SEOエンジニアになるには?SEOエンジニアの業務内容と必要なスキル
SEOエンジニアになるには、どのようなSEOのスキルが必要なのかを知りたい方は多いのではないでしょうか。
SEOエンジニアに必要なスキルはある程度決まっていますが、職場環境によってはより多くのスキルが求められることもあります。
SEOエンジニアとは
SEOエンジニアとは、検索エンジンの最適化が主な業務のWEBエンジニアのことです。
SEO対策の観点から問題点や改善点を洗い出し、WEBエンジニアの技術でサイトの設計や制作に携わり上位表示を目指します。企業のSEO対策への関心は年々高まっており、SEOエンジニアの人材を求めている企業も少なくありません。
SEOエンジニアのスキルで企業に利益をもたらすことができれば、自身のキャリアアップにも大いに役立ちます。
SEOエンジニアの業務内容
SEOエンジニアになるには、SEOエンジニアの業務を滞りなく遂行できるスキルが必要です。ここでは、SEOエンジニアの業務内容について解説します。
Googleのアルゴリズム研究
SEOエンジニアの業務の中でも最も重要なのが、Googleのアルゴリズムの研究です。
Googleはサイトの評価基準をアルゴリズムに組み込み、そのアルゴリズムを元に検索順位を決定していますが、アルゴリズムの詳細は公開されていないため正解は誰にも分かりません。
そのため、サイト運営者は自身でアルゴリズムを解析する必要がありますが、その時に求められる人材がSEOエンジニアです。
SEOエンジニアには検索結果からGoogleのアルゴリズムを読み解き、サイトに反映して上位表示を達成することが求められます。
Googleに最適化されたサイトの設計と作成
Googleに最適化されたサイトの設計と作成も、SEOエンジニアの主要な業務の1つです。
SEOエンジニアは、Googleがウェブマスター向けガイドラインで公開しているGoogle推奨のサイト設計に沿ってサイトを作成します。
SEOエンジニアが、サイトの設計や作成で取り組むのは主に次の2点です。
- Googleがページを検出できるようにするための施策(サイトマップファイルの作成など)
- Googleがページを理解することを助ける(構造化データの生成など)
SEO対策の効果検証
実施したSEO対策の効果検証も、SEOエンジニアの重要な業務です。
Googleのアルゴリズム研究で得た知識や仮説を元にSEO対策を施し、その後の順位の推移を確認しながら施策の効果を検証します。
SEOエンジニアは検証と改善を繰り返しつつ、最終的には担当するサイトを検索結果の上位に表示させなければいけません。
SEOツールの開発
SEOエンジニアは、SEOツールの開発にも携わります。Googleのアルゴリズムの研究とSEO対策の効果検証を全て手作業でこなすのは現実的ではありません。
そこで、SEOエンジニアはアルゴリズム研究に欠かせない競合サイトの調査やSEO対策の効果検証を自動で行うSEOツールの開発にも従事します。
SEOツールがあれば、SEOエンジニア以外のスタッフもSEO対策を効率化できるなどメリットは多いです。
SEOエンジニアとSEOコンサルタントの違い
SEO対策に携わる業種の1つに、SEOコンサルタントがあります。
SEOコンサルタントの業務は検索エンジンのアルゴリズム研究やSEO対策の効果検証など、SEOエンジニアと共通する部分も多いです。
SEOコンサルタントがSEOエンジニアと異なるのは、あくまでもコンサルタントがメインな点です。SEOコンサルタントはSEO対策はもちろん、コンバージョン率を上げる方法など利益を上げるための提案や改善策を求められることもあります。
一方、Googleに最適化されたサイトの設計やSEOツールの開発といったシステム構築に携わることはほとんどなく、その業務をSEOエンジニアが担います。
SEOエンジニアとWEBディレクターとの違い
SEOエンジニアと同じくWEBサイトに関わる仕事に、WEBディレクターがあります。
WEBディレクターの業務内容は、クライアントの意向を正確に理解し、編集やライター、デザイナー、コーダー、SEOエンジニアなどサイト作成に関わる全ての担当者と相談しながら、プロジェクトがスムーズに進行するように舵取りすることです。
トラブルの対処もWEBディレクターの仕事で、高いコミュニケーション能力やマネジメント能力が必要とされます。
逆に、WEBディレクターがSEOエンジニアのようにシステムを構築することはありません。WEBディレクターは現場監督で、SEOエンジニアは制作スタッフといった位置づけです。
SEOエンジニアに役立つスキル
SEOエンジニアの業務内容とSEOコンサルタントやWEBディレクターとの違いは上記の通りですが、SEOエンジニアとして就職した会社によってはSEOエンジニア以外のスキルを求められることもありえます。
