SNSでキャンペーンを実施する手順は?実施する目的やおすすめのSNS
SNSでキャンペーンを実施している企業は多く存在しますが、それによって得られるメリットや具体的な手順がわからない方も多いでしょう。SNSのキャンペーンとSEO対策を組み合わせればよりWEB集客でのセッション数を増やすことができます。
SNSキャンペーンを実施する目的
SNSでキャンペーンを実施する目的は、おもに次のとおりです。
目的1: フォロワーを獲得する
SNSでキャンペーンを実施することで、フォロワーの獲得につながります。たとえばキャンペーン応募の条件に「このアカウントのフォロワー」と設定すれば、応募者全員がフォロワーになります。
つまりキャンペーンを打つこと自体が、フォロワー獲得に大きく貢献するのです。その後も企業アカウントが継続的にキャンペーンやコンテンツを投稿すれば、フォロワーは将来の顧客となる可能性も十分に高くなります。
そのためフォロワー獲得を目的に、SNSでキャンペーンを展開するのもおすすめです。
目的2: 認知を拡大する
先ほどの「フォロワー獲得」と似ていますが、SNSでキャンペーンを打つことは、自社の認知拡大につながります。なぜならキャンペーン情報に「リツイート」を条件にすれば、フォロワー外にも投稿内容が表示されるからです。
たとえば20歳以上の方に向けて情報を届ける、大手コンビニエンスストア「ファミリーマート」の企業アカウント「おとなファミマ」では、次のようなキャンペーンを打っています。
※Twitterの投稿
上記の投稿では、キャンペーンに応募するにあたって「アカウントのフォロー」および「投稿のリツイート」を条件にしています。実際にこちらの投稿では、2021年12月10日時点で約1.8万件のリツイートがあります。
つまりこちら1件の投稿だけで、約1万8千人のユーザーに「おとなファミマ」のアカウントが表示されるのです。このようにSNSの拡散力を活かして自社の認知を拡大できるのが、SNSキャンペーンの大きな魅力です。
目的3: SNSからの販路を獲得する
SNSでキャンペーンを打って商品の情報が拡散すれば、プロモーション以外でも購入してくれる機会が出てきます。商品が魅力的に見えるようにキャンペーンを打てば、ユーザーはその製品に対して「買って試してみようかな」という心理が働くからです。
つまりSNSキャンペーンが、往々にして新たな販路の獲得につながるのです。SNS運用に力を入れようとしている企業は、少なからずWebからの販促を獲得したいと考えているでしょう。
フォロワーをある程度獲得できている状態でキャンペーン情報を提供できれば、投稿も拡散されやすいので、認知も拡大していきます。キャンペーン応募以外で商品を購入してくれるようになれば、SNSからの販路は獲得できているといえます。
目的4: 競合と差別化する
さきほど、SNSでキャンペーンを打つことで、その商品が気になったユーザーがプロモーション外でも購入してくれる「SNSからの販路」を獲得できるとお伝えしました。このSNSからの販路を獲得できれば、競合会社との差別化につながります。
現代では、SNSの情報をきっかけに商品を購入するユーザーが増えています。アライドアーキテクツ株式会社の調査によると「SNSの情報をきっかけや参考に、初めて利用するお店に実際に足を運んだことがありますか?」というアンケートに対し、各SNSユーザーの4割以上が「はい」と回答しました。
つまりSNSからの販路を獲得できれば、運用していない競合会社に対して差別化できます。現代でよく使われるSNSでキャンペーン情報に力を入れることは、フォロワーの獲得につながり、それが往々にして競合会社との差別化につながるのです。
関連記事: SNSマーケティングの特徴とは?メリット・デメリットや手法を解説
SNSキャンペーンを実施する手順
SNSキャンペーンを実施する具体的な手順について紹介します。
1: キャンペーンの目標を設計する
SNSでキャンペーンを打つために、まずは目標を設計しましょう。目標があやふやだと、ただ広告費を投下するのみで成果を得られない可能性が高いからです。
SNSでキャンペーンを打つ際は「KGI」と「KPI」の2つを設定しましょう。1つめのKGIとは「重要目標達成指標」です。KGIでは「SNSのキャンペーンによって何を得たい、獲得したいのか」を明らかにしましょう。
