ブラックハットSEOとは?ホワイトハットSEOとの違いも交えて解説
ブラックハットSEOとは、ユーザーと検索エンジンを欺いて検索結果の上位表示を目指す手法です。
「SEOはGoogleの評価次第でやり方が変わる」
そう思っている人たちがいます。これは事実ではありますが、正確ではありません。
Googleの方針は昔から何も変わっておらず、ただアルゴリズムの精度が理想に追い付いていないだけというのが実態です。そのため、あまりSEOに詳しくない方はコアアップデートがあるたびに順位が下がってしまうと思いこんだりしてしまうこともありますが、王道のSEO対策を続け、事前に対策をしておけばそこまで大きな大打撃は受けないはずです。
今回はそんな、今では使えない(はずの)ブラックハットSEO対策についてのお話です。
ブラックハットSEOとは?
ブラックハットSEOとは、正しくないやり方で検索順位を上げようとする手法のこと全般を指します。スパム行為であったり、不正なコーディングをしたりすることですが、現在ではほとんどの手法が意味のない行為になっています。2010年ころまではブラックハットSEOが主流で(というよりも当時はそれが当たり前だったのでブラックハットだという認識すらなかった)、この手法でも検索順位は上がりました。
反対に、ホワイトハットSEOはGoogleが推奨する王道の手法です。現在では完全にこちらが主流となっています。
ブラックハットSEOとホワイトハットSEOの違い
ブラックハットSEOは、検索結果で上位表示させるためにユーザーや検索エンジンを欺いてでも施策を行いSEO上位表示を達成していく手法を言います。Googleのガイドラインに違反するとGoogleからペナルティを受けて圏外にサイトが飛ばされたりします。
一方、ホワイトハットSEOは、ユーザーファーストを一番に考え、Googleのガイドラインに沿ってSEO対策をしていく手法を言います。
ブラックハットSEOの手法一覧
ブラックハットSEOの手法は非常に多くあり、すべてを網羅して一覧にすることは難しいほどです。全部ではありませんが、Googleの手動による対策レポート|サーチコンソールヘルプにこれをやったらペナルティにする可能性があるとGoogleが明言しているものがありますので、まずはこちらをご紹介いたします。
- 第三者のスパムにより悪用されているサイト
- ユーザー生成スパム
- スパム行為のある無料ホスト
- 構造化データに関する問題
- サイトへの不自然なリンク
- サイトからの不自然なリンク
- 価値のない質の低いコンテンツ
- クローキング、不正なリダイレクト
- 悪質なスパム
- 画像のクローキング
- 隠しテキスト、キーワードの乱用
- AMP コンテンツの不一致
- 不正なモバイル リダイレクト
- ニュースと Discover のポリシー違反
第三者のスパムにより悪用されているサイト
これはブラックハットとは少し違います。スパムによりサイトが汚染・悪用され、勝手にページを追加されたり、追記されたりすることを指します。
ユーザー生成スパム
主にコメントなどの書き込みによるスパムです。自社への誘導するリンクなどを大量生成する行為はスパム行為ですが、他人のサイトのコメントを利用してバックリンクを増やそうとする手法はブラックハットです。
スパム行為のある無料ホスト
これはホスト(サーバー)にスパム行為があるサイトがある場合の話ですのでブラックハットとは少し違います。
構造化データに関する問題
構造化データはブラウザ上でユーザーには見えませんが、自社のサービスや商品の説明詳細を記載することができ、検索エンジンにサイトを正しく理解してもらうために利用します。しかし、サイトの内容と著しく相違があったり、特定の商品を紹介したりと事実と反することを意図して書くことはブラックハットになります。
サイトへの不自然なリンク
サイトにリンクを集めることで評価を高め、検索順位を上げることができます。しかし、不正にリンクを集めて検索順位を集めることはブラックハットです。紹介した記事には「リンク購入やリンクプログラムへの参加」と書いていますが不正なサテライトサイトなども含みます。現在では検索エンジンの精度も上がりましたので、ほとんどの場合で自然なリンクなのか不自然なリンクなのかを判別できます。
サイトからの不自然なリンク
こちらは特定のサイトに対してリンクを発する方法です。つまり、サテライトサイトのことです。関係のないサイトや短期間で突然リンクが増えるということは通常あり得ませんのでGoogleは検知できます。不自然なリンクには相互リンクが入る場合もありますので、知人だったとしても意味もなく大量のリンクを貼る行為は避けるべきです。
価値のない質の低いコンテンツ
極端に内容の薄いページ、コピーコンテンツ、誘導ページ(ドアウェイページ)などが該当します。ドアウェイページとは特定のキーワードで検索に引っかかりやすく設定し、流入したユーザーを特定のページに誘導することだけを目的にしたページのことです。コンテンツ自体の価値は薄く、ブラックな手法です。
