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Google、検索品質評価者向けガイドラインを更新【2024年3月】

Google、検索品質評価者向けガイドラインを更新【2024年3月】Google社は、検索品質評価者向けガイドラインを更新した旨を2023年11月6日にGoogle検索セントラルで発表しました。続いて、2024年3月5日には、同ガイドラインにおける、一部の解説がサイレント更新されました。

 

参考(外部):検索品質評価者向けガイドラインの更新 | Google検索セントラルブログ | Google for Developers

 

それによると、2023年11月には、ニーズメットの解説をシンプルにしたとのことです。さらに、その他の項目においても、解説の一環として掲載される最新事例の追加、古い事例の削除などの編集作業がおこなわれました。一方、2024年3月のサイレント更新では、信頼できないサイトやページに対して、新たな事例が加わりました。

 

※本ページでは、2022年12月時点のガイドライン、2024年3月時点のガイドラインを情報源として解説しています

 

SEOコンサルタントGoogle社が発表した、検索品質評価者向けガイドラインの更新について解説します。今回発表された2023年11月6日の更新、2024年3月5日のサイレント更新の両者についてまとめています。サイト運用者として、どのように検索品質評価者向けガイドラインを扱うべきかについてもご紹介しています。

 

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検索品質評価者向けガイドラインの役割について

Google社は、検索エンジンの改修作業にあたり、品質評価者と呼ばれる技術者に正しく改修作業が反映されているかのチェックを依頼しています。そのときに、品質評価者に共有される資料が検索品質評価者向けガイドラインです。

 

参考(外部):検索品質評価者向けガイドライン

 

ガイドラインの内容は、検索エンジンがWEBサイトを評価する仕組みについて解説するといったものです。こうした特徴を持つことから、WEBサイト運用者は、SEO対策の一環として利用します。具体的には、自社サイトの運営方針に対する自己評価のために用いることがあります。

 

関連記事:Google検索品質評価ガイドラインとは?アップデートとSEOへの活かし方を解説

 

検索品質評価者向けガイドラインの更新内容を解説

Google社は、検索品質評価者向けガイドラインを更新したことを2023年11月に発表しました。さらに、公式な発表こそありませんでしたが、2024年3月には、ガイドラインのサイレント更新が実施されました。

 

まず、2023年11月の更新では、主に、ニーズメット(Needs Met)に関する定義の説明文が変更されました。具体的には、ガイドラインの項目「パート3: ニーズを満たす評価ガイドライン」内における一部の説明文が差し変わりました。このほか、ガイドライン内における各項目の解説に際して、最新の時代背景に合致する事例が盛り込まれています。逆に、古い情報や冗長的な説明は削除されています。

 

参考(外部):検索品質評価者向けガイドラインの更新発表

 

そして、2024年3月の更新では、ガイドラインの項目「パート1: ページ品質評価ガイドライン」の「4.5 信頼できないWebページまたはWebサイト」と「4.7 最低品質のページの例」に、誤認情報に対する見解と事例が追加されました。

 

ニーズメットの定義がシンプルに【2023年11月更新】

ニーズメット(Needs Met)の定義に関する説明がシンプルな文面に差し変わりました。そもそも、ニーズメットとは、検索結果がユーザーに与える満足度のことで、次の5つの評価に分類されます。

 

 

評価 解説
Fully Meets 完全一致していることを意味する。FullyMと略される。
Highly Meets 非常に適合していることを意味する。HMと略される。
Moderately Meets 適度に適合していることを意味する。MMと略される。
Slightly Meets 一部に適合していることを意味する。SMと略される。
Fails to Meet まったく適合していないことを意味する。FailsMと略される。

 

関連記事:Needs Met 評価とは?評価基準やページ品質の関係性を解説

 

今回の更新では、それぞれの評価の定義において、根本的な条件を覆すような変化はみられません。ただし、次のような注目ポイントがあります。

 

  • 「再検索の必要性」に関する言及
  • 「ユーザーの規模」に関する言及

 

「再検索の必要性」を削除して、「ユーザーの満足度」を強調へ

それぞれの評価で共通して変化していることとして、これまで評価の定義として掲載されていた「再検索の必要性」という条件が削除された点が挙げられます。そして、新ガイドラインでは、「ユーザーが満足するか否か」という点を強調する定義文に差し替えられています。たとえば、最高評価のFully Meetsでは、次のように定義の説明文が変更されています。

