GoogleアナリティクスのトラッキングIDとは?確認方法や役割など解説
Googleアナリティクス4(GA4)のトラッキングIDは、WEBサイトやアプリのデータを正確に収集・分析するための重要な要素です。このトラッキングIDをWEBサイトに設置することで、ユーザーの行動データをリアルタイムで把握でき、結果としてマーケティング戦略を決めるデータ収集が可能となるからです。
GoogleアナリティクスのトラッキングIDとは?
GA4におけるトラッキングIDは、特定のプロパティのデータを識別し、収集・分析するための固有の識別番号です。このトラッキングIDはプロパティごとに発行され、WEBサイトやアプリに設置されるトラッキングコード内に含めることで機能します。
トラッキングIDを正しくWEBサイトに設置すれば、GA4がそのWEBサイトの流入数や滞在時間などを正確に収集し、レポートに反映させることが可能になります。平たくいえば、トラッキングIDはGA4のプロパティとWEBサイトをつなぐリンクのような役割を果たします。
クライアントIDとの違い
よく混同されるものの1つにクライアントIDがあります。このクライアントIDは、WEBサイトなどに訪問したユーザーに対して割り振られるもので、ブラウザのクッキーに保存されています。このIDのおかげで、ユニバーサルアナリティクスは、クライアントがどのような行動をとったのかを追跡することができていました。
カスタム URLとの違い
トラッキングIDと機能が似ているものとして、カスタムURLがあります。こちらはキャンペーンページに対して特殊なURLを発行し、通常の流入とはちがう、キャンペーン独自のアクセスであることを判別するための方法です。
GoogleアナリティクスのトラッキングIDが必要なシーン
ここでは、GoogleアナリティクスのトラッキングIDが必要になる場面をいくつか取りあげ解説します。次のようなシーンで、トラッキングIDを使用する必要があります。
WEBサイトの計測
トラッキングIDが必要なもっとも一般的なシーンは、Googleアナリティクスで自社WEBサイトのデータを計測するときです。WEBサイトのデータ計測をする際は、トラッキングコードをWEBサイトに埋め込む必要があります。そのトラッキングコード内で、IDを利用します。
アプリの計測
WEBサイトの計測と同じく、自社アプリのデータを計測しようと思えば、トラッキングIDが必要となります。元々、GA4はFirebase Analyticsというツールが発展したものですが、これはアプリのデータ計測ツールでした。そのため、本来、GA4はWEBサイトだけでなく、アプリの計測でも力を発揮します。
オフラインの計測
GA4はオフラインとの連携も可能です。オフラインで生じたイベントをGA4にデータとして反映することができます。その際には、Measurement Protocolを利用します。そして、データを送信する際には、GA4のトラッキングIDが必要となります。
GA4でトラッキングIDを確認する方法
GA4では、トラッキングIDのことを「測定ID」呼んでいます。その測定IDは、通常「G-」で始まる識別子です。ここでは、GA4の管理画面にて測定ID(旧:トラッキングID)を表示させる方法についてお伝えします。GA4で測定IIDを確認することで、GTMとの連携をする際などに役立ちます。早速、下記の手順をお読みください。
管理ボタン
GA4にログインします。その後、画面左のギアマークがある「管理」をクリック。すると「管理者」というページが開きます。こちらのページには「アカウント設定」や「プロパティ設定」、「データの表示」などの項目が表示されます。
データストリームを開く
画面左から2列目のパネルを確認します。「プロパティ設定」の項目の中で「データの収集と修正」というものがあるので、こちらをクリックしてください。すると、新しいメニューが開きます。この中の「データストリーム」を押してください。
測定IDを確認
「データストリーム」の画面に該当のWEBサイトが表示されれば、それをクリックします。そうすると新しいパネルが開き「ウェブストリームの詳細」画面が表示されます。こちらの画面の上部に「ストリームの詳細枠」があります。この枠の中の右側に「測定 ID」があります。こちらがGA4のトラッキングIDです。「G-」で始まる固有の英数字になっています。
GTMにトラッキングIDを設置する手順
Googleタグマネージャーはさまざまなコードを一元管理するツールです。そこで、GA4のトラッキングIDと、Googleタグマネージャーを使い、WEBサイトの解析ができるように設置します。
GTMのアカウントを取得する
Googleのマーケティングプラットフォームに移動し、青色の「無料で利用する」ボタンを押します。遷移したページで「アカウントをつくる」をクリック。アカウント作成画面が表示されるので、アカウント名や国、コンテナ名などを入力します。アカウント名は任意のものでかまいませんが、通常は社名などを入れます。コンテナ名はWEBサイトの名前などを入れるのが分かりやすくて適切です。ターゲットプラットフォームは、WEBサイトの計測をしたいので「ウェブ」を選択します。
参考ページ:GTM(Googleタグマネージャー)とは?導入するメリットと導入方法を解説
GTMとWEBサイトを連携
次にGTMとWEBサイトを連携します。GTMのアカウントを作成すると、その直後にWEBサイトに貼り付けるべき2種類のコードが表示されます。これをそれぞれ、
トラッキングIDでGTMと連携
最後にGA4のトラッキングIDを利用し、GA4とGTMを連携します。まずは、GTMの管理画面から「コンテナ」を選択してください。「ワークスペース」画面に遷移したら「新しいタグを追加」を押します。するとタグの設定画面になります。ここで、まずはタグの名前をつけてください。「Googleアナリティクス4」など、わかりやすい名称をつけます。
そして、「タグタイプを選択して設定を開始」という箇所を押してください。すると画面右にパネルが開くので「Googleアナリティクス: GA4 設定」を選択します。さらに、新しいパネルが開いたら「測定ID」と書かれている箇所にGA4のトラッキングIDを入力します。これは「G-」で始まる英数字の文字列のことです。
