Threads(スレッズ)とは 使い方とできることを詳しく解説
Threads(スレッズ)は、Meta社が2023年7月にリリースしたSNSツールです。当時は、Xがアメリカの起業家のイーロン・マスク氏に買収されて、twitterから名称変更する時期と重なっていました。こうしたなか、一部のSNSユーザーが困惑していたことも手伝って、リリースから5日間で1億ユーザーを突破するなど、Threadsに大きな期待が寄せられていました。
そんなThreadsですが、2024年の7月で配信1周年を迎えました。この1年間では、Threadsに新機能が続々と実装されました。リリース直後に不安視されていた機能不足も解消され、独自の存在感を示すようになっています。
Threads(スレッズ)とは
Threads(スレッズ)とは、Meta社が提供するテキスト型のSNSアプリケーションのことです。
Threadsは、2023年7月にX(旧:twitter)の対抗サービスとしてリリースされました。Meta社の新たなSNSサービスであったことから、配信からわずか5日間で1億人が登録など、大きな話題を呼びました。
ツールURL:Threads
ThreadsとXの比較
Threadsがリリースされた当時(2023年7月)は、ちょうどtwitterからXにサービス名が切り替わった時期で、今後のSNSのあり方に社会全体が注目していました。こうした背景から、ThreadsとXは、よく比較されていました。当時では、両者の機能は、次のような点が異なりました。
サービス名 | Threads | X |
---|---|---|
利用者数 | 1億人(登録数) | 5億人以上(MAU) |
文字数 | 500文字 | 280文字(有料版=25,000文字) |
スレッド編集 | 不可 | 可 |
ハッシュタグ機能 | なし | あり |
翻訳機能 | なし | あり |
DM機能 | なし | あり |
トレンド表示 | なし | あり |
検索対象 | ユーザー名のみ | ユーザー名、ポスト |
アカウント切り替え | 不可 | 可 |
WEB版 | なし | あり |
配信当時のThreadsは、最低限のSNS機能の搭載に留まっていました。こうした点に対して、「XではできることがThreadsではできない」といったユーザーの声が目立ちました。そして、SNSなどでは、話題性が薄れた際に用いられる「オワコン」と揶揄されるようになりました。
下記画像は、2023年6月から2024年7月におけるThreadsの話題性を示す、Googleトレンドのデータです。
リリースから1週間後には、話題性が急速に失速していることがわかります。さらに、次のデータは、「Threads」と「X」「twitter」を比較した話題性の推移です。
その後Meta社は、ユーザーの要望を聞き入れて、次々とThreadsに機能を追加していくことになります。
月間アクティブユーザー(MAU)が1億7,500万人突破
Threadsリリースの1周年を迎えた2024年7月3日に、Meta社CEOのマーク・ザッカーバーグ氏がThreadsアカウント上で、Threadsの月間アクティブユーザー(MAU)が1億7,500万人を超えていることを明らかにしました。
リリース当初は、SNSとしての機能が限られていたことからユーザーの関心が薄れてしまったものの、その後にさまざまな機能を追加して、今やThreadsは独自路線のサービスとして成長しています。具体的には、次のような新機能が追加されました。
追加機能 | 実装時期と機能解説 |
---|---|
翻訳機能 | 時期:2023年8月
解説:スレッドの右下から翻訳可能になりました(アプリのみ) |
メンション機能 | 時期:2023年8月
解説:スレッドで特定のユーザー宛に対するメンション付けできるようになりました |
WEB版 | 時期:2023年8月
解説:WEB版のサービスが追加され、パソコンから利用できるようになりました |
アカウント切り替え | 時期:2023年9月
解説:ログアウトすることなく、アカウント切り替えできるようになりました |
スレッド編集 | 時期:2023年10月
解説:投稿してから5分以内であればスレッドを編集可能になりました |
GIF投稿 | 時期:2023年10月
解説:GIFファイルを投稿できるようになりました |
音声投稿 | 時期:2023年10月
解説:テキストの代わりに音声データを投稿可能になりました |
