ユーザーエクスペリエンス(UX)とは? UIとの違いやUXを高めてSEOに活かす方法を解説
ユーザーエクスペリエンス(UX / User Experience)とは、消費者が製品やサービスを使用した際のユーザー体験のことです。製品やサービスの品質のみならず、例えばECサイトの場合は商品購入時の決済方法から商品配送に至るまでのプロセスを経たユーザーの体験を指します。
WEBサイトによるサービス提供においては、UXが高いほどSEOの効果が期待できます。その一方でUXが低いと、サイト訪問者がバックブラウザすることが多くなり、サイトの離脱率が高まります。その結果として、Googleからマイナスの判定を下されることもあります。
ユーザーエクスペリエンス(UX)とは
ユーザーエクスペリエンス(UX / User Experience)とは、サイトに訪れて体験する製品やサービス購入を経て得るユーザーの感想や印象のことです。UXが高いほど、ユーザーの満足度が高いと判断できます。
例えば、提供するサービスがWEBサイトの場合、以下のようなユーザー体験や感想がUXに該当します。
- ページ表示速度が速く、ノンストレスで利用できた
- 記事冒頭に目次があったため、読みたい箇所だけ拾い読みできた
- 原稿の書き方が上手で読みやすく、理解しやすかった
- 重要な文脈に強調マークアップが使用されていて、流し読みしやすかった
- 次に読みたい記事を直感的に探せた
ただし、これはあくまで一般的な情報サイトでユーザー体験がWEB上のみで完結するケースの例です。例えばWEBサイト(オンライン)と現実世界(オフライン)のユーザー体験が入り混じるECサイトでは、商品決済の方法や商品配送、ユーザーの不明点を解決する電話オペレーションの対応といった要素もUXに含まれます。
UXが注目されている背景
UXが注目された背景の一要因として、スマートフォンやタブレットの普及が挙げられます。デバイスが多様化したことで、アプリケーションが台頭しました。アプリケーションでは、従来のWEBサイトで得られない新たなユーザー体験をもたらすことがテーマとなってきました。こうした流れの中で、企業がユーザー獲得を目的にUXを利用するケースが増加しています。
ユーザーエクスペリエンス(UX)を構成する4つの要素
一般的な情報サイトにおける、UXを向上させるための主な要素は下記のとおりです。
- デザイン
- ユーザーインターフェイス(UI)
- コンテンツ品質
- 最新情報やデザインの更新
デザイン
WEBサイトのビジュアルを変更することで、UXが向上することがあります。とくにWEBサイト上で製品やサービスをブランディングする際に、適したデザインにすることで、サイト訪問者に視覚的に訴求対象のイメージを的確に伝えるといった効果があります。
ただし過剰なデザインによって、記事内容を読みづらくなるといった悪影響がでることもあります。WEBサイトにおけるデザインは自己主張するためのものでなく、UXを高めるための手段です。WEBサイトで訴求したい製品や扱うサービスによって、最適なデザインを検討してください。
ユーザーインターフェイス(UI)
ユーザーインターフェイス(UI)とは、サイト全体の見た目や表示された画面上での操作性を指します。UIが優れていると、サイト訪問者はスムーズにWEBページの内容を理解して、さらに閲覧したい別のページに移動でき快適感を与えられます。
逆にUIが不適切だと、いかにコンテンツが優れていたとしてもサイト訪問者の需要を満たす以前の問題として、使いにくい印象を与えてしまうので注意が必要です。
コンテンツ品質
WEBサイトのデザインやUIといった基盤が完成したら、サイト内にコンテンツを増やしていくことになります。
例えば、情報サイトの場合は記事コンテンツを投稿していきます。記事に含まれる情報が不足している、または誤りがあるとサイト訪問者の需要を満たすことはおろか、不満を与えかねません。コンテンツ作成時は、常に次のことを意識してコンテンツ品質を管理してください。
- 需要を満たすコンテンツになっている
- 情報に誤りがない
- 原稿が正しい文法で書かれている
