サイトの表示スピードが遅い理由と改善方法
サイトの表示スピードとは、URLへのアクセスからブラウザを表示するまでの時間のことです。WEBページの検索順位を上げ、会社の売上を伸ばすために大きく役立ちます。SEOにおいてサイト表示スピードは重要です。
表示スピードによってはユーザーの満足度を高め、離脱の防止やファンの獲得が期待できるため、多くの企業が表示時間への対策をおこなっています。競合他社に負けないよう自社サイトの改善は必須です。
WEBサイトの表示スピードが重要である理由
ユーザーがWEBサイトを閲覧する際、表示速度は非常に気になる要素です。表示スピードが速いと、売上アップや顧客のファン化につながり、サイト自体にプラスの効果があります。重要性を把握することで、表示スピードへの意識が変わるはずです。
主な理由は以下の3点です。
- サイトからの離脱を防止できる
- SEO対策につながる
- CVRの向上が見込める
サイトからの離脱を防止できる
サイトの表示速度が遅いと、ユーザーが離脱する確率は高くなります。多くの方ができる限り早く情報を手に入れたいと考えているため、表示速度が遅いと、待ちきれずにサイトから離脱してしまうはずです。
離脱が増えることにより競合にユーザーを取られてしまうというデメリットもあるため、離脱率は極力抑えることが必要です。表示速度を速くすることで離脱の防止につながります。
SEO対策につながる
表示スピードは検索順位にも影響を与えるため注意が必要です。サイトのランキングは検索アルゴリズムによって決まります。アルゴリズムには「スピード・アップデート」といったものもあるため、表示速度の速さがランキングに影響を与えることは間違いありません。
ほかのSEO対策としては、コンテンツの質を高めること、信頼性を明示することなどが挙げられます。SEO対策をおこない、検索順位を上げることで閲覧者数を増やすことが、企業の売上アップに重要です。
CVRの向上が見込める
表示スピードはCVR(コンバージョンレート)にも影響を与えます。CVRとはサイトへのアクセス数のうち、商品を購入するまでにいたった割合のことです。
アプローチの質が高くてもサイトの表示速度が遅いと、顧客が競合他社のサービスへと流れてしまう可能性は高いです。そうなってしまうと会社のCVRが下がるだけでなく、売上の低下にもつながります。企業成長のためにもWEBサイトの表示スピードを高め、CVRの向上を目指すべきです。
WEBサイトの表示スピードを確認できるツール
自社サイトの表示がどれくらいのスピードであるかの把握は必須です。表示速度を確かめることでサイトの改善が可能であり、CVRの向上や離脱の防止につながります。
表示スピードを確認できるツールは以下の5つです。
- Page Speed Insights
- Google Analytics
- Lighthouse
- Gtmetrix
- Test my site
Page Speed Insights
Page Speed Insightsはサイトの表示速度の確認だけでなく、スピードを向上させるための施策も明らかになるツールです。測定したいページのURLを入力すると、スコアが表示されます。
点数は0から100のいずれかで表されるため、速度レベルが分かりやすいです。PCやスマホといったあらゆるデバイスでWEBページ読み込みの時間を短くできます。
Google Analytics
Google Analyticsとは無料で使用できるアクセス解析ツールです。主にアクセス状況を明確にする便利なツールとして多くの企業から支持を集めていますが、表示速度の測定もできます。赤色と緑色のグラフで結果が表示されるので、見やすくわかりやすいです。
Lighthouse
Google Chromeで起動するLighthouseもサイトの表示スピードを確認できます。ツールを起動させるには特定のキーを入力する必要があり、Macの場合だとcommand + option + i、Windowsの場合だとctrl + shift + Iのショートカットキーを入力することで利用が可能です。
なお、Lighthouseの機能だけであればGoogle Chromeのアドオンでも入手可能です。
GTmetrix
GTmetrixは無料でWEBサイトの表示速度を計ることのできるツールです。さまざまな分析機能があり、スマホの最適化の分析もできます。
結果はスコアで表されますが、数値にこだわらず、実際の表示スピードを上げることに意識を向けるべきです。有料ですがモバイルでもGtmetrixを利用することができます。
Test my site
Test my siteはGoogleが提供している、サイトの表示スピードを確認できるツールです。サイトのドメインを画面に入力することで速度を測定することができ、修正点も教えてくれます。測定結果のレポートを作成することにより、複数人での情報共有が可能です。
問題点を把握できるツール
結果に直結していない部分を改善しても効果はなく。時間や労力の無駄につながります。改善には資金や人材が必要になるため、多くの会社が無駄な作業を避けたいはずです。
効果的な改善をするためにも、的確に問題を把握する必要があります。スムーズにWEBサイト上の改善点を把握できるツールが以下の2つです。
- Page Speed Insights
- Google Search Console
- SE Ranking
Page Speed Insights
Page Speed Insghtsはサイト表示スピードを測定するだけでなく、サイトの問題点を把握することも可能です。Googleから指摘された点を改善することで、表示速度を上げることができます。
改善点1つ1つには時間の短縮具合が数値として表示されるため、修正することでどれくらいスピードが上がるかの把握ができます。改善点はレベル別に色で表示され、特に赤色が改善した方が良い内容です。