キーワード検索機能 | 時期:2023年10月
解説:スレッドに対するキーワード検索が可能になりました |
タグ機能 | 時期:2023年12月
解説:スレッドにトピックのタグ付けが可能になりました |
トレンド機能 | 時期:2024年2月(2024年7月現在、日本では未実装)
解説:検索画面でトレンド情報が表示されるようになりました |
フェディバース機能 | 時期:2024年3月(ベータ版)
解説:他SNSと連動可能に |
インセンティブ | 時期:2024年4月
解説:スレッドに対して金銭的なインセンティブをえられるように |
アンケート機能 | 時期:2024年4月
解説:アンケート機能のスレッドを投稿可能に |
DM機能 | 時期:2024年4月(2024年7月現在、日本では未実装)
解説:Instagram経由で、ダイレクトメールの送信が可能に |
ファクトチェック | 時期:2024年5月
解説:プログラムでスレッドの真偽を評価するように |
閲覧数表示 | 時期:2024年5月
解説:スレッドの閲覧数を確認可能に |
マルチカラムインターフェイス | 時期:2024年5月
解説:TweetDeckのようにカラムを管理できるように |
Threadsでできること
リリース当初のThreadsは、機能に制限が多く、テキスト型のSNSとしてできないことが多々ありました。ただし、Threadsでは、新機能の追加を繰り返してきました。そして、2024年7月現在では、次のようなことができるようになっています。
- 音声やGIFを投稿できる
- タグやメンションを付けて投稿できる
- アンケートととれる
- スレッドを編集できる
- スレッドを翻訳できる
- アカウントを切り替えられる
- キーワード検索できる
- WEBブラウザで利用できる
- マルチカラムを利用できる
- インスタグラムと連動できる
- 他SNSと連動できる
さらに、日本版のThreadsでは、実装されていないものの、アメリカ版では下記のような機能も追加されています。そのため、今後は日本でも利用できるようになる可能性があります。
- ダイレクトメールできる
- トレンド情報をチェックできる
- インセンティブを受け取れる
音声やGIFを投稿できる
音声やGIFを投稿できます。前者は、モバイルアプリケーションのみの機能ですが、マイクをオンにして録音した音声をスレッドとして投稿します。後者は、GIF共有サービスのGIPHYのライブラリからGIFを選択して投稿できるといったものです。
タグやメンションを付けて投稿できる
スレッドの投稿時に「#」を利用することでタグ付けが可能です。ただし、1スレッドにつき、1タグのみの制限があります。タグ付けしてスレッドを投稿すると、同じタグ付きのスレッドとリンクづけられるようになります。
このほか、投稿時に「@」を用いるとメンションを付与できます。メンションを利用すると、他ユーザーにスレッドを投げかけることができますので、ユーザー間で交流する際に役立ちます。
アンケートととれる
アンケートをとることができます。スレッド投稿時にアンケートアイコンをタップすると、最大で4択のアンケートを生成できます。アンケート期間は、一律24時間で設定されていて、時間が過ぎると結果が発表されます。
スレッドを編集できる
投稿済みのスレッドを編集できます。原則的には、誤字脱字を修正するための機能です。また、編集できる期間は、投稿から5分間までです。5分経過すると、編集できませんので注意してください。
スレッドを翻訳できる
外国語で投稿されたスレッドを翻訳できます。モバイルアプリ限定の機能で、スレッドの画面右下のアイコンをタップすると、自動翻訳されて表示します。
アカウントを切り替えられる
複数のアカウントを持つ場合、ログアウトすることなくアカウントを切り替えられます。モバイルアプリ限定の機能で、設定画面の「プロフィールを切り替える」から変更できます。また、この画面でプロフィールの追加もできます。
キーワード検索できる
キーワード検索が可能です。もともとは、ユーザー名のみの検索にとどまっていましたが、スレッドも検索の対象になりました。スレッドを検索できますので、タグ(トピック)を検索する際にも利用できます。
WEBブラウザで利用できる
リリース初期は、モバイルアプリケーションのみの提供でしたが、WEB版のサービスも利用できるようになりました。そのため、モバイル、パソコンの両端末でThreadsにアクセス可能です。ただし、アプリ版とWEB版では、一部でできることが異なりますので注意してください。