- 誤字脱字がない
最新情報やデザインの更新
WEBサイトを立ち上げた目的によって異なりますが、サイトの役割は訪問者に情報や商品を提供することです。サイトは主に下記のジャンルにわけられます。
- ブランディング(企業サイトや製品サイト)
- 情報提供(オウンドメディアやまとめサイトなど)
- 商品やサービス提供(ECサイト)
- コミュニティサイト(SNSや掲示板サイト)
いずれのタイプのWEBサイトであっても、社会的な情勢に合わせて情報を更新する必要があります。企業サイトや情報サイトでは、掲載されているものが古い情報のままだと、サイト訪問者の需要を満たすことができません。ECサイトの場合でも最新の人気製品を取り扱っていないと、品揃えが悪いといった印象を与えます。WEBサイトを立ち上げたら、情報更新することを意識してください。
またWEBの世界では、UIやデザインも日々進化しています。そのため数年前と変化がないUIを採用し続けると、古臭い印象を与えかねません。時代に合った最新のデザインはユーザーに安心感と信頼感を持たせます。スタイリッシュで洗練されたUIやデザインを追求し続けることが大切です。事実、有名メディアではUIやデザインが大幅にリニューアルされるケースが多々あります。
ユーザーエクスペリエンス(UX)とユーザーインターフェイス(UI)の違い
UXと混同されやすい用語として、ユーザーインターフェイス(UI)が挙げられます。用語に含まれるニュアンス上、「UX=UI」と捉えられることが多々ありますが、厳密には意味が異なります。
まずUXはユーザー体験を指し、満足度を測る指標として使われます。その一方で、UIはユーザーインターフェイスと言われ、UIとはユーザーと製品やサービスの接点のことを指します。WEBサイトにおいてUIは、サイト全体の見やすさや操作性を意味します。
また、UIと一緒に利用される用語にユーザビリティがあります。ユーザビリティはUse(使う)とAble(できる)を掛け合わせた単語で、転じて使いやすさの意です。「UIとUX」と同様に「UIとユーザビリティ」も混同されやすい用語ですが、意味が異なるので注意が必要です。
見た目を構成する要素
サイトの見た目を改善することで、「見やすい」というUXが生まれます。UIを見やすくすることで、サイト訪問者が記事コンテンツなどに対する理解が深まります。見た目に関しては、下記のような要素が挙げられます。
- メニューの位置
- サイト全体のレイアウト
- フォントサイズ
- 画像や動画データ
操作性を構成する要素
操作性がよいWEBサイトは、「使いやすい」といったユーザーの感想を得られます。サイト内の操作性を高めることで、訪問者がノンストレスでサイトを利用できます。操作性に影響を与える要素は、主に下記のとおりです。
- メニューの開閉
- 画面のスクロール
- リンクボタンの効果範囲
- 画像のポップアップや動画の再生
UIの改善でUXが高まる
サイト訪問者は、UIに従ってサイトやページ構成を理解して、ページ遷移や画面スクロールといったアクションをします。見た目に優れていれば「見やすい」、操作性に優れていれば「使いやすい」という印象を与えます。逆に、見た目や操作性が整備されていないUIのサイトでは、「見にくい」や「使いにくい」といった印象を与えUXが低いと評価されがちです。
ユーザーエクスペリエンス(UX)を考慮したサイト設計と作成
WEBサイトを設計し作成する上で、UXを考慮することが不可欠です。実際にUXを考慮し、サイトを作成する手順は下記のとおりです。
- ユーザー需要を抽出する
- ユーザー需要を考慮してサイト設計や作成する
- サイト訪問者のニーズに応える
ユーザー需要を抽出する
WEBサイトを立ち上げる上で、最初にすべきことがユーザー属性の設定です。どのようなユーザーにサイト訪問して欲しいのかを明確にして、ターゲットを定めます。次の段階として、ターゲット層に共通する課題やニーズを抽出します。この段階で間違ったニーズを設定してしまうと、その後にどれだけWEBサイト作成に時間をかけても、よい結果が出にくいので注意してください。ターゲット設定にはペルソナの抽出から始めます。