 

■2022年12月の検索品質評価者向けガイドライン抜粋

 

特定のクエリと結果にのみ適用される特別な評価カテゴリ。すべてまたはほぼすべてのユーザーは結果にすぐに完全に満足し、ニーズを満たすために他の結果を表示する必要はありません。

 

引用:検索品質評価者向けガイドライン(2022年12月更新)

 

■2024年3月の検索品質評価者向けガイドライン抜粋

 

特別な評価カテゴリ。ユーザーが探している 1 つの特定の結果とそれに対応する特定の結果を見つけるという 明確な意図を持つクエリにのみ適用されます。

 

引用:検索品質評価者向けガイドライン(2024年3月更新)

 

このことから、WEBサイト運用者に対して、テクニック的な「ブラウザバック対策」よりも、「ニーズが高いコンテンツ作り」に注力してほしいという、Google社の考えが読み取れます。

 

「ユーザーの規模」を「クエリに対する解釈性」に差し替え

これまでのガイドラインでは、ニーズメットの評価に関する説明文において、「満足すると推測されるユーザーの規模」が評価を隔てる1つの指標として強調されていました。しかし、2024年3月に更新されたガイドラインでは、「ユーザーの規模」のくだりが削除されて、「クエリに対する解釈性」に差し替えられました。

 

具体的には、「Highly Meets」以下、「Slightly Meets」以上の評価では、「クエリに対する解釈性」が求められるようになりました。たとえば、「Highly Meets」の定義は、次のように変化しています。

 

■2022年12月の検索品質評価者向けガイドライン抜粋

 

多くのユーザーにとって非常に役立ちます。ユーザーによっては、追加の結果を確認したい場合もあります。

 

引用:検索品質評価者向けガイドライン(2022年12月更新)

 

■2024年3月の検索品質評価者向けガイドライン抜粋

 

主要な、一般的な、または合理的なマイナーなクエリの解釈/ユーザーの意図に対して非常に役立つ結果。

 

引用:検索品質評価者向けガイドライン(2024年3月更新)

 

ここでいう、「主要な、一般的な、または合理的なマイナーなクエリの解釈」とは、次のような条件を指します。

 

  • 一般的なクエリの解釈
  • マイナーなクエリ解釈であるものの、合理的な判断を含む解釈

 

前者は、検索ユーザー間における共通認識に対する解釈のことです。たとえば、「渋谷 ラーメン」という検索クエリがあるとします。そして、このクエリは、「『渋谷にあるラーメン屋を探したい(行きたい)』ときに検索するよね」といった共通認識を有します。

 

後者は、一般的な解釈とは外れるものの、確かに存在するニーズに対する解釈のことです。たとえば、「渋谷 ラーメン」というクエリがあるとして、「渋谷に新たなラーメン屋を開業しようとしている人が、エリア内の店舗数や人気店を調査するために検索した」といったものが挙げられます。レアなケースではあるものの、こうした検索ニーズは存在します。

 

「Slightly Meets」以上の評価の検索結果には、このいずれかの解釈をもとに作成されたページが表示されることになります。つまり、ページ作成者には、こうしたクエリの検索意図に対して適切に解釈することが求められるということです。

 

信頼できないWEBサイトの条件に「誤認情報」を追加【2024年3月更新】

検索品質評価者向けガイドラインの「4.5 信頼できないWebページまたはWebサイト」にて、次の一文が追加されました。

 

 

信頼できる情報源としてのWebページに対するユーザーの信頼を失う原因となる、情報ページ上の複数または重大な事実上の誤り

 

引用:検索品質評価者向けガイドライン(2024年3月更新)

 

さらに、「4.7 最低品質のページの例」にて、誤認情報に対する以下の事例が追加されました。

 

  • 事実と異なる説明が多数あり、信頼できない
  • ページの公開目的に虚偽を含み、信頼できない

 

もともと、WEBページによる事実誤認の情報に関しては、社会問題にまで発展した「WELQ問題」を契機に、問題視され続けてきました。とくに、YMYL領域において、情報の信ぴょう性が厳しく問われました。ただし、事実誤認やフェイク情報を発信するサイトは、YMYL領域外においても多数存在します。

 