SNSでキャンペーンを打つ際のKGI設定については、次のような例を参考にしましょう。
<SNSでキャンペーンを打つ際のKGI設定例>
- 認知度の向上
- フォロワーを獲得する
- 自社サイトのアクセス向上
- 実店舗への来店動機をつくる など
上記のようなKGIを設定したあとに設定するのがKPI(重要業績評価指標)です。KPIによって具体的な数値を決めて、目標を明確にします。上記のKGIと連動させながら、具体的な目標数値を決めていきましょう。
<SNSでキャンペーンを打つ際のKGI設定例>
- 月間インプレッション数〇〇
- 〇〇人のフォロワーを獲得する
- 自社サイトのPVを〇〇数増加
- 実店舗の来店客数〇〇数増加 など
このようにKGIとKPIを設定して「何のためにSNSでキャンペーンを打つのか」を明らかにしましょう。
2: キャンペーンの形式を決める
KGIとKPIを設定できれば、次はキャンペーン形式を決めます。一口にキャンペーンと言っても、その種類はさまざまです。そこで、おもなSNSキャンペーンのタイプを紹介します。
<SNSキャンペーンの種類>
SNSキャンペーンの種類 | 内容 |
ハッシュタグキャンペーン | 指定のハッシュタグをつけてユーザーに投稿してもらうことで、キャンペーンに応募してもらう方法。認知拡大およびブランド力向上に向いている。主にInstagramで実施されることが多いキャンペーン。 |
フォロー&リツイートキャンペーン | フォローやリツイートを条件にして応募してもらうキャンペーン。フォロワー獲得や認知拡大に向いている。おもにTwitterで実施されることが多いキャンペーン。 |
インフルエンサーPR | 多くのフォロワーをもち影響力の強い「インフルエンサー」に依頼し、自社製品を紹介してもらう方法。自社製品のターゲットとインフルエンサーのフォロワー属性が一致していれば、大きな集客効果を見込める。InstagramやTikTokで実施されることが多いキャンペーン |
1で設定したKGIとKPIによって、実施すべきSNSキャンペーンの種類は異なります。たとえば「フォロワー数を3ヶ月で5,000人獲得」をKPIに設定しているならば、フォロワーを獲得しやすい「フォロー&リツイートキャンペーン」がおすすめです。
このように自社の目標に応じて、実施するSNSキャンペーンの種類を見極めることが大切です。
3: キャンペーンを実施する媒体を決める
2で「SNSキャンペーンのタイプ」を決めれば、次は実施する媒体を決めます。ただし、SNSでキャンペーン情報を投稿すること自体は基本無料なので、どれか1つに絞る必要はないでしょう。
一方で各SNSの特徴は理解しておく必要はあります。
4: キャンペーンを投稿する
投稿する媒体決めれば、次はいよいよキャンペーンをSNSに投稿します。
キャンペーンを投稿する際は、文字だけでなく画像や動画も組み合わせるのがおすすめです。なぜなら画像や動画があったほうが、エンゲージメント率(SNSで投稿をみたユーザーのうち、積極的に反応した数)が上昇するからです。
またキャンペーンを投稿する際は、細心の注意を払うようにしましょう。誤字脱字や差別的な発言などがないように、社内で多重チェックできる体制を整えておくのがおすすめです。
たとえば担当者が投稿内容を決めれば、責任者が最終チェックし問題がなければ投稿する、といった具合です。逆に1人だけに投稿を任せてしまうと、誤字脱字があったり、意図せず誰かを誹謗中傷していたりするケースがあります。
SNSは現代に必須のマーケティング手法ですが、炎上によって信用を毀損するリスクも考慮しなければいけません。キャンペーンを投稿する際も、内容を精査できる体制をつくることをおすすめします。
5: 効果を測定する
キャンペーンを投稿すれば、それで終わりではありません。効果を測定し、ユーザーの反応を見ます。たとえばTwitterではTwitterアナリティクス、InstagramならInstagramインサイトなどで投稿に関する数値を確認できます。
効果測定では、次のような指標を確認します。
<SNSの効果測定で確認する指標(一例)>
インプレッション数 | 広告が表示された回数 |
クリック数 | 投稿をクリックした回数 |
コンバージョン数 | SNSの投稿経由で商品購入にいたった数 |
SNSによって見るべき数値は異なりますが、上記のような数値は社内で記録し、次の投稿でより目標を達成できるように改善していきましょう
