SNS広告の種類と運用時の注意点からポイントまで徹底解説
インターネットやスマートフォンの普及により、SNSは私達の生活の一部になっています。そこで注目を集めているのが、SNS広告です。これほどまで普及したSNSは、企業にとっても無視できない存在となりWeb集客を行う上で欠かせないものとなってきています。
SNS広告とは
SNS広告とは、TwitterやInstagram、FacebookなどのSNSプラットフォーム上に広告を配信することを指します。スマートフォンが普及したことにより、SNSがより身近な存在となり、検索エンジン上に出稿するリスティング広告と同じようにSNS上に広告を出稿するSNS広告が注目され始めました。
SNS広告の仕組み
SNS広告は、タイムラインやストーリーズ、おすすめアカウントに表示されるなど種類はさまざまですが、主に表示された回数やユーザーがクリックした回数に応じて費用が発生する仕組みになっています。出稿時には費用がかからないため、手軽に始められるという特徴があります。
また、SNS内に登録されているユーザーのデータに基づいて表示されるような仕組みになっているため、より自社のターゲット層に絞ってアプローチすることが可能です。
検索エンジンを活用したリスティング広告では、特定のキーワードで検索するニーズが顕在化しているユーザーに対してアプローチするものですが、SNS広告の場合は検索をしていない潜在層に対してアプローチすることができるのも特徴の一つです。
SNS広告のメリット
今ではSNSを活用した広告配信も集客を行う上で欠かせないものとなっていますが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
正確なターゲティング可能
SNSを利用時には、年齢や性別、住んでいるエリアなどを登録する必要があります。そのため、SNSには各ユーザーの詳細データが蓄積されており、広告出稿時にこのデータを活用することができるのです。
このようなデータを活用することで、より正確なターゲティングが可能となります。たとえば、年齢別やエリア別といったように自社のターゲット層に細かく絞ったアプローチができます。
また、登録されているデータだけではなくユーザーのSNS内の行動に基づいたターゲティングを行うこともできるため、よりコンバージョン獲得率を高めることができるのです。
拡散されやすいため幅広いユーザーにリーチできる
SNSではシェアやいいねなど、さまざまな機能がありユーザー同士のコミュニケーションが生まれやすという特徴があります。そのため、検索エンジンのコンテンツよりも拡散性があるというメリットがあります。
一人のユーザーがシェアするだけで多くの人に拡散されるため、場合によっては広告配信で想定していた以上の数にリーチすることも十分可能です。
自社がターゲットとするユーザーがシェアをすることで、潜在層にもリーチすることができブランド認知拡大にも繋がります。
タイムラインになじむため受け入れられやすい
SNS広告はタイムライン上に自然な形で表示されるため、広告特有のプッシュ感をあまり感じさせないのもメリットの一つです。
これまでの広告は、嫌悪感を抱かれることが多く一方的なコミュニケーションとなっていましたが、SNS広告はタイムラインになじむため受け入れられやすい傾向にあります。
また、アプローチ手法が比較的に自由なため、ユーザーに刺さる内容やクリエイティブであればユーザーが反応してくれるという、双方感のコミュニケーションになりやすいのも特徴です。
費用対効果が高い
SNS広告ではクリックやエンゲージメント数など、ユーザーのアクションに応じて費用が発生します。そのため、リスティング広告同様に、広告出稿時には一切費用がかかりません。
また、少額で出稿できるため企業の大小問わずに取り組みやすいのが特徴です。1日の出稿費用の上限を決めておくこともできるため、アクション数が広告予算を大きくオーバーするといったことを防ぐことができます。
このように、SNS広告は手軽に始められる上に費用対効果が高い広告と言えます。
SNS広告の種類と特徴
SNS広告にはさまざまな種類がありますが、ここでは主に6つのSNS広告について詳しく解説していきます。
Twitter広告
短文投稿型のTwitterは、ユーザー同士のコミュニケーションが活発で、比較的若年層の利用者が多いSNSです。
Twitter広告で、はターゲット設定が豊富なためよりターゲットを絞ってアプローチすることができます。たとえば、特定のアカウントをフォローしているユーザーや、Twitter内検索のキーワード、使用端末や年齢などさまざまなターゲット設定を行うことができます。
