UGCとは?マーケティングにおける活用手法・注意点・事例を徹底解説!
UGCは、ユーザーが生成したコンテンツであるため、ユーザー独自の表現で消費者へプロモーションできます。
UGCから本サイトへリンクで紹介があれば、被リンク獲得となりSEOの効果があります。
UGCとは
UGCとは、User Generated Content(ユーザー生成コンテンツ)の略で、運営側ではなくユーザー側が制作して配信するコンテンツです。例えば、InstagramやYouTubeなどで投稿される写真や動画などがあげられます。
UGCによる商品やサービスなどのレビューは、率直な意見という形でみられることが多いため、成果を期待できるマーケティング戦略として導入されています。
UGCと似たコンテンツで、CGMがあります。CGMは、Consumer Generated Media(カスタマー生成メディア)の略で、ユーザーによって投稿される情報のWebサービスです。まとめサイトやQ&Aサイト、口コミサイト、レシピ投稿サイトなどがあります。
UGCがマーケティングで注目される背景
UGCはマーケティング戦略として注目されています。ニューヨークのプロバイダーであるTurnTo Networksによる消費者調査の結果では、ユーザー生成コンテンツ (UGC) が消費者体験を形作っているとしました。
調査の結果によると、ほとんどの買い物客 (90%) が、UGC が購入の決定に影響を与えると報告しており、検索エンジン (87%) やプロモーション メール (79%) を含む他のすべてのマーケティングを上回っています。
特に、買い物客は、UGC と組み合わせた製品に対して、より多くの支払い (81%) とより長い時間 (81%) を待ちました。
- 女性買い物客のほぼ 4 分の 1 (24%) が、UGC が最も影響力のあるマーケティング ツールであると考えています。
- 30 歳未満の買い物客は、それ以上の年齢の回答者よりも、購入の決定において UGC の影響が大きいと報告しています。18 ~ 29 歳のユーザーの 97% が、UGC の影響が非常に大きいと報告しています。
- 買い物客の 3 分の 2 近く (63%) が、UGC がより本物のショッピング体験を生み出すと信じています。
- ほぼ 4 分の 3 (73%) が、UGC によって購入の自信が高まると述べています。
- ほぼ 3 分の 2 (61%) が、UGC がブランドとの関わりを奨励していると報告しています。
このように、UGCは、消費者行動に大きな影響を与えていることがわかっています。
次に、UGCの特徴とマーケティング戦略を3つ解説します。
広告に対するネガティブ感情の対策
UGCによる商品やサービスのプロモーションは、一般的な広告戦略に比べると、ユーザーに受け入れられやすい傾向があります。
近年のインターネットでは、さまざまな広告配信の方法があり、人気コンテンツを利用しようとすると必ずといっていいほど広告を目にします。そのため、広告を見る機会が増えており、ユーザーは広告に対して嫌悪感を抱くこともめずらしくありません。
また、ユーザーが欲しいと思う情報と企業が売り込みたい内容にズレが発生することによる嫌悪感も考えられます。
企業のマーケティング担当者は、変化し続けるデジタルコンテンツを利用したマーケティング戦略を常に試行錯誤しているため、業務内容が増加し続けます。その結果として、ユーザーの欲している情報と企業が伝えたい情報にズレが発生します。
UGCによるマーケティングをおこなうことにより、ユーザー目線の実体験を用いたプロモーションが可能です。また、マーケティング担当の業務も軽減できます。
ユーザー発信であることによる影響力
ユーザー発信であることによる価値の向上の効果も注目されている理由の一つです。InstagramやYouTubeなどを利用し、ユーザーによるレビューを配信することにより、見た人は嫌悪感を感じることなく、商品やサービスの内容を受け入れられることが多いです。
現代では、商品やサービスの購入前に情報収集の方法として、Instagramや YouTubeを利用して情報を収集することが多く、プロが作成した広告よりもユーザーのアマチュア感の伝わる広告の方が好まれる傾向があります。
また、写真や動画などを加工するアプリの発達より、質の高いものが多く存在しています。
マーケティングに必要なコンテンツ量の増加
WEBコンテンツなどを利用したデジタルマーケティングの市場は劇的に変化しているため、マーケティング担当者はPDCAサイクルのスピードをあげて、デジタルマーケティング戦略を実践しないといけません。
マーケティング担当者のリソースが増加するため、UGCを活用することにより、リソースを削減することが可能です。また、一定以上の質と量を担保しつつ、クリエイティブ制作にかける費用を削減できます。ユーザー目線でプロモーションするコンテンツを量産できます。
