アップデートの意味とは?主な種類や実施しない際の問題点を解説
アプリやツールにおいて、新しい機能の追加やセキュリティ面の強化として欠かせない要素がアップデートです。とはいっても「アップデートがそもそも何を意味しているのか分からない」と悩まれている方も多いのではないでしょうか。
なかにはアップデートがリリースされたものの、古いバーションを使用し続けている方も多いといえます。
アップデートの意味とは?
アップデートとは、パソコンのOSやWordPressサイトなど、ソフトウェアを最新の状態に更新することをいいます。身近なものではスマートフォンのOSアップデートやアプリのアップデートといえます。
アップデートでは新機能の導入やセキュリティ強化などを目的に開発者が最新版をリリースし、ユーザーはダウンロードして活用する仕組みです。そのためアプリやサイトを快適に利用するためにも、アップデートは欠かせない要素になります。
ここでは、アップデートとアップグレードの違いについて解説していきます。
アップグレードとの違い
アップデートとアップグレードは一見同じ意味合いに感じられますが、両者では明確な違いがあります。
- アップデート:最新の状態に更新すること
- アップグレード:いま以上に性能を向上させること
アップデートは基本を軸に更新を行うため、根本的な部分に変化はありません。しかしアップグレードでは性能を大きく改善することが目的となり、根本的な機能や仕組みが変化することも多いといえます。
またアップデートは基本的に無料でダウンロードできますが、アップグレードを行うためには料金が発生します。そのため普段行っている更新作業は、大半がアップデートに属するといえます。
アップデートの種類
アップデートはさまざまな場面で行われており、頻度や回数も対象によって大きく異なります。
ここではWebサイトやインターネットにおけるアップデートについて、以下の4種類から解説していきます。
- OSアップデート
- WordPress
- ツール
- 検索エンジン
OSアップデート
OS(Operating System)とは「オペレーティングシステム」の略となり、ユーザーとハードウェアをつなぐ役割をもちます。
パソコンにおける主要なOSはこちら。
- Windows(ウィンドウズ)
- DOS(ドス)
- Mac OS(マックオーエス)
- Ubuntu(ウブントゥ)
- UNIX(ユニックスス)
パソコンであれば上記のようなOSが導入されていない場合、アプリケーションやブラウザの使用ができません。
そのためOSはパソコンやスマートフォンなどのハードウェアに欠かせない要素となり、アップデートでは細かい不具合の改善から新しい機能の導入が目的となります。また活用シーンが多いからこそ、アップデートの回数は比較的多い傾向にあります。
WordPress
WordPressはCMS(コンテンツマネジメントシステム)の一つとなり、HTMLなどの知識がなくても簡単にWebサイトを作成できるツールです。
インターネット上にある日本のWebサイトでは約8割がWordPressサイトと言われており、個人のブログから企業のコーポレートサイトまで幅広く活用されています。
そのためセキュリティ面の対策としても、WordPressのバージョンは常に最新の状態にしておくことが重要です。
またWordPressでは「テーマ」や「プラグイン」を活用し、簡単にサイトデザインの変更や拡張機能を活用できます。
WordPress本体のアップデートも重要ではありますが、「テーマ」や「プラグイン」も重要な要素となるため、定期的にアップデートの有無を確認するようにしましょう。
ツール
Webサイトを運営するうえではアクセス解析のツールやタグ管理ツールなど、さまざまなツールを活用する機会も多いはずです。他にも企業であれば顧客管理ツールなど、世の中には業務の利便性を高めるツールが数多く存在します。
このような普段から活用するツールにおいても、新機能が導入されるタイミングなどでアップデートは頻繁に行われます。
例えばWebサイトの解析ツールである「Google Analytics」では、2020年10月に「Googleアナリティクス4」のアップデートがリリースされました。従来の「Google Analytics」ではデータ収集が2023年7月に終了となり、新しいバージョンへの移行は必須です。
Google Analyticsのようにツールによってはアップデートしなければ活用できない場合もあるため、最新版への対応は重要な要素になります。
