ソフトウェア業界のSEO対策！最新トレンドから、具体的な対策まで詳しく解説
現代のデジタル化が進む中、ソフトウェア業界は急速な成長を遂げています。経済産業省の『特定サービス産業動態統計調査』によると、2022年のソフトウェア業界の売上は前年比で3.8％増の11兆4,963億円に達しました。企業がデジタルトランスフォーメーション（DX）に積極的に取り組む背景もあり今後、業界のさらなる成長が予想されます。しかし、参入障壁が比較的低いため、ソフトウェア業界は激しい競争にもさらされています。
このような状況の中で、SEOをはじめとするWEBマーケティングを強化する必要性が年々高まってきました。そこでここでは、ソフトウェア業界のトレンドを踏まえたSEO対策について解説します。
ソフトウェア業界におけるSEOの重要性
ソフトウェア業界は、技術革新とデジタル化の波に乗り、急速に成長を遂げています。しかし、この成長とともに、市場の競争も激しさも増しています。そのため、企業が顧客の注目を集めるには、差別化された戦略が求められます。その中心にあるのがSEO（検索エンジン最適化）です。そこでここでは、ソフトウェア業界において、なぜSEOが重要なのかについて解説します。
参考ページ:【2024年最新版】SEOとは？検索エンジン最適化のためのSEO対策を詳しく解説
ブランド構築
ソフトウェア業界は現在成長産業とされており、今後も売上拡大が見込まれます。事実、IDC Japanによると2022年の国内ソフトウェア市場は前年比13.9%増。国内市場だけでも2027年にかけて年平均6.7%で成長すると報告されています。この成長期において新規顧客を獲得し、市場内でのブランドを確立することが業界内の企業にとって最重要課題です。
そして、このようなブラントを構築するのに役立つのが検索エンジンで上位表示です。検索エンジンでの上位表示は、見込み客に対して自社の製品や信頼性をアピールし、競合他社との差別化を図るために重要な役割を果たします。
参考ページ:2022年の国内ソフトウェア市場は前年比13.9％成長 – IDCJapan
優秀な人材獲得のため
経済産業省が2019年に実施した『IT人材需給に関する調査』によると、2019年をピークにIT人材の数は減少傾向にあり、2030年には約40万から80万人規模の人材不足が生じると予測されています。
このような状況の中、SEOを利用して自社のWEBサイトを検索エンジンで上位表示させることは、優秀な人材の獲得に非常に重要です。
特に多くの求職者が仕事を探す際にインターネットを利用して情報検索をおこない、その結果に基づいて応募先を決定するため、企業のWEBサイトが上位表示しているほど、多くの有能な候補者にリーチすることが可能です。
参考ページ: IT人材需給に関する調査（概要）- 経済産業省情報技術利用促進課
商品購入に役立つ
サイトエンジン株式会社の『2023年国内ソフトウェア/クラウドサービス購入動向調査』では、ソフトウェアやクラウドサービスの購入を検討する際、顧客の43.9%が主な情報源として専門業界のWEBサイトを参照すると報告されています。
このため、SEO対策は見込み客の認知・購入に結びつける最も重要な施策の1つといえます。競争の激しいソフトウェア業界において、新規顧客を獲得するためには今後、SEO対策が鍵を握っています。
参考ページ:ソフトウェア/クラウドサービス購入動向調査 – サイトエンジン株式会社
ソフトウェア業界のSEO最新トレンド
ここでは、ソフトウェア業界のSEOの最新トレンドに焦点をあて、どのようなキーワードに注目が集まっているのかを詳しく解説します。今後のSEO対策をおこなう方向性を知るためにも早速、内容を確認してください。
1.セキュリティ
企業のIT利用が進むに伴い近年では、海外からのサイバー攻撃などセキュリティ問題が急浮上しています。特に、セキュリティ意識が低い日本の企業はターゲットとなりやすいです。
また、個人においても、フィッシング詐欺や悪用マルウェアなどが横行しています。こういった脅威に備えてセキュリティサービス関連のソフトとウェアは年々着実に注目度がアップすることが予想されます。そこで今から、セキュリティ関連のキーワードを中心にSEO対策に取り組んでください。具体的には「サイバーセキュリティ クラウド」「サイバーセキュリティ AI」「サイバーセキュリティ 調査」などが考えられます。
2.生産性向上ソフト