UGCをマーケティング戦略として取り入れるメリット
WEBマーケティングの戦略として活用するメリットは、企業のプロモーションだけでは難しい、下記のようなメリットがあります。
- 親近感を与える
- 広告配信のリソースを削減
- 商品やサービスの改善につながる
- SEO効果の期待
親近感を与える
UGCは親近感を与えつつ、商品やサービスなどを使用した実体験を伝えられます。また、同じ消費者としての立ち位置で情報を発信することにより、信頼されやすいです。
運営側が起用した有名人や綺麗な雰囲気を活用した広告は、ユーザーが親近感を感じることが難しく、実際の使用感ではなく理想の使用感であると感じやすいです。
ユーザーが制作したコンテンツを広告とすることにより、商品やサービスの使用イメージをリアルな声として伝えられ、親近感を与えつつ具体的な内容をプロモーションできます。マーケティング戦略として組み入れることにより、客観的な評価として受け入れられ、信頼感も与えます。
広告配信のリソースを削減
WEBコンテンツが多様化し、それぞれのコンテンツを利用したプロモーションをおこなおうとすると、広告配信の方法も多様化します。それぞれのコンテンツで最適な広告配信を行おうとすると、さまざまなクリエイティブ内容を準備する必要があるため、多くのリソースが必要です。
しかし、UGCを利用することによりユーザーがそれぞれの表現方法で広告となるコンテンツを配信するため、リソースの削減につながります。また、商品やサービスなどを発信する運営側が気づかない訴求ポイントを、ユーザー目線でプロモーションすることも少なくありません。
実際に使用したユーザーだからできる表現方法は、新たなユーザーを取り込みます。
商品やサービスの改善につながる
商品やサービスの使用感や内容がわかるような画像や動画などのコンテンツをユーザー独自の感性で制作されるため、ユーザーの意見や感想として捉えられます。そのため、UGCの内容から商品やサービスの改善や新たなアイディアを生み出すことも可能です。
SEO効果の期待
UGCの様々なコンテンツから本サービスのサイトへの紹介リンクが入れば、本サイトが被リンクを獲得しSEO効果が期待できます。サイテーションの効果とリンクジュースが本サイトへ流れ本サイトのドメインが強くなります。
運営側がUGCを活用する際の注意点
UGCはユーザー独自の表現によって制作されることが多いため、運営側として気をつけなければならないこともあります。
- 著作権侵害の危険性
- ステルスマーケティングの対策
- 情報の正確さとクオリティコントロールが難しい
著作権侵害対策をする
運営側のマーケティングに活用する場合、配信したユーザーから利用許諾を取得する必要があります。しかし、事前に二次活用の許諾を得ている場合は、必ずしも許諾を得る必要はありません。
UGCはユーザーの制作物であるということを理解し、利用する場合はユーザーに配慮した形で利用することが大切です。
ステルスマーケティングの対策
ステルスマーケティングとは、運営側から報酬を受け取っているにもかかわらず、プロモーションであることを悟られないようにユーザーとして良い口コミや評価を発信することです。ステマというように略されることもあります。
ステルスマーケティングは、商品やサービスに対する評価や口コミを参考にする消費者を騙す行為とされており、運営側だけでなく業界全体の信用を失墜する行為です。
UGCの配信をユーザーやインフルエンサーなどに依頼する場合は、制作物内に運営側と配信者の関係性を明示する必要があります。
情報の正確さとクオリティコントロールが難しい
UGCはユーザーが作るコンテンツなので、クオリティのコントロールができず、中には誤った情報を発信している投稿や質の低い画像があります。
また、ハッシュタグキャンペーンを悪用し「荒らし」行為なども起こることがあります。
こちらが投稿内容のコントロールができないのを前提に活用する方法を考えましょう。
UGCの活用を成功させるポイント
UGCを活用して大きな成果をあげるためのコツやポイントを解説します。
UGCの収集
大きな成果を上げるためには、質の良いUGCの収集が重要です。UGCはユーザーの独自の感性によって制作されるため、消費者が求めている情報とずれていることがあります。ユーザー独自の感性を活かすためにも、偏った価値観にとらわれることなく、さまざまなUGCを多く収集してください。数が多ければ多いほど、質の良いものを厳選できます。活用できるものとできないものに分けてください。
UGCの効果を分析
UGCを活用して成果をあげるためには効果を分析することが重要です。WEB広告の運用と同様に、UGCの活用においても効果測定のPDCAを回しましょう。
UGCで成果があがらない場合は、他のUGCを活用するか、状況によっては活用を停止することも必要です。マーケティング戦略の一つであるため、効果を分析することは重要です。