キャンペーンに向いているSNS
キャンペーン情報を投稿に向いている、おすすめのSNSを3つ紹介します。
Twitterとは、日々のつぶやきを140文字以内で投稿できるSNSです。拡散性の高さが特徴で「リツイート」と呼ばれる機能で、他ユーザーの投稿を自アカウントで再び投稿しなおせる機能です。
拡散性が高いため「フォロー&リツイートキャンペーン」に向いているSNSです。
<Twitterのメリット>
- リツイートやハッシュタグによって、キャンペーン情報やコンテンツを拡散しやすい
- SNSのなかでも、もっともフォロワーを獲得しやすい
反面、拡散性が高いのでもっとも炎上しやすいSNSの1つです。そのため先ほど述べたとおり、炎上しないように複数人でチェックする体制をつくることが重要です。
<Twitterのデメリット>
- 拡散性が高いので、もっとも炎上しやすいSNS
- 匿名でアカウント作成が可能で、攻撃的なアカウントも多い
拡散性の高さを活かして、フォロワー獲得や認知拡大に向いているSNSです。
LINE
国内最大のコミュニケーションアプリ「LINE」。個人として利用できるほか、企業アカウントは「公式アカウント」として、キャンペーン情報をユーザーに届けられます。
公式アカウントのメリットは、何といっても国内ユーザー数の多さです。現在国内でメッセージを取る方の多くはLINEを利用しており、国内のLINEを利用するユーザーにアプローチできます。またキャンペーン情報に対してユーザーの抵抗感が少ないのも、LINE公式アカウントならではの魅力です。
また、メッセージ開封率の高さもLINE公式アカウントのメリットです。メルマガと違い、トーク画面に流れてきたキャンペーン情報に、ユーザーは一度開くことが多いのです。メッセージを開くまでの障壁が少ないので、ユーザーにも閲覧しやすいのが魅力です。
<LINE公式アカウントのメリット>
- もっとも多くの国内ユーザーが利用しているメッセージアプリ
- メッセージの開封率や到達率が高い
- 1対1で顧客サポートができる
一方でLINEは、公式アカウントを簡単にブロックできるのが難点です。相手が求める情報を提供できていなかったり、あまりにもキャンペーンの配信頻度が高いとブロックされたりする可能性があります。ユーザーの心理状況を読み解くことも、LINE公式アカウントでは重要になります。
<LINE公式アカウントのデメリット>
- 簡単にブロックされる
- そもそも友達登録してもらわないと配信できない
- 60代以上のユーザーの訴求には適していない
キャンペーン投稿に対する反応が悪いときは、LINE公式アカウントを検討してみるとよいでしょう。
Instagramとは、画像や動画の投稿に特化したSNSです。ハッシュタグをつけてユーザーに投稿してもらうことでキャンペーンに応募できる「ハッシュタグキャンペーン」にもっとも向いているSNSです。
Instagramの特徴として「商品・サービスをハッシュタグ検索している人が多い」ということが挙げられます。「#〇〇」と検索するとで、ほかのユーザーが投稿している商品・サービスの写真・動画が表示されます。
つまりハッシュタグキャンペーンで多くのユーザーに商品に関する投稿をしてもらえれば、それがハッシュタグ検索の対策になるのです。
<Instagramのメリット>
- 写真や動画で訴求しやすい業界に適している(旅行や不動産など)
- ハッシュタグ検索を対策することで、顧客の購買を促進できる
- 写真・動画を投稿するSNSなので炎上しにくい
一方でInstagramは、Twitterほど拡散性はないのがデメリットです。
<Instagramのデメリット>
- 文字コンテンツで訴求しにくい
- 写真加工をすることが多く、運用の手間がかかる
- 拡散性が低いので、フォロワー獲得には投稿継続が必須
フォロワー獲得もTwitterに比べると難しいため、ハッシュタグ検索の対策に焦点を当ててキャンペーンを打つのもよいでしょう。直接の来店動機につなげるには、Instagramが向いています。
またInstagramは、文字で投稿されている部分が表示されにくいので、文字コンテンツで訴求するには向いていないSNSです。基本は画像・動画のみで訴求できるように、場合によってはプロのカメラマンを雇うなどして魅力的な画像を掲載するように意識しましょう。
まとめ