マルチカラムを利用できる
WEB版限定で、マルチカラムインターフェイスの機能を利用できます。この機能は、TweetDeckのように、複数のカラムでスレッドのツリーを表示します。Xでは、TweetDeckが有料化されたことから、無料で同じ機能を使えるThreadsの優位性を高めたといわれています。
Instagramと連携できる
Threadsは、Instagram(インスタグラム / インスタ)と連携できます。そもそも、Threadsのアカウントには、Instagramのアカウントが利用されます。そのため、フォロワー情報が反映されます。さらに、Threadsの投稿スレッドをInstagramに共有できます。
他SNSと連携できる
ActivityPubと呼ばれる分散型サーバーの仕組みを利用した、他SNSと連携できます。具体的には、他SNSでThreadsの投稿に「いいね」をつける、拡散することが可能です。対応するSNSには、次のようなものがあります。
- Mastodon
- Misskey
- Pixelfed
ダイレクトメールできる(日本版は未実装)
InstagramのDM機能を利用して、Threadsからメッセージを送信できるようになりました。ただし、この機能は、Instagramの機能をThreadsで操作できるようにしたものです。つまり、Threadsには、独立したDM機能が実装されていません。
本機能は、一部地域で利用できるものの、2024年7月現在では日本で利用できません。
トレンド情報をチェックできる(日本版は未実装)
トレンド情報をチェックできる機能が追加されました。トレンドは、話題のトピックとして、検索タブなどで表示されます。
ただし、本機能はアメリカ版で実装されましたが、2024年7月現在、日本版においては未実装の状態です。
インセンティブを受け取れる(日本版は未実装)
スレッドの閲覧数や投稿数に応じて、クリエイターにインセンティブ報酬を付与するプログラムを導入しました。ただし、2024年7月現在では、日本版に導入されていません。
Threadsの始め方
Threadsを始めるためには、まずは、アカウントを取得することになります。次のフローでアカウントを取得してください。
パソコンならば、WEB版のThreadsにアクセスします。一方、モバイルならばiOS、AndroidのストアでThreadsアプリをダウンロードします。下記では、パソコンを例にして始め方を解説しています。
- Threadsにアクセスする
- 「ログイン」をクリックする
- 「Instagramでログイン」をクリックする
- Instagramにログインする
- 「Instagramからインポート」をクリックする
- 「次へ」をクリックする
- プライバシー設定を確認して「次へ」をクリックする
- フォローしたいユーザーを確認のうえで、画面右上の「次へ」をクリックする
- Threadsのしくみの説明文を読んだうえで、「Threadsに参加する」をクリックする
スレッドを見るだけならログイン不要
スレッドを見ることだけが目的であれば、ログインせずとも閲覧が可能です。ただし、投稿はもちろん、ユーザー検索などの一部機能を利用できません。
Threadsの操作方法
Threadsのツールは、パソコンでも扱えるWEB版、モバイル用アプリケーションの2つの種類があります。それぞれの機能は、概ね同じですが、一部異なる箇所がありますので注意してください。
- WEB版の操作方法
- モバイル向けアプリの操作方法
WEB版の操作方法
合番 | 解説 |
---|---|
① | ホーム画面に移動する。ホーム画面には、「おすすめ」「フォロー中」「いいね済み」「保存済み」のなかから任意のスレッドを表示できる |
② | 検索画面に移動する。キーワード検索やユーザー名検索できる |
③ | アクティビティ画面に移動する。フォロー、返信、メンションなどのアクティビティを確認できる |
④ | プロフィール画面に移動する。プロフィールを編集できる。また、自身の投稿履歴を確認できる |
⑤ | 表示中のコンテンツをピン留めできる。ピン留めしたコンテンツは、TweetDeckのようにカラムとして表示される。WEB版限定の機能 |
⑥ | 設定の変更やログアウトする |
⑦ | 投稿画面に移動する。新規スレッドを投稿できる |
モバイル向けアプリの操作方法
合番 | 解説 |
---|---|
① | ホーム画面に移動する。ホーム画面のときにタップすると、「おすすめ」「フォロー中」を変更するタブが表示される |