ユーザー需要を考慮して設計する
ターゲットの需要を把握できたら、ニーズに沿ってデザインやUI、サイトマップといった設計を組み立てていきます。サイト運用フェーズに入ったら、ターゲットの需要を意識して記事コンテンツのテーマや方向性を設定してください。
サイト訪問者のニーズに応える
WEBサイトがひとまず完成したら、ユーザーアンケートやアクセス解析ツールなどを利用してサイト訪問者が満足しているかを確認してください。アンケート結果が著しく低評価になっている、またはアクセス解析で極端に離脱率が高いデータがとれた場合は訪問者が不満を抱いている可能性があります。不満となる原因を特定して、サイトを改修してください。
ユーザーエクスペリエンス(UX)を向上する方法
すでに運用しているWEBサイトのUXを高めるためには、ユーザー需要や利用者の感想を抽出して、サイト改修していく必要があります。
WEBサイト立ち上げ時はもちろん、サイト運用中でもユーザー需要を吸い上げる作業は非常に重要です。立ち上げ時のユーザー需要と、運用時のユーザー需要が変化することも多々あります。常にユーザーの声に耳を傾けることを忘れないようにしてください。さらにアクセス解析ツールを利用して、ユーザーが不満になっている原因を特定して取り除く必要があります。
デザインやUIを改善する
デザインやUIを変更すると、劇的にサイトが見やすくなり、かつ使いやすくなりUXが高まることがあります。デザインやUIを見直す際にチェックするポイントは、主に下記のとおりです。
- サイト内の導線を見直す
- 記事コンテンツのページ構成を見直す
- ターゲットが理解できる記事コンテンツを作る
コンテンツテーマの方向性を変更する
デザインやUIに問題がないにも関わらずユーザーの評価を得られないケースでは、現状のコンテンツではユーザー需要を満たせていない可能性があります。ユーザー需要に合っていないサイト作りをしてしまった場合は、記事コンテンツのテーマや方向性の変更を検討する必要があります。改めてユーザー需要を洗い出して、どのようなコンテンツでニーズに対応できるかを考えてください。
ユーザーエクスペリエンス(UX)とSEOの関係性
WEBサイトにおけるUXは、サイト訪問者の体験であることからSEO対策をする上で考慮しなければならない重要な要素です。例えば、WEBサイトを改修して利便性が高まることでUXが向上します。これにより、サイト訪問者の滞在時間や回遊率などアクセスデータ面でも改善がみられてきます。その結果として、サイトドメインがGoogleに評価されて、徐々にSEO効果も表れてきます。
Google社の考えを示したGoogleが掲げる10の事実 によると、サービス当初から検索ユーザーの利便性を第一としています。
1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
Google は、当初からユーザーの利便性を第一に考えています。新しいウェブブラウザを開発するときも、トップページの外観に手を加えるときも、Google 内部の目標や収益ではなく、ユーザーを最も重視してきました。Google のトップページはインターフェースが明快で、ページは瞬時に読み込まれます。金銭と引き換えに検索結果の順位を操作することは一切ありません。広告は、広告であることを明記したうえで、関連性の高い情報を邪魔にならない形で提示します。新しいツールやアプリケーションを開発するときも、もっと違う作りならよかったのに、という思いをユーザーに抱かせない、完成度の高いデザインを目指しています。
そもそもSEOとは、Google検索エンジンで上位表示を目的としたアクセス増加の施策です。そのGoogle検索エンジン自体がユーザーファーストの考えを示しています。このユーザーファーストには、わかりやすいコンテンツを提供することも含まれます。わかりやすいコンテンツを作成することで、ユーザーのみならず、自然とGoogle検索エンジンの理解促進につながります。UXで評価されるWEBサイトを作成すれば、自ずとGoogleにサイトドメインが評価されて検索順位が上昇します。
まとめ