質の低いコンテンツの代表といえばワードサラダなどがあります。ワードサラダとは日本語の文法的には正しいものの、まったく意味をなさない文章のことです。下図はツールを使って自動生成したワードサラダの文章です。読めなくはないですが、無価値のコンテンツであることがわかります。このようなコンテンツにキーワードを詰め込んでSEO対策をするのはブラックハットの1つです。
クローキング、不正なリダイレクト
クローキングとはユーザーと検索エンジンで見せるページを分ける手法です。同一ページを見せることで正しく評価できるのですが、意図して別ページを見せるというのはブラックハットSEOです。クローキングは不正ではあるものの、検索エンジンの目をかいくぐり有効になってしまう手法です。
悪質なスパム
スパム行為全般のことを指します。スパムとは広い範囲で「迷惑行為」を意味します。
画像のクローキング
クローキングを画像に限定した場合であっても不正行為になります。
隠しテキスト、キーワードの乱用
隠しテキストというのはサイトの背景色と文字色を同一にすることでユーザーには見えないものの検索エンジンには読める状態のことです。ページの文字数が多かったり、キーワードの利用回数が多かったりすると検索順位が良くなるという時代がありましたので、意図して対策ワードを増やそうという手法です。同じ手法でリンクを隠すこともあります。
他にもcssで表示方法を変えて検索エンジンにだけ見えるようにするという手法もあります。10年前はcssのtext-indent: -9999px;という手法を使っていた人も多かったはずですが、やりすぎるとスパム行為になります。
キーワードの乱用もキーワード含有率を上げることで関連性を高め、検索順位を不正に高めようという行為です。
AMP コンテンツの不一致
AMP(Accelerated Mobile Pages)はモバイル用にページを高速表示するサービスです。AMPは裏側で通常のWEBページとは別のページを読み込むため、本体サイトとAMPページでコンテンツの不一致を起こさせることができますが、これは不正行為です。
不正なモバイル リダイレクト
パソコンとモバイルで別ページにリダイレクトをしたり、別の画像を読み込ませたりすることはよくあります。画面の大きさが違うためパソコンの画像をそのまま読み込ませるとモバイルでは読みづらいということがあり、デザインもそのままモバイルにはできないことがあるためです。
しかし、パソコンとモバイルで別ページにリダイレクトし、コンテンツまで違うということであれば問題です。
ニュースと Discover のポリシー違反
GoogleニュースとDiscoverのポリシー違反全般を指しています。ブラックハットとは言いませんが、違反行為ですので修正が必要です。
ブラックハットは有効か?
SEOポイズニングから考えるSEOの現実と理想でも紹介していますが、一部のブラックハットは2021年の現在でも効果を発揮してしまう手法です。これは本当に困った問題なのですが、特定のキーワードで検索すると、そう低くもない順位に出てくることもしばしばです。
しかし、有効とはいえ今では使いにくくなっていることは事実、多少の効果はあるものの検索1位を取れるほどではありません。特に被リンクの操作は現在でも行われていますが、効果が薄くなっているのは間違いありません。
現在でも多少は有効なブラックハットの中でも特に生き残っている3つについて今後について予想してみます。
- リンク操作の今後
- ワードサラダの今後
- クローキングの今後
リンク操作の今後
現在は自演リンクであってもほとんどは見破られます。しかし、マイナス評価を受けるわけではなく、ゼロ評価になるだけなので大量にリンクをつければどれかがあたるはず、と自演リンクを続けている人もいます。
ワードサラダの今後
驚くことに2021年でもワードサラダは有効な手法です。ただし、効果はほとんどありません。検索ボリュームの少ないワードで検索順位でいえば3ページ目、4ページ目に時々出てくる程度です。Googleの日本語理解も進んでいますので将来的には完全に無効になるはずです。原則的に、人が読んで意味が分からないものは機械が読んでも意味が分からないからです。
クローキングの今後
機械を騙して別ページに誘導するクローキングですが、これも将来的には無効になるはずです。ムーアの法則というものがありますが、これは「2年ごとに集積回路のトランジスタが倍になっていく」というものです。誤解を恐れずにいえば「機械は2年ごとに頭の良さが2倍になる」ということです。
現状、完全にはムーアの法則は当てはまってはいませんが、方向性としては法則通りです。最終的には人と同じような動きで判定ができることを考えれば、クローキングも無効になるはずです。
まとめ