Pinterestの発表によれば、2024年7月時点で月間アクティブユーザー数（MAU）は前年同期比で11%増加し、5億3,700万人に達したとのことです。この成長は、日本を含む世界中で利用が拡大している証といえます。特に、日本ではPinterest利用者の6割以上が商品購入意欲を持っているとされ、購買行動にも大きな影響を与えています。

美容、インテリア、旅行、ファッションなど、視覚的な影響が強い業界だけでなく、コンサルティングや教育業界などでもPinterestの活用が広がっています。そこで本記事では、Pinterestの基本的な使い方や他のSNSとの違い、さらにビジネスでの活用方法についてわかりやすく解説します。特にマーケティングでの利用を検討しているなら、ぜひこの記事を参考にして、早速取り組んでください。

Pinterestの概要

Pinterestはユーザーが画像や動画を共有し、興味のあるものを発見するためのソーシャルメディアです。 ユーザーは「ピン」と呼ばれる画像や動画を閲覧したり、自身の「ボード」に保存できます。ボードとは、平たくいうとフォルダーのようなものです。

Pinterestに投稿される画像や動画は、レシピやインテリア、ファッション、旅行風景などのジャンルが多いですが、テーマは多岐にわたります。他のソーシャルメディアとは異なり、画像の検索エンジンとして利用されることも多く、アイデアを探しているクリエイターに人気があります。

Pinterestと他のソーシャルメディアとの違い

Pinterestは、交流を重視する他のソーシャルメディアとは異なり、自身がアイデアやインスピレーションをえることに特化したプラットフォームです。視覚的な要素が強いソーシャルメディアですが、代表的な特徴や違いをとりあげ解説します。

視覚情報を重視

テキストが中心のXやFacebookとは異なり、画像を中心とした視覚情報を重視しています。また、他のソーシャルメディアが、人と人をつなぐことに焦点をあてているのに対し、Pinterestは自身がアイデアをえてコンテンツ作成の着想をえたり、新しい商品との出会いを楽しむ場として利用されています。

画像検索エンジンとしての役割

ソーシャルメディアであると同時に、画像検索エンジンとしての役割も持っています。ユーザーは、検索窓にキーワードを入力することで、関連する画像・動画を検索することができます。例えば「外国人＋おしゃれ」と検索すると、コーディネートしたさまざまな外国人の画像が検索結果に表示されます。

また、 スマートフォンに専用アプリをインストールすれば「Pinterest Lens」と呼ばれる機能を使うことができ、撮影した画像データをもとに、Pinterestで類似のコンテンツを検索することができます。

購買意欲の高いユーザー

Pinterestのユーザーは、他のソーシャルメディアと比較して、購買意欲が高いといわれています。実際、2022年9月におこなわれたPinterestの調査によると5人中3人がショッピング目的で利用していると報告されています。

これは、Pinterestがショッピング機能に力を入れていること、また、ユーザーが自分のフィーリングに合う新しいアイデア・イメージ・商品を探すために使うという独自の特性が影響していると考えられます。

参考ページ:オーディエンスインサイトを使い、理想なユーザーとつながる – Pinterest Business

Pinterestを始めるメリット

新しいアイデアとの出会いやトラフィック増加、ブランド認知向上など、Pinterestにはさまざまなメリットがあります。そこで、クリエイターやWEBマーケターにとって有益な点を取りあげ詳しく解説します。

インスピレーションの発見

クリエイターにとって、インスピレーションの発見ができることは、大きな魅力です。Pinterestには、家具や装飾、ファッション、アイコンなど、あらゆるテーマのアイデアが視覚的にまとめられています。ユーザーは自分の興味関心に合わせて多様なピンに触れ、最新トレンドを知ったり、コンテンツ制作のヒントをえられます。クリエイターにとって、Pinterestはオンライン上の巨大なアイデア帳のようなものといえます。

画像のブックマークとして活用できる

専用アプリを導入すれば、インターネットにあるさまざまな画像を保存するブックマークとしても機能します。例えば、デザイナーがWEBサイトを閲覧しているとき、気になる画像やフォントのデザインなどを見つけたら、それらを「ピン」して自身のボードに保存できます。その後、自身がデザインに取り組む際、保存した画像を確認しながら、アイデアを膨らませることができます。

新聞や雑誌の記事、イラスト、メモなどを切り抜いて、ノートやアルバムに貼り付けてまとめたものをスクラップブックといいますが、Pinterestはそれをオンライン上で手軽に実現できます。

ブランド認知向上

Pinterestのアカウントを取得し、ピンを投稿すればブランドの認知向上がおこなえます。例えば、自社がインテリアを扱う企業なら、商品画像を撮影しそのまま投稿することで、商品やサービスを効果的にアピールできます。

投稿したピンが他のユーザーに気に入られると、リピンされます。リピンされるとその画像が拡散され、より多くのユーザーにリーチすることができます。このようにPinterestは、視覚的な訴求力を通じてブランドイメージを構築するのに役立ちます。