ガートナージャパン株式会社によると、日本のIT支出額は2022年から4.7%増の28兆5,344億円に達すると予想されており、企業はこれからも積極的にIT関連の支出を続けていくものと考えられます。
そもそも、ITツールを利用した生産性向上は、人口減少が続く日本の企業にとって業種を問わず、差し迫った課題なのです。そこで各社こぞってCRMなどのよりよい生産性向上ソフトウェアを常に探しています。そこで、こういった関連キーワードに対して、今後SEO対策をしっかりおこなう必要があります。具体的なキーワードとしては「CRM 比較」「工数管理ツール」「業務管理ツール」などが考えられます。
参考ページ:Gartner、日本における2023年のエンタプライズIT支出の成長率を4.7%と予測
3.財務・会計ソフト
近年、WEB会議、社内SNS、タスク管理などのコラボレーションツールや、MAなどのマーケティングツールが多くの注目を集めています。こういったツールはこの数年間で急激に注目度が上がっているものです。
一方、長く安定した需要があるのは「財務・会計ソフト」のような古くからあるソフトウェアです。流行の影響を受けずに常に一定の需要を保っているため、財務・会計ソフトに関連するキーワードで検索エンジンの上位にランクインすれば、毎年確実な安定集客に結びつきます。
ソフトウェア業界のSEO対策
ソフトウェア業界は主に次の2つのビジネスモデルが存在します。1つ目は、他社からの注文を受けて、その要望に合わせたソフトウェアを開発する受注開発事業。もう1つは、一般企業や個人に向けにソフトウェアを開発・販売するパッケージソフトウェア事業です。どちらのビジネスモデルなのかによってSEO対策の重要ポイントが異なります。
| ビジネスモデル | 詳細 |
| 受託開発型 | 外部企業の注文を受けて顧客の要望に合わせたソフトウェアを開発する事業 |
| パッケージソフトウェア型 | 一般企業や個人向けにパッケージ化されたソフトウェアを開発・販売する事業 |
特定キーワードに特化した対策
受注開発型ビジネスにおいては、顧客基盤がほぼ100%企業であるため、コンバージョンにつながるキーワードの範囲が限定されます。一般的な消費者向けビジネスとは異なり、広範なキーワードを用いたアプローチよりも特定のキーワードに特化した戦略が有効です。
また、このような特化型アプローチの場合、コンテンツ戦略も変わります。例えば、オウンドメディアを運営する際には、そこまで大量の記事制作を必要としないかも知れません。代わりに、ターゲットとなる企業の関心を引きつけ、その特定のニーズに対応する質の高い専門的なコンテンツ記事作成に重点をおくなどの戦略が考えられます。
このような形で高品質なコンテンツを提供し、検索エンジンでの評価を高めることが可能です。また、専門性の高いコンテンツは、ターゲットとなる企業にとって有益な情報源となり、自社の信頼性と権威を築くことにも役立ちます。
指名検索を重視
パッケージソフトウェア型のビジネスモデルの場合、SEO対策として指名検索に注目してください。なぜなら、顧客が特定のソフトウェア名を直接検索する傾向があるためです。多くの場合、顧客はソフトウェアの具体的なカテゴリーや分類名、たとえば「会計ソフト」や「業務効率化」などを正確には認識していないことがあります。その代わりに、特定の製品名やブランド名を覚えていることが多いものです。そのため、商品名、ブランド名のSEO対策が必須です。
また、指名検索されることを見越して、そもそもの製品名を独特で記憶に残りやすいものにしておく戦略も考えられます。こうすることにより指名検索のハードルが下がり、対策をとりやすくなります。
ソフトウェア業界のSEOで注意すべきこと
ソフトウェア業界のSEO対策を進める際には、いくつか注意点があります。これらの注意点を守って対策をおこなうようにしてください。
ユーザーレビューの重視
ソフトウェア業界のSEOでは、ユーザーレビューを重視するようにしてください。なぜなら、多くの顧客はソフトウェアを購入する際に、実際のユーザーの評価や体験談を参考にする傾向にあるからです。したがって、自社のWEBサイトに顧客の肯定的なレビューや評価、ケーススタディを掲載するようにします。このように顧客が求める情報をWEBページに掲載することで、上位表示や最終的なコンバージョン率の向上に役立ちます。
商品ページの最適化
注意すべきことの2つ目は、商品紹介ページでもSEO対策をおこなうことです。というのも、顧客はソフトウェア製品の購入をオンラインでおこなうことが増えてきたためです。そのため、商品紹介ページが検索エンジンで上位にランクされることは、コンバージョンを増やすうえでも重要です。