Twitterで表示される広告には主に次の3つがあります。
- プロモツイート
- プロモトレンド
- プロモアカウント
どれもTwitterのフィードやキーワード検索の結果にとけこむため、自然に表示されるというメリットがあります。
Facebook広告
Facebookは、30代以上のビジネス層の利用が多いSNSです。また、実名登録制のため登録されているデータが正確で、より信憑性が高いというメリットがあります。
Facebook広告では、他のSNS広告に比べ広告フォーマットが豊富で12種類ありますが、例として次のようなフォーマットが用意されています。
- 動画フィード
- ストーリーズ
- ニュースフィード
- 検索結果
- 画面右側の広告枠
また、Facebook広告の最大のメリットが細かなターゲット設定を行えるという点です。ユーザーが登録した情報以外にも、Facebook内のユーザー行動に基づいたターゲティングを行うことができます。
Instagram広告
Instagramは、画像投稿型の若年層に多く利用されているSNSの一つです。写真の投稿がメインとなるため、視覚的に訴求することができます。
また、女性の利用者が多いことから女性向けの商品やサービスと相性が良いのも特徴の一つです。
InstagramはFacebookの子会社が運営しているため、広告出稿もFacebook広告の管理画面から行います。そのため、Facebookに登録されているデータを活用することができ、Facebook同様精度の高いターゲティングを行うことができるのです。
LINE広告
日本では多くの人がコミュニケーション手段としてLINEを利用しています。そのため、TwitterやInstagramなどを利用していない年齢の高いユーザー層にも幅広くリーチできるというメリットがあります。
LINE広告では、主に次の箇所に広告表示されます。
- トーク画面
- LINEニュースの広告枠
- タイムライン
他のSNSに比べ拡散性はありませんが、アクティブになっている確率が高いため確実にユーザーにリーチすることができます。また、企業のLINE公式アカウントに誘導させることで、直接ユーザーとコミュニケーションが取れるというメリットもあります。
YouTube広告
YouTubeで広告が表示された経験のある人がほとんどだと思いますが、YouTube広告ではターゲティングしたユーザーに対して動画でアプローチすることができます。
YouTube広告には、主に次の6種類のフォーマットがあります。
- インストリーム広告(スキップ可)
- インストリーム広告(スキップ不可)
- ディスカバリー広告
- バンパー広告
- アウトストリーム広告
- マウスヘッド広告
Google広告の細かなターゲット設定を活用することができるため、年齢別や収入別など細かく絞り効果的に広告配信をすることができます。
TikTok広告
Tik Tokは近年急速に普及し始めているSNSで、10代から20代の若年層を中心に利用されています。Tik Tokには「Stamp」や「Challenge」といった広告メニューがあり、広告を届けるだけでなくユーザーを巻き込みTikTok上にユーザー投稿を生みだすことができる点が大きな特徴です。
Tik Tok広告では、主に次の3箇所に表示させることができます。
- アプリ起動時画面広告
- チャレンジ広告
- インフィード広告
利用者のほとんどである若年層はSNSの利用時間が長いため、より多くのユーザーにアプローチすることができるというメリットがあります。
SNS広告を活用する際の注意点
ここまでSNS広告のメリットや種類について解説してきましたが、SNSを活用する際には注意しなければいけない点もあります。そのため、運用前にしっかりとSNS広告の注意点を把握しておくことが重要です。
炎上のリスクがある
SNSは拡散性があるという特徴がありますが、炎上しやすいとも言い換えることができます。多くの人にリーチすることができる分、多くの捉え方をされることになります。
そのため、配信した広告が企業の意図とは異なる捉え方をされてしまうと、炎上する可能性もあります。特に、人種や宗教といったセンシティブな内容には注意する必要があります。
このように、SNS運用担当者は配信する広告をユーザーがどのように捉え、感じるのかを常に考える必要があります。
運用にはノウハウとリソースが必要
