【2023年10月】Googleスパムアップデートとは?その概要と対処法
2023年10月、Googleはスパム検出システムの大規模なアップデートを公表しました。
このアップデートでは、特に多言語対応のスパム対策が強化され、多くのWEBサイトが影響を受ける可能性がありますが、なかには「どのようなアップデートかわからない」という方も多いのではないでしょうか?
Googleスパムアップデートとは
Googleスパムアップデートとは、Googleが検索エンジンの品質と信頼性を保つために行う、スパム検出システムのアップデートです。
現在、このスパム検出システムは、Google検索においてユーザーにとって最も関連性の高い情報を提供するための非常に重要な要素となっています。
検索順位を不正に操作しようとするスパムの手法は日々進化しており、あらゆる手段を尽くして上位表示を目指す悪質な行為が後を絶ちません。
このようなスパム行為に効果的に対抗することを目的に、Googleは定期的なアップデートを行ってスパム検出の精度を高めています。
スパムアップデートは、検索アルゴリズムに大きな変更を影響を与えるので、WEBサイトの順位にも大きな変動が見られることが多いです。
スパムアップデートの展開は、開始から完了まで数日から数週間、場合によっては数カ月かかることもありますが、アップデートが完全に適用されると、その後の順位の変動は比較的落ち着いてきます。
【2023年10月】直近のGoogleスパムアップデート
10月4日(太平洋時間)にGoogleは、October 2023 spam update(2023年10月のスパムアップデート)の展開をはじめました。
この最新のアップデートにより、
- トルコ語
- ベトナム語
- インドネシア語
- ヒンディー語
- 中国語
をはじめとする多くの言語におけるスパムの対策が強化される予定です。
特に今回は、クローキング(偽装)、ハッキング、自動生成、スクレイピングといった手法で生成されたスパムの検出と除去に重点を置くことで、検索結果の質の向上を目指しているようです。
このアップデートのロールアウトは数週間かかると予告されているため、WEBサイトの管理者としては、アップデートの影響を受けた場合に備えてGoogleのスパムポリシーを再確認し、変動がある場合は必要な対応を行うようにしましょう。
参照:Google公式 2023 年 10 月のスパム アップデート
過去のGoogleスパムアップデート一覧
今までにもスパムアップデートは行われており、以下が過去のアップデート履歴となります。
日付 | 内容 |
2021年6月23日 | スパムアップデート 1回目 |
2021年6月28日 | スパムアップデート 2回目 |
2021年7月26日 | スパムアップデート 3回目 |
2021年11月3日 | November 2021 spam update |
2022年10月19日 | the October 2022 spam update |
2023年10月4日 | October 2023 spam update |
スパムアップデートは2021年6月23日に初めて実施されました。
初めて実施された年には3回の大きな変動がありましたが、その年以降は1年に一回ペースに落ち着くようになっています。
一部特定の言語にのみ強い影響を与えることもありますが、基本的には日本語を含む全言語に対するアップデートとなっています。
Googleスパムアップデートの対処法や確認事項
Googleはスパムとみなされる行為について公式ですでに述べており、通常通りコンテンツを作成していれば気にする必要はありません。
しかしそのスパム行為について知っておくことで、不本意なスパムアップデート被弾を避けられます。
ここからは、それぞれスパム行為の詳細や正しい対処法についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
クローキング
クローキングとは、検索エンジンのクローラーには異なる内容やページを表示し、実際の訪問者には別の内容やページを表示する手法を指します。
対処法としては、常にユーザーと検索エンジンのクローラーに同じコンテンツを表示するようにしましょう。
クローキングを使用するプラグインやツールを使用しないように注意することも重要です。
誘導ページ
誘導ページは、特定のキーワードやフレーズでの検索エンジンのランキングを向上させる目的で作成され、ユーザーにとっての実際の価値がないページを指します。
誘導ページと判定されないためには、コンテンツは常にユーザーに価値を提供することを目的として作成しましょう。
また、キーワードを過度に詰め込んだり、ユーザーにとって不要なページを大量に生成するのを避けることも大切です。
ハッキングされたコンテンツ
ハッキングされたコンテンツは、サイバー攻撃者によって不正に変更または追加されたWEBページの内容を指します。場合によっては、スパムリンクや不適切なコンテンツが埋め込まれることがあります。
対処法としては、WEBサイトのセキュリティを常に最新に保ち、定期的なセキュリティチェックや監視を行うことで、不正アクセスを未然に防ぐことが重要です。
また、不審な活動やコンテンツの変更をすぐに検知できるツールやサービスの利用を検討するのも良いでしょう。
隠しテキストと隠しリンク
隠しテキストやリンクは、背景色と同じ色のテキストや、ユーザーには見えない場所に配置されたリンクなど、検索エンジンのクローラーのためだけに設置されているコンテンツを指します。
