Web広告代理店とは?依頼をするメリット、デメリット、代理店を選ぶときのポイントを解説
Web広告の運用を考えたとき、次のように悩むこともあるのではないでしょうか。Web広告の代行運用をお願いしたいが、本当に効果があるのか。多くの広告代理店があるが、どこにお願いすれば良いのか。
折角、依頼しても希望どおりの成果につながらなければ、費用も時間も無駄になってしまいます。Web広告代理店では、SEO対策も行っている代理店もありますが、SEO専門業者と比べてそのSEO技術は低いです。SEOはSEO専門の会社に依頼しましょう。
Web広告代理店とは
Web広告代理店とは、クライアントの要望を元にオンライン広告を代理運用する企業のことです。具体的にはリスティング広告やディスプレイ広告、SNS広告などが該当します。総合広告代理店とは異なり、Web広告の運用に特化しているのが特徴です。
また、Web広告は媒体ごとに求められる運用スキルが異なり、変化の非常に激しい分野です。そのため、広告運用ができる人材が自社に不足している場合などは、Web広告代理店に運用を依頼することが多いです。
Web広告代理店が扱う広告
Web広告代理店が扱う広告の種類は多岐にわたりますが、大きく分類すれば次の6つです。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告(バナー広告)
- メール広告
- SNS広告
- アフィリエイト広告
- 動画広告
ここでは、上記の広告について1つずつ解説します。
リスティング広告
リスティング広告とは、ユーザーがGoogleやYahoo!などで検索した際、オーガニック検索の上や下に検索結果とともにそれぞれ数件ずつ表示される広告のことです。検索エンジンを利用しているユーザーが広告をクリックした際に、費用が発生する仕組みになっています。また、広告の表示は入札方式となっており、入札金額やクリック率などによって機械的に表示順位が決まります。
検索エンジンを利用するユーザーは興味・関心のあるキーワードを能動的に入力し、広告もそのタイミングで表示されるため、顕在層に向けた広告アプローチができます。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリに掲載される広告のことです。表示形式は画像や動画、テキストがあります。通常はバナーで表示されることが多いため、バナー広告とも呼ばれています。
ディスプレイ広告は、商品とWebサイトの類似性などを元に掲載されます。例えば、家具のディスプレイ広告を出稿すれば、家具やインテリアなどについて書かれたWebサイトに広告が表示されます。
ユーザーが主体的に情報を求めているリスティング広告とは異なり、まだ課題や必要性に気づいていない潜在層に広くアプローチできるという点が特徴です。
メール広告
メール広告とは、電子メールで送信される広告です。配信方法の違いによって下記の2種類があります。
テキスト形式 | HTML形式 |
文字だけで構成されるメールです。メールの文頭や文中、文末で商品やサービスの告知を行います。また、通常は商品案内をしているURLが配置されています。 | HTML形式で記述されたメールのため、好みのフォントや写真などを使用することができます。テキストメールと比較して、商品イメージを直感的に伝えやすいのが特徴です。 |
どちらの配信方法であっても、メール広告ならニーズや興味などによってターゲットを絞り込むことができます。
また、広告の入稿から配信までの期間が短いという特徴があるため、キャンペーンの告知を急いで行いたい場合にも役立ちます。
SNS広告
FacebookやTwitterなど、SNSプラットフォームに掲載する広告のことをSNS広告と呼んでいます。広告はテキストだけでなく、画像や動画などを使用できることが一般的です。広告費用はインプレッション数やクリック数などと連動しますが、広告主の予算などに合わせて配信することができます。
SNS広告の特徴としては、まだ商品のことを知らない潜在層にアプローチすることができます。
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは、アフィリエイターと呼ばれる人たちが運営しているメディアに掲載される広告です。通常はASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)が広告主とアフィリエイターをマッチングさせる役割を担っていますが、企業によっては独自にアフィリエイターを募集していることもあります。
アフィリエイト広告は成果報酬型広告のため、企業は売れた商品数の分だけ広告費を払います。そのため、ローリスクな広告運用ができるのが特徴です。
動画広告
動画広告とは、YouTubeやTikTok、アプリなどに掲載され、動画で商品の訴求をおこなう広告です。動画という特性上、静止画とは違って動きや聴覚を使うことができます。
また、ショートストーリーをつくり、それを動画で伝えることもできるため、認知拡大やブランディングのためにも役立つのが特徴です。
Web広告代理店の仕事内容について
次はWeb広告代理店の仕事内容についてお伝えします。大まかな流れとしては、次のとおりです。
最初にクライアントからのヒアリングを行います。次にその内容を元に企画立案し、クライアントの合意が得られれば、対象となる広告媒体に出稿します。