② | 検索画面に移動する。キーワード検索やユーザー名検索できる |
③ | 投稿画面に移動する。新規スレッドを投稿できる |
④ | アクティビティ画面に移動する。フォロー、返信、メンションなどのアクティビティを確認できる |
⑤ | プロフィール画面に移動する。プロフィールを編集できる。また、自身の投稿履歴を確認できる。設定は、この画面から変更できる |
Threadsの使い方
Threadsの基本的な使い方をご紹介します。
- スレッド投稿の手順
- アンケートをとる手順
- マルチカラムインターフェイスを使う手順
- アカウントを切り替える手順
- Threadsのアカウントを削除する手順
スレッド投稿の手順
Threadsでスレッド投稿する際は、次のような手順で作業します。
- 画面右下のアイコン(アプリならばメニューの中央アイコン)をクリックする
- 投稿内容を記入のうえ、「投稿」をクリックする
投稿内容には、トピックのタグやメンションを含めることができます。前者は「#」からはじまる単語を入力することで、Xでいうところのハッシュタグの役割を持たせることができます。後者は「@」からはじまるユーザー名を入力すると、該当のユーザーとスレッドを通じてコミュニケーションをとれます。
アンケートをとる手順
Threadsでアンケートをとる手順は、次のとおりです。
- 画面右下のアイコン(アプリならばメニューの中央アイコン)をクリックする
- 投稿メニューの右端「アンケートを追加する」をクリックする
- 投稿内容に設問を記入し、選択式の回答文を設定したうえで、「投稿」をクリックする
マルチカラムインターフェイスを使う手順【WEBのみ】
マルチカラムインターフェイスは、次の手順で利用できます。本機能は、WEB版のThreadsのみのものです。
- WEB版のメニューのピンアイコンをクリックする
- ホームに固定するコンテンツを選択する
アカウントを切り替える手順【アプリのみ】
アカウントを切り替えるときは、下記の手順で操作します。この機能は、モバイルアプリ限定のものです。
- モバイルアプリのメニューの右端「プロフィールアイコン」をタップする
- 画面右上端のアイコンをタップする
- 「プロフィールを切り替える」をタップする
- 任意のアカウントをタップする
Threadsのアカウントを削除する手順
Threadsにログインするためには、Instagramのアカウントを使用しています。厳密にいうと、Threadsにアカウントの概念がありません。そのため、Threadsのアカウントを削除する方法はありません。Threadsを辞めるときは、ログアウトする、またはアプリをアンインストールすることになります。
- メニューの最下のアイコン(アプリならばメニューの右端アイコン→右上端のアイコンに移動)をクリックする
- 「ログアウト」をクリックする
Threadsのよくある質問
Threadsに関する、よくある質問をまとめています。
Q:Threadsの読み方は?
Answer)「スレッズ」と読みます。
Q:Threadsとは、どのような意味ですか?
Answer)Threadsという名称の由来は、WEBサイトの掲示板などで用いられる「スレッド」の複数形が語源となっています。
Q:なぜ、Threadsではユーザー獲得数が失速したのですか?
Answer)Threadsは、2023年7月にリリースされましたが、当初はSNSとしての機能が乏しかったためです。ユーザーとしては、Meta社の新たなSNSサービスだけに、Xの代わりに利用できる存在と期待されていました。しかし、リリース後に機能の乏しさから不便性を感じたユーザーが多く、その話題性とともに、多くの離脱者が発生しました。
Q:Threadsのアカウントを削除すると、インスタのアカウントも消えますか?
Answer)Threadsのログインには、Instagramのアカウントが使われています。そもそも、Threads独自のアカウントがありません。そのため、Threadsのアカウントを削除するといったことが起こりえません。誤った操作で、Instagramのアカウントを削除しないように注意してください。
Q: Threadsには、足跡機能がありますか?
Answer)Threadsには、足跡に代表されるような、訪問者や閲覧者の履歴が残る機能はありません。ただし、「いいね」や拡散といったアクションを起こすと、アクティビティ画面に履歴が残ります。
まとめ