパムとは、インターネット上で幾度と行われる迷惑行為を指します。スパム行為には代表的な種類としてメールスパム、コメントスパム、SNSスパム、SMSスパムなどがあります。
かつては主にメールで見られたスパムですが、現在ではTwitterやLINEなどのSNSでも迷惑な投稿が増えてきています。すべてのスパム行為の共通点は、「不要なコンテンツやメッセージを大量に配信すること」です。
また詐欺の目的だけでなく、商業目的の広告などもこれに該当します。たとえばリンクをクリックさせて広告収入を得たり、リンク先で商品の宣伝を行うこともスパムの一種です。
ちなみに「スパム」という言葉の由来は、イギリスのコメディグループが作ったコントからきています。
スパムを嫌う夫婦がレストランで「スパム」を使った料理ばかり勧められ、周囲の客も一緒にスパムを食べるよう勧めるシーンが描かれています。このことから「求めていないものを大量に押し付ける行為」をスパムと呼ぶようになったと言われています。
英語では、缶詰の商品名として「SPAM」や「Spam」と大文字で表記し、スパム行為を指すときは「spam」と小文字で表記されます。
リファラースパムの目的
目的は大きく二つに分かれます。一つ目はサイトのアクセス数を増やして利益を得ることです。
スパマーのサイトにアクセスを誘導してアクセス数を増加させると、そのサイトの評価が上がるからです。これによって広告収入や商品購入などの金銭的利益を獲得したいのが狙いといえます。
そして二つ目は特定のサイトを攻撃することです。かんたんに言うと「嫌がらせ」ともいえます。ウイルスに感染することによりサイトの更新ができなくなったり、サイトの評価が下がる可能性があるためです。
なおかつ中身がないサイトへのリンクを行うとGoogleの検索順位が低下するため、検索順位が悪化します。このように商業的利益を得るほか、「特定のサイトへの攻撃」が主な目的となっています。
加えて注意が必要なのは「個人情報の不正取得や悪質なソフトウェアの配布」です。クリックするだけで問題が発生してしまうバナーやURLも存在するので、細心の注意が必要となります。
リファラースパムのリスク
懸念されるリスクとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 分析結果の正確性が欠ける
- サーバーに対する負荷がかかる
- セキュリティリスクが高まる
それぞれ、順を追って見ていきましょう。
1.分析結果の正確性が欠ける
主にサイトの分析の精度が損なわれることが、代表的なリスクです。リファラースパムはサイトに直接関係のない商業的または不正目的のトラフィックのことで、実際の訪問者のデータに不要なアクセスが混入し、解析結果が不正確になる恐れがあります。
SEOやWeb広告の効果を評価する際には、データの正確さが重要となります。そこで正確でないアクセスデータが生じると正確な分析を妨げ、マーケティング戦略の策定に影響を及ぼす可能性があるのです。
Web担当者は無駄なデータに振り回されて、適切な対策や改善が難しくなるという観点では、大きなリスクと言えるでしょう。
2.サーバーに対する負荷がかかる
リファラースパムは短期間で大量のトラフィックを発生させるため、サーバーに大きな負荷をかけてしまいます。そうなるとサーバーのパフォーマンスが低下し、ページの表示スピードが低下してしまうことがリスクとなるでしょう。
とくに共有サーバーだったりリソースに制限のあるサーバーを使用している場合、この影響が顕著になります。サーバーダウンまではいかなくとも表示スピードが低下してしまうことからユーザー体験が損なわれ、SEOの観点でよくない影響を及ぼしてしまいします。
3.セキュリティリスクが高まる
セキュリティリスクを大きく高める要因となることも、代表的なリスクとして挙げられます。とくにリファラースパムが誘導する先が悪意サイトだった際、セキュリティ問題はより深刻になってしまう可能性があります。
リファラースパムの主な目的は、サイト管理者にリンクをクリックさせて悪質なサイトに誘導すること。アクセスしてしまうことによって不正なソフトウェアのインストールを促されたり、個人情報や企業情報を入力させられるリスクもあります。
また最近では、単にリンクをクリックするだけで何らかの問題や異常が発生するバナー広告なども存在します。リスクを避けるためには、不明なURLや不審なリンクは安易にクリックしないことが重要です。
リファラースパムの確認方法
ここまでリファラースパムの概要や目的、リスクについて解説してきました。しかし、実際に有無を確認する方法を知りたい方も多いと思います。
この章では確認方法を2つご紹介します。
- Googleアナリティクスで確認する
- URL調査サービスを活用する
1.Googleアナリティクスで確認する
Googleアナリティクスで確認する方法になります。はじめに左側のメニューバーから
- 集客
- すべてのトラフィック
- チャネル
- Default Channel Grouping
- Referral
の順に選択していきます。
最後に開いた「Referral」に分類されたアクセスが、外部サイトからの流入を示しています。クリックすることで、参照元のURLやアクセスの詳細を確認することが可能です。
着目すべきポイントとしては、
- 異常なアクセス数を記録しているURLやドメイン
- 直帰率やセッション時間といった行動指標が他と大きく異なるアクセス
- サイト運営と関連性の低い国のドメインからのアクセス
などが挙げられます。
リファラースパムはしばしば海外のドメインから行われる一方、日本のドメイン(.jp)からのものも少なくないので、自分事と考えてしっかり調査を行うことが賢明です。
2.URL調査サービスを活用する
確認方法のひとつとして、URL調査サービスの利用が挙げられます。中でも代表的なサービスを挙げるなら「aguse」がおすすめです。
このツールは指定したURLに関する情報を提供し、リンク先のマルウェア状況をチェックしたり、リファラースパムをまとめたブラックリストと照らし合わせることが可能になります。
不審なURLを発見したら、まずこのサイトで詳細を調べるといった流れが理想です。
Googleアナリティクスでリファラースパムのカウントを除く方法
Googleアナリティクスを使えば、サイトを安心安全に保てるようになります。この章ではどのように取り除くのか、以下の2つの手順でご紹介します。
- ボットフィルタリングを活用する
- 特定のURLに除外フィルタを適用する
1.ボットフィルタリングを活用する
簡単な対策として「ボットフィルタリング機能」を活用することが挙げられます。この機能は、Googleが「ボット」や「スパイダー」と検知したサイトからのデータを取り除くものです。
設定手順は非常にシンプルで、大きく以下のとおりです。
- 「管理」メニューから「ビュー設定」を開く
- 「ボットのフィルタリング」オプションにチェックを入れる
やらないよりは圧倒的にやったほうがいいですが、効果はそれほど高いとは言えません。さらに効果的な対策として次章で紹介する「除外フィルタ」を設定することをおすすめします。
2.特定のURLに除外フィルタを適用する
前述の機能だけでは完全に対処できないスパムもあるため、さらに強力な設定が必要です。その方法として「特定のURLに対する除外フィルタ適用」があります。
主な設定方法は、以下の手順となっています。
- 「管理」タブにアクセス
- 「アカウント」から「すべてのフィルタ」を選択
- 「+フィルタを追加」をクリック
- フィルタの設定画面で必要情報を入力
4の必要情報というのは「任意のフィルタ名称」と「取り除きたいURL」のことを指します。
たとえば特定のURLを取り除く場合、フィルタに任意の名前を付け「フィルタの種類」を「カスタム」に設定します。その後「フィルタフィールド」から「参照」を選び、「フィルタパターン」に取り除きたいURLを入力します。
「not set」言語のサイトを取り除く場合は、「フィルタの種類」で「カスタム」を選び、「フィルタフィールド」を「言語設定」とし、「フィルタパターン」に「(not set)」と入力します。
まとめ