それぞれの仕事ごとに担当者が決まっていることもありますし、1人の担当者が一連の業務を一手に引き受けることもあります。順番に解説します。
ヒアリング
ヒアリングでは広告主から要望や課題を聞き取り、広告戦略や今後の計画を立てます。社内・社外との日程や担当者の調整も行います。
企画・立案
企画・立案の段階では、クライアント企業の課題解決のための戦略を考えます。クライアントの現状はもちろん、競合リサーチも行い、具体的な広告方法について企画します。
クリエイティブ
クリエイティブの段階では、対象となる広告媒体のガイドラインに沿って、実際のデザインやキャッチコピーなどを作成します。クリエイティブ担当者は、その広告媒体に対しての深い知識が必要です。
データ分析
広告は一度出稿して終わりではありません。その後、運用成績を分析し、改善に活かす必要があります。分析したデータは、クリエイティブ担当などに伝えられ、今後の運用に役立てられます。
Web広告代理店の種類
Web広告代理店には大きく分けて次の3種類が存在します。
- 総合広告代理店
- 専門広告代理店
- ハウスエージェンシー
それぞれ1つずつ解説します。
総合広告代理店
総合広告代理店はWeb広告はもちろん、テレビや新聞、雑誌など、あらゆる広告媒体を取り扱っています。このように複数のメデイアを駆使できることが強みです。
クライアントの商品・サービスに対して、どのようなプロモーションが有効かを幅広い媒体から選択し、広告戦略全体についてのアドバイスも行います。
専門広告代理店
専門広告代理店はWeb広告や新聞広告など、1つの媒体に特化して広告の運用をサポートします。扱う広告媒体に対しての深い専門知識と経験を持っているのが特徴です。自社がどの広告媒体を使いたいかすでに決まっている場合、専門広告代理店に依頼することで効果を得やすいです。
ただ、総合広告代理店のように、Web広告以外の媒体を横断したキャンペーンなどは対応できない場合があるので注意してください。
ハウスエージェンシー
ハウスエージェンシーは、特定の会社専属で広告運用を代行します。
基本的には特定の企業からの案件だけを扱うため、その会社のビジョンや商品知識にも熟知しています。そのため、もっともスムーズに広告運用を進めることができます。
Web広告代理店へ運用代行を依頼するメリット
Web広告を運用するにあたって、自社で運用した方が良いのか、代理店に依頼した方が良いのか迷うこともあるのではないでしょうか。そこで、ここではWeb広告代理店に運用を代行するメリットを整理します。
1.広告代理店のノウハウを利用できる
仮にWeb広告を自社で運用する場合、広告運用に関するノウハウはゼロから獲得する必要があります。それには、多くの費用と時間がかかることが予想されます。一方、広告代理店には、すでに豊富なノウハウと経験があります。そのため、依頼した直後から、そのノウハウを活用した運用が可能です。
2.業務負担を軽減できる
Web広告の運用には、プランニングから広告出稿、結果分析まで幅広い業務をおこなう必要があります。これを自社でおこなう場合、多くの人材を投入する必要があります。また、広告は一度出稿すれば終わりではなく、その後も継続的な運用努力が求められます。
代理店を利用すれば、そういった業務に時間や人材を割く必要がなく、Web担当者は広告運用以外の業務にリソースを割くことができます。
3.最新情報に基づいた広告配信が可能
どのWeb広告も最新の機能が頻繁にアップデートします。
自社だけでWeb広告の最新情報を学び、運用に活かすのは簡単ではありません。しかし、広告代理店ならそういった最新情報を常にキャッチしているため、より効果の高い運用が期待できます。
Web広告代理店へ運用代行を依頼するデメリット
Web広告代理店に依頼するデメリットについて解説します。メリットとデメリット、両方を参考にして広告代理店に依頼するかどうか検討してください。
1.間接費がかかる
自社でWeb広告を運用する場合、かかる費用は基本的に広告媒体に支払う費用だけです。しかし、Web広告代理店に依頼する場合、次のような間接費がかかります。
- 初期費用
- 運用代行費
- クリエイティブ制作費
初期費用とは、広告代理店が代行を請け負う際、プランニングやアカウント作成などにかかる費用です。
また、広告に画像や動画を使用する場合、追加でクリエイティブ作成費がかかることもあります。自社で行えばかからない、こういった間接費が発生するのはデメリットの1つです。
また、運用手数料として相場として20%の手数料がかかってきます。10万円の広告予算分を出稿すると、手数料の2万円がかかり、12万円必要になります。
2.業種によって得手・不得手がある
広告代理店といっても、あらゆる業種に精通している訳ではありません。クライアント企業の業種について知識や経験が不足していることも考えられます。
業種に関する知識が不足していると、広告の成果を出すまでに、余分な時間がかかることも想定しておく必要があります。
Web広告代理店を選ぶ際のポイント
Web広告代理店と言っても数多くあり、どの代理店に依頼すれば良いのか迷ってしまいます。そこで、ここではWeb広告代理店を選ぶ際の8つのポイントを詳しくお伝えします。
1.Web広告代理店の実績
Web広告代理店を選ぶ際の1つのポイントは、その代理店の実績です。特に、自社と同じ業種や近い業種の広告運用を扱ったことがあるのか確認が必要です。
また、経験だけではなく広告運用後にどのような成果を出しているのかも確認しておきます。