そこでGoogle社は、検索結果の品質を高めるために、多数の重大な事実誤認を含み、著しく信ぴょう性が低いサイトをページ品質(Page Quality)における、最低品質ページに指定したと推察されます。

 

ガイドラインの更新による影響、今後すべきこと

今回の検索品質評価者向けガイドラインにおける更新内容は、一部表現の変更に留まっています。そのため、今回の更新による、ページランキングに影響はほぼありません。

 

ただし、本ガイドラインがサイト運用者にとって、高品質ページを作るうえで自己評価の指標として扱われることがあります。このことを踏まえると、ページ作りにおいて、次のような点を意識することが推奨されます。

 

  • テクニック的なブラウザバック対策よりも、ニーズが高いコンテンツ作りを目指す
  • 一般的なクエリの解釈、または合理的な解釈を基にして、コンテンツを作成する
  • ページ内で発信する情報の虚偽や誤りを排除する

 

検索品質評価者向けガイドラインのよくある質問

検索品質評価者向けガイドラインに関する、よくある質問をまとめています。
 

Q:検索品質評価者向けガイドラインでは、何について解説されていますか?

Answer)Google検索エンジンが高く評価するページの特徴、または、その仕組みについて解説しています。

 

具体的には、SEO評価を構成する、次の2つについて言及しています。

 

  • ページ品質(Page Quality)の評価基準
  • ニーズメット(Needs Met)の評価基準

 

Q:ページ品質(Page Quality)とは何ですか?

Answer)WEBページとしての目的の達成度合いを評価する指標です。ページ品質が高いほど、検索ユーザーに有意義なページと認識されています。

 

関連記事:Page Quality(ページ品質)とは?検索品質評価ガイドラインの情報を基に解説

 

Q:ニーズメット(Needs Met)とは何ですか?

Answer)検索エンジンの検索結果がユーザーをどの程度満足させたかを測る指標です。あくまでも、検索エンジンの検索結果に対する指標ですので、WEBページの指標と混同しないように注意してください。

 

関連記事:Needs Met評価とは?評価基準やページ品質の関係性を解説

 

Q:ページ品質やニーズメットは、SEO評価に影響を与えますか?

Answer)ページ品質やニーズメットは、サイト評価の指標ですので、少なからずSEOに影響を与えます。

 

ただし、両者とも、それぞれ検索アルゴリズムに数多くあるシグナルの1つにすぎません。あくまでも、コンテンツ作成に対する、自社の向き合い方が正しいかを確認するために用いるのが適切です。

 

関連記事:SEO評価とは? 評価基準やツールで指標を確認する方法を解説

 

Q:検索品質評価者向けガイドラインの更新頻度は?

Answer)原則的には、年に1度更新されます。ただし、軽微な修正を加えると、年に数回更新されることもあります。

 

 

まとめ

SEOコンサルタントGoogle社は、検索品質評価者向けガイドラインを更新したと2023年年末に発表しました。さらに、2024年3月には、ガイドライン内のサイレントでテキスト修正されました。前者の更新では、主にニーズメットの解説がシンプルになったほか、一部表現が変更されました。後者の更新では、信頼できないWEBサイトの条件として、「誤認情報を多数含むサイト」が加筆されました。本ページでもお伝えしたとおり、Google社がガイドラインを修正した意図を読み取って、自社サイトの運営に役立ててください。

 

 

この記事の監修者

SEOコンサルタント

アドマノ株式会社 代表取締役 天野 剛志

日本大学法学部卒業、広告代理店で12年間働いている間、SEOと出会い、SEO草創期からSEO研究を始める。SEOを独学で研究し100以上のサイトで実験と検証を繰り返しました。そのノウハウを元に起業し現在、11期目。営業、SEOコンサル、WEB解析(Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持)コーディング、サイト制作となんでもこなす。会社としては今まで2000以上のサイトのSEO対策を手掛けてきました。

監修者:アドマノ株式会社 代表取締役 天野剛志
天野 剛志
マーケティングのエキスパート。Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持。大学では経営法学を専攻。オーストラリア・イタリア・フランス・タイ・カンボジアなど世界各国を旅した後、イギリスで1年半生活し語学力と国際的視野を磨く。日本帰国後は広告代理店で営業を12年経験。SEOは草創期から独学で研究し、100以上のサイトで検証しつつノウハウを蓄積。2012年にSEO専門会社のアドマノを設立。
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