会話型 AI サービスBardとは?LaMDAを取り入れたBardと今後のSEOについて解説
日本時間の 2 月 8 日(水)22:30 に Google presents : Live from Paris というイベントがフランスのパリで開催されました。そこでGoogleは25年の歴史の検索エンジンについて語り、今後のAIを利用したイノベーションを紹介しました。
また、Googleの公式ブログでは、2023年2月6日にGoogleのCEOであるSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏によるAn important next step on our AI journeyの記事が公開されました。翌日の2月7日には、Google日本ブログも公開され、Bard(バード)と名付けた会話型 AI の検索への導入について紹介されました。
Google検索において会話型AI検索の導入といった検索エンジンの歴史において大きな転換点となりそうな発表です。この背景には、「ChatGPT」を搭載するマイクロソフト社の検索エンジンBingの存在があります。ChatGPTに対抗するために、Googleは、LaMDA(ラムダ)という名称の大規模言語モデル (LLM) を活用した Bard の公開を急いでいます。
Bardとは
Bardは、会話型AIサービスで、現在公開に向けてテストユーザーで検証しています。
Googleは、2年前にLaMDA ( Language Model for Dialogue Applications: 対話アプリケーション用言語モデル) を搭載した次世代の言語および会話機能を発表しており、このLaMDAをBardに取り組んでいます。
Bard は、質の高い最新の応答をするために世界中のWeb上の情報と知識に、大規模言語モデルの能力・知性・創造性を組み合わせることを目指しています。
まず、Googleは軽量なバージョンの LaMDA を公開し外部からのフィードバックと内部テストを繰り返し、テストフェーズを通過したら、Bardを公開するとしています。
LaMDAとは
LaMDA は、Language Model for Dialogue Applications の略で、Google が開発した大規模言語モデル(LLM: Large Language Model) です。
LaMDAは、対話に特化したtransformerベースのニューラル言語モデルで、最大137Bのパラメーターを持ち、1.56Tワードで事前トレーニングされています。当初、安全性と事実に基づいた根拠の改善が見られなく、注釈付きデータを使用して微調整し、モデルが外部の知識ソースを参照できるようにすることで、安全性と事実に基づく根拠という 2 つの重要な課題を大幅に改善できました。
参考:LaMDA: ダイアログ アプリケーションの言語モデル
より詳しく理解したい方は、LaMDA: Towards Safe, Grounded, and High-Quality Dialog Models for Everythingを参照してください。
Google では常に言語に弱い点がありましたが、検索クエリの意図をより正確に把握するのに役立つ機械学習技術を発明し、LaMDA の会話スキルは、何年にもわたって開発されてきました。最近の多くの言語モデル(BERT や GPT-3) と同様に、 ニューラル ネットワーク アーキテクチャであるTransformerに基づいて構築されています。
LaMDAの会話は特定のトピックを中心に展開する傾向がありますが、その自由な性質により、あるトピックスから始まり、まったく異なるトピックスで終わる可能性もあります。
このLaMDAを搭載したBardが今後Googleより公開されることになっています。
今後のSEOについて
google検索に会話型AIによる返答が導入されれば、SEO検索による検索結果がなくなるのではないかと思うかもしれません。現在のところ、Googleの公式ブログを見ると、一番上に、Bardによる返答が来て、その下に、リスティング広告枠かSEO枠が来ているようです。
上の画像を見てみるとわかるように、SEO枠は残っているようです。リッチリザルトや強調スニペットも出ています。(ニュース?)ほかの人はこちらも検索もありそうです。
このことから、Googleは、突然、会話型AIのBardのみに検索を変更するのではなく、既存の検索機能に追加する形で考えているようです。
しかし、上部にBardが来て、その下にリッチリザルトや強調スニペットかSEO枠かリスティング広告枠が来ることが予想されるので、今後は、いろいろなSERPsでの検索結果に表示されるような対策が必要です。
まとめ