UGCの生成を促す方法
UGCを収集するために、自然に生成されるまで待つだけでなく、運営側がUGCの生成を促すことも大切です。
マーケティング戦略としてUGCを活用するためには、一定数のUGCが存在しなければなりません。UGCが自然に発生するまで待つのではなく、運営側が積極的に関与して生成を促すことも大切です。
特定の顧客やインフルエンサーによる発信
発信力のある顧客やインフルエンサーに、商品やサービスの感想や写真などをSNSに投稿してもらうことにより、大きな効果をえられるUGCを生成できます。この場合、ステルスマーケティングにならないように、関係性を明示してもらう必要があります。
また、多くのインフルエンサーが特定の商品やサービスを同時に紹介すると、消費者は違和感や不信感を抱くことがあるため、タイミングをはかりながらの発信を依頼する必要があります。
既存顧客とのコミュニケーションを大切にする
商品やサービスなどの購入後のコミュニケーションを大切にすることにより、UGC生成のきっかけを作ります。
商品の配達時の対応やアフターケア、メルマガ配信などでコミュニケーションをとり、顧客と良好な関係を築きます。顧客を大切にする一つ一つの取り組みが、顧客にとってプラスの印象を与え、多くの人におすすめしたいという気持ちを抱かせることも少なくありません。
例えば、商品の梱包がとても綺麗な状態で顧客の手に渡り、プラスの印象を与えたとします。顧客は綺麗な梱包がわかる写真を、SNSへ投稿する可能性があり、UGCの生成につながります。また、メッセージカードにオリジナルハッシュタグを添付することにより、商品に対するファン化につながることもあります。
特定のユーザーやインフルエンサーなどに、商品やサービスのレビューを配信してもらう特別な方法でUGCの生成を促すこともできますが、小さな取り組みからでもUGCの生成を促すことが可能です。
UGC活用事例を紹介
活用事例を参考に、マーケティング戦略を考えてください。
- ユニクロ
- 千疋屋
- スターバックスコーヒー
- M&Ms
- GoPro
ユニクロ
ユニクロはカジュアルファッションブランドで、オンライン、実店舗で商品を購入できます。
ユニクロはSNSでユーザーが作成したUGCを公式アカウントで紹介し、生成を促しています。また、#uniqloginzaというオリジナルハッシュタグを利用することにより、質の高いUGCを蓄積しています。
季節に合わせてさまざまな商品を紹介したUGCが生成されているため、消費者が店舗に行かずに商品を選択できます。
千疋屋
千疋屋は果物の販売をおこなっており、購入機会を生み出すためにSNSや購入者レビューなどのUGCを活用しています。
千疋屋の公式オンラインストアでは、商品購入画面で購入者レビューがわかりやすく表示されています。また、商品購入画面からレビューの投稿も可能です。
購入者レビューの閲覧や購入後のレビューの投稿をおこないやすいシステムにより、多くのUGCを生成しています。
参考:2か月でCV率約1.3倍を実現! 「銀座千疋屋」の事例に学ぶSNS活用&UGCマーケティング
スターバックスコーヒー
スターバックスはinstagramやtwitterでファンが作成したコンテンツを頻繁に投稿しています。スターバックスは、コーヒーがどれほど愛されているかを示すユーザー作成コンテンツ(UGC)を積極的に利用しています。
M&Ms
M&Ms もUGC の作品がさまざまなソーシャル ネットワークで共有される仕組みづくりをしています。instagramやtwitter、YOUTUBEで展開されています。ユニークで個性あふれるキャラクターが人気でUGCが作成されやすいです。
GoPro
Go proではInstagramやyoutubeをプラットホームとしてハッシュタグを用いたUGC活用を行っています。Instagramでは定期的にユーザーが撮影した瞬間を紹介しています。Youtubeでもユーザーによる動画が投稿されています。
GoProは世界でも有数のカメラブランドです。GoProでは、購入者が撮影した動画を広める手助けを行うことこそが、我々のマーケティング戦略の中心であると述べています。
参考:The story behind GoPro’s radical user generated content marketing strategy
まとめ
UGCマーケティングでは、情報をさまざまなプラットフォームで取集し自社のマーケティングに活かします。運営側のプロモーションだけではなく、UGCによるプロモーションも導入することにより、リソースを削減して幅広い消費者に説得力のあるプロモーションがおこなえます。消費者の購買意欲を高める効果的な方法として、UGCを取り入れたマーケティング戦略は効果的です。SEO効果もあるため、積極的に活用したいところです。UGCの生成は、顧客に対する丁寧な対応と顧客参加を促すことから始まります。