X(旧twitter)のスペース利用法まとめ!活用事例と使いこなすコツも紹介
インターネットが生活に大きな影響を与えている現代において、SNSは情報収集やコミュニケーションの場として無視できない存在になりました。
老若男女問わず親しまれているSNSだからこそ、これをビジネスに活用しようと考える企業も登場しています。
特にBtoC企業がSNSでユーザーに対して宣伝・交流を図るのは効果的であり、帝国データバンクの調査によると2023年時点で国内企業の約4割が社外向けにSNSを運営しています。
SNSとして利用者の多いツールのひとつがX(旧Twitter)ですが、2021年より音声会話機能「スペース」が正式リリースされており、個人やビジネスで活用する人が拡大中です。
スペースとはどんな機能?
スペースとは、X上で音声によるリアルタイム配信・会話ができる機能です。
特定のテーマや話題について参加者達が議論したり、誰かが繰り広げているトークを聞くために参加したりと、人によってさまざまな使い方ができます。
リアルタイムの交流となるため、スペースの作成者であるホストは他の参加者に対してあらゆる呼びかけが可能で、近年のWebマーケティングにおいても活用が期待されています。
スペースの活用メリット
スペースの活用は配信側にとってもさまざまなメリットがあります。
代表的なメリットを以下に紹介します。
時間や場所を選ばずに配信可能
スペースは、X(旧Twitter)のアカウントを所有していれば誰でも配信でき、時間や場所も選びません。
思い立った時にどこでも即座に配信ができるため、配信したい内容が急に出来た場合などにも対応できるのは便利な特徴です。
配信コストが低い
リアルタイム配信と聞くと、カメラやマイクなどの機材を揃えなければ質の高い配信ができないと考える人もいるでしょう。
しかしスペースは音声配信のため高いカメラも不要で、手元のスマートフォンやタブレット端末で気軽に始められるため大してコストもかかりません。
通信環境さえ整っていればすぐにでも始められるため、配信へのハードルがかなり低いのもメリットです。
リアルタイムでユーザーと交流できる
リアルタイム音声配信のため、参加したユーザーとの交流も容易です。
スピーカーとして参加しているユーザーとは会話で交流ができ、聞き専門のリスナーはハッシュタグによるコメント等を拾うことで交流できます。
リアルタイムの交流はアーカイブの視聴とは異なり、それだけで特別感があるものです。
その特別感をユーザーに感じてもらいつつ、上手くマーケティングに活かすことができれば効果は絶大です。
チケット制スペースで収益化も
スペースはチケット制を導入することで収益化も可能です。
チケット制では、ホストが指定した金額の有料チケットを購入することでスペースに参加する権利を得られます。
ファンのみを集めた限定的な交流や、有益な情報を発信するセミナーのスペースなどにこのチケット制は導入されるケースが多いです。
このチケット制スペースは誰でも始められる訳ではなく、以下の条件を満たすホストのみが配信可能です。
- アカウントのフォロワーが1,000人以上
- アカウント管理者の年齢が18歳以上
- 直近30日以内に3回以上、ホストとしてスペースを配信している
これら条件を満たしていれば、チケット制を導入してスペースを始められます。
チケット料金は1USD〜999USDの間で設定でき、チケット数の上限も決められるため、金額や枚数をバランスよく設定できれば効果的な収益化が見込めます。
スペースのはじめ方
スペースのはじめ方は非常に簡単です。
ホストとしての配信にはスマートフォン、もしくはタブレット版のX公式アプリを利用しましょう。
Xのアカウントを用意
まずはX公式サイトよりアカウントを作成します。
アカウント作成時に設定した名前はスペース開始時のホスト名として公開されるため、適切な名前に設定しておきましょう。
アカウント作成後は、スペース開始後にユーザーが集まってくれるようアカウントの宣伝やマーケティング活動をコツコツと進めていきます。
アカウントメニューから「スペース」を選択
スペースを始める場合は、Xのホーム画面を開いてアカウントメニューから「スペース」を選択します。
スペースを作成
スペースの画面に入ると、以下のように現在進行中のスペースがいくつか表示されます。