検索エンジン
検索エンジンとは、インターネット上にあるWebサイトや画像などを検索するためのシステムのことです。
日本ではGoogleが代表的な検索エンジンとなり、Webサイトの検索順位を決める「検索アルゴリズム」では定期的なアップデートを行っています。
過去の主要なアップデートはこちら。
- 2014年12月:ベニスアップデート
- 2015年7月:パンダアップデート
- 2016年9月:ペンギンアップデート
- 2016年5月:モバイルフレンドリーアップデート
- 2021年6月:Core Web Vitals
前述で紹介してきたアップデートはユーザー自身が更新する仕組みでしたが、検索エンジンのアップデートは自動で行われます。事前にアップデートの告知はされるものの、サイトによっては検索順位に大きく影響を受けるため注意をしなければいけません。
そのためアップデートの前後では自社サイトを検索アルゴリズムに対応させるなど、検索エンジンに向けた対策が必須となります。
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アップデートを実施する目的
アップデートは新機能の追加だけでなく、セキュリティ面の強化や不具合の改善など、さまざまな目的があります。定期的なアップデートは手間に感じますが、アプリやサービスの品質を高めるためにも最新の状態を維持することが理想といえます。
ここでは、アップデートを実施する目的について解説していきます。
新機能の活用
アップデートを実施する1つ目の目的は、新機能の追加し利便性を高めるためです。
特にバージョンが大きく変化する場合は、新機能の導入が多いといえます。現代ではインターネットが普及し日々新たな技術やサービスが生まれています。
そのため古い機能のままでは「扱いづらい」や「他のツールと互換性がない」など、ユーザーが不便に感じる要素も発生していまいます。仮に不便な状態が続けば、活用するユーザーは離れてしまうはずです。
したがって新機能を追加することでツールやサービスの品質を向上させ、結果的にユーザーの利便性を高めることが可能になります。
セキュリティの強化
2つ目の目的は、セキュリティを強化しサイバー攻撃などからユーザーを守るためです。
OSやメールソフトなどのソフトウェアでは、設計ミスによってセキュリティホールと呼ばれる欠陥が発見されることがあります。
このような欠陥を放置してしまえば、悪意のあるサイバー攻撃やウイルス感染が起こりやすくなり、情報漏洩などの重大な問題へと発展することもあります。
そのため開発者やサービスのメーカー側は、欠陥を解決する手段として修正プログラムを作成し、アップデートとして提供する流れとなります。
不具合の改善
3つ目の目的は、アプリやサービスの不具合を改善することです。
前述のセキュリティーホールも不具合の一部ですが、他にもデザインや機能面の修正など、細かい不具合も多く発生しています。
ユーザー目線では大きな変化に感じない内部的な修正も多くありますが、正常に活用するうえでは日々の修正が欠かせません。
特に大きなアップデート後は予期せぬ不具合が発生しやすく、細かい修正を目的としたアップデートも多いといえます。
小さな不具合でもセキュリティ面に影響を及ぼす可能性はあるため、アップデートがある場合は常に最新の状態を維持することが重要です。
アップデートを実施しない際の問題点
前述ではアップデートを実施する目的について解説しましたが、アップデートを実践せずに放置した場合は以下のような問題が発生します。
- セキュリティが弱体化する
- 開発元のサポートを受けられない
- 最新機能を活用できない
なかには本来の性能を一切発揮できない可能性もあるため、できるだけ迅速な対応を行ないましょう。
セキュリティが弱体化する
アップデートを放置した場合に最も問題となることが、セキュリティが弱体化し情報漏洩や金銭詐取など、さまざまなサイバー攻撃を受けてしまいやすい点です。
サイバー攻撃の例はこちら。
- フィッシング詐欺:入力フォームから個人情報を抜き取る
- 詐欺メール:虚偽の内容から金銭を騙し取る
- SYNフラッド攻撃:Webサーバーに大量の接続要求を送りつけ、サービス停止に追い込む
現代では個人情報や機密情報の売買を目的としたサイバー攻撃も多く、個人企業を問わずにターゲットとなる可能性は十分にあります。攻撃者も犯罪者やハッカー、そして企業に恨みをもつ人間まで多岐にわたります。