参考ページ:ブランドコミュニケーションとは？成功させるポイントを徹底解説！

WEBサイトへのトラフィック向上

WEBサイトへのトラフィック向上にも役立ちます。アカウント取得後、ピンを投稿する際、そのピンにWEBサイトのリンクを張ることができます。 ユーザーが興味を持ったピンをクリックすると、画像と同時に「サイトにアクセス」というボタンが表示されるため、興味を持ったユーザーがWEBサイトに遷移します。Pinterestユーザーは購買意欲も高いため、自社WEBサイトにとって有益な顧客となりえます。

参考ページ:トラフィックとは？トラフィックの種類と増やす方法をわかりやすく解説

Instagramとの連携

Instagramのアカウントを取得して画像を投稿しているなら、Pinterestと連携することで、コンテンツを共有することができます。アカウントを連携することで、1つのコンテンツをより多くのユーザーに届けることができ、それぞれのプラットフォームのフォロワーを効率的に増やすことができます。

Pinterestの使い方

Pinterestは、アイデアを保存したり共有するだけでなく、ビジネス活用にも役立つ便利なプラットフォームです。そこで、アカウント作成からピンの公開まで、初心者でも簡単に始められる使い方を詳しく解説します。

Step1.ログイン

アカウントを作成したら、メールアドレスとパスワードを入力してログインします。あるいは、Facebook、X、Googleアカウントを使うこともできます。ログインすることで、画像の投稿、共有、保存などもおこなえます。

Step2.画像を投稿

画面左側のハンバーガーメニューを選択すると、さまざまな選択肢が表示されます。この中から、「オーガニック > ピンを作成する」を押してください。すると、投稿画面に遷移します。

遷移先の画面では最初に画像を投稿しなければいけません。投稿する画像の推奨のアスペクト比は、2:3または1,000 x 1,500ピクセルです。Canvaなどの画像編集ソフトを利用している場合は、Pinterest専用のテンプレートを利用すれば、サイズを変更することなくそのまま投稿できます。

参考ページ:Canva（キャンバ）とは？基本的な機能と使い方を解説

Step3.ピン情報を設定

画像や動画をアップロードする際には「ピン情報の設定」をします。この設定では、ピンのタイトルや説明文、リンク先情報などを記述します。タイトルを作成する際には、ユーザーが検索する見込みのあるキーワードを入れるようにし、全体として魅力的なものにすることで、ユーザーの注目を引くことができます。

説明文には、タイトルに含めなかったキーワードを加え、ピンの詳細な内容が分かるようにします。ユーザーはこの説明文までは目にとまらないかも知れませんが、説明文はPinterest内の検索表示に関わります。

Step4.公開

ピンをアップロードし、必要な情報をすべて設定したら、最後に「公開」ボタンをクリックします。このボタンをクリックすることで、作成したピンが他のユーザーに表示されるようになり、自分のボードにも保存されます。また、予約投稿をすることも可能なため、ターゲットユーザがPinterestを利用する見込みの高い時間帯に公開されるよう設定しておくのも重要です。

ビジネスに役立つPinterestの機能

ピンの公開や共有といった基本機能に加え、Pinterestはマーケティングで活用できる機能も備えています。そこで、ブランド認知を高め、WEBサイトへのトラフィック増加に役立つものを取りあげ解説します。

アナリティクス

ビジネスアカウントを取得すれば、Pinterestアナリティクスと呼ばれる分析ツールを利用できます。このツールを使えば、自分のコンテンツのパフォーマンスを掴めます。具体的には、エンゲージメント、エンゲージメント率、インプレッション、保存率、ピンのクリック数、視聴回数などが挙げられます。どのピンがユーザーに支持されているかを把握しぜひ、今後の戦略立案に役立ててください。

広告機能

ビジネスアカウントでは、Pinterest広告を利用できます。通常のピンを投稿し、ユーザーからの反響も見込めそうと判明したら、広告の活用を検討してください。より多くのユーザーにリーチし、ビジネス目標の達成に役立てることができます。広告には、通常のピンを広告として配信する「スタンダード画像アド」、複数の画像をスライドショー形式で表示できる「カルーセルアド」、ユーザーがクリックして商品を直接購入できる「ショッピングアド」など、さまざまな種類があります。

これらの広告は、ユーザーの興味や行動に基づいてターゲティングできるので、無駄な広告費を削減しつつ、パフォーマンスを高めていくことができます。Pinterestはユーザーの購買意欲が高いプラットフォームなので、広告機能を有効に活用してください。
 

よくある質問（Q＆A）

ここでは、Pinterestに関するよくある質問をとりあげ解説します。アイデア探索に使うだけでなく、マーケティングでの活用も考えているなら、早速ご確認ください。
 

まとめ

Pinterestは、画像や動画の共有を可能にするだけでなく、強力なマーケティングツールとしても活用できるプラットフォームです。視覚的にインパクトのあるピンや、ユーザーに役立つコンテンツを意識することで、ブランド認知の向上やトラフィック増加につなげることができます。今回ご紹介した基本的な使い方から始め、このプラットフォームのユーザーが自社のターゲットとマッチしていると判断したら、ぜひ広告運用にも挑戦してください。継続して利用することで、ブランド認知向上やWEBサイトへのトラフィック増加まで、新しい集客チャネルとして育てることができます。

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