他のスペースに参加する場合はここから選ぶか、画面上部にある検索欄よりスペース名を検索して参加しましょう。
自身がスペースを始める時は、右下にあるアイコンボタンを選択します。
配信開始
ボタンを押すと、スペース公開準備の画面に遷移します。
ここでテーマ名を決めたり、ユーザーを集めるためテーマに関連したトピックを選択します。
スペースの内容は録音も可能なため、録音を希望する場合はボタンをオンにしておきましょう。
設定が完了したら「今すぐ始める」ボタンを選択します。
「今すぐ始める」ボタンの右にあるカレンダーアイコンは、日時を設定してスペースを始められるスケジューリング機能です。
前もって開始を宣伝しておきたい場合などは有効活用しましょう。
スペースが開始されると、参加者一覧の画面が表示されます。
参加者が増えてくると、ここに各アカウントが並んで表示されます。
画面下部の人型アイコンを選択すると、作成したスペースへの招待ができるため、必要に応じて共同ホストやスピーカーを招待しましょう。
スペース内での役割
スペース内は参加者それぞれが以下の役割を必ず担います。
- ホスト
- 共同ホスト
- スピーカー
- リスナー
それぞれの詳細を以下で説明します。
ホスト
スペースの作成者で、ユーザー招待やスペースの開始・終了の権限を持っています。
自身が発言することはもちろん、他のユーザーをいずれかの役割に任命するのもホストの役割です。
スペース内において、交流を円滑に進めるためのコントロール役を担います。
共同ホスト
ホストからの招待で、最大2名まで任命できる役割です。
任命されたユーザーはホストと同様の権限を持つため、スペースを円滑に進めるホストのサポート的な立場となります。
スピーカー
スピーカーはホストのような権限は持っていませんが、スペース内で発言が許可されているユーザーです。
ホストからの招待でスピーカーは任命されて、会話に積極的に参加してスペースを盛り上げる役割を担います。
リスナー
リスナーはホスト・スピーカーの会話を聞くだけの役割で、発言はできません。
チケット制を導入していないスペースであれば、リスナーとしてどれでも気軽に参加が可能です。
またリスナーは、画面内にあるリクエストアイコンをクリックすることで発言許可のリクエストをホストに送信できます。
ホストがリクエストを承認すれば、スピーカーとして発言ができるようになります。
利用における注意点
スペースは手軽に始められる便利な機能ですが、利用に際しては以下の注意点を覚えておきましょう。
ホストとしてのスペース配信は公式モバイルアプリのみ
2024年1月現在、ホストとしてスペースを配信するためにはXの公式モバイルアプリが必要です。
PCのブラウザ版ではスピーカーとリスナーのみ、スマホのブラウザ版ではリスナーとしてのみスペースへ参加可能です。
ホストとしてスペースを始める場合は公式モバイルアプリを用意しておきましょう。
非公開アカウントでは始められない
非公開アカウントでは、ホストとしてスペースを始められません。
ホスト・共同ホストでのスペース参加はできませんが、スピーカーやリスナーとしては参加可能です。
自身がスペースを始める場合は、そのアカウントが公開アカウントであるかは確認しましょう。
会話内容には気を付ける
チケット制でないスペースの場合、リスナーとしては誰でも参加が可能です。
不特定多数の人がスペースに参加することになるため、誹謗中傷や不快な発言等を行わないように気をつけましょう。
マーケティング目的でスペースを始めている企業アカウントも多く見られますが、こうした発言によって企業ブランドや信頼性を大きく損ねてしまうリスクもあります。
スペースのビジネス活用事例
スペースは誰でも始めやすく参加もしやすい特徴から、多くの企業がビジネスで活用しています。
有名な活用事例をいくつか紹介します。
株式会社タニタ
体重計・体組成計などの計測器大手である株式会社タニタは、フォロワーとの交流目的でスペースを利用しています。
投稿では定期的に自社の情報を公開していますが、スペースでは裏話やビジネスにかける想いなど、より踏み込んだ内容を話しています。
また、水分補給対策やダイエット経験談の発信など、健康情報としてもためになる情報をスペースの場で発信しており、参加者達は配信を楽しみつつ有益な情報を得られるのが特徴です。