トリガー設定をおこなう
トリガー設定の箇所を押すと「All Pages」が表示されます。これを選択してください。最後に画面右上の「保存」を押して完了となります。
正しく設定できているを確認する方法
トラッキングIDが正しく設定できたかどうかを確認するもっとも簡単な方法は、GA4のリアルタイムレポートを使うことです。そこで、ここではGA4管理画面で、リアルタイムレポートの確認方法についてお伝えします。
GA4の管理画面に入る
トラッキングIDを含むコードを設置したWEBサイトにまずはアクセスします。そして、その状態を保ったまま、GA4の管理画面にログインしてください。画面左メニューから統計のグラフマークがついた「レポート」というボタンを押します。すると画面左側に新しいパネルが開きます。そのパネル上部に「リアルタイム」というのがあります。このボタンを押してください。
レポートで確認する
「リアルタイムの概要」というページが開きます。すると「過去 30 分のアクティブ ユーザー数」や「過去 5 分間のアクティブ ユーザー数」という項目が表示されます。この箇所にユーザー数がカウントされているかどうかを確認してください。数値が表示されていれば、正しく設定できていることになります。
トラッキングできない場合の原因
ここでは、正しくトラッキングできない場合の原因と対処方法について解説します。トラッキングIDが正しく設置されているにもかかわらず、データが収集されないケースには、次の原因が考えられます。
ブラウザでデータ使用を無効にしている
「Google アナリティクス オプトアウト アドオン」というアドオンツールをブラウザにインストールしている場合、正しくトラッキングコードが設定されていても、データがGA4に反映されません。もし、これをインストールしている場合、一度、機能をオフにする必要があります。
GA4でIPアドレス除外設定をしている
GA4には特定のIPアドレスからのアクセスをデータに反映しないよう設定することができます。具体的にはデータストリームから「Googleタグ > タグ設定をおこなう」に入り「内部トラフィックの定義」に遷移します。その後、特定のIPアドレスを登録することで、そのIPアドレスからアクセスしたデータを除外できます。この設定をしている場合は、一時的に機能をオフにしてください。
よくある質問(Q&A)
ここでは、トラッキングIDについてのよくある質問を取りあげ解説します。GA4関連のことは、設定や運用上、迷うことも多いと思うので、下記のQ&Aで疑問を解消してください。
Q:データーストリームとは何ですか?
Answer)GA4では、最上位の単位として「アカウント」があります。アカウントの中に、WEBサイト単位でプロバティがあり、さらにプロバティの中に複数のデータストリームがあります。
データストリームとは「情報収集源」の意味で、GA4に反映されるデータ元ということです。
アプリからの情報を収集する場合は「アプリデータストリーム」となり、WEBサイトの場合は「ウェブデータストリーム」と呼ばれます。GA4ではこのデータストリームを表示させることで、トラッキングIDを確認することができます。
Q:トラッキングIDの役割は?
Answer)トラッキングIDは、GA4がWEBサイトやアプリからデータを正確に収集し、分析するために必要不可欠な識別子です。具体的には、トラッキングIDはGA4内でのデータストリームを識別し、収集されたデータがどのプロパティ(WEBサイトやアプリ)に属するかを判別する役割を担っています。こうして、WEBサイトで発生するユーザーの行動やトラフィック情報が、適切なプロパティに紐付けられ、GA4の管理画面で表示されます。
例えば、複数のWEBサイトを運営している場合、それぞれに異なるトラッキングIDを設置することで、データが混在せず、WEBサイトごとのユーザー行動を独立して分析できるようになります。
言い換えれば、トラッキングIDはWEBサイトとGA4プロパティをつなぐ「リンク」のようなもので、正確なデータ分析の基盤となるものです。
Q:同一のトラッキングIDを複数のWEBサイトに導入しても良いですか?
Answer)技術的にはそれは可能ですが、望ましくありません。複数のWEBサイトに同一のトラッキングIDを導入すれば、GA4で情報が混在してしまい、正しくデータを分析することが困難になります。
例えば、2つのWEBサイトに同一のトラッキングIDを使用した場合、コンバージョンが発生しても、どちらのWEBサイトからそのコンバージョンが発生したのかを確認することができません。そのため、1つのWEBサイトに対して、1つのトラッキングIDを使用するようにしてください。
Q:トラッキングIDが変更となることはありますか?
Answer)トラッキングIDが変わることはありません。しかし、何かの理由でプロパティを削除し、新しいものを作成した場合、測定IDが変更となります。
Q:ドメインが同じで、CMSが変わる場合のIDは?
Answer)ドメインは同じですが、CMSが変更となることがあります。この場合、トラッキングIDを変えた方が良いのではないかという疑問が生じますが、その必要はありません。GA4はドメインではなく、トラッキングIDに基づいてデータを収集するためです。もちろん、CMSの入れ替えに伴い、データを一旦削除し、新しいプロパティを作成した場合はトラッキングIDも変更となります。
Q:CMSを変更する場合の注意点は?
Answer)CMSを変更すると、再度、新しいCMSにGA4トラッキングコードを設定する必要があります。CMSによっては、GA4を自動的に統合できるプラグインや拡張機能がある場合もありますが、手動でコードを埋め込む必要があることもあります。各CMSの解説を確認してください。
Q:トラッキングIDは社外に漏れないようにすべき?
Answer)トラッキングIDは、データ収集や分析をおこなうための識別子であり、機密性の高い情報とはいえません。そのため、トラッキングIDが社外に漏れても直接的なリスクは低いです。しかし、トラッキングIDが第三者に知られ悪用されると、意図しないトラフィックやデータを送信される可能性はあります。そのため、原則、社外に漏れないように注意してください。
まとめ