Yahoo検索はSEO対策を取り入れるべきか?
日本国内でもっとも利用されているインターネットの検索エンジンはYahoo!JAPANとGoogleです。しかし、2つを合わせた利用率は9割を超えていますが、SEO対策として話題に挙がるのはGoogle検索に関することがほとんどです。
Yahooとは
YahooはWindows95が発売以降のインターネット黎明期をささえてきました。日本法人であるヤフージャパンも同じ頃に設立し、現在では多数のYahoo関連サービスが私たちの生活に大きく影響しています。
Yahooの成り立ち
Yahooが1994年にジェリー・ヤンとデビッド・ファイロの2人の創業者によってアメリカで設立された頃は、Windows95の爆発的ヒットにより世界的に個人向けパソコンが普及し始めた時代でした。
Yahooの名前の由来は2人の創業者から連想された、ガリバー旅行記で記述されている「ならずもの(Yahoo)」から名付けられたとされています。
この頃のWEBサイトの探索方法は、現代のキーワード検索が主流ではありません。ディレクトリ型検索エンジンといって、ニュースや天気といったジャンルごとにカテゴライズされた項目を選択することでWEBサイトにアクセスしていました。
インターネットが普及し始めた時代のユーザーはネット検索で何が調べられるか今ほど周知されていなかったので、ディレクトリ型検索エンジンはネット入門者にとって受け入れやすかったのです。
ヤフージャパンの設立
日本法人としては1996年にYahooとソフトバンクの合弁会社としてヤフー株式会社が設立されています。この年の日本はインターネット元年と呼ばれ、ヤフー株式会社としてもインターネット関連事業を多く立ち上げました。
2019年からYahooの商号はヤフー株式会社からZホールディングス株式会社へ移っています。その理由としてYahoo関連企業のそれぞれが迅速に進むためとされています。
Yahoo関連のサービス
Zホールディングスの誕生以降、さまざまな企業やサービスと事業統合・提携を行ったことでYahoo関連サービスは手厚いものとなり、それらがYahooユーザーを広く包括することが期待されています。
LINE
国内で利用者数トップの大手チャットサービスであるLINEと2021年に事業統合したことは当時大きな反響がありました。LINEという大きなプラットフォームの提携は金融や公的サービスとの連携に大きく飛躍する機会が訪れています。
PayPay
PayPayは国内の利用者数4,700万人、登録店舗360万カ所以上のトップシェアを誇る電子決済サービスです。PayPay関連だけでもクレジットカード、銀行、保険サービスを手がけていてYahoo関連企業の金融部門を牽引しています。
ZOZO
ファッション通販サービスで高い実績があったZOZOを、2019年にYahooが4000億円規模の株式公開買付によって買収したことは当時のニュースで大々的に報じられました。
Yahooのライバルであるamazonや楽天にない物流チャネルをZOZO買収により獲得できたことが大きなメリットと考えられています。
ASKUL
ASKULは、今日注文した事務用品でも「明日に来る」と即日配達を由来にした事務用品を中心に取り扱う通販サービスです。同様の商品を扱う通販サービスの中では顧客満足度がもっとも高く、ほとんどのオフィスでカタログを常備しています。
YahooとGoogleのユーザー比較
YahooとGoogleのユーザーの使用シェア率は、世界と日本の状況では大きな違いがあります。また、日本国内における両者のユーザー特性の傾向には様々なデータが集計されています。
使用シェア率
世界の検索エンジンの使用シェア率ではGoogleは約92%、Yahooは約2%となっていて、Googleが圧倒的シェアを獲得しています。GAFAといわれる代表的なプラットフォームの1つとして現代の暮らしには欠かせない存在です。
日本国内においてのYahooの使用シェア率は、1990年から2000年代において他を圧倒してきました。しかし、世界の状況と同様にGoogleの台頭によってYahooの国内シェア率は約20%まで低下しています。
しかし、世界と比べると日本ではまだまだYahooの愛用者が多いのが現状です。
ユーザー層
YahooとGoogleを利用するユーザーの年齢や性別、職業には傾向があります。Yahooのユーザー層は50代以上の男性と40代以上の女性、職業では専業主婦(主夫)の利用割合が高いという傾向が集計されています。
一方、Googleのユーザー層は20代から30代の男女、職業では会社勤務されている人の利用割合が高い傾向が集計されています。
また、GoogleユーザーはYahooユーザーと比較して、SNSから情報を得ている人が多く、SNSの利用時間が長い傾向であることが特徴として挙げられています。
その他にYahooユーザーはYahoo関連のニュースや天気、知恵袋を利用する割合が高い傾向があり、Yahooの豊富なサービスでユーザーが包括されている様子が表れています。
YahooとGoogle、それぞれのユーザーが多い傾向の特徴
Yahooユーザー |
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Googleユーザー |
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参考:ネット検索で Google を使う人、Yahoo! を使う人の特徴を分析してみた(マナミナ)
ユーザーのコメント
Googleの方が有用性が高いという理由に対して、愛用者のコメントにはビジネスで知りたいキーワードの関連情報を収集するのに便利という意見が多いです。
一方、Yahooの愛用者のコメントでは、TOPページに社会情勢やホットな話題を提示してくれるという意見が多く見受けられます。