商品紹介ページには、ソフトウェアの特徴、メリット、技術的仕様、価格、使用例、顧客のレビューなど、顧客が求める情報を網羅的に掲載してください。これらの情報を整理し、キーワードを最適化することで、検索エンジンからの評価を高めることができます。
無料試用版ページ
3つ目の注意点は、無料試用版ページの作成をすることです。多くのユーザーは、購入を決断する前にソフトウェアの無料試用版を試したいと考えます。なぜなら、製品の機能やユーザーインターフェースを直接体験することで、実際に購入する価値があるかどうかを確認したいというニーズがあるためです。そのため、基本的には無料試用版を提供する専用ページがあると有効です。SEO対策では「商品名＋試用版」といったキーワードでの対策をおこなってください。
また、仕様版を求めている顧客は将来、購入にいたる可能性が高く、検索数が少ない場合でも非常に価値の高いターゲットといえます。
ソフトウェア業界SEOのよくある質問
ここでは、ソフトウェア業界のSEOについてよくある質問についてお答えします。
Q:コンテンツマーケティングではどのような記事が良い？
Answer）ソフトウェア業界でコンテンツマーケティングをおこなう際に効果的な記事は次のとおとりです。
ハウツーガイド
ソフトウェアの使い方やベストプラクティスを示すステップバイステップのガイド。既存の顧客に価値を提供し、潜在的な顧客に製品の有用性を示すことができます。
ケーススタディ
顧客が製品を使用してどのような問題を解決したか、またはどのような成果を達成したかを詳細に紹介する記事。これは信頼性と説得力を高めます。
業界のトレンド
業界の最新トレンド、統計、未来予測に関する知見を提供することで、ブランドを業界リーダーとして位置付けることができます。
比較記事
競合他社の製品と比較をおこない、自社製品のユニークな機能やメリットを強調します。客観的かつ公平な比較をおこなうことが重要です。
Q:商品ページで気をつけることは？
Answer）ソフトウェア業界のWEBサイトにおける商品説明ページでは、簡潔でわかりやすい言葉を用いることが重要です。専門用語の多用は、特に技術的な知識を持たないユーザーにとっては理解が難しいです。商品の特徴やメリットを平易な言葉で説明するようにしてください。
また、動画や画像を用いることで、テキストだけの説明では伝わりにくいソフトウェアの使用感やインターフェースをイメージしてもらうことができ、ソフトウェアの魅力をより深く知ってもらえます。
Q:SEOと併用すべき集客方法は？
Answer）ソフトウェア業界ではSEO対策に加えて、SNSのインフルエンサーを活用する戦略が効果的です。TikTokやYouTubeなど、特定のプラットフォームで影響力を持つ人物（インフルエンサー）を通じて、自社製品やサービスを宣伝してもらいます。
インフルエンサーは、自分のフォロワーと強い信頼関係を築いているため、彼らの推奨は高い説得力を持ち、製品の購入に結びつきやすいです。このようなインフルエンサーを活用したマーケティングは特定のニッチ市場に直接アプローチできるため、有料広告よりも効果的な場合があります。
参考ページ: マイクロインフルエンサーとは?起用するメリットと依頼方法を解説
まとめ
この記事では、現代のソフトウェア業界のトレンドを踏まえたSEO戦略から、実際の対策方法にいたるまでを詳細に解説しました。重要なのは、ターゲットに合わせたキーワード選定、ユーザーフレンドリーなコンテンツの提供、そして商品説明ページや無料試用版ページの最適化です。また、SEOと併せてインフルエンサーの活用やコンテンツマーケティングの展開も検討してください。複数の戦術を組み合わせることで、ソフトウェア業界での自社の競争力を高めることに結びつきます。
この記事の監修者
日本大学法学部卒業、広告代理店で12年間働いている間、SEOと出会い、SEO草創期からSEO研究を始める。SEOを独学で研究し100以上のサイトで実験と検証を繰り返しました。そのノウハウを元に起業し現在、11期目。営業、SEOコンサル、WEB解析（Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持）コーディング、サイト制作となんでもこなす。会社としては今まで2000以上のサイトのSEO対策を手掛けてきました。