SNSの運用は誰でも簡単に始めることができるため、専門的な知識は必要としません。しかし、SNS広告の運用にはある程度ノウハウが必要となります。
特に視覚的にアプローチできるSNSではクリエイティブが重要となるため、クリエイティブの作成や効果検証など頻繁にユーザーの反応を確認する必要があります。
そのため、SNS広告運用には一定の工数がかかりその分のリソースも確保しなければいけません。
広告のクリエイティブが大きく影響する
前述したようにSNSは視覚的にアプローチすることができるため、広告のクリエイティブが広告効果に大きく影響します。
ユーザーに伝えたいメッセージを簡潔に記載し、「見せる」ことが重要です。そのため、なんとなく作った広告では効果を発揮することができないため、広告クリエイティブは工夫する必要があります。
社内リソースでクリエイティブ作成をできる人がいない場合には、外部に依頼するなどして一定の効果を出せるようなクリエイティブで広告出稿しましょう。
SNS広告で効果を出すためのポイント
SNS広告を活用した集客を成功させるには、主に次の2つの観点を意識して運用することが重要です。事前にポイントを抑えておくこおとで、より効果的に運用することができるようになります。
SNS広告を運用する際には、次の3つのポイントを意識することが重要です。
適切なターゲット設定
SNS広告は、登録されているユーザー情報やユーザー行動に基づいた細かなターゲティングを行えるというメリットがありますが、そもそも適切なターゲット設定ができていなければ効果を出すことができません。
精度の高いターゲティングが行えるという点を最大限に生かせるように、広告配信を行いたいユーザー像をしっかりと描くことが重要です。
自社がターゲットとするユーザー像を明確にし、そのユーザー像に合わせて各SNSでターゲット設定を行うことで、より効果を高めることができます。
自社にあった出稿先を選定
各SNSで特徴やユーザー層が異なるため、自社にあった出稿先を選定することが重要です。自社がターゲットとするユーザー像を明確にできていれば、各SNSとの相性もある程度把握することができます。
また、SNSごとにターゲット設定や機能も異なるため自社が絞り込みたいターゲット層にアプローチできるかという観点で自社にあったものを選定する必要があります。
SNSによって広告表示のさせ方も異なるため、クリエイティブの作り方も変わってくるでしょう。
PDCAサイクルを回す
SNS広告は、さまざまな広告フォーマットやターゲット設定ができるなど、アプローチ手法がさまざまなため、その中で勝ちパターンを見つけることが重要となります。
そのため、常にPDCAサイクルを回すことが重要です。「クリエイティブ」「ターゲット」「配信面」といった、複数の要素を掛け合わせながら勝ちパターンを探していく必要があります。
SNS広告で効果を発揮するためには、常にPDCAを回しながら効果検証していくことがポイントとなります。
クリエイティブ制作のポイント
SNS広告では、ユーザーに「見せる」必要があります。そのため、クリエイティブ制作を工夫することが重要です。
テキスト量や文言を工夫する
SNS広告は、タイムライン上に自然な形で表示されるためユーザーに見てもらえる時間は限られています。
そのため、ユーザーの目を引くクリエイティブである必要がありますが、テキスト量が多いとユーザーの目に止まりづらく伝えたい情報を届けることができません。
また、テキスト量だけではなく文言も工夫することが重要です。ユーザーに訴えかける文言や、興味を示してくれる文言など工夫しながら効果検証を行っていくと良いでしょう。
複数のクリエイティブを用意しておく
SNS広告を出稿する際には、PDCAを効率的に回せるように複数のクリエイティブを用意しておくと良いでしょう。効果が見られなかった場合には、すぐにクリエイティブを差し替えて運用していくことが重要です。
また、同時に何パターンか運用するという方法もあります。さまざまな運用方法や効果検証方法に対応するためには、予めクリエイティブを複数用意しておくことが大切です。
各プラットフォームに合わせる
プラットフォームごとに表示のされ方や広告のサイズが異なります。そのため、出稿するSNSやプラットフォームに合わせてクリエイティブを作成することが重要です。
Instagramを想定して作成したクリエイティブでも、Facebookではテキストが切れて表示されてしまうなどと見え方が変わってしまう場合もあります。
各プラットフォームに合わせて、テキストやロゴの配置等を工夫してみると良いでしょう。