また、インターネットが流行した頃からブラウザのTOPページをYahooにしていたので今でも漫然と使い続けているとのコメントも多いです。Yahooの利用年齢層が高い理由の1つとして推察されます。
YahooとGoogleの検索のシステムと結果
YahooとGoogleではTOPページや検索エンジンのシステムに大きな違いはありませんが、検索結果の表示には若干異なっている部分が発生します。
TOPページ
YahooのGoogleのTOPページを比較するとお互いの特徴に明確な違いがみてとれます。
YahooのTOPページは検索ボックスのほかにニュースや天気情報の表示、多くのYahoo関連のサービスのリンクで構成されています。Yahooの検索ボックスには画像や動画検索以外にも、知恵袋の投稿を検索できるタブが追加されているのが特徴的です。
一方、GoogleのTOPページはGoogleロゴと検索ボックスが配置されているだけでYahooと比べると簡素ですがスタイリッシュなデザインです。
検索システム
YahooとGoogleの検索システムについて以前は違うシステムで運用されていましたが、現在はGoogleのロボット型検索システムで統一されています。
Googleの検索システム
Googleの検索システムの特徴として、WEBサイトの膨大な情報をクローラーと呼ばれる巡回ブログラムが収集していることが挙げげられます。クローラーが収集した情報はサーバーにインデックスとして蓄積され、検索ワードに応じてインデックスからピックアップして表示します。
Yahooの検索システム
Yahooはかつて人の手でWEBサイトの情報を収集するディレクトリ型とよばれる検索システムを導入していて、ハイクオリティな情報登録をメリットとしていた時期があります。しかし、YahooはWEBサイトの情報量が爆発的に増加したことで人の手による情報登録がむずかしくなり、2010年にGoogleと提携した以降ではGoogleと同じ検索システムを導入しています。
検索結果
YahooとGoogleの検索システムは同じですが、同一のキーワードで検索した結果の内容や順位については多少違いが生じます。
Yahooによる検索結果
Yahooを利用した検索結果で目に付きやすいのはYahoo関連サービスの情報量の多さです。Googleの検索システムによって表示される検索結果の前に、ヤフオクや知恵袋といったYahoo関連サービスの関連情報が表示されます。
Googleによる検索結果
Google検索による結果はYahooと比べると広告が少なく、ニューストピックを重点的に選択して表示します。検索ワードに対するランキングは、サーバーに蓄積された情報の的確性の順位に準じて構成されています。
検索結果が違う原因
YahooとGoogleが同じ検索システムを利用しながら検索内容が違う理由に、クローラーが巡回するタイミングが両者で異なる点が挙げられます。クローラーの巡回時期によって蓄積される情報に違いが生まれ、表示順位の変化が発生すると考えられるのです。
また、Googleのプライベート検索のシステムでは、ユーザーの閲覧履歴から関連性の高いWEBサイトをピックアップすることがあります。このユーザーによって有益性が高い情報を提供することがGoogleが考えるユーザーファースト精神の1つです。
YahooとGoogleのリスティング広告について
検索エンジンで検索したキーワードに関連するサービスや店舗などの商品広告を検索結果と合わせて表示するのがリスティング広告です。YahooとGoogleではGoogleのほうが利用者が多いので広告出稿するにはGoogleが有利といえます。
しかし、Googleの利用者が多い分、広告へのクリック単価は比較的高いです。商品によってはターゲティングするユーザーを絞ることでYahooのほうが広告意義が高いケースがあります。
ターゲティング項目
利用者数が多いGoogleとYahooには広告を出稿したい企業が多く、ユーザーのターゲティングを行ってマッチする商品を表示しなければなりません。YahooとGoogleにはユーザーをターゲティングする項目がそれぞれに設定されています。
YahooとGoogleのターゲティング項目
Yahoo | 特徴 | ||
年齢 | ◎ | ◎ | |
性別 | ◎ | ◎ | |
地域 | ◎ | ◎ | Yahoo:市区町村指定
Google:市区町村指定+半径指定 |
デバイス | ◎ | ◎ | |
リマーケティング | ◎ | ◎ | |
世帯収入 | × | ◎ | |
カスタマーマッチ | × | ◎ | |
類似ユーザー | × | ◎ | |
興味関心 | × | ◎ | 閲覧履歴を元に広告を選択 |
ユーザー層の違い
YahooとGoogleのユーザーには年齢層や性別の違いに傾向があります。商品によってはYahooの方がユーザーの特性にマッチするケースが考えられます。
実際にamazonへアクセスしたGoogleユーザーは本やパソコン・周辺機器を調べることが多く、Yahooユーザーはドラッグストアを多く閲覧していることが集計されています。
同様に楽天市場では、Googleユーザーはインテリア・寝具・収納、Yahooユーザーは日用品雑貨・文房具・手芸がそれぞれ多く閲覧されています。
参考:ネット検索で Google を使う人、Yahoo! を使う人の特徴を分析してみた(マナミナ)
YahooのSEO対策
YahooとGoogleによる検索システムへのSEO対策ですが、結論からいうと同じ検索システムを導入しているので個別にSEO対策する必要性は低いです。検索結果の違いについて紹介しましたが、原因は一時的なものであって根本で善処できる内容にありません。
SEO対策としてはGoogleのみのSEO対策を企てることがWEBサイトとしての有用性を増すことにつながります。
まとめ