SEOエンジニアが身に付けておくと役立つスキルとしては、以下の5つのスキルがあげられます。
- コーディング
- WEBデザイン
- UI/UX設計
- CMS構築
- サーバーサイドの言語や知識
それぞれのスキルについて解説していきます。
コーディング
コーディングは大手のSEO会社であればマークアップエンジニアが担当する業務ですが、スタッフ数が少ない会社ではSEOエンジニアが担当することもあります。
また、SEOエンジニアはGoogleに最適化されたサイト設計で構造化データを生成したりサイトを構築したりしますが、これらの業務を遂行するにはコーディングの知識が必要です。
SEOエンジニアがコーディングできて損をすることはないので、基本的な知識は身につけておきましょう。
WEBデザイン
会社によってはSEOエンジニアがWEBデザインに関わることもありえます。
サイトのゴールは、優れたデザインのサイトにするだけではなくコンバージョンを増やし利益を上げることです。そのため、サイトにはデザインの良さはもちろん、検索エンジンに評価され露出を増やす施策を施す必要があります。
その際に、SEOエンジニアがSEOの観点からWEBデザインへの参画を求められるかもしれません。
より検索エンジンに最適化されたサイト構築のために、ユーザビリティの良し悪しがSEOに影響する可能性があるWEBデザインの知識(コントラスト比など)は持ち合わせておいた方がいいでしょう。
UI/UX設計
これはWEBデザインにも関係する点ですが、UIやUX設計の知識もSEOエンジニアが持っておいて損はないスキルです。
例えば、一見すると凝ったデザインで魅力的なサイトでも、ユーザーがどこにどのコンテンツがあるのかを理解できないと離脱率が高くなり、SEOに悪影響を及ぼしかねません。
ユーザーがストレスなくサイトを利用できるUI/UX設計にし、担当するサイトが検索エンジンから高い評価を得ることができれば、SEOエンジニアとしての実績にもつながるでしょう。
CMS構築
CMS構築も、WEBエンジニアが身に付けておくべきスキルです。
また、数あるCMSの中でも特にWordpressについて深く理解しておくといいでしょう。
2021年8月時点における世界のCMSシェアを見てみると、Wordpressは65.2%と他のCMSを圧倒しています。また、世界のWEBサイトのうち42.4%がWordpressで作成されていることからも、WEBサイトに関わるならWordpressを扱えることは必須の条件とも言えます。
WordPressはCMSのトップシェアなだけあり、トラブルシューティングも含めて情報はWEB上に溢れています。また、エンジニアのスキルをWordpressの運用に活かせる場面も多いため、Wordpressのスキル獲得はそこまで難しくはないでしょう。
参考記事: Usage statistics of content management systems
サーバーサイドの言語や知識
SEOエンジニアがサーバーサイドの言語や知識を持っていることによるメリットは大きいです。まず、WordpressをはじめとしたCMSはPHPやPerlといったサーバーサイドの言語で構築されています。
これらの言語を扱えれば、クライアントやチームの要望に合わせてCMSを自在に構築できるのはもちろん、サーバーサイドエンジニアやWebディレクターとのスムーズな意思疎通が可能になるのもメリットです。
また、SEOエンジニアがサーバーサイド言語を習得していることで、キャッシュなどを活用してサーバーに負担をかけずにデータベースから情報を取得でき、SEOの必須条件であるサイトの高速化にも役立てることができます。
以上の点から、SEOエンジニアはサーバーサイド言語もぜひ習得しておきたいところです。
SEOエンジニアが身に付けておくべきSEOの基礎知識
SEOエンジニアの業務内容や持っていると役立つスキルは上記の通りですが、SEOエンジニアがSEOの知識を持っていることは大前提です。特に次の4つの知識に関しては、持ち合わせておくべき基礎知識と言えます。
- Googleの理念
- 内部SEO対策
- 外部SEO対策
- コンテンツSEO
ここでは、SEOエンジニアが身に付けておくべきSEOの基礎知識について解説します。
Googleの理念
SEO対策を行うにあたり、Googleの理念を理解しておくことは非常に重要です。Googleは、その理念がGoogle検索結果に正しく反映されるようにアルゴリズムを改良し続けているからです。
Googleの理念は、https://about.google/intl/ja/philosophy/に10の事実として掲げられています。
