ページランク計測ツール４選！代替えSEO指標について解説
ページランクとは、Googleの検索エンジンがウェブページの重要度を評価する指標として提供されていた評価指標です。
以前は「Googleツールバー」というツールが提供されており、ページランクの概算値を見ることができましたが、現在では廃止されています。
現在では、Google以外のツールでページランクに類似したランク指標を確認することができます。
本記事では、ページランクの計測ツールについて紹介します。他に、影響を与える要因やページランクの高め方、SEO指標としての考え方についても解説していきます。
ページランクとは
ページランク（PageRank）とは、Googleの創業者であるラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンによって開発されたアルゴリズムで、ウェブページの重要度や信頼性を評価するためのシステムです。
このアルゴリズムは、リンク構造に基づいてページの評価を行い、他のウェブサイトからのリンクが多いページや、信頼性の高いページからリンクされているページをより高く評価します。
参考：ページランクとは？ Google PageRankとページオーソリティの違いを解説
ページランクというとこのウェブページの指標のことを指しますが、かつては、Googleツールバーを通じてページランクを確認できましたが、この機能は廃止されました。
以前は、緑色のバーでページの評価を視覚的に示していましたが、現在は直接的にページランクを確認する方法はありません。
よって、現在、ページランクと言えば、サイトの評価指標としての概念で、他社が提供するDA（ドメインオーゾリティ）やPA（ページオーゾリティ）をページランクの代替指標として利用しています。
SEOの指標としてページランクの向上をKPIとすることは非常に重要です。特に、自社サイトを育てていくときに、競合他社との数値の違いを追って現在何が足りないかを洗い出し、SEO対策をしていきます。
次に、SEOの指標として役に立つツールを４つご紹介します。
ページランクに類似した指標を計測してくれるツール4選
ページランクを計測してくれるツールについては、以下が挙げられます。
- Ahrefs（エイチレフス）
- Moz（モズ）
- Majestic（マジェスティック）
- Semrush(セムラッシュ）
それぞれのツールについて解説していきます。
Ahrefs（エイチレフス）
Ahrefsでは、ページの評価を示す指標として、URL Rating（UR）とDomain Rating（DR）の2つがあります。
URは特定のWebページを評価するのに対し、DRはドメイン全体の評価を示すものです。
エイチレフスの強みは、ドメイン全体だけでなく、個々のWebページの評価も詳細に確認できる点です。
さらに、Googleのページランクと似た結果を得られるため、非常に信頼性の高いツールとして多くのユーザーに利用されています。
Moz（モズ）
Mozのドメインオーソリティ（DA」は、ドメイン全体の評価を示す指標です。特定のページの評価を表す、ページランクとは異なり、ドメイン全体の影響力を測ることができます。
DAは、Googleのアルゴリズムを参考にしており、外部リンクの数、リンク元の信頼性、リンク元の専門性などが評価の基準となっています。DAは、外部リンク以外にもサイトのインデックス数が増えたり、サイトが成長すると数値が増えていきます。
しかし、MOZのDAは他のツールよりも数値上昇が厳しく、DAの値を１つあげるのにも大変です。なかなか数値があがらないことで競合調査には有効で、信頼度が高いです。
また、サイトのスパムスコアの計測もでき、Googleのガイドラインに違反しているようなサイトはスパムスコアが高くなりますので、指標として使えます。
Majestic（マジェスティック）
Majesticのページランクを評価する指標には、TFとCFの2つがあります。
これらは、Mozなどと同じように、ページランクの代わりとして使われる指標です。Majesticを使えば、調べたいURLを入力するだけで、以下の情報が得られます。
- TF（トラストフロー）：リンクの質
- CF（サイテーションフロー）：リンクの量
TFとCFの数値が高いほど、そのサイトのページランクも高くなる仕組みです。