Google Search Console
表示速度の改善点を明らかにするツールの1つとして挙げられるのがGoogle Search Consoleです。Googleが提供しているものであり、主にインターネット検索の分析に使用されています。
キーワードが表示された回数やランキングを閲覧できる機能の他に、WEBサイトが抱えている問題点を指摘し、改善するべき箇所を明らかにする機能もあります。メニュー欄にある「ウェブサイトに関する主な指標」をクリックすると改善点の把握が可能です。
SE Ranking
SE Rankingを利用すると、一括でWEBページの改善点を確認できます。利用可能な機能として競合分析やWebサイトの順位計測などが挙げられ、SEOに関する的確なアドバイスを受けることもできるため、利用者の数は多いです。
利用するためには料金がかかり、毎月の支払いが必要です。しかし、機能は充実しているので有料でも利用する価値はあります。
WEBサイトの表示スピードが遅い原因
表示スピードが遅いことには何かしらの原因があると思いますが、その遅い原因が分からなければ改善することができません。より良いサイトにするためにも原因を細かく把握する必要があります。
サイトの表示速度が遅い原因は以下の3点です。
- 画像圧縮をしていない
- 外部ファイルとコンテンツが重い
- 効果測定のタグが多い
- Javascriptなどのプログラムを多用している
画像圧縮をしていない
ページの表示が遅くなる原因として多いのは、画像の容量が大きいことです。容量が大きいと読み込みに時間がかかってしまうので、サイトの表示が遅くなってしまいます。
多くのWebサイトが画像の圧縮をおこなっていないため、画像データの容量には十分に気を付けるべきです。
外部ファイルとコンテンツが重い
WEBページを開く際、ファイル間で通信がおこなわれます。CSSやJavascriptといった外部ファイルの数が多い分、通信の回数は増加し、サイトの表示スピードが遅くなる仕組みです。
また、WEBページは文字や色、画像などさまざまなコンテンツで作成されています。PCやスマホなどあらゆるデバイスでコンテンツが表示されるよう対策してあるため、サイズが大きくならないようコンテンツの重さには注意が必要です。
効果測定用のタグが多い
効果測定用のタグを使用しすぎてしまうと、WEBサイトの表示スピードは低下します。測定用のタグとは、アクセス数や広告の効果を計測するものです。データを分析するのは良いことですが、できる限りタグの使用を控えるべきです。
Javascriptなどのプログラムを多用している
Javascriptはブラウザを動かすことに長けており、アニメーションのようにテキストや画像に動きを付けることが可能です。自由に演出を考えることができますが、その分ファイルの容量が大きくなり、表示スピードにも影響を与えます。
特に動きの多いWEBサイトは表示にかかる時間が増加するだけでなく、ユーザーの見やすさにも悪影響を及ぼすため注意するべきです。
WEBサイトの表示スピードを改善する方法
WEBサイトの原因が明らかになっていても、改善する方法が分からなければ対応することができません。より良いサイトにするためにも改善方法を把握する必要があります。
表示スピードを改善する方法は以下の6つです。
- ファイルの縮小・軽量化
- ブラウザキャッシュを活用する
- HTML、CSS、Javascriptを縮小する
- 画像のサイズを最適化する
- サーバー環境の見直し
- サーバーの性能を高める
ファイルの縮小・軽量化
ファイルは表示速度が遅くなる原因の1つであるため縮小し、軽量化すると良いです。HTMLやCSS、Javascriptといった外部ファイルの数が多いと通信回数が重なり、表示スピードが遅くなります。
ファイルを軽量化することで速度は速くなりますが、利用しない外部ファイルは消去した方が良いです。
ブラウザキャッシュを活用する
WEBサイトの表示速度を向上させるには、ブラウザキャッシュを活用すると良いです。ブラウザキャッシュとはサイトのデータをブラウザへ保存する技術であり、サイトの表示を早くすることができます。
一度読み込んだページを一時的に保存しておくことで、再度同じものを見ようとした際、受信データを軽くできるという仕組みです。そのため、サーバーサイドはキャッシュ設定をおこなう必要があります。
HTML、CSS、Javascriptを縮小する
HMMLやCSS、Javascriptのコードに含まれる余分なスペース、改行などは容量を大きくしてしまう原因です。必要でない要素を取り除くことでファイルを圧縮することができ、表示スピードの向上が期待できます。
HTMLにはPage Speed InsightsのChrome拡張機能、CSSにはYUI Compressorといったように、言語に合わせた圧縮ツールがあるためうまく活用するべきです。
画像のサイズを最適化する
画像のサイズによって表示速度は変化します。サイズが大きいと画像の読み込みに時間がかかり、そのことにイラつきを感じてしまう方がいるかもしれません。サイズを縮小することでブラウザ表示までの時間は短縮されるので、画像サイズの最適化は重要です。
サーバー環境の見直し
WEBサイト上に問題が見られない場合は、サーバー環境の見直しをすると良いです。サーバー環境も表示速度に影響を与えてしまうことがあります。特にサーバーを共用していると、複数のサイトでサーバーを共有することになるのでサイトの表示に時間がかかります。
サーバー環境を見直しても表示速度に変化がない場合は、サーバーの性能やスペックを向上させると良いです。ただし、新しいものへと切り替える前には、CPUと回線速度を確認する必要があります。
まとめ