その他、Google広告やYahoo!広告であれば、認定パートナーとして承認されているのかどうかも参考にできます。
2.運用代行の料金
Web広告の運用代行を依頼する際、予算内で依頼ができるのかどうか確認が必要です。
Web広告の運用代行費は、企業によってさまざまな基準で決められていますが、比較的多い決め方は、かけた広告費の一定の割合で設定するというものです。
仮に、広告費の20%が運用費と設定されている場合、毎月100万円分の広告運用を依頼するなら、運用費は20万円です。
また、代理店によっては月額制で決まっていることもあります。この場合は、例えば月額30万円などのように運用代行費があらかじめ決まっています。
その他、代理店ごとに広告運用費の料金設定が異なるので、依頼する前に確認しておきます。
3.対応している媒体
Web広告といっても、リスティング広告から、SNS広告まで幅広い種類があります。そのため、代理店が希望する広告媒体を扱っているのか確認してください。
例えば、自社がFacebook広告を運用したいと思っていたら、Facebook広告を扱っている代理店に依頼する必要があります。
4.Web広告以外の施策に対応しているか
もし広告運用で成果が出た場合、将来、集客方法を広げることも検討すると思います。そこで、依頼したい広告代理店が、Web広告以外の集客方法に対応しているか確認してください。
例えば、オウンドメディア構築やSNSアカウントの代理運用などです。将来、広告以外の集客方法も検討する場合は、重要なポイントです。
5.運用アカウント開示の可否
多くのWeb広告では、広告を配信した後、配信データをアカウント画面で確認することができます。しかし、アカウント画面は、通常、運用責任者のみしか閲覧できません。
そのため、代理店はアカウント画面を確認できますが、依頼した企業では確認できないことも多いのです。今後、広告運用のデータを自社で活用したいという場合、アカウント画面を共有できるのかどうか確認が必要です。
6.最低契約期間の有無
Web広告代理店によっては、最低契約期間が決まっています。想定した運用結果が出ない場合でも、その期間内は契約を解除できないので注意してください。解除する場合には、違約金が発生することもあります。
7.担当者との相性
Web広告を運用する担当者との相性も大切です。担当者によっては、小まめに運用状況を報告してくれたり、必要に応じて新たな提案をしてくれます。
一方、あまりコミュニケーションをとってくれない担当者もいますので、可能であれば事前に面談をさせてもらい、相性を確認してください。
8.レポートの内容
多くの代理店では、一定期間ごとに広告の成果レポートを届けてくれます。そのレポートの分析に基づいて、自社でマーケティング全体の施策を考える必要があります。そのため、レポート内容に自社が知りたい情報が掲載されているかどうか確認してください。
理解できないものだったり、情報として不十分なものである場合は、自社の要望に合わせ柔軟に対応してくれるのかどうかも、代理店を依頼する際の判断基準にしてください。
大手Web広告代理店売上ランキング
大手Web広告代理店では、複数のWeb広告を取り扱っています。そのため、仮に一種類のWeb広告がうまくいかなくても、別の広告媒体を試すことができます。また、Web広告の運用業務を一括して依頼できることも大手ならではの魅力です。
こういった点から、大手Web広告代理店を依頼先として検討することも多いと思います。そこで、最後に大手Web広告代理店売上ランキングをお伝えします。広告代理店を選定する際の参考にしてください。
2021年6月時点
順位 | 会社名 | 売上 |
1位 | 株式会社サイバーエージェント | 4,786億円 |
2位 | D.A.コンソーシアムホールディングス株式会社 | 2,083億円 |
3位 | 株式会社デジタルホールディングス | 887億円 |
4位 | 株式会社アドウェイズ | 490億円 |
5位 | GMOアドパートナーズ株式会社 | 345億円 |
6位 | 株式会社ファンコミュニケーションズ | 293億円 |
7位 | 株式会社インタースペース | 248億円 |
1位のサイバーエージェントはメディア事業やゲーム事業、広告事業などを中心に行っている会社です。1998年の創業以来、インターネット業界のパイオニアとして事業を拡大しています。バナー広告などの広告事業が好調です。
2位のD.A.コンソーシアムホールディングス株式会社は老舗の広告代理店、博報堂の子会社です。Web広告を中心に扱っています。
3位の株式会社デジタルホールディングスは、大手・準大手顧客領域と地方・中小・ベンチャー企業領域に体制を分け、サービスの提供を行っているのが特徴です。
5位のGMOアドパートナーズ株式会社は、総合Web広告代理店です。特にメディアレップ(広告メディアの卸問屋)に強みを持っています。この分野では業界第3位を誇っています。
まとめ
今回はWeb広告代理店がどのようなもので、依頼するメリットやデメリットについてお伝えしました。自社で代理店に依頼すると決めた場合は、自社の希望することがその代理店で実現できるのかどうか慎重に選んでください。代理店を決めるまでには手間と時間がかかりますが、一度相性の良い代理店を選ぶことができれば、Web広告を短期間で軌道に乗せることもできます。ちなみに、弊社でもWEB広告の出稿と運用はできますので、お気軽にお問い合わせください。