トラストフローは、ウェブサイトが他の信頼性の高いサイトからどれだけリンクされているかに基づいて算出されます。信頼性の高いウェブサイトからのリンクが多いほど、トラストフローのスコアが高くなります。逆に、信頼性の低いサイトやスパム的なリンクばかりの場合、スコアは低くなります。
CF（サイテーションフロー、Citation Flow）は、Majesticが提供するリンク分析指標の一つで、主にウェブサイトのリンクの「量」を評価するスコアです。サイテーションフローは、リンクが多く集まっているサイトが高いスコアを持つ傾向がありますが、リンクの質は考慮されず、あくまでリンクの数に基づいて計算されます。
Semrush（セムラッシュ）
SemrushはSEOで使える多様な指標を提供します。
主要な指標には、オーガニックトラフィック（自然検索からの訪問数）、キーワード順位（特定キーワードの検索順位）、バックリンク分析（外部リンクの質と数）、ドメインオーソリティ（サイトの信頼性）、競合分析（競合サイトのパフォーマンス）などがあります。
これらの指標を使って、サイトの現状分析や戦略立案を行い、検索エンジンでの可視性を向上させることが可能です。
ページランク に影響を与える要因
ページランク に影響を与える要因については、以下の3つが挙げられます。
- 被リンク数
- リンク元の質
- スパムに該当するリンク
それぞれの要因について解説していきます。
被リンク数
ページランクに影響を与える要因として、被リンク数と質が挙げられます。ページランクは、ウェブ上のリンクを一種の投票として捉えるものであり、リンクが多いほどそのサイトが支持されているとみなされます。
リンクの数は、初期段階ではすべて同じ価値を持つとされ、リンクを獲得することでそのサイトへの投票が増えていきます。
たとえば、あるサイトが3つの他のサイトからリンクを受け取った場合、それは3つの票を得たことを意味します。このように、多くの被リンクが集まるサイトは、それだけ多くの支持を受けていると見なされ、評価が向上して検索結果の順位も上昇していきます。
リンク元の質
Webページのリンクは、そのリンク元のクオリティによって評価に影響を与えます。
一般的に、ページランクはリンクの数と質に基づいて決まると言われていますが、特にリンク元の信頼性や状態が重要な要素です。また、ウェブサイト同士の関連性は、リンクの評価においても重要になります。
逆に、関連性の低いリンクや、ユーザーのニーズを満たさないリンクは評価が低くなります。
さらに、有名なサイトや検索結果で上位に表示されるような信頼性の高いサイトからリンクを獲得することは、そのリンク先のページに大きな価値を与えます。このように、リンク元の質は、ページ評価を大きく左右する重要な要因と言えます。
スパムに該当するリンク
被リンクの質や量を無理に増やそうとする際に、過剰なリンク構築や被リンクの売買を行うと、ページランクが向上するどころか逆に評価が下がるリスクがあります。
実際に、Googleが公式サイトで、検索エンジンの結果を操作する目的で行われる過剰なリンク交換や、有料リンクによるページランクの操作について、評価を低くする対応をしていることが記載されています。
具体例として、以下のような行為が挙げられます：
- 短期間で不自然に大量の被リンクを設置すること
- リンクを購入すること
- Googleの品質ガイドラインに反する行為
上記の行為を実施してしまうと、最悪の場合、検索結果からの削除やページランクの低下といったペナルティを受ける可能性があります。
ページランクの向上には、単にリンク数を増やすのではなく、関連性や信頼性の高いリンクを獲得することが重要です。
ページランクの高め方
ページランクの高め方については、以下が挙げられます。
- コンテンツの質を高める
- 内部リンクを構築する
- 被リンクを獲得する
- ブラックハットSEOをしない
それぞれの項目について解説していきます。
コンテンツの質を高める
ページランクを向上させるには、最初に高品質なコンテンツ作りが欠かせません。
ユーザーにとって役立つ、独自性のある情報を発信することで、他のウェブサイトから自然にリンクされる可能性が高まります。
また、コンテンツは見やすく整理されていることが重要で、適切なキーワードを取り入れることで、検索エンジンに対してそのページの関連性を明確に伝えることができます。