なかには営業妨害や企業のイメージダウンを狙った悪質な攻撃もあります。
仮に企業が顧客の個人情報を流出したとなれば企業存続にかかわる重大な問題となるため、アップデートによるセキュリティ対策は必須です。
開発元のサポートを受けられない
一般的にアプリやサービスを活用するなかで何かしらの問題が発生した場合、問い合わせによって開発元、または提供元などからサポートを受けられます。
しかし古い状態のバーションでは対策方法が異なることも多く、十分なサポートを受けられない可能性もあります。
また開発元、または提供元によっては最新のバーションでない限り、サポート自体を行っていない場合もあります。そのため緊急の対応が求められる場合では業務に支障をきたすなど、アップデートの有無によって大きな影響を受けることも考えなければいけません。
最新機能を活用できない
アップデートの目的として多い内容は最新機能の追加ですが、アップデートをしていない場合は古い機能のまま使用しなければいけません。
とはいっても、なかには「最新機能を求めていない」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし追加される機能がセキュリティ面や根本的な機能面の場合、古いバーションでは正常に動作しないことが考えられます。
またデザインレイアウトなども最新の状態に移行するため、従来のデザインにズレが生じるなど、予期せぬ不具合が発生する可能性もあるはずです。
このようにアップデートでは最新機能の内容だけでなく、その他の問題にも着目することが重要です。したがってトラブルを回避するためにも、アップデートは非常に重要な役割をもちます。
アップデートを行う際の注意点
アップデートでは状況や内容によって、不具合が発生する可能性があります。また一度アップデートしたものを元の状態に戻すことはできないため、アップデートの環境を整えることや、事前にバックアップを取っておくことを意識しましょう。
ここでは、アップデートを行う際の注意点について解説していきます。
アップデートによる不具合
どのアップデートにも共通することが、アップデートを実施したことで不具合が発生するケースです。
仮にパソコンで「Windowsアップデート」を行った場合であれば、以下のような現象が比較的多いといえます。
- 普段使用しているアプリが正常に動作しなくなる
- エラー発生によりアップデートが進まない
- デスクトップのレイアウトが崩れる
なかには元のデータが消えてしまうなど、大きなトラブルが発生することもあります。このような不具合の原因は複数考えられますが、多くは接続状況の不安定さや常駐しているプログラムといえます。
そのためセキュリティソフトはアップデート時に一時停止するなど、普段バックグラウンドで使用しているプログラムを確認することが重要です。
空き容量によるトラブル
アップデートでは多くの容量を必要とすることが多いため、空き容量によるトラブルには注意をしましょう。
仮に少ない容量でアップデートを行うと、正常にインストールがされないことや、アップデート終了後の不具合につながる可能性があります。
そのため、空き容量が足りない際は、次のような方法でアップデートに必要な容量確保を行いましょう。
- ドライブを拡張する
- 不要なデータを削除する
- 外部ストレージで容量を増やす
またトラブルの発生は何も確認せずにアップデートした場合が多いため、事前に「アップデートに必要な容量」と「現在の空き容量」を把握することが重要です。
アップデート前には戻せない
基本的にアップデートは一度実施すると、元の状態には戻せません。そのため不具合やトラブルが発生した場合には、また新しいアップデートを待つか、強制的にダウングレードを行う必要があります。
ただしダウングレードでは以下の点に注意しましょう。
- ダウングレード可能な期間が存在する場合もある(例:Windowでは10日以内)
- アップグレードによって追加された新機能は削除される
- ダウングレードによってデータが紛失する可能性がある
またアップデートの種類によって、ダウングレードが対応できるかについても異なります。そのためアップデートを行う際はデータのバックアップを取り、データ紛失や機能の不具合に対応できる状態にしておきましょう。
まとめ
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