味の素冷凍食品株式会社
味の素冷凍食品株式会社は2023年2月26日「シュウマイの日」に、大手インフルエンサーを複数人招いてのトークイベントを実施しています。
夜の自由時間をどんなおつまみやお酒で楽しむか、ゲスト達が熱く語り合うイベントとして開催されて、リスナー達もお酒を持ち寄って多数参加しました。
有名ゲストを招いて参加者達と楽しい時間を過ごせるイベントは、参加したフォロワー達の企業に対する好感度も大きく上がることでしょう。
note
noteが主催するクリエイター向けイベントシリーズ「#物語のつくりかた」では、ラジオ代わりにスペースを活用した連続講座を実施しています。
小説家や漫画家などのプロをゲストとして招き、クリエイターの創作支援を目的とした話を繰り広げていました。
スペースを使いこなすコツ
スペースは誰でも手軽に配信できるからこそ、多くの方に参加してもらうためにはコツを掴まなければなりません。
以下のポイントを意識してスペースを実施していけば、少しずつ参加者やフォロワーの増加が期待できます。
配信前には予告しておく
ある程度のフォロワーがいる場合、スペースをいきなり始めるのではなく数日前から予告しておくと効果的です。
スペース作成の画面にはスケジューリング機能があるため、これを利用してスペースを予約してポストで事前通知しておきましょう。
スペースの内容に興味があるユーザーは、当日の予定を空けてでも参加してくれます。
一人でも多く参加してもらうために、事前準備は万全に進めておきましょう。
参加者限定の有益情報を公開する
スペースの参加者限定で有益情報を公開するスタンスをとっておけば、次回以降情報を仕入れるためにスペースへ参加する人も増加します。
商品を販売しているメーカーであれば、キャンペーン情報を早出ししたり、特別な割引クーポンをもらえるコードを発表するなど、お得な情報を発信するのがおすすめです。
積極的にリスナーと交流する
Webマーケティングは集客が大切ですが、ユーザーからの評価を高めて成約へと結びつけるには何より好感度が大切です。
そのため、スペースを活用して積極的にリスナーと交流しましょう。
ユーザー参加型のトークイベントを開いて、リスナーの中からスピーカーを募り対談するなど、ユーザーとの距離が近い企業をアピールできれば好感度は高まります。
スペースについてよくある質問
SEOの基本的なよくある質問で学んだことを復習してみましょう。
Q:開始したスペースは誰に公開される?
Answer)スペースを開始した場合、公開範囲はX全体に及び誰でも自由に参加できるようになります。
ホストアカウントをフォローしているアカウントであれば、ホームのタイムライン上部に開始スペースが表示されるためすぐにアクセスが可能です。
Q:スペースは最大何人まで参加できる?
Answer)スペースの参加は、リスナーであれば上限はありません。
スピーカー以上の役割になれるのは、ホストと共同ホストを含めた13人までと定められています。
また通常のスペースではリスナーの上限はないものの、チケット制スペースを公開する場合は参加人数の制限が可能です。
Q:スペース公開に必要なフォロワー数は?
Answer)スペースの公開についてフォロワー数の条件はありません。
鍵の付いていない公開アカウントでなければ、どのアカウントでもスペースを開始できます。
ただしチケット制スペースを公開する場合は、ホストアカウントのフォロワー1,000人以上が条件のため注意してください。
まとめ
スペースを使えば手軽にリアルタイム音声会話ができるため、マーケティングの一環としてユーザーに商品やサービスを宣伝したり、交流を深めるツールとしてもおすすめです。スマートフォンやタブレットを持っていればコストをかけずにすぐ始められるため、Xのアカウントを運用している方は取り組んでみて下さい。これからアカウントを作成する方も、スペースをはじめSNSの特徴を理解して、効率的な集客を目指すことができます。既に多くのフォロワーを獲得しているアカウントであれば、チケット制のスペースで収益化を図るのも一つの手段です。スペースを使ってどんな配信をすればユーザーが集まってくれるか、社内で協議して最善策を考えてみてください。