透明度やフォントサイズ、背景色などを操作してテキストやリンクを隠すような技術を使用しないことが基本です。意図せず隠しテキストとなっている場合もあるため、よく確認するようにしましょう。
キーワードの乱用
キーワードの乱用(キーワードスタッフィングとも呼ばれる)は、ページのランキングを不正に上げる目的で、必要以上にキーワードをページに詰め込むことを指します。
乱用判定とならないためには、コンテンツ内のキーワードの使用は、自然で読み手にとって理解しやすいものにしましょう。
過度なキーワードの繰り返しを避け、トピックに関連したキーワードを適切な頻度で使用することを心がけるのが大事です。
ただ、スパムアップデートの影響もあり、ボリュームの大きなキーワードでは最近はあまり見られないようになっています。
リンクスパム
リンクスパムは、検索エンジンのランキングを操作する目的で、自サイトまたは他サイトへの不自然または人工的なリンクを大量に作成する行為を指します。
自然なリンク構築を心がけ、
- 購入リンク
- リンクファーム
を使用した大量のリンク作成を避けましょう。
また、サイトへのバックリンクの品質を定期的に監視し、低品質なリンクはGoogle Search Consoleで否認することも視野に入れると良いでしょう。
機械生成トラフィック
機械生成トラフィックは、人間の実際のユーザーではなくボットやスクリプトによって人工的にサイトへの訪問を増やす行為を指します。
意図的にやっていないのであればあまり気にする必要はありませんが、不正なトラフィックを検出するツールやサービスを使用して、サイトへのアクセスを監視するとなお良いでしょう。
マルウェアや悪意のある動作
これは、サイトがユーザーのデバイスにマルウェアをインストールしたり、ユーザーを詐欺サイトに誘導するような悪意のある動作を行うことを指します。
この状況に陥らないためには、サイトのセキュリティを強化し、定期的にマルウェアスキャンを行うことで不正なコードやプログラムを検出しましょう。
そのほかにも、外部からの不正なアクセスや侵入を防ぐためのセキュリティ対策を常に最新の状態に保つことも重要です。
誤解を招く機能
誤解を招く機能は、ユーザーを欺くか、ユーザーが期待する動作とは異なる動作をするWEBサイトの機能のことを指しています。
例としては、誤解を招く広告の配置や、ユーザーが期待しないポップアップなどが挙げられます。
過度なものでなければ心配する必要はありませんが、 サイトのデザインや機能は、ユーザーにとって直感的に操作できるものであるべきです。
ユーザーを誤解させるような配置や機能は避け、透明性と利便性を追求しましょう。
無断で複製されたコンテンツ
無断で複製されたコンテンツは、他のサイトやソースからのコンテンツを許可なくコピーし、自サイト上に掲載する行為を指します。
常にオリジナルのコンテンツを作成するのが理想ですが、もし他のソースから情報やコンテンツを引用する際は、必ず正確に引用元を示し、許可を得てから使用することが重要です。
SEO上だけの問題ではなく複製元のWEBサイト運営との法的なトラブルにも発展しかねません。
不正なリダイレクト
不正なリダイレクトは、ユーザーが意図したページとは異なるページへ自動的に誘導することを指します。
関連性のあるページであれば問題ありませんが、ユーザーの検索意図とは関係ないページや、スパムや詐欺的なページへ誘導であればスパムと見なされる可能性が高いです。
リダイレクトは、テクニカルな理由やユーザーエクスペリエンスの向上を目的としてのみ使用し、ユーザーを意図的に誤導するようなリダイレクトは避けるようにしましょう。
また、運営サイトが変わった場合など、必要なリダイレクトがある場合はその理由を明確に記載しましょう。
スパム行為のある自動生成コンテンツ
これは、プログラムやAIツールを使用して自動的に生成されるコンテンツの中で、スパム的な行為やキーワードの過度な繰り返しを含むものに該当します。
AIの生成コンテンツを利用しているWEBサイトはおおいですが、その場合でも、質とユーザーへの価値を最優先に考えるべきです。
スパム判定となるようなコンテンツを避け、ユーザーにとって有益な情報を提供することを心がけましょう。
内容の薄いアフィリエイト ページ
アフィリエイトは、商品やサービスを紹介し、その商品やサービスに関連するリンクを通じて売り上げが発生した場合に報酬を受け取る仕組みです。
しかし、ページの内容が薄く、ユーザーに有益な情報を提供しないような場合は、Googleからスパムとみなされる可能性があります。
そのため、アフィリエイトページを運営する場合、単に商品を紹介するだけでなく、
- その商品やサービスに関する詳しい情報
- 比較
- レビュー
など、ユーザーに価値を提供する内容を含めるよう努めましょう。
ユーザー生成スパム
ユーザー生成スパムは、掲示板やコメント欄などのユーザーが投稿できるエリアに、スパム的な内容を持つ投稿が行われることを指します。
これには、
- 不適切なリンクやプロモーション
- 無関係なキーワードの挿入
などが含まれています。
もしWEBサイトにコメントや掲示板の機能を提供する場合、定期的にその内容をモニタリングし、不適切な投稿を削除するシステムを導入しましょう。
そのほかにも、スパム防止のためのキャプチャやユーザー登録を必須にするなどの対策も考慮に入れておきましょう。
まとめ