中でも、SEOエンジニアが特に意識しておかなければいけないのは「ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。」という理念です。
この理念が最初にあることからも、Googleがユーザーファーストを最も重視していることは間違いありません。
SEOエンジニアとしてSEO対策する際は、その対策が本当にユーザーのためになるのかを常に自問しながら進めるように心がけましょう。
内部SEO対策
Googleの理念を理解したら、その理念に沿うSEO対策を施していきます。内部SEO対策として、次にあげるような項目をおさえておくことが大切です。
- SSL化
- クロールしやすいサイト設計
- ページの表示速度
- 構造化データ
- パンくずリスト
ここでは、内部SEO対策の基礎知識について解説します。
SSL化
SSL化は必須の内部SEO対策です。
Googleは、2014年にランキング決定の要因の1つとしてアルゴリズムに組み込んでいます。高品質なコンテンツなどに比べるとウェイトは小さいものの、SSL化していないサイトよりも検索順位が高くなる可能性が高くなります。
またChromeなど一部のブラウザでは、SSL化していないWEBサイトにアクセスしようとすると警告が表示されます。
警告を見て不安を感じ、ページにアクセスすることなく検索結果に戻ってしまうユーザーが増えるため、離脱率の上昇や機会損失などデメリットが大きいです。
サイト運営を始めた後にSSL化するのは工数がかかるため、SSL化はサイト構築時に済ませておきましょう。
クロールしやすいサイト設計
Googleがクロールしてインデックスできるサイトの構築も、SEO対策の基本です。
サイトの規模が大きくなると、Googleにインデックスさせる必要がないページをrobots.txtに記述する機会もありますが、誤って記述すると重要なページがインデックスされない事態も起こりえます。
robots.txtを編集する際は、意図せずGoogleのクローラーのクロールを拒否することがないように注意しましょう。また、GoogleのSearch Consoleでレンダリングして、コンテンツがクローラーとユーザーで同じように見えているか(コンテンツが正常に表示されているか)の確認も必須です。
ページの表示速度
ページの表示速度は、SEOの重要な要素です。
Googleは2018年にスピードアップデートを実施し、ページの表示速度がランキング決定要因としてアルゴリズムに組み込まれました。
ユーザー満足度を高めGoogleに評価されるためにも、自サイトの速度を客観的に把握し改善していく必要があります。
構造化データ
構造化データは、Googleがページ内容を理解する手助けになるデータ形式です。
また、構造化データを正しく記述することでタイトルとURL、メタディスクリプション以外の様々なデータが検索結果上に表示されることもあります。
これをリッチリザルトと呼びますが、自サイトがリッチリザルトで表示されると、検索結果で競合サイトよりも多くの情報を伝えることができクリック率の向上が見込めるため、積極的に取り入れていきたいところです。
パンくずリスト
パンくずリストも構造化データの1つで、SEO対策では必須です。
パンくずリストを設置しておくと、Googleのクローラーが自サイトの全体像を効率よくクローリングでき、サイトの全体像を把握しやすくなります。
また、ユーザーが記事からカテゴリーやトップページに1クリックで遷移できるなどユーザビリティの向上にもつながり回遊率も高くなるなど、SEOの効果が期待できます。
パンくずリストは、Googleが推奨・サポートするボキャブラリー(schema.org)とシンタックス(JSON-LDやRDFaなど)を使用しましょう。
外部SEO対策
外部SEO対策も、自サイトを上位表示させるためには必要です。
外部SEO対策とは被リンク獲得のための施策で、いかに他のページから多くのリンクをもらうかが重要になります。なお、以前は低品質なサイトからのリンクでもSEO効果がありましたが、現在は高品質なサイトからの被リンクしか評価されません。
具体的な対策としては、自社以外のサイトから被リンクを獲得する方法の他に、自社でメインサイトにリンクを送ることを目的とした高品質なサテライトサイトを構築する選択肢もあります。
コンテンツSEO
コンテンツSEOとは、ユーザーのニーズを満たすコンテンツを継続的に公開し検索上位表示を目指すSEO手法です。
現在のGoogleのアルゴリズムではコンテンツの内容が特に重視されるため、SEO対策も高品質なコンテンツの作成がメインとなります。
コンテンツSEOと並行して、内部SEOと外部SEOも同時進行していく形でSEO対策を進めていきましょう。