内部リンクを構築する
内部リンクを適切に設置することで、次のような利点が得られます。
- ユーザーの利便性向上
- 検索エンジンの効率的なインデックス化
まず、内部リンクを構築することで、ユーザー体験を向上させることができます。
リンクが適切に設置されているサイトでは、ユーザーが探している情報に素早くアクセスでき、結果としてページ滞在時間が延び、多くのコンテンツを閲覧してもらうことが可能です。
さらに、内部リンクは検索エンジンにとっても有益です。
クローラーはリンクをたどってサイト内のページを巡回するため、適切な内部リンクを設置することで、クローラーがページを見逃すことなくインデックスを行い、検索結果に表示されやすくなります。
このように、内部リンクを構築することによって、サイト全体のSEOパフォーマンスが向上します。
被リンクを獲得する
被リンクを獲得することによって、高評価を受ける可能性が高くなります。また、内部リンクが多いページはサイト全体での重要度が高いと判断されやすく、これを通じて検索エンジンにそのページの価値を伝えることができます。
さらに、内部リンクの充実したサイトは、ユーザーにとっても使いやすく、目的の情報にスムーズにたどり着くことが可能となります。
その結果、ユーザー体験が向上し、検索エンジンからも高く評価されるサイトとなります。
良質な内部リンク構造を持つサイトは、訪問者によってコンテンツがシェアされやすくなり、被リンクの獲得につながる可能性も高まります。
このように、被リンクを獲得することによって、最終的にサイト全体のアクセス数の向上にも貢献することになります。
ブラックハットSEOをしない
SEOにおいて、ブラックハットSEOと呼ばれる手法はペナルティのリスクが高いため、避けるべきです。
ブラックハットSEOとは、検索エンジンのアルゴリズムやガイドラインを違反して、ランキングを不正に上げる方法を指します。
ブラックハットSEOでページランクを高めようとすると、短期的な効果を期待できるかもしれませんが、最終的には検索順位の大幅な下落や、Googleからのインデックス削除など、重大なペナルティを受けるリスクが伴います。
関連記事：ブラックハットSEOとは？ホワイトハットSEOとの違いも交えて解説
よくある質問（Q＆A）
よくある質問については、以下が挙げられます。
- ページランクシステムとは？
- ページランクを上げる方法とは？
それぞれの質問について解説していきます。
Q:ページランクとは？
Answer）ページランクとは、Googleの検索エンジンがWebページの重要度を評価するための指標です。
この指標は、他のページからリンクされている数と、そのリンクの質によって決まります。
Googleはリンクを支持票と見なしており、多くの支持を受けているページは重要だと判断します。
しかし、現在ではページランクが検索結果に直接与える影響は、以前に比べてそれほど大きくないようです。
Q:ページランクを上げる方法とは？
Answer）ページランクを上げる方法については、以下が挙げられます。
- 被リンクの数を増やす
- ページランクが高いサイトからのリンクを獲得する
- 自分のサイトと関連性が高いページからリンクしてもらう
- クリックされやすい位置にリンクを配置する
- 発リンクが少ないサイトからリンクをもらう
しかし、ページランクを上げる際の注意点として、スパム行為はしないことや不自然なリンクやスパム行為は逆効果になるため避けましょう。
また、特定の条件では、リンクがページランクに影響しないこともあるため注意が必要です。
まとめ
現在でも、Googleはページランクの仕組みを活用しており、検索結果の精度を高めるために継続的な分析と最適化をいっています。しかし、過去と異なり、単に被リンクの数を増やすだけではページランクを向上させることはできません。また、被リンクが完全に無意味というわけではないため、コンテンツSEOを意識したサイト運営が求められます。訪問者にとって価値のあるコンテンツを提供し、定期的に品質を見直して改善を図ることで、自然とリンクを集められるような信頼性の高いサイトを構築することができます。今回の記事を参考にして、ページランクについて理解を深めて、効果的にSEO対策を行いましょう。
